【ほんタメ】あかりんが紹介した本 514作品【小説・エッセイ】

あかりんオススメ
ぜんよみ
ぜんよみ

読書好きの皆さん、こんにちは!
YouTubeチャンネル「ほんタメ」ファンのハードカバーです

いつも ほんタメ を楽しみにしている方なら、動画をきっかけに「この本、読んでみたい」と心が動いた経験がきっとあるはず。
あの熱量ある語りに触れると、新しい一冊との出会いがぐっと身近になりますよね。

私自身もいちファンとして動画を追いかける中で
「紹介されていた本をあとから見返したい」
「気になった作品をすぐ探せるようにしたい」
と感じるようになりました。

そこでこのブログでは、これまでに紹介された本を振り返りながら、探しやすい形でまとめています。

この記事では、

「ほんタメ」スタートからあかりん発信で紹介した小説・エッセイ・歌集にジャンルを絞り、“ものがたり”や筆者の感性にじっくり触れられる作品を中心にピックアップしています。読後に余韻が残るような一冊や、言葉そのものを味わいたくなる作品に出会えるラインナップです。

「次に読む本を探したい」「あのとき気になった一冊をもう一度見つけたい」

――そんなときの手がかりとして、このまとめが少しでも役に立てば嬉しいです。ぜひゆっくりご覧ください📚

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あかりん紹介 2026年:38作品

ぜんよみ
ぜんよみ

2026年にあかりんが動画で紹介した作品は現在38作品です

今後もどんな作品が登場するか楽しみですね!

絶対読んでほしい、おすすめ10冊を紹介します【2026年4月】

♡🐳🍰あかりんの最近読んだ10冊🍰🐳

家族のあたたかさにふっと心がゆるむ本、世界の見え方が少し変わるようなSFやホラー、そして言葉の余韻にひたれる歌集まで、今回もジャンルはさまざま。けれど並べてみると、「命のつながり」「人の感情」「誰かと生きること」といったテーマがゆるやかに通っていて、読み終えたあとにじんわり何かが残るラインナップでした。

笑えるもの、ぞくっとするもの、しみじみ沁みるものまでそろっているので、「次に読む1冊」を探している方にもおすすめです。

『家族コント』岩崎 う大

▶ 尖った芸人のイメージがほどける、“家族愛”たっぷりのじんわりエッセイ

カモメンタル・岩崎う大さんが、自身の家族との日々をつづったエッセイ。ストイックで少し近寄りがたい印象のあるう大さんですが、本書では奥さんや子どもたちへのまなざしがとてもやわらかく、意外なほど愛情深い一面が見えてきます。
売れていなかった時代のこと、家族になっていく過程、子どもの学芸会を“演出家目線”で見てしまう話など、どのエピソードもユーモアたっぷり。家族ものとしてほっこり読めるのに、ところどころ視点が独特で、ちゃんと“コント作家らしさ”も感じられる1冊です。

『博士とマリア』辻村 七子

▶ 世界沈没後の医療現場を描く、やさしさと苦さの同居した近未来SF

舞台は24世紀、温暖化と海面上昇が進み、安全に暮らせる人も医療を受けられる人も限られた世界。そんな時代に、偏屈な医師と助手ロボット・マリアⅡが、古びたクリニック船で人々を診ていく連作短編集です。
身体改造を望む人、美しさに執着する人、ジェンダーギャップを乗り越えたいと願う人――未来の物語なのに、描かれている悩みは今の私たちとも地続き。読みやすいSFでありながら、医療や社会のあり方、人間の欲望まで考えさせられる作品です。

『短編小説新人賞アンソロジー』

▶ “受賞時の原石”に出会える、短編好きにはたまらない贅沢アンソロジー

コバルトオレンジ文庫の「短編小説新人賞」歴代受賞作から、12編を厳選して収録したアンソロジー。選評つきで読めるので、作品だけでなく“なぜこの短編が光ったのか”まで味わえるのが魅力です。
すでに活躍している作家のデビュー前後の作品も読めるため、ファンにとってはうれしい1冊。短編ならではの切れ味や、作家ごとの個性の違いも楽しく、気になる名前がある人ほど手に取りたくなる内容です。新人賞作品をまとまって読める貴重さも大きなポイント。

『美しい星』三島 由紀夫

▶ “我々は宇宙人である”という大真面目さが癖になる、異色の思想SF

ある日、一家そろって「我々は宇宙人である」と自覚した家族を描く、三島由紀夫の異色作。重厚で難解なイメージを持たれがちな三島作品の中でも、これはびっくりするほど設定がユニークで、思わず引き込まれてしまうSF小説です。
宇宙人として人類をどう見るのか、人類は救うべきか、それとも――というテーマが、どこかコミカルなのに真剣に展開していきます。奇抜な設定の面白さだけでなく、“人間とは何か”を別の視点から考えさせられるのも魅力。三島作品の入口としても面白い1冊です。

『嵐の中で踊れ』一木 けい

▶ 災害が暴く“会いたくなかった人間関係”を描く、ヒリヒリ系群像劇

嵐による避難で、できれば二度と顔を合わせたくなかった相手たちと同じ場所に閉じ込められてしまう――そんな状況から始まる群像劇。元恋人、気まずい相手、忘れたかった過去。避難所という逃げ場のない場所で、それぞれの感情が少しずつあふれ出していきます。
設定だけで一気に惹き込まれますが、面白いのはその先。複数の人物の視点から描かれることで、気まずさや後悔、未練が何重にも立ち上がり、読みながらずっとヒヤヒヤ。最悪な状況の中で、それでも少し希望が見えるラストも印象的な1冊です。

『とんかつ屋のたまちゃん』安藤玉恵

▶ 商店街と家族の記憶がぎゅっと詰まった、昭和の匂いがするエッセイ

俳優・安藤玉恵さんが、自身の実家である東京・尾久のとんかつ屋をめぐる思い出をつづった家族エッセイ。おばあちゃん、お父さん、お母さん、おじいちゃん、そして商店街の人たち――登場する人たちがみんな濃くて、にぎやかで、愛おしい。
どこか朝ドラのようなあたたかさがあり、読んでいるだけでその場の空気やにおいまで立ち上がってくるよう。家族に近い人だからこそ書ける、チャーミングで少し切ない思い出話が詰まっています。軽やかに読めて、最後にはじんわり心があたたかくなる1冊です。

『天国さよなら』藤宮若菜

▶ 映画のワンシーンみたいな余韻が残る、みずみずしい歌集

1995年生まれの歌人・藤宮若菜さんによる歌集。短い言葉の中に感情や風景が凝縮されていて、読んでいるとまるで映画の場面を切り取ったようなイメージが広がります。
恋愛や日常の延長にあるさみしさ、やわらかさ、少しの痛みが、静かで美しい言葉で描かれていて、どのページにも“エモさ”が漂う作品。表紙やタイトルの雰囲気に惹かれて手に取った人にも、きっとその空気感ごと刺さるはず。歌集にあまりなじみがない人にもおすすめしたい1冊です。

『彼女たちは楽園で遊ぶ』町田 そのこ

▶ 友情と恐怖が絡み合う、青春×ホラーの新境地

北九州の山あいの町を舞台に、消えてしまった友人を取り戻そうとする女子高生たちの姿を描く青春ホラー。主人公の親友は、新興宗教の施設へ家族ごと入ってしまい、その周囲では不審な死や異様な出来事が続いていきます。
目を奪われるようなショッキングな描写もあり、怖さはかなり本格的。それでも物語の土台にあるのは、少女たちの友情や、大人に抗おうとする切実さです。怖いだけでは終わらない、人と人との結びつきがきちんと描かれているところに、町田そのこさんらしさが光ります。

『涙の箱』ハン・ガン

▶ “涙”の意味をめぐって心を揺さぶる、大人のための静かな童話

何かあるたびに泣いてしまう子どもと、さまざまな“涙”を集める不思議なおじさんとの出会いから始まる物語。悲しみだけではない、怒りの涙、うれし涙、純粋な涙――人が涙を流す意味を、童話のかたちでそっと問いかけてきます。
物語としてはシンプルなのに、読んでいるうちに「涙とは何か」「人はなぜ泣くのか」と、思いが深まっていくのが印象的。ハン・ガンさんらしい静けさと、やわらかな哲学が感じられる1冊で、大人が読むからこそ響く童話になっています。

一目惚れした本を紹介します【6選】

本を選ぶとき、つい手に取ってしまう“表紙”。

あらすじも知らないのに、
なぜか気になってしまう──
そんな経験、ありますよね。

今回のほんタメは、あえて“中身ではなく見た目”だけで選ぶ
「ジャケ買い本」特集。

中身を知らなくても惹かれる。
むしろ知らないからこそ、開いたときの驚きがある。

そんな“本の顔”の魅力を再発見できるラインナップです📖✨

『感応グラン=ギニョル』空木春宵

▶ 怪しく美しい世界観が詰まった、ゴシック装丁の極み

黒髪の少女、包帯、蝶、蛇──
好きな要素がすべて詰め込まれたような幻想的ビジュアル。

球体関節人形のような不気味さと、美しさが同居するイラストは圧巻。
“怪しさ×美”が好きな人には刺さる一冊。

ポスターとして飾りたくなるレベルの完成度です。

『遠慮深いうたた寝』小川洋子

▶ まるで陶器。触れたくなる質感の“本じゃない本”

一見すると焼き物のように見える、不思議な装丁。

手書きの文字、ツヤのある質感、
まるで器のようなデザインが唯一無二の存在感を放ちます。

本棚に置くだけで空気が変わる、
“持っていること自体が楽しい”エッセイ集です。

『フランダースの帽子』長野まゆみ

▶ 絵画×ブックカバーという発想が生んだ芸術的装丁

書店のフェアであかりんが購入した本。

名画をそのまま額縁風に切り取ったブックカバー。
タイトルすら隠され、
「この絵に惹かれて買う」という究極のジャケ買い体験ができました。

本とアートが融合したような一冊で、
装丁の可能性を感じさせてくれる作品です。

新刊を含む最近読んだ10冊を紹介します!【2026年2月】

今回のほんタメは、あかりんの「最近読んだ本10冊」

キラキラした青春だけじゃなく、
ちょっと生きづらさを感じる瞬間や、
社会からこぼれ落ちた感情にも光を当ててくれるのが印象的でした。

どこか一冊、きっと“自分に刺さる本”が見つかるはずです📚✨

『老人ホームで死ぬほどモテたい』上坂あゆ美

▶ 日常の“しんどさ”を鋭く切り取る、パンチ強めの歌集

学生時代の息苦しさや、家族への複雑な感情など、
誰もがどこかで感じたことのある違和感を、鋭い言葉で切り取った一冊。

ロマンチックな短歌というより、
現代的でリアルな感情を“突き刺してくる”ような作風が特徴。

一首ごとにハッとさせられる、感情のスナップ集のような作品です。

『BOXBOXBOXBOX』坂本湾

▶ 箱の中身が気になった瞬間、日常が崩れ始める

宅配倉庫を舞台に、ダンボールに囲まれて働く人々の物語。

3人称・多視点という珍しい構成で、
複数の人物の思考や行動が同時に描かれていきます。

「中身は何だろう?」という好奇心が暴走し、
やがて日常が歪み始める展開がクセになる一冊です。

『君の顔では泣けない』君嶋彼方

▶ 入れ替わったまま人生が続く、切なすぎる青春小説

高校生の男女が入れ替わる──
よくある設定かと思いきや、「元に戻らない」という展開が最大の特徴。

そのまま人生が進んでいく中で、
恋愛、家族、進路などの問題に直面していきます。

“自分の人生を生きられない”切なさが胸を打つ一冊。

『春のほとりで』君嶋彼方

▶ 主役になれなかった青春にも、物語はある

クラスの中心ではなく、少し外側にいる生徒たちに焦点を当てた連作短編集。

「なんでうまくいかないんだろう」
そんな感情を抱えたまま過ごす青春がリアルに描かれます。

ラストにはささやかな仕掛けもあり、読後にじんわり効いてくる作品です。

『一番の恋人』君嶋 彼方

▶ “好きだけど愛していない”という関係のリアル

恋愛感情を持たない女性と、彼女を愛する男性の物語。

「好き」と「愛してる」は同じじゃない──
そのズレが、静かに、でも確実に関係を揺らしていきます。

マイノリティな感情に寄り添う、繊細な恋愛小説です。

『天橋立物語 ~三年菊組ロリィタ先生~』嶽本野ばら

▶ ロリィタ教師が教えてくれる“自分らしく生きる”ということ

全身ロリィタファッションの教師が現れ、
生徒たちの価値観を大きく揺さぶっていく学園物語。

奇抜な設定ながら、
「自分の信念を貫くこと」の大切さを真っ直ぐ描いた作品。

青春×個性の強さが光る一冊です。

『愛の獣は光の海で溺れ死ぬ』金子薫

▶ 幻覚と快楽に支配された世界で、人間とは何かを問う

薬物と幻想に満ちたディストピア世界を舞台にした連作的作品。

人間であることを捨てる快楽と、
それでも“人間であろうとする意志”の対比が描かれます。

重く、難解で、でも強烈に印象に残る一冊。

『道化むさぼる揚羽の夢の』金子薫

▶ ディストピアの極限で描かれる、人間の欲望と崩壊

人間の存在そのものを問い直すような、グロテスクで哲学的な物語。

“人間とは何か”というテーマを、
極端な設定で突き詰めていく作品です。

読む人を選ぶが、刺さる人には深く残る一冊。

『ガールズ・アット・ジ・エッジ』犬怪寅日子

▶ “私が殺しました”──少女たちの告白から始まる物語

風俗店で起きた殺人事件。
関わった少女たち全員が「自分が犯人」と語り始める。

それぞれの過去や事情が明らかになるにつれ、
彼女たちの生き方に共感してしまう構成が見事。

痛みと希望が同時に残る、強い余韻の一冊です。

『羊式型人間模擬機』犬怪寅日子

▶ 人間を模倣する存在から見える“本当の人間性”

人間そっくりの存在を通して、
人間の本質を逆照射するSF作品。

不気味さと哲学性が同居した、独特な読書体験が味わえます。

『人獣細工』小林泰三

▶ “自分とは何か”を突きつける、衝撃のホラー短編集

人間の身体や存在の境界をテーマにした作品群。

表題作は、先天性の病気が理由でブタの臓器を全身に移植されている女の子が主人公。
“パーツが入れ替わっていく中で、自分は自分なのか?”という問いが突きつけられます。

読後にゾッとする、思考型ホラーの傑作です。

読書の時間とれてますか?今週末に一気読みにおすすめな本を紹介します【6作】

「気づいたら最後まで読んでた──」

そんな“止まらない読書体験”って、たまにありますよね。
今回のほんタメでは、思わずページをめくる手が止まらなくなる「一気読み小説」がテーマ。

「最近一気読みした本ある?」と聞かれたときに、
思わず語りたくなる一冊、ぜひ見つけてみてください📚✨

『正欲』朝井リョウ

▶ 多様性の“正しさ”を問い直す、倫理を揺さぶる物語

あらすじを語らず読んでほしい──そう言われるほど、内容の衝撃が大きい一冊。

複数の人物視点から描かれる物語は、やがて一つの事件へと収束していきます。
その中で浮かび上がるのは、「正しさとは誰が決めるのか」という問い。

多様性が重視される現代において、
その“理想”が本当に受け入れられるのかを突きつけてきます。

誰かの視点には共感し、誰かには違和感を抱く──
そんな揺さぶりが止まらない一気読み作品です。

『タブー・トラック』 羽田圭介

▶ 社会の“当たり前”が崩れていく、概念ミステリ

俳優、脚本家、ネット上で人を裁く人物──
複数の視点で描かれる現代社会の歪み。

物語の中で語られる“ある概念”は、読者には説明されないまま進みます。
その違和感がフックとなり、読み進める手が止まらなくなります。

そして後半、時代が変わったときにその概念の意味が浮かび上がる構成。
「今の常識は本当に正しいのか?」を問い続ける、思考型の一冊です。

『日没』桐野夏生

▶ 表現の自由が奪われた世界で描かれる、衝撃のディストピア

“文化文芸倫理向上委員会”からの召喚──
それは作家にとっての地獄の始まりでした。

社会にとって“良い作品”を書くことを強制される環境で、
主人公は自分の表現と向き合い続けます。

監視社会、抑圧、そして創作の自由。
読んでいて苦しいほどの展開ながら、「どうなるのか」が気になり止まらない。

そしてラストのわずか15行が、作品の印象を大きく変える。
読後に強烈な余韻を残す一冊です。

読んだ小説を忘れていないか検証してみた【18選】

「記憶だけで本を選ぶ」──そんな無茶な企画から生まれた、リアルに“刺さった本”たち。

今回は、事前準備なし・制限時間ありという中で、直感的に選ばれた18冊をテーマ別に紹介します。
「ラストが忘れられない」「登場シーンが強すぎる」「今年読んでよかった」──

本棚を眺めてじっくり選ぶのではなく、本当に記憶に残っている作品だけが浮かび上がる構成になっているのが今回の面白さ。

だからこそ、どれも“ガチで刺さった本”。
次に読む一冊を探している方は、ぜひ参考にしてみてください📚

■ラストが刺さった小説

『ミシン missin’ 』嶽本野ばら

▶ 愛と執着が極限まで研ぎ澄まされた、危うくも美しい物語

“好きな人の願いを叶えることがすべて”という純粋すぎる感情。
その行き着く先として描かれるラストは、読む人によって解釈が分かれるほど強烈。
恋愛×地獄の頂点とも言える一冊です。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉 』波木銅

▶ 青春の熱量が暴走し、想像を超えるラストへと突き抜ける物語

高校生たちの奇妙な活動を描いた青春小説。
だがラストで訪れる光景は、もはや“映像で見たくなるレベル”のインパクト。
読後、しばらく余韻から抜け出せない作品です。

『地球星人』村田沙耶香

▶ 常識が崩壊する世界で描かれる、“人間らしさ”の極限

社会のルールに馴染めない人々の視点から描かれる物語。
衝撃的すぎるラストは、拒絶するか、救いと感じるかで大きく分かれる。
読む人の価値観を試してくる、危険な一冊です。

■最高の登場シーン

『殺し屋がレジにいる』榎田ユウリ

▶ クレーマーを一蹴する“最強のおばあちゃん”の登場がすべてを持っていく

スーパーで働く主人公の前に現れる、異様に強い存在感の人物。
その正体と行動のギャップが最高に痛快。
登場シーンのインパクトだけで一気に引き込まれる作品です。

『死んだ山田と教室』金子 玲介

▶ “死んだはずのクラスメイト”が教室に現れるという異常事態

スピーカー越しに語りかけてくる存在。
その登場の仕方自体がすでに衝撃で、物語の方向性を一瞬で決定づける。
設定の勝利とも言える一冊です。

『死神の精度』伊坂幸太郎

▶ 雨とともに現れる死神、その静かな存在感が印象的

人間に紛れて現れる死神。
傘をさし、淡々と仕事をこなすその姿が印象的で、
登場するだけで物語の空気が一変する魅力があります。

■2025年読んでよかった作品

『アフターブルー』朝宮夕

▶ 死を扱いながらも、絶妙な距離感で描かれる人間ドラマ

葬儀に関わる人々の視点から描かれる物語。
重くなりすぎず、それでいて確実に心に残るバランスが秀逸。
静かに沁みるタイプの良作です。

『ほかに誰がいる』朝倉かすみ

▶ 恋愛が人生を歪ませていく、リアルで苦しい物語

運命の出会いがすべてを狂わせていく過程を描く。
短いエピソードの積み重ねが、じわじわと効いてくる構成。
恋愛×地獄の新たな形を見せてくれる一冊です。

『イデアの影 The shadow of Ideas』森博嗣

▶ 理系ミステリの枠を超えた、“思想”に迫る物語

論理だけでなく、哲学的なテーマにも踏み込んだ作品。
再読することで新たな発見がある深みが魅力。
森博嗣の別の側面を感じられる一冊です。

読書の幅を広げたい人は全員みて!【おんタメ #06】

今回はいつもの「おんタメ」と少し違って、たくみさん不在、
“好きな本のフレーズを朗読する”特別回。

ゲストに坂口涼太郎さんを迎えたしっとりした空気の中で、
本そのものというよりも、
心に残った“言葉”にフォーカスした回になっています。

『荒野』桜庭 一樹

▶ 少女の成長と“恋”のはじまりを描く、イノセントな青春小説

12歳・14歳・16歳──
ひとりの少女「荒野」が成長していく過程を描いた物語。

恋を知らなかった少女が、ある出会いをきっかけに
“恋とは何か”を少しずつ知っていく。

読んでいると、忘れていた感情が呼び起こされるような
胸の奥がざわつく純粋さが詰まった一冊。

「あの頃の自分」を思い出させてくれる、
まさに“イノセントそのもの”の物語です。

── 十二歳
大人、以前。

引用 『荒野』桜庭 一樹 / 文藝春秋

『かなしき玩具譚』野口あや子

▶ 可愛さの裏にある本音をすくい取る、現代短歌集

頑張ってる女の子とか辛いからわたしはマカロンみたいに生きる

引用 『かなしき玩具譚』野口あや子 / 短歌研究社

そんな一首に象徴されるように、
軽やかで可愛い言葉の中に、
現代的な本音や強さがぎゅっと詰まっています。

マカロンのように可愛く生きる──
でもその裏には、見えない努力や葛藤がある。

“可愛い”と“しんどさ”の共存を描く、
今の時代に刺さる短歌集です。

『ハピネス』嶽本野ばら

▶ 限られた時間の中で“生きる意味”を問いかける純愛小説

余命わずかな少女と、その恋人。
残された時間の中で紡がれる、切なくも美しい物語。

──もうすぐ、死んでしまうんだけれど、私は誰よりも幸せだったって自信を持っていえる。だからね、その時が来ても悲しまないで欲しい。ウルトラ・ラッキーだよ。たった十七年の短い期間しかなかったのに、君に見付けて貰えて、君を見付けられて、愛しあえたんだから。一千万分の一の確率でサマージャンボ宝くじ一等二億円を当てた人より、私は世界で一番、宇宙で一番、ウルトラ・ラッキーな女のコだったよ。

引用 『ハピネス』嶽本野ばら/ 小学館

この言葉が示すように、
本作は“生きることそのもの”の価値を強く問いかけてきます。

どれだけ長く生きたかではなく、
どう生きたかがすべて

読み終えたあと、
“今ある幸せ”に気づかされる一冊です。

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あかりん紹介 2025年:120作品

ぜんよみ
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2025年にあかりんが動画で紹介した作品は130作品
重複している👇10作品は1作品としてカウント。

何度も紹介しているのはあかりんの思い入れの強さもあるのかも?!

  • 痴人の愛
  • 眠れない夜のために
  • 流浪の月
  • 箱庭クロニクル
  • 愛じゃないならこれは何
  • 世界99
  • マイ・ディア・キッチン
  • カット・イン/カット・アウト
  • 一撃のお姫さま
  • 結論それなの、愛

【飯テロ】覚悟のある人だけ読んでください【6選】

美味しい一文🍳

読んでいるだけでお腹が空いてくる小説って、ありますよね。
今回のほんタメは、いつもの“あらすじ紹介”ではなく、あえて「美味しい一文」に注目する回。物語の中にふっと現れる、ご飯やお酒の描写だけを切り取って、「ああ、お腹空いた……」となる、ちょっと変わった読書企画です🍽️

今すぐ食べたくなるものもあれば、ちょっと背徳感のある“美味しさ”まで飛び出す今回の6冊。
ぜひ、お腹を空かせながら読んでみてください🤤

『しろがねの葉』千早茜

▶ 炊きたての白米の湯気まで美しい、“お米”がごちそうになる歴史小説

土間には甘く蒸れた匂いが漂っていた。
羽釜を竈から下ろす。
塩漬けの菜を刻んで、分厚い木蓋を開けると、ウメの小さな頭は湯気に包まれた。
炊きあがった米の白さに目がかすむ。

引用 『しろがねの葉』千早茜 / 新潮社

千早茜さんの作品は、食べ物の描写がとにかく印象的。
なかでも『しろがねの葉』に登場する、炊きたてのご飯の場面は格別です。塩漬けの具を刻み、釜の蓋を開けた瞬間に立ちのぼる湯気、まぶしいほど白い米の輝き――そんな何気ないはずの食事の準備が、息をのむほど美しく描かれています。

派手な料理ではないのに、だからこそ“ご飯そのもの”の尊さが伝わってくる一冊。
忙しい日々のなかで見失いがちな、炊きたてご飯の幸福を思い出させてくれる作品です。

『アンソーシャル ディスタンス 』より『Strong Zero』金原ひとみ

▶ 朝からストロングゼロ──危ういのに、なぜか惹かれてしまう一文

朝起きてまずストロングを飲み干す。
化粧をしながら二本目のストロングを嗜む。

引用 『アンソーシャル ディスタンス 』より『Strong Zero』金原ひとみ / 新潮社

この短編集に収録された「Strong Zero」は、タイトルからしてすでに強烈。
朝起きてまず1本、化粧しながら2本目――そんな危うすぎる始まりなのに、読んでいると不思議と“その生活の手触り”に引き込まれてしまいます。

もちろん真似したいわけではないし、健康的とも言えない。けれど、缶チューハイにしかない雑な美味しさや、朝から飲んでしまう人の感覚まで伝わってくるのが、この作品のすごさです。
危険なのに妙にリアルで、ちょっとだけその世界をのぞいてみたくなる一冊です。

『僕は美しいひとを食べた』チェンティグローリア公爵

▶ “美味しい一文”という企画の限界を攻めてくる、背徳の一冊

彼女の温かく柔らかい心臓は、僕の口蓋に触れるや、
雷鳥や、海老や、牡蠣や、そのすべてが合わさったような旨味を放った。

引用 『僕は美しいひとを食べた』チェンティグローリア公爵 (著), 大野 露井 (翻訳) / 彩流社

タイトルの時点で、もうただならぬ気配が漂う作品。
そして実際に出てくる“美味しい一文”も、牡蠣や海老の旨味にたとえられるような、あまりにも危うい表現が並びます。
当然、王道の飯テロ小説とはまったく違う。けれど、“文章として読んだ時の美味しそうさ”だけで言えば、強烈に印象に残ってしまうのが厄介です。

読んでいて「そんなわけあるか」と思いながらも、描写の生々しさに負けそうになる、まさに禁断の一冊。
“美味しさ”の表現としては忘れがたい作品です。

最近読んだ本がおもしろすぎたので紹介します【2025年12月】

最近読んだ本6作📚

今回の「最近読んだ本」は、少女小説の名作復刊から、建築雑誌、文芸誌、ミステリ、雑学本まで、今回も見事にジャンルレス。
1冊のはずが11冊ぶんの熱量を抱えた作品まで飛び出して、結果的に“6冊紹介”の枠を軽々超えていく、ほんタメらしい回になりました📚

気になる1冊からでも、シリーズ一気読みでもOK。
今回も、読みたい本がきっと増える回になっています。

『銀の海 金の大地 』氷室冴子

▶ 古代日本を舞台に、“運命に抗う少女”を描く伝説級の少女小説

少女小説の金字塔ともいえる氷室冴子さんの名作が、待望の復刊。
舞台はなんと古代日本。『古事記』を下敷きにした世界の中で、複雑な生い立ちを背負った少女・真秀(まほ)が、自分の運命や“女はこうあるべき”という時代の価値観に抗いながら生きていく物語です。
壮大な歴史ロマンでありながら、そこに描かれているのは、ひとりの少女の強さや孤独、恋や愛の揺らぎ。だからこそ、時代設定を超えて胸に刺さります。

かつての読者には懐かしく、初めて触れる人には新鮮に響く、今こそ読みたい傑作シリーズです。

【これで最後になるかもしれません】誰にも教えたくない本6冊

本当は教えたくない本6選㊙️

今回のテーマは、「教えたくない本6選」📘
でもそれは、つまらないからでも、人にすすめられないからでもなく、“好きすぎて独り占めしたい”“説明しづらすぎる”“自分のルーツすぎて恥ずかしい”――そんな複雑な愛情が詰まっているから。

いつか2人で雑誌の表紙を飾ることを夢見つつ、今回も本気で語っています。
そして、あかりん表紙の『MAMOR』は見逃し厳禁です👀♥️

『短劇』より『秘祭』坂木司

▶ あまりにつらくて、“読まないで”と言いたくなる短編が収録された一冊

坂木司さんといえば、日常の謎をやさしく描くミステリの名手。
ある土地に伝わる通過儀礼のような祭りが描かれるのですが、その内容があまりにも痛ましく、読んでいるだけでこちらまでしんどくなってしまうほど。
面白い、でもつらい。好きな作家だからこそ「こんなの書かないでほしい」と思ってしまう――そんな矛盾した感情ごと記憶に残る一冊です。

『MAMOR(マモル) 2018 年 01 月号』MAMOR編集部

▶ あかりんが表紙&グラビアで登場する、ある意味いちばん“教えたくない”レア雑誌

防衛省協力の自衛隊オフィシャルマガジン『MAMOR』。
その2018年1月号では、なんとあかりんが表紙を務めています。しかも表紙だけでなく、中面グラビアでもたっぷり掲載。海上自衛隊の制服を着用した撮影や、普段はなかなか見られない誌面構成もあって、今見るとかなり貴重な一冊です。
“教えたくない”理由は、7年前の自分が表紙という気恥ずかしさ。
でも、それを超えて見たくなるレア感と面白さがある一冊です。

小説じゃないけど特別枠でご紹介㊙️

最近読んだおすすめの本13冊!?紹介します【2025年12月】

あかりんの最近読んだ本10冊(?)

今回の「あかりんの最近読んだ本」は、文芸誌から小説、短歌、エッセイ、絵本、さらには特製BOXセットまで、いつにも増してジャンルレス。
気づけばしれっと13冊紹介してしまう、情報量たっぷりの回になりました📚

“何を読めばいいかわからない”人にも、“ちょっと変わった本に出会いたい”人にも刺さるラインナップ。
気になる一冊から、ぜひ手に取ってみてください♡

『女王様の電話番』渡辺優

▶ “恋愛って何だろう”を静かに問い返してくる、刺激的で繊細な青春小説

タイトルだけ見ると歴史もののようにも思えますが、こちらの“女王様”はSMの女王様。
主人公は、そんな女王様たちが働く店で“電話番”をすることになった女の子です。
恋愛にうまくなじめない彼女が、仕事を通してさまざまな人と出会いながら、自分にとっての恋愛や親密さを見つめ直していく物語。
刺激的な設定ながら、描かれているのはむしろとても誠実で、自分の感覚と社会の常識のズレに悩む人のための物語でもあります。

恋愛が好きな人にも、苦手な人にも読んでほしい一冊です。

『小説すばる 2025年9月号』小説すばる編集

▶ 『女王様の電話番』をもっと深く味わいたい人におすすめの、記念対談掲載号

『女王様の電話番』刊行を記念して、著者・渡辺優さんとの対談が掲載された一冊。
作品そのものの話はもちろん、恋愛観や本との向き合い方まで語られていて、作品世界をより立体的に楽しめます。
小説単体で読むのももちろん素敵ですが、対談をあわせて読むことで、物語に込められた視点や温度感がぐっと深く伝わってくるのが魅力。

『女王様の電話番』を読んで気になった方には、ぜひセットで手に取ってほしい一冊です。

『スノードームの捨てかた』くどうれいん

▶ “捨てたいのに捨てられないもの”をめぐる、日常の機微が沁みる短編集

タイトルからもう惹かれてしまう、くどうれいんさんの短編集。
表題作では、恋人と別れたあと、思い出のスノードームをどう処分すればいいのか悩む女性と、その友人たちの時間が描かれます。
大きな事件が起きるわけではないのに、友人関係や年齢による立場の違い、ふとした寂しさや優しさがじわじわと沁みてきます。

学生時代の延長ではいられないけれど、会えば昔みたいに笑える――そんな関係性の尊さを丁寧にすくい取った一冊。
日常に近い温度で読めるからこそ、心に長く残ります。

『マイ・ディア親愛なる物語』氷室冴子

▶ 少女小説への愛と原点が詰まった、読んでいるだけで胸があたたかくなるエッセイ集

少女小説の名手・氷室冴子さんが、自身の愛した物語たちについて綴ったエッセイ。
『赤毛のアン』や『足ながおじさん』など、少女時代に夢中になった作品への思いが軽やかに語られていて、読んでいるとこちらまで懐かしく幸せな気持ちになります。
好きな作家が、どんな本に影響を受けてきたのかを知れる面白さもあり、“氷室冴子の原点”をたどるような読書体験ができます。

少女小説が好きな人はもちろん、誰かの“好き”の源流をのぞいてみたい人にもおすすめの一冊です。

『影犬は時間の約束を破らない』パク・ソルメ

▶ 冬眠が“治療”として普及した世界で、静かに時間を見つめる韓国文学

少し先の未来、人々が治療の一環として“冬眠”することが一般的になった世界。
この作品では、冬眠する人と、その眠りを見守る仕事をする人たちの日常が、静かな筆致で描かれていきます。
ソウルや沖縄、旭川なども舞台に登場し、現実と地続きのような不思議さがあるのも魅力。

劇的な出来事よりも、“ゆっくり過ぎていく時間”そのものの豊かさを味わえるタイプの作品で、読むほどに自分の日常のスピードを考えさせられます。
韓国文学が初めての人にも入りやすい、やさしくて奥行きのある一冊です。

『注文の多い注文書』小川洋子

▶ “この世にないもの”を注文する、幻想と現実のあわいを楽しむ書簡風作品集

小川洋子さんとクラフト・エヴィング商會による、ちょっと変わった往復書簡のような一冊。
物語の中の人物たちが、“この世には存在しないもの”を注文し、それに対して納品書や受領書のような形で返事が交わされていきます。
欲しいものは小説の中にしかない品だったり、空想の中にしか存在しないような不思議なものばかり。それでも本当に発注して、探して、受け取るという流れがきちんと成立していて、読んでいるうちに現実と空想の境目がゆらいでいくのがたまりません。

世にも奇妙な物語のような、不思議で美しい読書体験ができる一冊です。

『百年文通』伴名練

▶ 100年前と手紙をやり取りする机から始まる、ロマンとSFが交差する物語

ある日、不思議な机を見つけた女子中学生・一琉。
その引き出しに手紙を入れると、100年前の大正時代に届いてしまう――そんな設定から始まる、時を超えた文通の物語です。
やり取りを重ねる相手は、100年前に生きる少女。そこに芽生える親しさや特別な感情が、やがて時代そのものを揺らしていきます。
ロマンチックな“文通もの”としても読めますが、伴名練さんらしいSF的な仕掛けがしっかり効いていて、時間改変のドキドキも味わえるのが魅力。

優しさと切なさ、そしてSFの面白さが見事に同居した一冊です。

『短歌ください 明日でイエスは2010才篇』穂村弘

▶ いろんな人の“ことばのひらめき”を楽しめる、短歌投稿コーナー傑作選

雑誌『ダ・ヴィンチ』の人気投稿コーナー「短歌ください」をまとめた一冊。
テーマごとに一般投稿された短歌が並び、それに穂村弘さんの講評が添えられています。
ひとつのテーマでも人によって発想がまるで違っていて、短歌の自由さと奥深さをたっぷり味わえるのが面白いところ。

“短歌って難しそう”と思っている人ほど、まずはこの本で読む楽しさに触れてみてほしい一冊です。

【重大発表あり】最近読んだ本をジャンルレスで紹介します【2025年11月】

最近読んだ本6作!!

最近読んだ本の中から、今回もほんタメMCふたりが“今すすめたい本”をセレクトしました📚
ミステリ、コミック、作品集、図鑑、クイズ本まで、今回もかなりジャンルレス。

しかも今回は、ほんタメMC2人にとってうれしすぎる特別なお知らせつき。
井上真偽先生『ぎんなみ商店街の事件簿』文庫版では、なんと2人がそれぞれ解説を担当しています!

“読む楽しさ”はもちろん、“本に関わる喜び”までぎゅっと詰まった今回のラインナップ。
気になる一冊を見つけて、ぜひ手に取ってみてください✨

『ぎんなみ商店街の事件簿 ~Brother編~』井上真偽

▶ 4兄弟の視点から“商店街の日常の謎”を描く、多重解決ミステリの前編

ぎんなみ商店街に暮らす4兄弟が出会う、さまざまな“日常の謎”を解き明かしていく連作ミステリ。
一見すると穏やかな商店街もののようでいて、井上真偽さんらしい“視点の面白さ”と“解決の鮮やかさ”がしっかり詰まっています。
この作品の魅力は、ひとつの出来事がひとつの見方では終わらないところ。
何気ない事件や違和感が、視点によってまったく別の輪郭を見せてくれる、読むほどに気持ちいい一冊です。

『ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~』井上真偽

▶ 3姉妹の視点が加わることで、事件の景色ががらりと変わる“もうひとつの真相”

『Brother編』で描かれた出来事を、今度は商店街に暮らす3姉妹の側から見つめ直す一冊。
同じ事件でも、見る人が変わるだけでこんなにも印象が変わるのかと驚かされます。
しかも単なる“裏側の答え合わせ”ではなく、それぞれの視点にそれぞれの正しさがあるのが面白いところ。
片方だけでも楽しめますが、ぜひ2冊セットで読んでほしい、視点のズレと重なりを味わうための傑作ミステリです。

文庫だからイイ!イチオシの文庫本【6選】

おすすめ文庫本6選!!📚

文庫本って、小さくて軽くて、持ち運びしやすいのはもちろん、価格的にも手に取りやすいのが魅力ですよね📚
今回のテーマは、そんな“文庫だからこそ楽しめる”おすすめ本。

ポケットに入れて持ち歩きたくなる名言集から、短編で広がるSFの世界、胸をえぐるような重厚ミステリまで。
あかりん・たくみさんそれぞれの個性が光る、バラエティ豊かな6冊がそろいました。

小さな一冊の中に、ぎゅっと詰まった物語や言葉たち。
ぜひ気になる文庫本を見つけて、日常のすき間時間に“ポケットの読書”を楽しんでみてください✨

『ポケットに名言を』寺山修司

▶ ポケットに忍ばせたい、“言葉”を味わうための名言集

寺山修司の作品世界に触れられる、薄くて持ち歩きたくなる一冊。
映画や文学、戯曲など、さまざまな作品から印象的な言葉が集められていて、ページをめくるたびに“自分だけの名言”に出会えるのが魅力です。
小説のように物語を追う本ではなく、気になったページをぱっと開いて、その時の気分に合う言葉を受け取れるのがこの本の良さ。

タイトル通り、まさに“ポケットに入れて持ち歩きたい”文庫本です。

『新しい世界を生きるための14のSF』伴名練

▶ 14のテーマでSFの面白さを味わえる、入門にもぴったりのアンソロジー

AI、宇宙、超能力、動物、言語、改変歴史――SFの中でもさまざまなテーマを切り口に、14の作品が収録された贅沢な一冊。
“SFって気になるけど、何から読めばいいかわからない”という人にも手に取りやすい構成で、短編ごとに異なる魅力を楽しめます。

最近の作家による作品も収録されていて、SFの幅広さと奥深さを一気に感じられるのもポイント。
少し大きめの文庫サイズですが、そのぶん中身の充実度は抜群です。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』桜庭 一樹

▶ 可憐な表紙に惹かれて開くと、心を深く刺してくる青春小説

文庫ならではの魅力のひとつが、装丁やカバーバリエーションの楽しさ。
この作品も“表紙違いで手元に置きたくなる”魅力を持ちながら、中身は決して軽くありません。
少女たちの関係性や、きらきらしたものの裏側に潜む残酷さが印象的で、読後には強い余韻が残ります。

かわいらしい見た目と、胸に突き刺さるような物語のギャップも含めて、忘れがたい一冊です。

小説1500冊読んでても予測不能【どんでん返し3選】

あかりんのどんでん返し3選!!

今回は、あかりんセレクトの“どんでん返し”3冊。
ミステリ好きはもちろん、普段あまりミステリを読まない人にもおすすめしたくなる、ちょっと変化球なラインナップがそろいました。

児童文学の中に潜む鮮やかな仕掛け。
現代の空気をそのまま切り取ったような社会派ミステリ。
恋愛相談ばかり持ち込まれる探偵事務所を舞台にした、予想外の一冊。

「どうせこういう話でしょ」と思った瞬間に、足元をすくわれる。
そんな読書体験が好きな人にこそ、ぜひ読んでほしい3冊です。

『ロイヤルシアターの幽霊たち』ジェラルディン・マコックラン

▶ 閉鎖された劇場で暮らす幽霊たちと少女の交流が、思いがけない真実へつながる児童文学ミステリ

舞台は、イングランドの町にある閉鎖された古い劇場。そこには、かつて俳優だった者、本を守って命を落とした司書、貴族の少年など、さまざまな過去を抱えた幽霊たちが暮らしています。
そんな劇場を再建しようとやって来た俳優夫婦と、その娘。ところがこの少女には、幽霊たちの姿が見えていました。少女は彼らの生前の話に強い興味を持ち、劇場に眠る記憶を少しずつ掘り起こしていきます。

やさしく、切なく、どこかほっこりする物語に見えて、ラストにはきちんと“そういうことだったのか”と思わされる鮮やかな仕掛けが待っています。児童文学だからと油断していると、しっかりひっくり返される一冊です。

『転売ヤー殺人事件』松澤くれは

▶ 転売ヤーだけを狙う連続殺人の中で、“転売王”が追い詰められていく社会派どんでん返しミステリ

主人公は、転売を“仕事”として誇りを持って行うプロの転売ヤー。読者からするとなかなか感情移入しづらい人物ですが、だからこそこの物語は面白い方向へ転がっていきます。
世の中では、転売ヤーだけを狙った連続殺人事件が発生。そんな中、主人公は有名配信者の突撃取材をきっかけに“転売王”として世間から祭り上げられ、自宅まで特定されるほどの標的になってしまいます。

転売ヤーを憎む側に立って読むはずが、いつの間にか主人公の恐怖や追い詰められ方に引き込まれていく。そのねじれた感覚がまず面白く、さらに犯人像についても巧みにミスリードされます。現代らしいテーマとミステリの快感が、見事に噛み合った一冊です。

『探偵小石は恋しない』森バジル

▶ 恋愛トラブル専門の探偵事務所で起きる“想定外”に、静かにひっくり返される恋愛ミステリ

小石探偵事務所に持ち込まれる依頼のほとんどは、不倫や浮気、恋愛のもつれに関するもの。名探偵のように殺人事件や密室事件を解きたいと願う所長・小石にとっては不本意な毎日ですが、なぜか彼女は恋愛絡みの案件を抜群に解決できてしまいます。
そんな小石と、同じ事務所で働く蓮杖との軽快な会話も魅力で、ミステリ好きの小石と少女漫画好きの蓮杖、それぞれの“好き”が会話の中ににじむのも楽しいポイント。

設定だけ聞くと、軽めの恋愛ミステリに思えるかもしれません。けれど本作は、その予想をいい意味で裏切ってきます。恋愛がメインに見えるからこそ油断する、でもそこにちゃんと仕掛けがある。前情報を入れすぎずに読んでほしいタイプの一冊です。

【読書の秋】旅で読書するか、読書で旅するか

旅本6選!!✈️

旅に出たくなる本と、旅した気分になれる本。
今回はそんな“旅”をテーマに、エッセイ、小説、図鑑、雑誌まで幅広くそろった6冊をご紹介します。

美しい景色やおいしいものに出会う旅。
まだ見ぬ土地へ想像を広げる旅。
そして、地形や地下空間のように、少し変わった角度から世界を見つめ直す旅。

本の中をめぐるだけでも、心はちゃんと遠くまで行けるもの。
秋の気配を感じる季節に、ページをめくりながら“次はどこへ行こう”と考えたくなるラインナップです。

『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』有元葉子

▶ 食べもの、美しいもの、運命の出会い――大人の旅の豊かさが詰まった旅エッセイ

料理家・有元葉子さんが旅先で出会った食べものや器、景色、衣服などについて綴ったエッセイ集。写真もたっぷり収録されていて、ページをめくるだけで旅先の空気がふわっと立ち上がってきます。

パリで出会ったシャンパーニュとスモークサーモンのトースト、シチリアで食べた忘れられないパスタ、ベトナムで知ったフルーツの食べ方――どのエピソードにも、その土地ならではの発見と、大人だからこそ味わえる旅の喜びが詰まっています。
読んでいると、自分もどこかへ出かけて、食べて、見て、心に残るものと出会いたくなる一冊です。

『ロードムービー』 辻村深月

▶ 小学生の“家出”から始まる、ひりひりと切ない青春ロードストーリー

辻村深月さんによる短編集の表題作。主人公は、運動神経抜群でクラスの人気者・トシと、気弱な友人・ワタル。そんな2人が、ある理由から家を飛び出して旅に出ます。
小学生にとって、家出はまさに人生を揺るがす大冒険。電車に乗ることも、ゲームを売ってお金を作ることも、そのすべてが切実で、必死で、だからこそ胸を打ちます。

少年たちの旅の時間と、学校での出来事が少しずつ重なりながら進んでいく構成も見事。青春のきらめきだけで終わらない、辻村作品らしい驚きも待っている一冊です。

『地球にちりばめられて』多和田葉子

▶ 国を失った少女が“言葉”をたよりに旅する、壮大で静かな物語

主人公は、留学中に自分の故郷が消えてしまったHiruko。国も母語も拠り所を失った彼女は、自ら「パンスカ」という言語をつくり、旅をしながら同じ言葉を話す仲間を探していきます。
“旅”というテーマを、単なる移動や観光ではなく、自分のルーツや言葉、居場所を見つめ直す営みとして描いているのが本作の大きな魅力。

自分がどこから来たのか、何語で世界を捉えているのか、故郷とは何か――そんな問いが、物語を通してじわじわと迫ってきます。旅の感覚を味わいながら、世界の見え方そのものが変わるような一冊です。

【ゲスト:坂口涼太郎さん】人生が豊かになるエッセイを5冊紹介します

最高のエッセイ5選!!

本日は“最高のエッセイ”。
誰かの人生をのぞき見するような楽しさと、読んだあとに自分の生き方まで少し変わるような感覚——それがエッセイの魅力ですよね。

今回は、あかりんが大切にしてきた“人生の指針になる本”から、思わず背中を押される一冊、日常がちょっと愛おしくなる作品、そしてスペシャルゲスト・坂口涼太郎さんのご著書まで、全5冊をご紹介します。

軽やかに読めるのに、しっかり心に残る。
そんな“最高のエッセイ”をぜひ見つけてみてください。

『今日も、ちゃ舞台の上でおどる』坂口涼太郎

▶ 「諦める」ことで人生が輝き出す、ユーモアと優しさに満ちたエッセイ

俳優・坂口涼太郎さんによる、笑いと切なさが同居するエッセイ集。軽快な関西弁の語り口で進む文章はとにかく読みやすく、気づけばこちらまでご機嫌になってしまう一冊です。
印象的なのは「諦める」という考え方。できないことを無理に抱え込むのではなく、手放すことで自分らしく生きていく——その発想が、日常を少しラクにしてくれます。

明るさの裏にある繊細さや葛藤も丁寧に描かれており、読めば読むほど人柄に惹かれるはず。自己肯定感をじんわり底上げしてくれる一冊です。

『それいぬ 正しい乙女になるために』嶽本野ばら

▶ “乙女”の美学を貫くための、強くて可愛い人生バイブル

「乙女とはこうあるべき」——その価値観を極端なまでに美しく言語化した、嶽本野ばらのデビューエッセイ。
“お友達なんていらない”“雨の日はサボれ”など、一見すると尖った主張も、すべては自分らしく生きるための哲学。
ロマンチックで、クラシカルで、少し意地悪。それでも確かに魅力的な“乙女像”が詰まっています。

誰かに合わせるのではなく、自分の美学で生きたい人に刺さる一冊です。

『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』鴨居羊子

▶ 自分の人生を自分で切り開く、エネルギーに満ちた女性の記録

新聞記者から一転、下着デザイナーとしてブランドを立ち上げた著者の実体験エッセイ。
「自分の好きなものを身につけたい」という純粋な気持ちから始まった挑戦が、やがて大きな仕事へと広がっていきます。

素朴さと大胆さを併せ持つ著者の生き方は、読んでいてとにかくパワフル。
何かを始めたい人、今の自分を変えたい人にとって、大きな勇気をくれる一冊です。

『わたしを空腹にしないほうがいい』くどうれいん

▶ 食と日常がやさしく沁みる、俳句×エッセイの心地よい一冊

食べることを中心に、日々の出来事や感情を綴ったエッセイ集。各エピソードには俳句も添えられており、言葉の余韻までじっくり味わえます。
失恋とソフトクリーム、パンを焼く日常、お粥にハマる時間——どれも特別ではないのに、なぜか心に残る。

日常の小さな出来事を、こんなにも愛おしく描けるのかと驚かされる一冊です。
疲れたときにそっと開きたくなる、やさしい読書体験がここにあります。

最近読んでおもしろかった6冊をジャンルレスで紹介します【2025年10月】

最近読んだ本6選!!

本日も、ミステリ、幻想文学、ビジネス書、漫画まで、ジャンルを横断して6冊をご紹介。

重たいテーマを扱いながらも、読後に考えさせられる作品。思わず誰かに話したくなる設定の作品。今の自分に刺さる言葉が見つかる作品などなど。

気分や興味に合わせて、ぜひ気になる一冊を見つけてみてください。

『アフターブルー』朝宮夕

▶ 死と向き合う“納棺”の現場から、生きることを見つめ直す衝撃作

納棺師の仕事を描いた作品と聞くと、静かで厳かな物語を想像するかもしれません。けれど本作が映し出すのは、もっと過酷で、もっと生々しい“死の現場”です。事故や事件などで大きく損なわれた遺体を、残された人たちが最後にきちんと別れを告げられる姿へと整えていく――そんな仕事に携わる人々の姿が描かれます。

死そのものではなく、死に向き合う“少し引いた立場”から物語が進むことで、感傷に流されすぎず、かえって深く考えさせられるのが本作の魅力。重い題材ながら、読後には「どう生きるか」を静かに問い返されるような一冊です。

『タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-』

▶ 名だたる文豪たちの“幻想”が一冊に詰まった、耽美で妖しいアンソロジー

芥川龍之介、泉鏡花、江戸川乱歩、太宰治、夏目漱石、夢野久作――そうそうたる文豪たちの幻想作品をぎゅっと詰め込んだ贅沢な作品集。タイトルだけは知っているけれど、実際には読んだことがない名作たちにまとめて触れられるのが、この本の大きな魅力です。

“耽美幻想”というテーマで作品が集められているので、作家ごとではなく「この雰囲気が好き」で入っていけるのも嬉しいところ。どこから古典を読めばいいか迷っている人にもぴったりです。美しく、不穏で、どこか異界めいた空気に浸りたい方におすすめしたい一冊です。

『マザーアウトロウ』金原 ひとみ

▶ 破天荒な“義母”との出会いが、凝り固まった価値観を揺さぶる痛快小説

結婚をきっかけに出会った義母は、なんと上下ゴールドのスーツで現れる超アッパーな人物。常識的な“嫁姑もの”を想像していると、いい意味で裏切られます。
「俺らマブになろうぜ」と言わんばかりの勢いで距離を詰めてくる義母と主人公の関係は、ただの家族小説に収まらず、女性として生きること、結婚、母になること、自分らしさについてまで思いを巡らせてくれる物語になっています。

型破りで笑えて、でもちゃんと背中を押してくれる。自己肯定感を少し持ち上げてくれるような、パワフルな一冊です。

【祝!80周年】ハヤカワ文庫のおすすめ本紹介【6選】

早川書房80周年 おめでとうございます!🥳

今回は、早川書房80周年記念として、ほんタメMCのふたりが選んだおすすめ作品をご紹介。

SF、ミステリ、純文学、ホラー、ディストピア、青春――
“ハヤカワらしさ”とひとことで言っても、その魅力はひとつではありません。

重厚で美しい大作に圧倒されたい時もあれば、
怪異や謎にワクワクしたい時もある。
あるいは、人間の心の奥にある孤独や優しさに、そっと触れたい日もあるはず。

今回の6冊は、そんな早川書房の懐の深さを感じられるラインナップ。
しかも『文学少女対数学少女』『死の泉』には、たくみさん&あかりんの帯もついています。

「何から読めばいいかわからない」という人にも、
「ハヤカワ文庫の世界をもっと広げたい」という人にもおすすめしたい特集です。

『死の泉』皆川博子

▶ 戦争、芸術、不老への執着――美しさと残酷さが極限まで溶け合う、圧倒的スケールの歴史幻想小説

第二次世界大戦下のドイツを舞台に、私生児を身ごもった女性・マルガレーテの運命を描く大作。
ある医師との出会いをきっかけに、彼女の人生は大きく揺らぎ、そこから物語は“人間の業”の深い場所へと進んでいきます。

不老不死への希求、芸術に取り憑かれた人々の狂気、そして時代そのものが抱える残酷さ。
扱っているテーマは重く膨大なのに、皆川博子さんの文章は驚くほど美しく、するすると読ませながら、気づけば読者を悲しい世界の奥へ連れていきます。

美しいからこそ残酷で、残酷だからこそ目を逸らせない。
そんな読書体験を味わいたい人にこそ読んでほしい一冊です。

『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル 』宮澤伊織

▶ 都市伝説の“向こう側”に踏み込む、怪異×冒険×バディものの超快作

女子大生の空魚が迷い込んだのは、現実のすぐ隣にありながら、怪異が息づく“裏世界”。
そこで出会った鳥子とともに、くねくねやきさらぎ駅のような、ネット怪談や都市伝説で語られる存在に向き合っていく物語です。

タイトルに“ピクニック”とありますが、内容はかなりしっかりサバイバル。
命の危険と隣り合わせの状況で、怪異を調べ、戦い、ときにお金のために探索していく展開は、読み始めると止まりません。

都市伝説の元ネタや参考文献まで意識されているので、怪談好きにはたまらない一冊。
“現実のすぐ横に、あっち側があるかもしれない”というぞくっとする感覚が味わえます。

『クララとお日さま』カズオイシグロ

▶ AIは心を持つのか――やさしい語り口で深い問いを投げかける、静かな近未来小説

主人公のクララは、子どもの成長を支えるために作られた“AF(人工親友)”。
店先で買い手を待っていた彼女は、病弱な少女ジョジーに選ばれ、家族のように過ごし始めます。

物語はクララの一人称で進むため、読者はずっと“AIの視点”で人間を見つめることになります。
人の言葉やふるまいを懸命に理解しようとするクララの姿は、とても健気でやさしい。
でも同時に、それが学習によるものなのか、本当に“心”なのかは、簡単には答えが出ません。

信仰、愛情、祈り、そして人間とAIの境界。
読みやすく静かな筆致の中に、とても哲学的で深い問いが込められた名作です。

最近読んだ本の中から10冊厳選して紹介します【2025年9月】

あかりんの最近読んだ本10冊!!

ぐっと心をつかまれる幻想的な物語もあれば、
今を生きる女性たちのリアルをすくい上げた短編集もあり、
読んでいる間ずっと不穏さがまとわりつくホラーもある。
さらに今回は、あかりん自身の執筆や解説のお仕事にもつながる、うれしい1冊も登場しています。

最近読んだ本10冊というより、
“今のあかりんの関心や熱量”が見えてくる10冊。
気になる作品があったら、ぜひ手に取ってみてください。

『イデアの影 The shadow of Ideas』森博嗣

▶ 支配的な夫のもとで静かに暮らす女性の心の揺らぎを描く、幻想的で不穏な心理小説

ミステリの名手・森博嗣さんによる、少し意外なタイプの作品。
これは“謎解き”よりも、ある女性の内面や、彼女の周囲で起こる不可思議な出来事を通して、人の心のゆらぎを描いた幻想小説寄りの物語です。

支配的な夫と暮らす主人公が、ある男性に心を惹かれそうになるたび、その相手が死んでしまう。
それは偶然なのか、彼女自身の狂気なのか、それとも別の何かなのか。
はっきりと答えが出るような物語ではないからこそ、読む人によって解釈が変わるのも面白いところです。

そしてこの作品は、あかりんが以前ほんタメで紹介したことをきっかけに、文庫版の解説を担当することになったという特別な一冊でもあります。
本編を読むのはもちろん、あかりんの解説とあわせて味わってほしい作品です。

『一撃のお姫さま』島本理生

▶ 今を生きる女性たちの“引っかかり”や寂しさを、鮮やかにすくい上げる短編集

表題作では、曲作りに行き詰まったアーティストの女性が、刺激を求めてホストクラブへ通い始める。
ほかにも、家の庭にテントを張って“家出”する義母の話など、設定だけ聞くと少し奇抜なのに、読んでいくと妙にリアルで、登場人物たちの感情にすっと入り込めてしまう短編集です。

島本理生さんらしい繊細な感情描写はそのままに、今回はより“今っぽい生々しさ”が強く出ている印象。
誰かにとっては「こういう人いるよね」であり、誰かにとっては「これ、今の自分に近いかも」と感じる物語がきっとあるはずです。

見た目のポップさとは裏腹に、しっかり心に残る一冊。
現代を生きる女性たちの小さな違和感や寂しさ、でもそれだけじゃないきらめきも感じられる作品です。

『杉森くんを殺すには』長谷川まりる

▶ 衝撃的な書き出しの先に、“傷ついた子どもがどう回復していくか”を真剣に描いたYA小説

衝撃的な書き出しから始まる一冊

「杉森くんを殺すことにしたわたしはとりあえずミトさんに報告の電話を入れた」

引用『杉森くんを殺すには』長谷川まりる (著), おさつ (イラスト) / くもん出版

あまりに強烈な始まりですが、この作品はただ過激なだけではありません。

物語を読んでいくと、なぜ彼女がそんな決意をしたのか、なぜ周囲がそれを受け止めるのかが少しずつ見えてきます。
そしてその先で描かれるのは、傷ついた子どもがどうやって回復していくのかという、とても真摯なテーマです。

ヤングアダルト小説だからこそ、子どもに向けて“こういうことを考えてはいけない”と遠ざけるのではなく、ちゃんと向き合っている。
読みやすさはありつつ、内容はかなり踏み込んでいて、大人が読んでも考えさせられる一冊です。

『ミアキス・シンフォニー』加藤シゲアキ

▶ さまざまな人間関係が少しずつ絡み合い、“愛の相関図”が立ち上がっていく群像小説

タイトルの“ミアキス”とは、犬や猫の祖先ともいわれる動物。
その名前を冠したこの作品は、いろいろな人物たちの愛や執着や関係性が、少しずつつながっていく群像小説です。

それぞれの章ごとに人物相関図のようなものがあり、
この人とこの人はどういう関係で、どんな気持ちを抱えているのかが少しずつ見えてくる構成がとても面白い。
ある出来事を別の角度から見たり、ひとつの関係の裏側に別の感情が潜んでいたりして、物語全体が少しずつ立体的になっていきます。

最初にぐっとつかまれるのは、ぬいぐるみにしか本音を話せない女の子のエピソード。
でもそこから先も、それぞれの愛の形が折り重なるように描かれていて、とても読みごたえのある一冊です。

『神さまのビオトープ』凪良ゆう

▶ 亡くなった夫の幽霊と暮らし続ける女性を軸に、いびつで切実な愛を描く長編小説

主人公のうる波は、亡くなった夫・鹿野の幽霊と一緒に暮らしています。
外から見れば“前に進めていない人”に見えるかもしれない。
でも彼女にとっては、それが大切な人と一緒に生きていく方法なのです。

この作品の魅力は、そんな主人公の関係性だけでなく、その周囲にいる人たちの愛や執着、後悔まで丁寧に描いているところ。
大学の後輩カップル、家庭教師先の少年とロボットとの友情など、いろんな“愛のかたち”が物語に重なっていきます。

凪良ゆうさんらしい、
「周りからは理解されないかもしれないけれど、本人にとっては本物の気持ち」を真っすぐ描く力が存分に感じられる一冊。
恋愛×地獄 だけではなく、恋愛×切実さが好きな人に刺さる作品です。

『みにくいふたり』芦花公園

▶ 美しさと不穏さが絡みつく、台湾を舞台にした“百合×ホラー”長編

交換留学で台湾を訪れた女子高生の主人公。
異国の教室で感じた違和感の先で、彼女はひどく美しい少女のような存在と出会います。
けれどその相手には、近づいてはいけない気配がまとわりついていて、周囲からも「絶対に関わるな」と警告される――。

この作品の怖さは、びっくりさせるタイプではなく、
読んでいる間ずっと肌の上を薄く何かが這っているような、ぞわぞわした不安感が続くところ。
しかも、その不穏さの中に“美しさ”があるからこそ、余計に気持ちがかき乱されます。

百合、ホラー、異国の空気感。
それぞれが混ざり合って、かなり独特な読書体験になる一冊です。

『明日もいっしょに帰りたい』織守きょうや

▶ すれ違いの切なさと青春のまぶしさが詰まった、やさしい百合短編集

表紙から伝わるやわらかさそのままに、
こちらは青春のきらめきとすれ違いの切なさが詰まった百合短編集です。

特に印象的なのは、同じ学校の女の子に憧れている主人公の話。
好きなのに、その気持ちをうまく認めきれない。
相手も何かを思っているのに、少しずつタイミングがずれていく。
そんな青春の繊細な感情がとても丁寧に描かれています。

しかも一作目では片方の視点で描かれた物語が、後からもう片方の視点でも語られるので、
“お互い思い合っていたのにすれ違っていた”ことがわかって、さらに胸がきゅっとなる構成。
百合小説としてだけでなく、青春小説としてもとても素敵な一冊です。

『結論それなの、愛』一木けい

▶ 東南アジアの熱気とともに、どうしようもない恋の感情が立ち上がる恋愛短編集

夫の仕事の都合で海外に暮らすことになった女性たち。
現地での生活の中で生まれてしまう恋心や、冷え切った夫婦関係の中で揺れる感情が描かれた短編集です。

舞台は東南アジア。
その湿度の高い空気、甘い香り、少し浮遊感のある街の雰囲気が、物語の恋愛模様と絶妙に重なっていて、ただ不倫を描いているだけではない独特の読後感があります。

一木けいさんらしい、
恋愛×地獄、でもそこにちゃんと熱と切実さがある感じ。
読んでいると、感情が少しずつほぐされながらも、どこか危うい場所へ連れていかれるような作品です。

世界が舞台の本を集めてみました【10選】

読書万博開催!!🌍

本を開くだけで、知らない国の空気や歴史、人々の暮らしに触れられる。
読書って、いちばん気軽にできる“旅”なのかもしれません。

今回は、世界の国々を舞台にした10冊を集めた、まさに“読書万博”なラインナップ。
エジプト、インド、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、韓国、イギリス、カナダ、カンボジア、タイ――それぞれの土地の物語を通して、文化や価値観、歴史や空気感まで味わえる作品たちです。

ミステリ、純文学、エッセイ、長編、翻訳小説とジャンルもさまざま。
旅先を選ぶように、その日の気分で一冊選んでみるのも楽しいはずです。

🇮🇳『三つ編み』レティシア コロンバニ

▶ インド、イタリア、カナダ。異なる国で生きる3人の女性の人生が“見えない糸”でつながる感動作

インド、イタリア、カナダ。
まったく違う国で、まったく違う環境に生きる3人の女性の人生を描いた物語です。

印象的なのが、差別の中を生きる女性たちの生き方。
厳しい現実の中でも、自分と娘の未来のために立ち上がろうとする姿が胸を打ちます。

国も文化も職業も違う3人なのに、物語を読み進めるうちに、彼女たちの人生がひとつの“編み込み”のようにつながっていく構成が見事。
世界の広さと同時に、人が抱える痛みや希望の共通性も感じられる一冊です。

🇲🇽『テスカトリポカ』佐藤究

▶ メキシコの裏社会と神話が混ざり合う、暴力と熱気に満ちたノワール長編

メキシコの麻薬カルテルの世界から始まり、日本へとつながっていく壮絶な物語。
暴力、血、生と死が濃密に描かれる、圧倒的な熱量を持った一冊です。

この作品のすごさは、ただ危険な裏社会を描くだけではなく、アステカ神話や信仰の要素まで深く物語に組み込んでいること。
タイトルにもなっている“テスカトリポカ”という神の存在が、物語全体に不穏で神話的な迫力を与えています。

メキシコの危うさと濃さ、そして土地に根づいた神話の気配まで感じられる作品。
読後には、その国の“香り”まで記憶に残るような一冊です。

🇰🇷『菜食主義者』ハン・ガン

▶ ひとりの女性の変化から、暴力と支配と違和感をあぶり出す、韓国文学の代表作

ある日突然、肉を食べることを拒み始めた女性。
その行動をきっかけに、家族や周囲との関係が大きく揺らいでいく物語です。

韓国文学の面白さは、日本と文化的な距離が近いぶん、登場人物の感情や生活がとても身近に感じられるところ。
そのうえで、家庭の中の圧力や社会の価値観、個人の違和感がじわじわと広がっていくため、読んでいるうちに強く引き込まれます。

静かなのに、ものすごく強い。
韓国文学に触れてみたい人にもおすすめしたい、記憶に残る一冊です。

🇨🇦『くもをさがす』西加奈子

▶ カナダで病と向き合いながら見つめた、人のやさしさと生きることを綴るエッセイ

カナダで生活するなかで、がんを告知された西加奈子さんが、その経験を綴ったエッセイ。
病と向き合う苦しさはもちろんありますが、それだけではなく、カナダで出会った人たちのやさしさや、異国で生きる日々の温度までしっかり描かれています。

治療の記録というよりも、“どう生きるか”を見つめ直す本。
だからこそ重すぎず、読んでいて何度も人のあたたかさに救われます。

カナダという土地の空気や、そこに住む人たちの考え方も自然と伝わってくる一冊。
エッセイだからこそ、より生活の輪郭が見える作品です。

🇹🇭『結論それなの、愛』一木けい

▶ タイの空気とともに、揺れる恋愛感情を濃密に描いた、熱を帯びた恋愛小説

夫の仕事の都合でタイに暮らす女性が出会う、新たな恋愛。
異国での生活、少し浮遊したような日常、その中で生まれてしまう感情が、とても生々しく描かれています。

タイという土地の空気感や街の雰囲気、人との距離感がしっかり物語に染み込んでいて、舞台そのものが恋愛の熱を後押ししているよう。
ただの不倫や恋の話ではなく、“異国で暮らすこと”が心に与える揺らぎまで伝わってきます。

タイの暮らしの気配を感じながら、
愛のどうしようもなさを味わいたい人におすすめの一冊です。

この夏に読んだ6冊を紹介します【2025年8月】

最近読んだ本6選📚

最近読んだ本6冊をご紹介。
小説に限らず、雑誌や対談本まで含めて、ジャンルの振れ幅がとても楽しいラインナップになっています。

「最近どんな本が面白かった?」に対して、
こんなにバラバラなのに全部気になる、というのがこの企画の面白さ。
気軽に読めるものから、知識欲が刺激されるもの、じんわり余韻が残るものまで、ぜひ気になる一冊を見つけてみてください。

『冷ややかな悪魔』石田夏穂

▶ キャリア、体脂肪率、自己評価。現代の息苦しさを皮肉たっぷりに描く中編小説

出張続きでバリバリ働く商社勤務の女性が、ある日突然「体脂肪率が高いので出張禁止」と告げられるところから始まる物語。
設定だけでもかなり異様ですが、その異様さの中に、現代社会の妙なリアルがしっかり詰まっています。

仕事ができる自分に強い自負を持つ主人公が、ジム通いを強いられ、日本社会の古い価値観や、自分自身の見栄やプライドとも向き合うことになる。
その過程がかなり皮肉っぽく描かれていて、思わず笑ってしまうのに、読後にはなんとも言えない苦さが残ります。

短くて読みやすいのに、今の社会の嫌なところがぎゅっと詰まっている。
鋭さとユーモアが同居した一冊です。

『私たちのテラスで、終わりを迎えようとする世界に乾杯』チョン セラン

▶ 大きな絶望ではなく、“小さな楽しさ”を抱えながら生きる人たちを描く韓国短編集

たくさんの短編が収められた、韓国文学の魅力がぎゅっと詰まった一冊。
どの物語も、世界が劇的に変わるわけではないし、人生が突然好転するわけでもない。
それでも、人と乾杯する時間や、日々のちょっとした楽しさが確かにある――そんな空気がとても心地よく描かれています。

表題作も、終わりに向かっているような世界の中で、それでもテラスで乾杯するという、ささやかだけれど力強い物語。
大げさな希望ではないけれど、ちゃんと生きていく理由になるような感情が、小さな場面の中に宿っています。

文化的に日本と近いからこその読みやすさもあり、海外文学に挑戦したい人にもおすすめ。
静かだけれど確かなやさしさが残る短編集です。

涙なしでは読めなかった小説【3選】

全あかりんが涙🥹泣いた本3選

泣ける本を読む時間って、ただ悲しい物語に触れるだけではない気がします。
誰かを大切に思う気持ちや、失いたくないものへの愛、言えなかった後悔や、それでも前を向こうとする強さに触れて、気づけば自分の心まで少しやわらかくなっている。そんな読書体験、ありますよね。

今回は、あかりんが本気で泣いた3冊をご紹介します。
人ならざるものへの愛を描いた短編集、さまざまな愛の形が交差する長編、そして死と別れをめぐる連作短編。どれも違った角度から“愛”を見つめた作品ですが、共通しているのは、読んだあとに心がじんわり動くこと。

「思いきり泣きたい」時にも、
「感情をちゃんと動かしたい」時にも、
そっと寄り添ってくれる3冊です。

『ある愛の寓話』村山由佳

▶ 人と人ならざるもののあいだに宿る、深くて静かな“愛”を描いた短編集

村山由佳さんといえば、恋愛や愛を描く名手。
本作では、その視線が“人と人ならざるもの”の関係へ向けられています。

たとえば、捨てられてしまった猫
恋人が飼っている犬
カエルのぬいぐるみ
ある人がとても大切にしてきたかご

そうした「人ではない存在」への愛情が、ひとつひとつ丁寧に描かれていて、読んでいるうちに“愛する”ということの輪郭がどんどん広がっていくような一冊です。

なかでも印象的なのが、認知症を患った女性が、自分の愛したものについて語る短編「晴れた空の下」
忘れていくものが増えても、それでもなお残り続ける愛がある――その描き方がとても切なくて、胸に深く残ります。

生きものでも、物でも、自分が大事にしてきたものがある人ほど刺さるはず。
短編集なので読みやすく、それぞれ違った涙に出会える作品です。

『彼女がそれも愛と呼ぶなら』一木けい

▶ 恋愛、家族、孤独、救い――さまざまな“愛の形”が胸に迫る長編小説

主人公の高校生・千夏は、母と、母の恋人、3人で暮らしています。
一般的な家族の形とは少し違うその暮らしに、戸惑いもありながら、確かにそこにあるあたたかさも感じている。そんな彼女の視点から物語は始まります。

一方で、母の同級生である女性・絹香は、夫と娘のいる“普通の家庭”に見える生活の中で、孤独やしんどさを抱えています。
夫の長年の不倫が発覚し、自分の人生や愛の意味を見つめ直さざるを得なくなった彼女が、ある出会いによって揺れていく姿もまた、この作品の大きな軸です。

この物語のすごいところは、
恋愛だけではなく、家族愛、母娘の関係、血のつながらない人とのつながりまで、いろんな“愛”が同時に描かれていること。
どこに心を動かされるかは読む人によって全然違うはず。

今の自分の立場や経験によって、泣ける場所が変わる。
そんな、読み手の人生に寄り添ってくるような一冊です。

『ぎょらん』町田そのこ

▶ 亡くなった人の“最後の想い”に触れたいと願う人たちを描く、切なくやさしい連作短編

人が亡くなる時、その人の最後の想いが赤い小さな粒になって現れる――。
そんな都市伝説のような存在として語られる「ぎょらん」をめぐって、残された人たちの物語が紡がれていく連作短編集です。

大切な人は、最期に何を想っていたのか。
怒っていたのか、悲しんでいたのか、それとも自分を想ってくれていたのか。
きちんと別れを言えなかった人ほど、その答えを知りたくなってしまう。
この作品は、そんなやるせない後悔や、残された人の痛みを真正面から描いています。

“ぎょらん”は、見つけて食べることで、その人の想いがわかるという設定。
けれどそれは、相手の感情をまるごと引き受けることでもあり、簡単なことではありません。
だからこそ、知りたいと願う気持ちも、知ってしまう怖さも、どちらも胸に迫ってきます。

死を扱っているぶんしんどさはありますが、ただ悲しいだけではなく、
後悔を抱えながらも、それでも生きていこうと思わせてくれる作品です。
いい涙を流したい時に、強くおすすめしたい一冊です。

本好きが選ぶ2025年上半期ベスト3【ほんタメ文学賞】

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2025年1〜6月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『マイ・ディア・キッチン』大木亜希子

▶ “食べること”を支えに、自分の人生を取り戻していく再生のキッチン小説

モラハラ夫に支配される日々から逃げ出した主人公が、小さなレストランを通して少しずつ自立していく物語。
料理や食事の描写が魅力的なのはもちろんですが、この作品の本当の強さは、ひとりの女性が自分の生活を取り戻していく過程を丁寧に描いているところにあります。

食べることは、生きること。
美味しいものを口にすることが、自分を立て直す最初の一歩になる――そんなメッセージが、読んでいて自然と伝わってきます。

文章も読みやすく、本をあまり読まない人にもすすめやすい一冊。
「まずはここから読書を始めたい」という人にもぴったりの候補作です。

あかりん部門大賞🏆『カット・イン/カット・アウト』松井玲奈

▶ 演劇と芸能の世界を通して、“人は何を演じて生きているのか”を問いかける物語

売れない中堅女優と、元国民的アイドル。
舞台の現場で出会ったふたりの人生が交差し、少しずつ変わっていく本作は、芸能界や演劇のリアルを背景にしながら、もっと普遍的な問いへとつながっていきます。

それは、「演じる」とは何かという問い。
舞台の上だけでなく、私たちもまた日常の中で、誰かの期待する役割を演じながら生きているのかもしれません。

松井玲奈さん自身の経験がにじむようなリアルさもあり、舞台や芝居が好きな人にはもちろん、人間関係の中で“役割”を背負って生きているすべての人に響く作品。
読み終えたあと、自分が普段どんな顔で生きているのかを少し考えたくなる一冊です。

『一撃のお姫さま』島本理生

▶ 生きることの寂しさときらめきを、さまざまな女性たちの物語に閉じ込めた短編集

表題作では、曲作りのためにホストクラブへ通うアーティスト。
ほかにも、家の庭にテントを張って“家出”する母親や、15歳年下の宗教2世と暮らす大学教員の女性など、ユニークで強い設定の短編が並びます。

どの物語にも共通しているのは、生きることの寂しさと、そこに差し込む小さな喜びや希望。
ちょっと変わった状況の中にいる人物たちなのに、その感情は意外なほど身近で、読んでいてふっと心に残ります。

短編集だからこそ、いろんな温度の人生に出会えるのも魅力。
表紙の華やかさに惹かれて手に取りたくなる、印象的な一冊です。

最高の書き出しで無限に妄想が膨らみました【6選】

好きな書き出し6選!!📚

本を開いて、最初の一文を読んだ瞬間に「これはもう好きだ」と思えることがあります。
書き出しには、その作品の空気も、リズムも、作者の企みも、一気に読者を引きずり込む力がありますよね。

今回は、そんな“忘れられない書き出し”に注目した6冊をご紹介。
ゾンビの薬が売っている世界、エピローグから始まる殺人小説、アイドルがストーカーになる物語、死者が語りかけてくるミステリ、分裂しながら生きる「私」、そして「人を殺してしまった」から始まる超短編まで――最初の一文だけで世界が立ち上がる作品ばかりです。

内容紹介を全部しなくても気になってしまう。
それこそが、書き出しの持つ魔法なのかもしれません。

『箱庭クロニクル』より『あたたかくもやわらかくもないそれ』坂崎かおる

▶ ゾンビ×マツモトキヨシ____現実と異物感が絶妙に混ざる短編集

ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。

引用『あたたかくもやわらかくもないそれ』(『箱庭クロニクル』所収)坂崎かおる / 講談社

今回の書き出し企画で、まず強烈に印象を残すのがこの一冊。

ゾンビという非現実と、松本清というあまりにも現実的な固有名詞。
この組み合わせだけで、作品の温度やユーモア、そして“何かがおかしい世界”の気配が立ち上がります。

坂崎かおるさんの魅力は、こうした日常と非日常の接続のうまさ。
短編集全体を通しても、書き出しの強さが際立っていて、最初の一文から読者をつかむ力を存分に味わえる一冊です。

『愛じゃないならこれは何』より『ミニカーだって一生推してろ』 斜線堂有紀

▶ “人気アイドルが一般人をストーカーしたら?”という逆転の発想で心をつかむ短編集

人気アイドルが、一般人へのストーカー行為で逮捕されたら、
どんな結末が待っているだろう。

引用 『ミニカーだって一生推してろ』(『愛じゃないならこれは何』所収)斜線堂有紀 / 集英社

普通なら“追う側”と“追われる側”は逆のはず。
そこをひっくり返してくることで、読者は一瞬で「どういうこと?」と引き込まれます。

斜線堂有紀さんは、短い文章のなかに違和感や引っかかりを仕込むのがとても上手い作家さん。
この作品でも、最初の一文がそのままフックになっていて、意味を考え始めた瞬間に物語へ連れていかれます。

“書き出しの発明力”を感じたい人にぴったりの一冊です。

『世界99』村田沙耶香

▶ 意味と想像の広がりが止まらない長編小説

小さな分裂を繰り返しながら私は生きている。

引用 『世界99』村田沙耶香 / 集英社


生物学的に読めば細胞分裂のことにも思えるし、精神的な分裂、世界の分裂、自我の分裂のようにも感じられる。
シンプルなのに、どこまでも想像が広がっていく書き出しです。

しかもタイトルは『世界99』。
“世界”と“分裂”という言葉が並ぶことで、この物語がただの日常小説では終わらないことがすぐに伝わってきます。

村田沙耶香さんらしい、不穏さと哲学的な感触、そして世界の見え方そのものが揺さぶられるような予感。
長編の最初に置かれる一文として、これ以上なく印象的な書き出しです。

読者の頭のなかに、最初の一文でいくつもの「?」を生み出す。
そんな村田作品らしい魅力が詰まっています。

読書欲が止まりません…【2025年7月】

あかりんの最近読んだ本10冊

ハードカバー多めの豪華ラインナップで、エッセイ、純文学、恋愛、小説、短編集、グルメものまで幅広くそろった10冊。
軽やかに読める作品もあれば、人間関係のもやもやや、欲望、孤独、自立、恋愛の地獄まで、それぞれ違った温度の物語が詰まっています。

しかも今回は、食べものにまつわる本も多め。
おいしそうなごはんに救われたり、食べることから人間関係が見えてきたり、食欲の向こうにある感情まで描かれていたりと、読書欲だけでなく食欲まで刺激されるラインナップです。

気になる一冊を見つけて、ぜひ次の読書候補にしてみてください。

『なみまの わるい食べもの』千早茜

▶ 直木賞受賞後の“激動の日々”も食を通して描く、欲望に忠実な人気エッセイ第4弾

千早茜さんの人気エッセイシリーズ「わるい食べもの」の第4弾。
今回の見どころは、なんといっても直木賞受賞後の生活がのぞけるところです。

受賞後の作家がどれほど忙しくなるのか、どれほど生活のリズムが崩れるのか。
そんな特別な時期の体験が、千早さんらしく“食”と結びつけて綴られていて、とても面白い一冊でした。

冷蔵庫の中身を完璧に把握している人が、忙しさのあまり卵が切れていることに気づけなかった──そんな小さな出来事ひとつにも、その激変ぶりが表れています。
食べることを愛し、自分の欲に正直に生きる千早さんだからこそ書ける、日常エッセイの強さが詰まっています。

シリーズものですが、どこから読んでも楽しめる一冊です。

『楽園の楽園』伊坂幸太郎

▶ ディストピア×旅×ユーモアが軽やかに混ざり合う、25周年記念の幻想的な物語

大規模停電や危険なウイルスの蔓延で混乱した世界。
その原因が、暴走した人工知能「天軸」にあるのではないか──そんな世界を舞台に、選ばれた3人が“天軸”を目指して旅をする物語です。

ディストピアSFのような設定なのに、重たすぎず、どこか軽やかでユーモラス。
しかも作中にはフルカラーの絵や挿絵が散りばめられていて、伊坂幸太郎作品としては少し新鮮な読書体験になっています。

サクッと読める分量ながら、伊坂さんらしい不思議な物語性や、皮肉のきいた視点、人間とは何かを問うような感触もしっかり味わえる一冊。
世界観も装丁も含めて、手元に置いておきたくなる作品です。

『ノー・アニマルズ』鈴木涼美

▶ 欲望を抱えた人たちの“ちょっと諦めたリアル”が愛おしい、マンション連作短編集

取り壊しの決まった古いマンションを舞台に、そこに住む人たちの欲望や生活が描かれる短編集。
親との関係に悩む女子高生、犬を飼いたい43歳の女性、コンセプトカフェで働く女性など、それぞれの部屋にそれぞれの人生があります。

面白いのは、登場人物たちがみんな何かを欲しているのに、全力でそれをつかみにいくわけではないところ。
本気を出せば変えられるかもしれないけれど、そこまではしない。
その半端さや諦めや、ちょっとだらしない感じが妙にリアルで、逆にとても人間らしく見えてきます。

冷たく突き放すのではなく、どこかチャーミングに描かれているのも魅力。
「こういう人いるな」と思いながら読むうちに、自分にも重なる部分が見えてくる一冊です。

『カット・イン/カット・アウト』松井玲奈

▶ 芸能界と演劇のリアルを通して、“演じる”ことの意味を問いかける連作短編

芸能界、演劇、アイドル、女優──その世界にいる人たちの視点が少しずつ切り替わりながら進んでいく作品。
最初は、大きな舞台に立ちながらも主役にはなれない中堅女優の視点から始まり、そこから元国民的子役との出会いをきっかけに、物語が大きく動いていきます。

この作品の魅力は、やはり松井玲奈さん自身がその世界を知っているからこそ書ける芸能界・演劇界のリアルさ
役を演じること、期待に応えること、自分として生きることと、誰かの望む自分を演じることの境目がどこにあるのかを、深く考えさせられます。

タイトル通り、映画や舞台の“カットイン”のように過去と現在が差し込まれる構成も印象的。
近しい世界にいる人はもちろん、そうでない人にも響く“演じる”ことの物語です。

『逃亡するガール』山内マリコ

▶ 居場所を奪われた女子高生たちが、街と世界の広さに触れていく青春逃走劇

スタバで勉強していた女子高生が、盗撮されていると知らされることから始まる物語。
安心できるはずだった場所が、急に居心地の悪い場所に変わってしまう。
そこから出会った女子高生2人が、いろんな場所を移動しながら自分たちの居場所を探していきます。

富山の駅前や街の風景が具体的に描かれているのも特徴で、土地の空気感が物語にしっかり根を張っています。
さらに、世界史の授業で知る“世界”と、自分の暮らす“世界”が重なっていく感覚もとても印象的でした。

ただの青春小説ではなく、知識を得ることで世界の見え方が変わる、その瞬間のきらめきまで描いているのがこの作品の面白さ。
小さな逃避行の先に、ちゃんと広い世界が見えてくる一冊です。

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子

▶ “職場のもやもや”を食べものとともにあぶり出す、薄くて鋭い芥川賞受賞作

タイトルだけ見ると、やさしくてほっこりしたごはん小説に見えます。
でも実際は、職場の中にある理不尽さや嫉妬、もやもやを、食べることを通してじわじわ描いていく作品です。

体調を崩しがちで守られやすい同僚・芦川さん。
その存在に納得がいかない主人公は、彼女に対する嫌悪や不公平感を募らせていきます。
手作りお菓子、職場の空気、褒めなければならない時間、そして誰かが捨てたお菓子──どれも小さいのに、妙に息苦しい。

誰がいちばん悪いのか、簡単には決められないところも含めて、すごくリアル。
読んでいると、自分の職場や、自分の中の感情まで思い出してしまうような一冊です。

『マイ・ディア・キッチン』大木 亜希子

▶ モラハラ夫の支配から逃げた女性が、“食べること”を支えに自立していく再生の物語

見た目はかわいくて、お料理小説らしい雰囲気のある一冊。
でもその始まりはかなりしんどくて、主人公・葉は、体型管理からお金、行動まで細かく支配してくるモラハラ夫に縛られています。

そこから彼女がある日逃げ出し、小さなレストランで働き始めることで、少しずつ自分の人生を取り戻していく──そんな物語です。
精神的な自立だけでなく、生活やお金のことまで含めて「ひとりで立つ」ということが丁寧に描かれているのが印象的でした。

食べることが、人を生かし、立ち直らせる。
そんな力がちゃんと物語の中にあって、読む人の背中をそっと押してくれる一冊です。
おいしそうな料理写真も載っていて、読後に何か作りたくなるのも魅力です。

『地球の恋人たちの朝食』雪舟えま

▶ 日記のようで詩集のような、ロマンチックで不思議な言葉の宇宙

タイトルと表紙に惹かれて手に取りたくなる一冊。
実際の内容もとても不思議で、著者がインターネット上に綴っていた言葉たちをまとめた、日記のようで詩集のような本です。

物語としてわかりやすく筋があるわけではないけれど、会話や情景がぽつぽつと現れて、どこまでもロマンチックでポエティック。
読みながら、きれいな夢の断片を拾っているような気持ちになります。

説明しきれない魅力があるからこそ、刺さる人には深く刺さる作品。
タイトルと表紙に惹かれた人なら、きっとこの本の言葉の空気感も好きになるはずです。

『天使は見えないから、描かない』島本理生

▶ 叶わないはずの関係なのに、どうしようもなく惹かれてしまう“大人の恋愛×地獄”

弁護士として働く女性主人公には夫がいる。
それでも彼女は、18歳年上の実の叔父と関係を重ねてしまう──そんな危うい関係から始まる恋愛小説です。

しかも夫もまた別の女性を妊娠させ、離婚へ。
主人公は揺れながらも、自分の本当の気持ちに向き合っていくことになります。

許されない関係、年齢差、家族という距離感。
それでも、あるひとりの相手を長く思い続けるその感情は、読んでいるとどこかロマンチックにも見えてきます。
簡単に肯定できないのに、気持ちだけは本物に思えてしまう、その危うさが強い引力を持った一冊です。

『箱庭クロニクル』坂崎かおる

▶ 日常のすぐそばにある“少し不思議”と人間の必死さを描く、やさしくておかしい短編集

幻想小説のイメージが強い坂崎かおるさんですが、本作はもっと現実寄り。
時代も舞台もさまざまな短編が収められていて、タイピストに憧れる女性の話や、ボードゲームの商品名を考える人たちの話など、仕事や日常に寄り添った物語が多く並びます。

中でも印象的なのは、チェーンのとんかつ店のスタンプカード廃止に異様な執着を見せる女性の話。
少し行きすぎていて、でもその必死さの裏にある感情もわかる気がして、なんとも言えずおもしろい。

ロマンチックさも、人間の滑稽さも、どちらもちゃんとすくい取ってくれる作品集。
表紙のかわいさや書き出しの強さにも惹かれる、出会ってほしい一冊です。

積読本を解消する時期がきました

積読本を解消しよう〜📚 part2

読みたいと思って買ったのに、気づけばそのまま本棚へ。
本好きなら誰しも心当たりのある“積読”ですが、ずっと気になっていた一冊を読めた時の満足感は、やっぱり格別です。

今回は、そんな「ずっと読みたかったのに、なかなか読めていなかった」積読本をたくみさん・あかりんが紹介。

積読の先には、思いがけず自分の世界を広げてくれる一冊が待っているかもしれません。
「いつか読もう」を「今読もう」に変えたくなる動画です。

『他に好きな人がいるから』白河三兎

▶ 白うさぎの仮面の向こうに惹かれていく、危うくてまぶしい青春小説

白うさぎのかぶり物をした少女と出会った少年が、彼女の“危うい表現”に巻き込まれていく青春物語。
高い場所に登って写真を撮る少女、その正体を暴こうとする周囲の視線、そして少しずつ近づいていくふたりの距離感が、独特の緊張感を生み出します。

可愛らしさだけではない、不穏さをまとったモチーフが印象的で、青春小説でありながらどこかミステリアス。
さらに物語の中には伏線も丁寧に張られていて、読み終えた時にきれいにつながっていく心地よさもあります。

淡い恋、危うさ、謎めいた存在感。
そんな要素が好きな人におすすめしたい一冊です。

『彗星を追うヴァンパイア』河野裕

▶ 科学のまなざしとファンタジーのときめきが重なる、知的でロマンあふれる物語

17世紀イングランドを舞台に、科学の世界とヴァンパイアという幻想的な存在が交差していく物語。
理系的な要素を含みながらも、難しさより先に“世界の美しさ”や“知を追いかけるロマン”が伝わってくる作品です。

数式や理論に美しさを見出す感覚、未知のものに出会うことで当たり前が少しずつ変わっていく感覚。
そうした知的な魅力と、異形の存在との関係性が丁寧に描かれていて、科学とファンタジーが気持ちよく溶け合っています。

「ダレン・シャン」のような、昔好きだったファンタジー小説を読むような懐かしさもありつつ、新鮮な発見もある。
ロマンのある物語が好きな人にぴったりの一冊です。

『羅刹国通信』津原泰水

▶ 現実と夢の境界が揺らぐ、妖しく美しい幻想小説

12歳で叔父を殺した少女。その罪をきっかけに、自分は“鬼”になってしまったのではないか──そんな不穏な感覚から始まる物語です。
自分には角が生えていると感じているのに、他人には見えない。その曖昧で不安定な感覚が、作品全体に濃密な怖さを漂わせます。

現実と夢が交互に入り混じり、人が少しずつ壊れていくような気配がじわじわと迫ってくるのが本作の魅力。
はっきり説明されすぎないからこそ、読者自身もまた、物語の揺らぎに巻き込まれていきます。

幻想小説としての美しさと、心理的な怖さが同居した、唯一無二の読書体験を味わえる一冊です。

【閲覧注意】グロすぎる小説3選

閲覧注意!!グロ小説3選⚠️

「グロい」「ゾワゾワする」「でも読まずにはいられない」──。
今回は、そんな“刺激の強い読書体験”を求める人に向けた、閲覧注意級のグロ小説特集です。

映像ではしんどいのに、なぜか小説だと読めてしまう。
そんな不思議な魅力を持つのが、文章で味わうグロテスク表現の世界。
ただ残酷なだけではなく、ミステリとしての謎心理的な嫌さ現実に起こりそうな怖さまで重なって、読後にじわじわ効いてくる作品がそろいました。

この夏、とびきりゾクッとしたい人へ。
背筋が冷える3冊をご紹介します。

『ホワイトバグ 生存不能』安生正

▶ 謎の吹雪がもたらす“生存不能”の恐怖が迫る、リアル寄り極限パニック×ミステリ

原因不明の吹雪に見舞われた人々が、なぜか無残な死体となって発見される──そんな異常現象から始まる一冊。
ただ人が死ぬだけではなく、まるで“何かに食い破られた”ような死体の描写が不気味で、得体の知れない恐怖が全編を覆います。

本作の怖さは、単なるグロテスクさよりも、「もしかして現実にも起こりうるのでは」と思わせるリアリティ。
環境問題にもつながるような設定が効いていて、真相が明かされた瞬間には、気持ち悪さと同時に鳥肌が立つはずです。

今回紹介する3冊の中では比較的読みやすめですが、
そのぶん“身近に起こりそうな怖さ”が際立つ作品です。

『独白するユニバーサル横メルカトル』平山夢明

▶ 人間の嫌さと肉体の生々しさが同時に襲う、“不快感”極まるグロ短編集

タイトルからして異様な空気を放つ本作は、強烈な読後感を残す短編集。
グロテスクな描写だけでなく、人間のどうしようもない嫌さや、精神的に追い詰められるような不穏さが濃密に詰まっています。

なかでも印象的なのは、死体処理のために“人を食べる”大男が登場する「Ωの聖餐」
設定だけでも相当きついのに、そこへ平山夢明の生々しい筆致が加わることで、読んでいるこちらまで胸焼けしそうな不快感に包まれます。

一方で「Ωの聖餐」のような強烈なグロだけでなく、
「無垢の祈り」では少女があまりに過酷な現実のなかで、殺人犯に救いを見いだしてしまうような、精神的にしんどいタイプの怖さもあるのが本作の魅力。

血や肉のグロだけではない、“人間そのものの気持ち悪さ”を味わいたい人に刺さる一冊です。

『少女を殺す100の方法』白井智之

▶ 少女たちが次々と凄惨に死ぬのに、きっちりミステリとして成立する衝撃のグロ短編集

タイトルの時点で覚悟が必要な本作は、まさにフルパワーのグロ×ミステリ
短編集でありながら、各話で少女たちが次々と凄惨な死を迎え、しかもその描写が容赦なく、読者の想像力を全力で刺激してきます。

顔が判別できないほどに損壊した死体、
ありえないほど異様なシチュエーションで生まれる大量殺人、
“どうしてそんな発想になるのか”と呆然とするような設定の連続。
それでも白井智之作品のすごいところは、そこにきちんとミステリとしての謎解きの快感があることです。

ただグロいだけでは終わらず、
「なぜこうなったのか」「誰がやったのか」を追う面白さがあるからこそ、最後まで読まされてしまう。
小説だからこそ成立する、極端で悪趣味で、でも抜群に面白い読書体験を味わいたい人におすすめです。

映画も原作も好きな小説【6選】

『映画も原作も好きな小説【6選】〜〜〜!!』

映画も原作も好きな作品ってありますよね。
小説ならではの心理描写や構成の面白さ、そして映像ならではの演出や俳優の表現。

同じ物語でも、小説と映画ではまったく違う魅力が生まれることがあります。

小説を読んでから映画を見るのも良し、映画を見てから原作を読むのも良し。
それぞれの違いを楽しみながら、ぜひ両方味わってほしい6作品です。

『何者』朝井リョウ

▶ 就活生のリアルな心理を描く、現代青春群像劇

就職活動を控えた大学生たちの葛藤や焦り、見栄や承認欲求を描いた青春小説。
SNSでの発言や仲間同士の距離感など、「意識高い系」になろうとする若者たちの姿がとてもリアルに描かれています。

映画版では、役者の演技や演出によってその“痛さ”や“しんどさ”がさらに強調され、原作とはまた違ったリアリティが生まれています。
就活経験がある人はもちろん、学生時代の自分を思い出して少し胸が痛くなるような作品です。

『エゴイスト』高山真

▶ 愛とは何かを静かに問いかける、切なくも美しい物語

14歳で母を亡くした男性が、自分のセクシュアリティを押し殺して生きてきた過去を経て、東京で出会った恋人との関係を通して愛を知っていく物語。

映画版では鈴木亮平と宮沢氷魚が主演を務め、繊細な感情の揺れが丁寧に表現されています。
特に印象的なのは、人物の顔のクローズアップを多用した映像演出。視線や表情の細かな変化が、言葉以上に感情を伝えてきます。

原作の持つ静かな余韻と、映画の濃密な演技。
どちらも観て・読んでこそ味わえる作品です。

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智

▶ 恐怖とエンタメが融合した、新感覚ホラー

平凡なサラリーマンの家庭に忍び寄る“ぼぎわん”という謎の存在。
怪異に立ち向かう霊媒師たちとともに、恐ろしい出来事の真相が明らかになっていきます。

映画版『来る』では、原作のホラー要素をベースにしながらも、派手な演出やアクション要素が加わり、エンターテインメント性が大きく強化されています。

原作はじわじわと恐怖が迫る本格ホラー、映画はド派手なオカルトバトル。
同じ物語でもここまで雰囲気が変わるのかと驚かされる作品です。

おすすめされた本を含めて6冊紹介します【2025年6月】

・:*:🍅最近読んだ本6作🍳・:*:

今回は、料理本からミステリー、文学、科学雑誌、さらには写真集まで――とにかくジャンルが幅広い回!
最近読んだ本を、たくみさんとあかりんが3冊ずつ紹介します。

料理初心者でも作れてしまうレシピ本、現代社会を舞台にしたミステリー、人生の選択を考えさせられる文学作品、猫の科学を解説する雑誌など、読みどころ満載。
視聴者さんおすすめの本も登場します📚

気になる作品があればぜひチェックしてみてください!

『大きな熊が来る前に、おやすみ。』島本理生

▶ 恋愛の中に潜む、不安と恐れを描く短編集

恋愛や人間関係の中でふと訪れる、感情の揺らぎや不穏さ。
そんな瞬間を繊細に描いた三編の短編小説が収録されています。

憧れの相手との距離が縮まっていくなかで、
ある瞬間を境に感情が大きく変わってしまう――。

穏やかな日常の中に潜む不安や恐怖を、島本理生らしい丁寧な筆致で描いた作品集。
恋愛の甘さだけでなく、その裏側にある感情まで描き切った一冊です。

『熟柿』佐藤正午

▶ 人生の“選択”がもたらす重みを描く、静かな衝撃作

ある女性の人生を、年月を追いながら描く物語。
彼女はある選択をきっかけに、少しずつ人生が思わぬ方向へ進んでいきます。

人生は一つの選択で変わってしまうのか。
読むほどに、自分自身の人生や選択を振り返りたくなる作品。
タイトル「熟柿」の意味が最後に深く響いてくる、人生小説です。

本棚に並べたい映え本【6冊】

✨映え本6選!!✨

本って、読むだけじゃなく「置いてあるだけで気分が上がる」ものもありますよね。
今回のテーマは、表紙や装丁がとにかく素敵な“映え本”。本棚に面で飾りたくなるもの、思わずジャケ買いしてしまうもの、部屋の空気までちょっとおしゃれにしてくれそうなものを集めた6冊です📚✨

色鮮やかな一冊も、シンプルなのに洗練された一冊も、それぞれに違う魅力があるのが本の楽しいところ。
「読む本」としてだけでなく、「置いておきたい本」としても楽しめる作品たちをまとめました。

『流浪の月』凪良ゆう

▶ エメラルドグリーンの静けさが美しい、記念カバー文庫の“飾りたくなる名作”

『流浪の月』の100万部記念アニバーサリーカバー版。
この文庫版の魅力は、なんといっても真っさらで静かなエメラルドグリーンの装丁です。

タイトルや鍵のモチーフがきらりと光るデザインになっていて、シンプルなのに強く目を引く。
文庫本でここまで“飾り映え”するのはかなり珍しく、本屋さんで見かけた瞬間につい手に取りたくなる存在感があります。

すでに作品を読んでいても、装丁に惹かれて買いたくなる。
まさに“映え本”というテーマにぴったりの一冊です。

『大人をおやすみする日』文月悠光

▶ しりみみうさぎの儚さが映える、詩集とは思えないほどおしゃれな一冊

イラストの力で一気に心を掴まれる装丁。
表紙を飾るのは、「しりみみうさぎ」が大きなソファに座ってバイオリンを弾く姿。

曇り空の下、少し夢のようで、少し寂しげで、でもとても上品。
タイトルの「大人をおやすみする日」という響きともぴったり重なっていて、見た瞬間に“これは素敵だ”と思わせてくれます。

詩集としての中身はもちろん、まず表紙の世界観に惹かれる。
本棚に飾るだけで、ちょっと部屋の空気がやわらかくなりそうな一冊です。

『シンジケート』穂村弘

▶ 透明カバー越しのイラストが美しい、“本に見えない”ほど洗練された歌集

新装版ならではの装丁の美しさが光る一冊。
透明感のあるカバーに女の子のイラストが重なっていて、ぱっと見では“歌集”というより、おしゃれなアートブックやノートのようにも見えます。

タイトルは控えめに小さく入っていて、主役はあくまでこの繊細なビジュアル。
カバーを外すとまた違った表情が現れ、細部までデザインのこだわりを感じられるのも魅力です。

読んでも飾っても満足感が高い、“ジャケ買いしたくなる本”の代表格です。

読書初心者がまず読むべき本【3選】

文字数少なめ小説3選!!☘️

「本を読みたいけど、何から読めばいいかわからない」
そんな時こそ、まずは“ちゃんと読み切れる一冊”から始めるのがいちばんです。

いきなり分厚い話題作に挑むと、読書そのものがしんどくなってしまうことも。
だから今回は、読書初心者さんに向けて、文字数少なめで読みやすいのに、しっかり“本を読んだ満足感”も味わえる3冊をあかりんがセレクト📚

短編集から、眠れない夜に寄り添う本、そして大人にも刺さる絵本まで。
この春、「読書を始めたい」と思ったあなたの最初の一冊が見つかりますように。

『放課後の音符』山田詠美

▶ 大人になりきれない高校生たちの、みずみずしくて少し苦い青春短編集

高校生の女の子たちを主人公にした、短い物語がいくつも収録された青春短編集。
1編あたり20ページほどで読めるので、とにかくテンポよく読み進められます。

恋愛、友情、背伸び、大人への憧れ。
まだ子どもだけど、もう子どもではいられない――そんな揺れる時期の感情が、山田詠美さんらしい繊細さで描かれています。

さらにあかりんの恋愛×地獄のルーツになった(?)一文も…。

男と女のことに関する限り、時には幸福よりも不幸の方が
人をひきつけるものだということを
私は、その時、学んだのだった。

引用 『放課後の音符』山田詠美 / 新潮社

リアルな学校生活や人間関係がベースになっているので、ファンタジーよりも身近に感じやすく、読書初心者にも入りやすい一冊。
青春小説の入口としてぴったりです。

『眠れない夜のために』千早茜

▶ 眠れない夜にそっと寄り添う、やさしくて美しい超短編アンソロジー

“眠れない夜”をテーマにした、とても短い物語が10編収録された一冊。
通常の小説より文字量がかなり少なく、さらにイラストもたっぷり入っているので、読書に慣れていない人でも手に取りやすい構成です。

クッキー缶を夜にひとり開ける話、雨音に耳を澄ます夜の話など、どの作品も静かで、少しs詩的で、どこかロマンチック。
千早茜さんのやわらかく美しい文章を、“少ない文字数”で味わえるのも大きな魅力です。

「本を読むってこういう心地よさなんだ」と思わせてくれる、読書の入り口にぴったりの一冊です。

『すきって いわなきゃ だめ?』辻村深月 (著), 今日マチ子 (イラスト)

▶ “好き”を伝えるってどういうこと? 大人にも刺さる、恋の絵本

クラスの中で「好き」が飛び交いはじめた、小学生の子どもたち。
そんな中で、「好きって言わなきゃだめなの?」という素朴で大切な問いを描いた絵本です。

ページ数も少なく、文字量もぐっと控えめ。
それでも読後には、恋や気持ちを伝えることについて、ちゃんと考えさせられる深さがあります。

子どもの恋の話のようでいて、実は大人ほどハッとするかもしれない。
「小説って言っていいと思う」とあかりんが言うほどの深みがあるので小説枠でご紹介。

“絵本だから簡単”ではなく、“絵本だからこそまっすぐ届く”一冊です。

最近読んだおすすめの本6冊【2025年5月】

最近読んだ本6選!!📚

喫茶店の香り、あたたかいごはん、たい焼きの甘さ。
今回の6冊は、読んでいるうちにじんわりお腹が空いてきて、ちょっと日常を愛したくなるラインナップでした。
雑誌、絵本、小説、書簡形式の物語までジャンルはさまざま。でもどの本にも、“誰かと何かを味わう時間”の豊かさが詰まっています☕️📚

『カフネ』阿部暁子

▶ 誰かの暮らしを支えることが、自分を救うことにもなる——やさしさが沁みる家事代行小説

弟を突然亡くし、自分自身の生活も壊れかけていた主人公。
そんな彼女が出会うのが、弟の元恋人で料理人の女性。

彼女に誘われて、家事代行サービスの手伝いを始めることで、
主人公は少しずつ他人の暮らしに触れ、自分の心も整っていきます。

タイトルの「カフネ」は、“愛する人の髪にそっと指を通す仕草”を意味する言葉。
その名の通り、この作品は人を思いやること、そのぬくもりをまっすぐ描いた物語です。

美味しそうなごはんの描写もたっぷりで、心にもお腹にも効く一冊。

『ユニコーンレターストーリー』北澤平祐

▶ 手紙だから届く気持ちがある——幼なじみの時間を見守る、絵とことばの青春小説

10歳で離れ離れになった、幼なじみのハルちゃんとミチオくん。
そこから始まる、ふたりの長い文通を描いた物語です。

本作の魅力は、手紙の文章だけではなく、
北澤平祐さんのイラストが一緒に感情を語ってくれるところ。

手紙では明るく書いていても、絵の中では少し寂しそうだったりする。
その“言葉にしきれない部分”まで見えてくるのが、この本ならではです。

成長とともに変わっていく距離感、やりとりの頻度、伝え方。
青春のきらめきと切なさを、そっと封じ込めたような一冊です。

大好きな恋愛小説を9冊紹介【恋愛×地獄】

❤️‍🔥꒷꒦꒷꒦ あかりんオススメ!恋愛×地獄 ꒷꒦꒷꒦❤️‍🔥

恋って本来、あったかいもののはずなのに――
なぜか“救い”より先に“痛み”が来てしまう瞬間がある。
今回のテーマは、あかりんのど真ん中「恋愛×地獄」。甘くて、苦くて、時々美しい。そんな“恋の落下”を9冊で味わえる、禁断のグラフが完成しました❤️‍🔥

『痴人の愛』谷崎潤一郎

▶ “惚れたが負け”を文学にした、振り回され恋愛の元祖クラシック

若い女性に惹かれ、気づけば生活も価値観も飲み込まれていく――。
恋というより「執着」「勘違い」「見栄」が絡み合い、男が自滅していく様子が滑稽で痛い。
ただ、地獄の底まで行くというより“沼にハマっていく過程”のリアルさが強烈。
恋愛×地獄ジャンルの入口に置きたい、原点の一冊。

『ミシン missin’』嶽本野ばら

▶ “好き”のために人生が曲がる——ピュアさが狂気に触れる青春ラブ

主人公の少女は、憧れのアーティスト「ミシン」に近づきたくて、できもしないのに「ギター弾けます」とバンドに入り込む。
無理をしてでもそばにいたい、その一途さは痛いほど純粋。
そしてこの物語は、読後に「あれは地獄か、幸福か」を揺さぶってくる。
他人から見たら危ういのに、本人にとっては“愛の完成”に見えてしまう――そんな魔力がある。

『愛じゃないならこれは何』斜線堂有紀

▶ 叶わない恋の“手触り”だけが残る——短編で刺す、切ない恋愛×地獄

短編集の中にあるのは、うまくいかない恋、届かない気持ち、すれ違いの痛み。
命を投げるような派手な地獄ではなく、もっと日常に近い「どうにもならなさ」がじわじわ効くタイプ。
恋愛の熱量はあるのに、幸福に着地しない――その余韻が、いちばん現実に似ていて苦しい。

『純潔』嶽本野ばら

▶ 恋が“信仰”になる瞬間——人生丸ごと捧げる、献身系恋愛地獄

大学生の主人公が恋をした相手は、過激な活動をする女性。
彼女に惹かれたことで、主人公の生き方は一変し、愛を証明するように人生を差し出していく。
報われる/報われないを超えて、「好きな人のために全てを投げ出せる」こと自体が愛になる。
ロマンチックなのに、どこか怖い。だからこそ忘れられない一冊。

『流浪の月』凪良ゆう

▶ “加害者と被害者”のラベルが恋を壊す——他者の視線が生む、静かな地獄

かつて一緒に暮らした2人。けれどそれは周囲から“誘拐”と断定され、引き裂かれてしまう。
大人になって再び交差する運命は、恋という言葉だけでは測れない「絆」と「救い」の物語へ。
2人が望むほど、世間は許さない。外側の正義が、内側の真実を削っていく。
“恋愛×地獄”の中でも、いちばん胸の奥が冷えるタイプ。

『遮光』中村文則

▶ 愛が暴走すると“記念品”が欲しくなる——執着が生む、恋のホラー

喪失と執着が結びついたとき、人は現実の輪郭を失っていく。
「好きだからこそ、形として残したい」という欲望が、倫理のラインを越えてしまう怖さ。
恋愛として読めるのに、心の奥にある闇を直視させられる。
“恋の名を借りた地獄”を味わいたい人向け。

『ロリヰタ。 』嶽本野ばら

▶ 受け入れられない愛ほど、純粋に見える——読者の価値観を揺らす地獄

この作品の地獄は、登場人物だけのものじゃない。
「読者が受け入れられるかどうか」という地点まで含めて、地獄が設計されている。
拒否感を抱く人がいるのもわかる。でも、あかりん視点では“純愛”として読めてしまう。
愛とタブーが隣り合う場所に立たされる、強度の高い一冊。

『私の男』桜庭一樹

▶ 幸せになれないと分かっていて落ちる——美しくて残酷な、最深部の恋地獄

孤独な少女と、彼女を引き取った男。
守るはずの関係が、ゆっくり歪み、決して肯定されない形へと沈んでいく。
片思いの切なさではなく、「互いに離れられない」ことそのものが地獄。
桜庭一樹の“綺麗な地獄”が、最も濃く出る代表作。

『あまいゆびさき』宮木あや子

▶ “好き”が強すぎて境界を越える——少女たちの運命が絡まる背徳

団地で出会った2人の少女は、互いがいないと成立しないほど密接になっていく。
けれど、関係が深まるほど、世界はそれを許さない。引き裂かれ、再会し、追っては離れる――。
幼さゆえの衝動と、成長とともに増す“タブーの自覚”が、恋愛を地獄に変えていく。
甘さと危うさが同居する、あかりんの“新規投入枠”にふさわしい一冊。

GWにも読んでほしい10冊【2025年5月】

📚あかりんの最近読んだ10冊📚

ワクワクするほど多岐にわたるジャンルの本たち📚
ぜひ気になる一冊を手に取ってみてください!

『タイムマシンに乗れないぼくたち』寺地はるな

▶ “人生は変えられなくても、今日の気分は変えられる”——小さな出会いが灯す、日常の短編集

7つの短い物語が収録された短編集。
派手な事件ではなく、日常に疲れた心が「ちょっとだけ救われる」瞬間を丁寧にすくい上げます。
たとえば商店街で働く女性が、ストレスをかわすために「今日から殺し屋として生きよう」と心の中で決める——そんな“ライフハック”のような発想が、切なさと可笑しさを連れてくる。
大きく人生が変わるわけじゃない。でも、出会いが少しだけ世界の見え方を変える。静かに効く一冊です。

『キャッツ: ポッサムおじさんの実用猫百科』T.S. エリオット

▶ ミュージカル『CATS』の“源流”へ——猫への愛が詩になった、読むキャッツ体験

あのミュージカル『キャッツ』の土台になった“猫の詩集”。
物語というより、猫たちのキャラクターや気配が詩として並び、読んでいると「舞台で見た!」が次々つながっていきます。
挿絵はエドワード・ゴーリー。かわいいのにどこか不穏、でも猫への愛は本気。
『キャッツ』観劇済みの人はもちろん、猫好きにも刺さる“原点を覗く”一冊です。

『炭酸水と犬』砂村かいり

▶ “別れたいわけじゃない”が一番しんどい——関係のグレーに沈む、恋愛のモヤモヤ小説

「恋人に、もう一人恋人ができた」——最悪な宣告から始まる物語。
しかも相手は別れたいわけではないと言い、生活は続く。怒るべきか、耐えるべきか、努力するべきか、その努力って何?
読みながらずっと胸の奥がムズムズ、いや、うずうず、苦しい。
でも同時に、“選ぶこと”の怖さと必要さを突きつけてくる一冊です。

『裸足でかけてくおかしな妻さん』吉川トリコ

▶ 「妻」でも「母」でもない、“私の名前”で生き直す——歪な同居から始まる、再生の物語

妊娠した女性・楓が、相手の作家から「妻がいる家で一緒に暮らそう」と提案される。
しかし作家は東京へ戻り、残されたのは“妻”と“愛人”の二人。普通なら成立しないはずの暮らしの中で、二人の関係が奇妙に、そして深く編み直されていきます。
この物語が触れていくのは、「妻」「母」と呼ばれることで薄れていく“名前の自分”。
呼ばれ方の外へ飛び出し、自分を取り戻していく強さが、静かに胸を打つ一冊です。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

▶ たった一通の手紙が、時代を超えて届く——“悩み”が人を救う、あたたかな連作物語

悪事を働いた若者たちが逃げ込んだ古い家——そこはかつて悩み相談を受けていた「雑貨店」だった。
閉店しているはずなのに、夜になると手紙が届き、返信すると不思議なつながりが生まれていく。
群像劇のように複数の人生が交差し、手紙を介して少しずつ“救い”が回っていく構造が見事。
舞台化・ミュージカル化にも映える“王道のエンタメ感”を、しっかり味わえる一冊です。

『羊式型人間模擬機』犬怪寅日子

▶ “羊になる男たち”を解体するアンドロイド——美しく奇妙な世界で描く、生と性のSF

ある一族では、男たちが死の間際に“羊”になる。
主人公の「わたくし」はその一族に仕えるアンドロイドで、羊となった肉を解体し、供する役割を担っている。
世界の説明は最小限なのに、描写はどこまでも美しく、淡々としているからこそ不穏さが沁みてくる。
生と死、性、人間とは何か——濃密なテーマが“唯一無二の読後感”で押し寄せる、挑戦する価値のあるSFです。

『ほかに誰がいる』朝倉かすみ

▶ “一目惚れ”が人生を侵食する——近づくほど壊れていく、運命の愛のホラー

電車で出会った“運命の人”。
その瞬間から、彼女の世界はその相手一色になり、友達になるだけでは足りなくなっていく。
章は短く、断片の積み重ねで時間が進むほどに、気づけば取り返しのつかない場所まで連れていかれる。
美しい一目惚れの物語に見せかけて、人が人を想う怖さを真正面から描く一冊です。

『砂嵐に星屑』一穂ミチ

▶ うまくいかない仕事、うまく言えない本音——大阪のテレビ局を舞台にした、お仕事連作短編

舞台は大阪のテレビ局。
アナウンサー、AD、タイムキーパーなど、表に出ない仕事も含めて、さまざまな立場の“働く人”が主人公になる連作短編集です。
頑張り方がわからない、向いてない気がする、それでも辞めるほどでもない——そんな現実的な揺れが、優しい温度で描かれていく。
「頑張れ」だけじゃない、「頑張らなくてもいい」だけでもない、その間の言葉が欲しい時に効く一冊。

『PRIZEープライズー』村山由佳

▶ “どうしても直木賞が欲しい”——欲望と愛と業がむき出しになる、出版界リアル小説

人気も実績もあるのに、なぜか直木賞だけが獲れない作家・天羽カイン。
彼女の「どうしても欲しい」という執念が、作家の欲望、賞レースの空気、出版界のリアルをえぐるように描き出します。
さらに濃いのが、作家と編集者の関係——支え合いであり、共犯であり、愛でもある深い結びつきが重く刺さる。
創作に関わる人ほど心臓を掴まれそうな、“読んでしまった”感の強い一冊です。

絶対読みたくなる!ディストピア短編【3選】

🪐〜短編ディストピア3選〜🪐

現実とは少し違うのに、妙にリアル。
“未来の話”として読んでいるはずが、気づけば「これ、もう始まってない?」と背筋がひやっとする——。
今回は、重すぎずライトに読めるのに、ちゃんと考えさせられる短編ディストピア(+SF)を3冊まとめました🪐

『死んだ恋人からの手紙』伴名練

▶ 届き続ける“死者の言葉”が、時間と心をずらしていく――宇宙戦争×恋愛SF短編

宇宙戦争に従軍した恋人から、手紙が届き続ける。
ただし、舞台が宇宙であるがゆえに距離は途方もなく遠く、通信には大きなラグが生まれる。

やがて別の手紙で、恋人はすでに亡くなったと知らされるのに——
その恋人の手紙は、遅れて、時系列もバラバラに、届き続ける。

“もういない人の言葉が残り続ける”という感覚は、SNSやログが当たり前の今だからこそ刺さる設定。
SFの壮大さを借りながら、喪失と愛情をものすごく身近に感じさせる、切なさ強めの短編です。

『走馬灯のセトリは考えておいて』柴田勝家

▶ 死が“卒業”になる世界で迎える、ラストライブ――近未来の優しい違和感SF

人のライフログを保存し、死後も“分身(ライフキャスト)”を残せる社会。
別れは絶対的な終わりではなくなり、葬儀すらどこかポップな「一区切り」へ変わっていく。

主人公は、その分身を作る仕事をする“ライフキャスター”。
そこへ舞い込むのが、かつて人気を博したバーチャルアイドルの「ラストライブをやりたい」という依頼。

明るく読みやすいのに、「魂はどこにある?」「死の意味は変わる?」と倫理の線をじわっと踏む。
VTuber文化や“推し”のいる人ほど、切なさが刺さる一冊です。

『人間たちの話』より『たのしい超監視社会』柞刈湯葉

▶ 監視されるほど“楽しくなる”世界――SNS時代の裏返しみたいなポップな監視ディストピア

徹底した相互監視社会で、人々は「相互監視メイト」を組む。
相手の違反を通報すればポイントが入り、“信用値”が上下する仕組み。

しかもこの社会、監視カメラの視聴者は権力者だけじゃない。
誰でも他人を見られるからこそ、みんな“見られる前提”で生活を演出しはじめる。
ファンが増えるほど信用値が上がり、監視がエンタメ化していく——。

怖いはずなのに、どこか“楽しそう”に見えてしまうのが一番こわい。
YouTubeやSNS、フォロワー文化の延長線として読めて、笑いながらゾクっとする短編です。

最近読んだ春っぽい本を6冊紹介【2025年4月】

最近読んだ本6選!!📚

春の気配を感じる、軽やかなラインナップが揃いました。
ミステリ短編集からノンフィクション、言葉の雑学本、写真集、カルチャー誌、そして青春小説まで――ジャンルレスに6冊をご紹介。
読書欲がふわっと芽吹く、そんな回です🌸

『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』大木亜希子

▶ “詰んだ”はずの人生に、そっと灯る再スタートの物語

元アイドルの著者が、心身ともに限界を迎えたとき――
赤の他人の56歳会社員と同居するという選択をした実体験ノンフィクション。

劇的な事件が起こるわけではない。
ただ、同じ屋根の下で暮らす日々のなかに、さりげない優しさがある。

人生は、思わぬ形で続いていく。
“詰んだ”と思った人の背中を、そっと押してくれる一冊です。

『ピクニック部』嶽本野ばら

▶ “可愛い”を信じることは、生き方そのものだ

可愛い先輩を追いかけて入部したワンダーフォーゲル部。
そこで出会った仲間と結成する“ピクニック部”。

可愛いものを可愛いと言える勇気。
好きなものに誇りを持つ強さ。

嶽本野ばら作品らしいロマンと美意識が詰まった青春小説。
自分の「好き」を大切にしたくなる、春にぴったりの一冊です。

読んでたら絶対カッコイイ本【6選】

〜📚読んでたらかっこいい本📚〜

電車で分厚い本や、タイトルからして“知の匂い”がする本を読んでいる人って、つい目で追ってしまう…!
今回は「内容がすごい」だけじゃなく、“読んでる姿そのものがかっこいい”本をセレクト。
気取って見える一冊、こじらせて見える一冊、でもそれも含めて最高。あなたの“かっこいい読書”の相棒、見つけてみてください。

『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』円城塔

▶ 読んでるだけで“わかる人”扱いされる、概念系SFの最終兵器

タイトルの時点でもう強い。
AIや思想、宗教っぽさが絡む“概念の迷宮”を、独特の切れ味で走り抜ける円城塔ワールド。
読んでる姿が一番かっこいいのに、内容まで意外と入りやすい——そんなギャップも含めておすすめ。

読書家が最近読んだ10冊【ゲスト:村田沙耶香さん】【2025年3月】

🪐あかりんの10作紹介〜〜〜🪐

2025年一発目の「あかりんの最近読んだ本10作」は、いつも以上にボリューミー&ハードカバー多めの“特別編”!
さらに今回はなんと…!紹介した10冊の中から 村田沙耶香先生がスタジオにご出演🎉
新刊『世界99』の話もたっぷり聞ける、興奮と戦慄と幸福が同居した回でした。

『DTOPIA』安堂ホセ

▶ 楽園の恋リアが“事件”で崩れる、クールで残酷なディストピア・サスペンス

南太平洋の“楽園の島”で開催される、ミスユニバースをめぐる恋愛リアリティショー。
10人の男たちが競い合う中で、当然のように事件が起き、楽園の空気は一気に冷えていく。
視聴者が膨大な監視カメラ映像を編集して「推し」を追う、イマーシブな番組構造も異様にリアル。
世界そのものを引きで見つめる冷徹な視線が刺さる、短くても濃度MAXな一冊。

『喉の奥なら傷ついてもばれない』宮木あや子

▶ 愛と憎しみが親子の間で増殖する、“優しさの顔をした闇”短編集

母と娘、家族という一番近い関係の中で生まれる、愛と黒い感情を描いた短編集。
とくに冒頭作は、虐待を虐待と認識できないまま大人になった女性が、親になった瞬間に連鎖へ踏み込んでしまう痛みが強烈。
そこから再会が引き金になり、物語が大きく動き出すのが怖いほど上手い。
タイトルの意味が“わかった瞬間”に、読者の喉の奥もヒリつく一冊です。

『可及的に、すみやかに』山下紘加

▶ “大事件じゃない不幸”がじわじわ効く、生活の底冷えリアリズム

離婚を機に実家へ戻った女性が、子どもと暮らしながら息苦しい日常をやり直そうとする物語。
母との不和、友人関係の変化、さらに親友が元夫と付き合い始める…というしんどさの追い打ち。
「どうにかしたいのに、状況を変えるには大きすぎる一歩が必要」な、ままならなさが続く。
連作2編で、もう1編も別方向から“生活が壊れていく怖さ”が描かれ、胃の奥が静かに重くなる。

『愛ちゃんのモテる人生』宇井彩野

▶ 読んだ自分まで明るくなる、恋と自己肯定のハッピー青春ストーリー

18歳のオープンリーゲイ・愛ちゃんが、失恋をきっかけに動画配信を始め、恋愛や経験を語っていく物語。
主人公がとにかくチャーミングで、悩みも含めて全部が愛おしい。
セクシャルマイノリティの葛藤も描きつつ、周囲の優しさがちゃんと機能して「不幸になる人がいない」安心感がある。
今回の10冊の中で、いちばん“読後にハッピーになれる”一冊!

『さかさま恋愛講座 青女論』寺山修司

▶ “女らしさ”から脱出するための、時代を越えて刺さる挑発的エッセイ

「少年」に対して「少女」という言葉があるのに、「青年」には対応する言葉がない——ならば「青女」という概念があってもいいのではないか。という発想から始まる一冊。
結婚・性・家事・化粧・幸福・愛され方…生活に直結するテーマを、寺山修司らしい視点で切り崩していく。
時代背景は古くても、“結婚させられることから自由になる”という問題提起は今読んでも生々しい。
恋愛指南というより、価値観の牢屋から出るための一冊。

『みずもかえでも』関かおる

▶ 落語の“瞬間”を撮る仕事に惹かれる、熱と挫折の職業小説

主人公が憧れたのは「演芸写真家」——落語家の高座を撮る、専門職の世界。
出入りのルールを破り、無断でシャッターを切ってしまったことで道を断たれるが、のちに因縁の落語家と再会し物語が動き出す。
芸の邪魔にならない撮り方、喋りのテンポに合わせる技術、そこに賭ける熱が丁寧に描かれていて面白い。
知らない職業を覗き見するワクワクと、夢が折れる痛さが同居する一冊。

『すべて忘れてしまうから』燃え殻

▶ “友達未満の距離感”で沁みる、日常の残骸を拾い集めるエッセイ

1話が見開き2ページほどで読める、短くて静かなエッセイ集。
寂しさや微妙なズレ、忘れてしまうはずの感情を、友達までいかないけどちょっと近い距離感で語ってくる。
エッセイのタイトルも「そもそもエモってなんだ」から「あなたの関節を全部折ります」というちょっと怖いものまで振れ幅がすごい。
“普通だったら忘れてしまうような感情”が、なぜか読み終わる頃には大事に見えてくる本。

『スメラミシング』小川哲

▶ 陰謀論×宗教×SFが混線する、脳内爆発系・短編集

一見長編に見えるけど、実は短編集。
表題作は、カリスマ陰謀論アカウントを信奉する“覚醒者”たちのオフ会が舞台で、別の物語がじわじわ混ざっていく構成が不穏。
「なぜこの話がここに?」が最後に繋がるタイプで、ミステリアスなのに読みやすい。
宗教×SF、魔術的数学忌憚、信仰…など、テーマの幅が広い。
読後に「小川哲の脳内どうなってんの?」って言いたくなります。

『眠れない夜のために』千早茜

▶ 夜が怖い人のそばに置きたい、やさしく不穏な“眠れない夜”短編集

“眠れない夜のために”というテーマで紡がれた短編たち。
夜の孤独や不安を、少しだけやわらげてくれるような手触りがある。
ただし、そこは千早茜。ほっこりではなく、不思議さや薄い怖さも混ざるのが逆に心地いい。
差し絵も豊富で絵本みたいに楽しめるので、ベッドサイドに置くのにぴったりな一冊です。

『世界99』村田沙耶香

▶ “自分”を着替えて生きる、村田沙耶香ワールド総決算の超大作

主人公・如月空子は、環境ごとに最適な性格を作り替えて生きる女性。
家・学校・恋人の前──仮面が増えていく彼女の一生が描かれます。

さらにこの世界には、“かわいい”という概念から生まれた存在「ピョコルン」が登場。
ペットのように愛玩されるピョコルンをめぐって、人間の生き方や価値観が移り変わっていくさまが描かれ、村田作品らしいディストピア的な世界観が立ち上がります。

差別、倫理、適応、救い──こちら側の現実を、より触りやすくするための装置として機能しているのが本作の怖さであり魅力。
分厚いのに一気読みしたくなる、読者の価値観をゆっくり壊して組み替える上下巻です。

人間関係がドロドロな小説【3選】

꒷꒦꒷꒦ 👬〜人間関係ドロドロ小説3選〜👭 ꒷꒦꒷꒦

人間関係って、放っておくと勝手にこじれていく。
恋愛も友情も職場も、“好き”や“善意”があるはずなのに、いつの間にか嫉妬・依存・見栄・執着が混ざってドロドロに…。
今回はそんな「現実では味わいたくないのに、小説だと最高に面白い」人間関係泥沼小説を3冊まとめました👬👭

『ミルキー』林真理子

▶ 甘いタイトルで油断するな──“大人の恋”が最短距離で地獄へ落ちる危険な短編集

短編集なのに、入っているのは徹頭徹尾「男女のドロドロ」。
不倫、裏切り、欲望、理性の崩壊…“ハマる・落ちる・溶ける”という帯の言葉がそのまま刺さる恋愛ストーリーが連打されます。
一篇ごとにサクッと読めるのに、読後はしっかり後味が残るのが林真理子の怖さ。
「重すぎる長編はしんどいけど、ドロドロを摂取したい」日にちょうどいい一冊です。

『今、出来る、精一杯。』根本宗子

▶ みんな必死で、みんな自己中──スーパーの裏側で爆発する“生活密着型”人間関係カオス本

舞台は庶民的なスーパー「ママズキッチン」。
頼りない店長、八方美人のバイトリーダー、正義感が強すぎるスタッフ、厄介な客…クセ者だらけの日常に、ボジョレー解禁日の事件が引き金となって人間関係が一気に崩壊していきます。
最悪なのに、どこか笑えて、どこか分かってしまう──“ダメさ”の描き方が妙にリアル。
ドロドロなのに読後感が重すぎず、「人間ってバカで愛しい…」に着地する、泥沼入門にもおすすめの一冊。

『ナイルパーチの女子会』柚木麻子

▶ 女友達の距離感が壊れた瞬間から、友情は“執着”に変わる──息苦しさMAXの共依存サスペンス

バリバリ働く女性が、憧れの主婦ブロガーと出会い、友情が始まる──はずだった。
ところが、相手の生活に踏み込みすぎる不安、好意の暴走、疑念と支配欲が絡み合い、関係は取り返しのつかない方向へ。
事件は起きないのに、ずっと怖い。
「自分も間違えたらこうなるかも」と思わせる距離感のリアルさが、読者の心をじわじわ削ってきます。
風通しゼロのドロドロを、長編でじっくり浴びたい人に刺さる一冊です。

本好きが選ぶ2024年下半期ベスト3【ほんタメ文学賞】

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2024年7〜12月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『セルフィの死』本谷有希子

▶ SNSが“生きる理由”になる瞬間、心が削れていく——現代の呪いをえぐる準文学

フォロワーが欲しい、通知が欲しい、承認が欲しい。
SNSに取り憑かれた主人公が、毎晩毎晩“更新”に追い立てられ、少しずつ壊れていく。
読んでいるこちらまで息苦しくなるのに、結局SNSから逃れられない——その罪深さまで描き切るのが本谷有希子。
「もう二度とSNSができない身体にしてほしい」って帯の言葉が、冗談に聞こえなくなる一冊です。

あかりん部門大賞🏆『小説』野﨑まど

▶ 「君はなぜ小説を読むのか」——“読むこと”の意味に答えをくれる、読書人のための長編

タイトルが『小説』。それだけで勝負してくる、強すぎる構え。
物語は“小説に出会って人生が変わった”2人の男の子を軸に進み、読書好きなら一度は抱えた問いを真正面から扱います。
「読むだけじゃだめなの?」「書かないと意味がないの?」——そんなモヤモヤに、ひとつの答えを差し出してくれる救いもある。
硬そうに見えて、気づけば“野﨑まど節”にやられる。読後に本棚が愛おしくなる一冊。

『メメントラブドール』市街地ギャオ

▶ “顔がいくつもある”私たちへ——ペルソナと欲望を疾走させる、デビュー作の爆発力

主人公は、複数の顔を持つ男性。
会社員、マッチングアプリ、そして別の場所での自分——場面ごとに“人格”を切り替えて生きる姿が、現代のリアルとして刺さります。
文章のリズムが独特で、一度ハマると抜けられない。
そして1文目に驚きの仕掛け。読書の“初手”で驚かせてくる強い一冊です。

大切な文庫本を6冊紹介します

お気に入りの文庫本6選💖

お気に入りの“文庫本”って、内容だけじゃなく「何度も読んだ跡」や「表紙の記憶」まで込みで愛せるのがいいところ。
気になった1冊から、ぜひ文庫棚を深掘りしてみてください📚✨

『居心地の悪い部屋』岸本佐知子

▶ 不安・悪夢・妄想がじわり…“世にも奇妙な読後感”の海外短編アンソロジー

海外短編を集めた翻訳短編集で、収録されているのはどれも「不安」「気持ち悪さ」「悪夢」寄りの物語。
ホラーほど派手に怖いわけじゃないのに、なぜか心がざわつく──そんな話が詰まっています。
そして、真っ黒でタイトルすら読みづらい装丁が作品と完璧に噛み合っていて、“手に取った瞬間から居心地が悪い”。
短編で少しずつ味わえる、不穏好きのための一冊です。

『不道徳教育講座』三島由紀夫

▶ ピンク×銀文字の挑発。毒とユーモアで切る、“不道徳の作法”エッセイ集

ド派手な装丁がまず目を奪う、文庫としては異様に攻めた存在感の一冊。
中身は短い文章が大量に詰まったエッセイ集で、「〜すべし」と断言する調子が痛快で、毒があるのに妙にクセになります。
真面目に読めば思想の鋭さが刺さり、軽く読めばブラックユーモアとして笑える。
本棚にあるだけで主張が強い、“文庫の異物感”ごと愛せる一冊です。

『痴人の愛』谷崎潤一郎

▶ 愛が歪むほど、目が離せない。男が“育てたはずの少女”に翻弄される倒錯の恋

独身男性が、若い少女に惚れ込み「理想の女性に育てたい」と一緒に暮らし始める。
ところが関係は思い通りにならず、次第に相手の気まぐれと支配に飲み込まれていく──。
欲望と自己欺瞞が絡まり、読者までじわじわ共犯にされるような魔力があります。
装丁や思い出込みで“好き”が積み上がっていく、文庫で手元に置きたい文豪作品です。

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あかりん紹介 2024年:122作品

ぜんよみ
ぜんよみ

2024年にあかりんが動画で紹介した作品は131作品
重複している👇7作品は1作品としてカウント。

何度も紹介しているのはあかりんの思い入れの強さもあるのかも?!

  • 最愛の
  • 幽玄F
  • みどりいせき
  • わたしは孤独な星のように
  • ここはすべての夜明けまえ
  • 52ヘルツのクジラたち
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

SNSが怖くなる炎上小説【3選】

炎上小説3選〜〜🔥

🔥 今回の「炎上小説3選」は、推し活・SNS・正義中毒――いま誰の身にも起こりうる“燃え方”を小説で追体験するラインナップ。
読むほどに「自分は大丈夫」と思っていた心が揺さぶられて、ネットとの距離感を考え直したくなる回でした。
“燃える側”も“燃やす側”も、気づけば足元が危うい。だからこそ、先に物語で学んでおくのがいちばん安全かもしれません。💻🫨

『りさ子のガチ恋・俳優沼』松澤くれは

▶ “推しの恋人疑惑”が引き金。ガチ恋ファンの心が崩れていく、SNS時代のサイコホラー

2.5次元舞台を愛し、俳優・翔太くんを全力で推す主人公りさ子。
ところがSNSで「彼女いるのでは?」疑惑が浮上し、帽子や匂わせの“証拠”が拡散されていく。
炎上の矢面に立たされた推しよりも先に、推す側の感情が壊れていくのがこの物語の怖さ。
「神格化していた存在が“人間的な一面”を見せた瞬間、心はどうなるのか?」
応援する側も、応援される側も、どちらにも刺さる“炎上の教科書”です。

『推し、燃ゆ』宇佐見りん

▶ 推しが燃えた日、世界が崩れる。“理解したい”が止まらない、静かな熱狂の純文学

主人公は高校生のあかり。推しのアイドル・真幸くんを、テレビも発言も行動もすべて回収し、ブログで言葉に起こし、解釈し続けて生きている。
そんな推しが「ファンを殴ったらしい」と炎上したとき、彼女は“切り捨てる”ではなく、必死に理解しようとしてしまう
でも、人は他者を完全には理解できない。
その痛みが、派手に爆発するのではなく、静かに、じわじわと胸を締め付けてくる。
炎上を描きつつ、実は人と人の距離を描いた一冊です。

『俺ではない炎上』浅倉秋成

▶ “やってないのに特定される”。無実の人間が転げ落ちる、現代ネットホラー×逃亡サスペンス

平凡な会社員が、ある日突然「女子大生殺害犯」扱いでSNSに晒される。
身に覚えはない。それでも“それっぽい情報”が繋がり、名前も勤務先も芋づる式に特定され、炎上が現実を焼き尽くしていく。
怖いのは、真偽よりスピードが勝つこと。
訂正や新情報が出ても、もう誰も見ない。タイトルだけで裁きが完了する。
「誰にでも起きる」を最も強烈に突きつけてくる、炎上テーマの最終兵器みたいな一冊です。

ミステリ・偏愛小説・新書・文芸誌・鈍器本・箱型謎解き本など多種多様!!【6選】

本日は様々なジャンルでご紹介〜☕️

☕️📚 今回の「最近読んだ本6選」は、謎解き体験型の“事件ファイル”から、SNS時代の倫理をえぐる小説、略奪愛アンソロジー、そして幽霊や超常現象を“科学で疑う”一冊までジャンル横断。
「本と呼べるものなら何でもOK!」の言葉どおり、読書の楽しさが“形式”ごと広がる回でした。気になる1冊から、ぜひ覗いてみてください。

『偏愛小説集 あなたを奪うの。』

▶ 「欲しいから奪う」。綺麗ごとを蹴散らす“略奪愛”アンソロジー

略奪愛をテーマに、5人の作家がそれぞれの熱と毒で描く短編集。
罪悪感や言い訳ではなく、「私はこの人が欲しい」という強さで突き進む女性たちが印象的で、読後に“善悪の線引き”がぐらつく。
作家ごとの色気や切れ味がはっきり出るので、好きな作家がいる人はもちろん、ここから推しが増える一冊。
“良くない”からこそ目が離せない、濃度高めの偏愛集です。

『タブー・トラック』羽田圭介

▶ 正しさが息苦しい時代に、“発散装置”は必要か?現代のタブーをえぐる群像劇

防音・スモーク仕様の改造車「タブー・トラック」——そこは、世間の目を気にせず“言ってはいけない言葉”も吐き出せる私的空間。
清廉なイメージを求められる俳優、自己管理に取り憑かれた脚本家、炎上を狩る会社員、整形を隠して配信する女子高生…。
複数の主人公たちが、それぞれの抑圧と欲望を抱えながら、現代の「正しさ」の輪郭を歪ませていく。
読んでいてずっと気持ち悪いのに、文章が軽快でページが止まらない——そして物語は“え、その方向に行く?”という地点へ。
タブーは誰が決めるのか/抑圧は本当に必要なのかを突きつける、今っぽさ満点の分厚い一撃です。

犯罪を題材にした小説3選

💸あかりんのノワール小説3選💸

💸🕶 ノワール小説って、“犯罪が起きる”だけじゃなくて、犯罪そのものの熱・闇・現実を真正面から描くジャンル。
「ミステリみたいに謎を解いてスッキリ」ではなく、読後にズン…と残る重さや、気づけば引き返せないところまで来てしまう怖さが魅力です。
今回は、麻薬カルテル級の暴力から、生活の行き詰まりが招く転落、そして“組織犯罪の知能”まで——あかりんのノワール3冊をまとめて紹介します😎

『テスカトリポカ』佐藤究

▶ 麻薬×臓器売買×暴力。闇の経済が“日本”へ侵食してくる極限ノワール

麻薬カルテルの頂点に立った男が、対立抗争の果てにメキシコを脱出し、日本の“臓器ブローカー”と接点を持つ。
やがて、川崎で育った規格外の体格と力を持つ青年が、知らず知らずのうちに犯罪へ巻き込まれ、闇の側へ引きずり込まれていく。
暴力とグロテスク描写は容赦ないのに、ページをめくる手が止まらない筆力が凄まじい。
「自分の世界のすぐ隣に闇がある」——その恐怖を、エンタメの加速度で叩きつけてくる一冊です。

『黄色い家』川上未映子

▶ “生きるため”が、いつしか罪になる。少女たちの居場所と転落を描く痛切ノワール

17歳の花は、苦しい家庭を支えるため必死に働いて貯めた金を、母の恋人に奪われてしまう。
逃げるように家を出て、年上の女性・黄美子と暮らし始め、同じように行き場のない少女たちとも共同生活を送るが、生活は再び追い詰められていく。
そして彼女たちが手を染めるのは、カード詐欺の“出し子”。
悪意より先に、貧困と孤立と「もう他に手がない」がある——読んでいて胸が苦しくなるのに、目を逸らせない。
“正しさ”と“生存”の境界を問う、ズン…と沈む強烈な一冊です。

『地面師たち』新庄耕

▶ 不動産100億円級を狙う“詐欺のプロ集団”。綿密さがかっこよくて怖い、組織犯罪サスペンス

地面師とは、不動産の所有者になりすまし、巨額の取引で金を騙し取る詐欺師たち。
本作では、指示役・交渉役・書類偽造・なりすまし役など、役割分担されたチームが“市場価値100億円”級の案件に挑む。
用意周到で、段取りが完璧で、相手が大企業でも騙される——その「犯罪の知能」がスリリングに描かれ、読みながら背筋が冷える。
映像化も話題だが、小説は心情や手口のリアルがより濃く、犯罪が“エンタメとして面白い”のに「現実にあり得る」が刺さる一冊です。

読書家がオススメする最近読んだ10冊【2024年11月】

💫📚「読書の秋」は、文芸誌も短編集も“つまみ食い”できる最高の季節。
「どこから読んでも楽しい」が本当に成立するのが文芸誌の強さ。気になる作家・テーマから入りつつ、思わぬ出会いで読書熱が加速する回です☺️

『星が人を愛すことなかれ 』斜線堂有紀

▶ “推し”の恋愛は祝福できる?アイドルを巡る感情の矛盾を撃ち抜く恋愛短編集

『愛じゃないならこれは何』に登場したアイドルグループ「東京グレーテル」から派生した短編集。
アイドルを推している男の子の彼女視点、VTuberへ転身した元アイドル、メンズ地下アイドルと付き合っている女の子など、立場の違う恋と選択が並ぶ。
“恋愛してはいけない”という空気の中で、何を守り、何を捨てるのか。痛さもかっこよさも詰まった、推しがいる人ほど刺さる一冊です。

『名探偵の有害性』桜庭一樹

▶ “名探偵ブーム”の後始末。20年後に暴かれる、解決の代償と人生の渋み

かつて名探偵がスター扱いされ、事件解決がエンタメになっていた時代。
その“名探偵”と助手だった語り手は、流行が去った現在では静かな生活を送っている。
だがある告発をきっかけに、過去の事件を「本当に正しかったのか」検証する旅へ。
名探偵という存在の光と毒、そして歳月の切なさが沁みる、静かに刺さる一冊です。

『四畳半神話大系』森見登美彦

▶ もし別のサークルに入っていたら?“冴えない青春”を4周させるパラレル大学小説

大学3回生の「私」が、理想のキャンパスライフを夢見つつ現実に振り回される青春譚。
「選択が違えば人生は変わる」を、4つの並行世界で描き分ける構造がクセになる。
ちっちゃい日常のはずなのに、読後には不思議と世界が広がって見える——森見作品の魔法を再確認できる一冊です。

『かごいっぱいに詰め込んで』真下みこと

▶ “おしゃべりレジ”がつなぐ、ささやかな救い。日常の痛みをそっとほどく連作短編集

舞台はスーパー。セルフレジの逆発想で、お客と会話する「おしゃべりレジ」が導入される。
そこに集まるのは、ちょっと疲れている人、孤独を抱える人、うまくいかない日常の人たち。
鋭さで刺すイメージのある作者が、あたたかさを描く“新境地”の一冊。読後に少し息がしやすくなります。

『雷と走る』千早茜

▶ 愛は、守るだけじゃない。人と犬の絆から描く“裏切り”と“赦し”の物語

幼い頃、治安の悪い土地で飼っていた大きな犬“トラ”。
守るために必要だった存在を、どうしても手放さなければならなかった——その記憶が、大人になった主人公を貫く。
恋愛や家族愛とも違う、“共に生きた”絆の罪と罰が描かれ、静かに胸を締めつける。
装丁の美しさも含めて、じっくり味わいたい一冊です。

衝撃!?余韻!?尊敬!?いろいろな意味でシビれる本を集めました【6選】

シビシビ!しびれる本6選!!⚡️⚡️

⚡️🥀「しびれる」って、カッコよさだけじゃない。
読み終わった瞬間に背筋が冷えたり、脳がグラついたり、言葉が出なくなったり——。
今回のほんタメは、そんな“シビシビ体験”をくれる本をジャンルレスで持ち寄る回です。

読後に「いま自分、何読まされた…?」って呟きたくなるラインナップ、そろってます。

『女王はかえらない』降田天

▶ 小学校の“女王”を巡る派閥戦が、忘れられない真相へ転がる学園ミステリ

舞台は小学校。クラスの頂点に君臨する“女王”の支配下で回る日常に、東京から転校生がやってくる。
その瞬間、静かな秩序は崩れ、女子同士の力関係がむき出しの派閥争いへ。
子どもの視点で描かれる息苦しさと、大人パートで照らされる“事件の輪郭”が合わさったとき、ラストの真相が一撃で刺さる。
読み終えたあと、ある場面が頭から離れなくなるタイプの“衝撃のしびれ”です。

『地球星人』村田沙耶香

▶ “当たり前”が崩れていく。読んでいるほど世界が怖くなる、価値観クラッシュ小説

自分は“地球の外側”の存在だと信じる主人公の視点で、現実がじわじわと異物化していく物語。
読み進めるほど、「普通」「常識」「正しさ」が揺らぎ、気づけばこちらの思考まで侵食されていく。
怖いのはホラー演出ではなく、言葉の説得力で“そうかもしれない”と思わされること。
脳がしびれて、読後もしばらく世界がズレて見える——そんなタイプの強烈作です。

『2』野崎まど

▶ ファンほどしびれる。物語が人に与える影響を“段階的に刺してくる”問題作

俳優志望の青年が、憧れの劇団に関わる中で、ある出来事をきっかけに創作の渦へ巻き込まれていく——。
物語・演技・創作が人をどう変えるのか、その危うさと魅力が濃密に描かれます。
しかもこの本は、“しびれポイント”が複数回くるのが特徴。
ただし最大火力でしびれるには、野崎まど作品を順に辿ってから読むのがおすすめです。

読書が苦手なあなたに読んでほしい本【6選】

📚🪞読書初心者にこそ、“最初の1冊”はやさしくて強い本を。
「本を読みたいけど最近読めてない…」という人に向けて、たくみ・あかりんが“入口として間違いない6冊”を本気でセレクトする回です。
短編集で負担を減らす/現代設定で置いていかれない/長編は“読み切った達成感”を狙う──初心者がつまずくポイントを先回りしてくれる優しさが詰まってました。

「無理せずマイペースに楽しんでいこう」という背中の押し方まで含めて、読書リハビリにぴったりです😌

『カラフル』 森絵都

▶ “もう1回”人生をやり直す。読みやすさと優しさで、読書の自信を取り戻す1冊

死んだ「僕」が抽選に当たり、別の中学生の身体に入って“お試しの人生”を送ることに。
文章はとにかく平易で、物語のフックも強いから、久しぶりの読書でもスッと入れます。
軽やかな読み心地のまま、ちゃんと心に残る——初心者が「読めた!」を手にしやすい名作です。

『かがみの孤城』辻村深月

▶ 読みやすさで長編を完走!“居場所”をめぐる物語で読書の成功体験を作る

学校に行けなくなった少女が、鏡の向こうの城へ。そこには同じ痛みを抱えた子どもたちが集まっていた——。
辻村深月作品は文章のリーダビリティが高く、ページ数があっても“気づけば進む”タイプ。
長編を読み切った達成感と、心がほどける余韻まで手に入る、最高の読書デビュー作です。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』桜庭一樹

▶ 優しさで始まり、地獄で終わる。感情を揺さぶる“忘れられない1冊”

転校生の少女との出会いから始まる物語は、最初の数ページで「これはただ事じゃない」と察するタイプ。
しんどいのに、読むのをやめられない。痛みの奥に“残る何か”があるから、読み終えた後に世界の見え方が変わります。
初心者でも読める薄さと文章量なのに、体験は強烈——心して踏み込む“地獄の入口”です。

1990年代生まれが初めて買った漫画・小説・雑誌

2人の初めて買った本〜〜!

「2人が初めて買った本」を記憶と現物から掘り起こす回。
“最初の一歩”のリアルが最高にエモいです。
子どもの頃の自分に会いにいくような読書回でした🧐

『都会のトム&ソーヤ(3)《いつになったら作戦終了?》』

▶ 1・2巻はもらい物、3巻から自腹──“続きが欲しくて買う”児童書デビューのリアル

巻によって本の状態が違う=買った巻がわかる、という“本棚考古学”が面白い。
シリーズものは、続きが気になった瞬間に「買う理由」が生まれる。
ワクワクの作戦感、遊び心、読みやすさで、読書習慣がスッと根付くタイプの1冊です。

文庫本多め!?最近読んだ本6選

「最近読んだ本!」📚🗯

恒例の「最近読んだ本!」回。ミステリから学術書、雑誌までジャンルレスに6冊並んで、2人の興味関心や近況がそのまま透けて見えるラインナップです🫣

読書の秋にぴったりの「今」を楽しむ回でした🍁

『聖少女』倉橋由美子

▶ 危険でルナティック、なのに妙に美しい。禁忌を覗く“少女小説”の異物感

事故で記憶を失った少女。残されたノートには、言葉にしがたい「禁断の愛」が綴られていた——。
ノートを託された婚約者が真相を辿るほど、人間関係はゆっくり歪み、読者の心もざわついていきます。
読みやすいのに独特、軽いのに背徳。
“日の当たる場所には出てこない感情”を覗きたい人に刺さる、静かな中毒性の一冊。

『転売ヤー殺人事件』松澤くれは

▶ 「恨まれて当然」から始まるのに、気づけば手に汗。転売ヤー視点の逆転ミステリ

転売で稼ぐ“プロ転売ヤー”が主人公。そして、転売ヤーを狙った連続殺人が起きる。
読んでいて「やめろ!」と思うのに、当人は誇りすら持っている——この視点の気持ち悪さがリアルで、怖くて面白い。
SNSで晒され、追い詰められていく過程のスリルに加えて、ミステリとしても“ちゃんとひっくり返る”快感が待っています。
中身はきっちり本格。読後、誰かに語りたくなる一冊。

読書の秋!最近読んだ小説10選【2024年9月】

🌰🍂あかりんの最近読んだ10冊🍂🌰

秋っぽい装丁の本が並ぶだけで、気分が少し落ち着く。
今回のほんタメは、あかりんが“最近読んだ10冊”をどどんと持ち込み!
AIスタートアップ戦記みたいな最先端のお仕事小説から、胸がきゅっとする関係性の物語、短編アンソロ、エッセイまで——
「今のあかりん」の読書地図がそのまま詰まったラインナップです🍂🌰

『松岡まどか、起業します AIスタートアップ戦記』安野貴博

▶ 内定取り消しから1年で“時価総額10億”へ——AI相棒と駆け上がる、爆速お仕事小説

大企業のインターン生だった松岡まどかが、突然の内定取り消しで人生急転。
しかも悪いスカウトに乗せられ、「1年で時価総額10億を作れなければ借金地獄」という無茶ミッションを背負わされます。
鍵になるのは、彼女が育ててきた“自作AI”という相棒。仕事・起業・チームづくりのリアルがテンポよく進み、読後は「私も頑張ろう」って背中を押される一冊。

『犬も食わない』尾崎世界観、千早茜

▶ 最悪の出会い→交際へ…でも噛み合わない——男女の“すれ違い”を二視点でえぐる共作恋愛小説

派遣秘書の女性が、ビルで出会った産廃業者の男性にブチギレる——そこからまさかの交際へ。
本作の面白さは、女性視点を千早茜、男性視点を尾崎世界観が担当し、同じ出来事が“別物”に見えるところ。
思い合ってるのにズレる、言葉にできない違和感、生活の手触り…「あるある」が刺さりすぎて痛い、リアル恋愛小説です。

『めでたし、めでたし』大森兄弟

▶ 桃太郎の“その後”が最悪すぎる——大人の笑いと不穏がじわる、シュール寓話

鬼退治から帰った桃次郎が持ち帰った宝を、元の持ち主たちに返さない——え、なんで?
昔話の「めでたしめでたし」の先にある、人間の都合と嫌なリアルが、シュールな挿絵と一緒に転がっていきます。
読みやすいのに、ところどころで「は?」って声が出るタイプの面白さ。子ども向けじゃなく、完全に“大人向けの昔話リメイク”です。

『文学2024』日本文藝家協会

▶ これ一冊で“いまの日本文学”に触れられる——豪華作家の短編オールスター選集

その年の短編から厳選された、いわば「文学の最前線まとめ本」。
馴染みのある作家から初めましての作家まで、短いのに一撃が強い作品が連続します。
気になる作家を見つける“入口”としても最高で、「次に誰を追う?」が決まる一冊。

『ひとりでカラカサさしてゆく』江國香織

▶ 大晦日の集団自死から始まる——残された人が“死の理由”と向き合う静かな物語

80代の男女3人がホテルで命を絶つ、という衝撃的な出来事。
残された家族や周囲の人々が、その死をどう受け止め、どう消化していくのか。
喪失の痛みを描きつつ、ただ沈むだけでは終わらない。読み終えると、静かに呼吸が整うような一冊です。

『貴女。』

▶ “女と女”の距離が、甘くて痛い——多彩な筆致で味わう百合アンソロジー

百合小説アンソロジーで、作家ごとに色も温度もぜんぜん違うのが魅力。
学園もののときめきだけじゃなく、意外な舞台・関係性・感情の重さまで幅広く収録。
「百合ってこんなにバリエーションあるの?」が一気に更新される、食べ比べできる一冊です。

『青がゆれる』雛倉さりえ

▶ クラゲの前で始まる、特別な関係——透明で残酷な“青春のきらめき”短編

水族館、クラゲ、そして同じ学校の女の子。
友情より深く、恋より曖昧な関係が、綺麗なままではいられない瞬間へ揺れていきます。
ロマンチックなのに、胸の奥がちくっとする。青春の“きらめきと痛み”を凝縮した物語です。

『私の身体を生きる』

▶ 体のことは、人生のこと——17人の“語り”が刺さる、強度高めエッセイ集

「私の身体」というテーマを、作家17名がそれぞれの言葉で綴るリレー形式。
身長、性、妊娠、違和感、傷、誇り——普段は言いづらい話題が、文章になるとまっすぐ届きます。
短いのに破壊力があり、読んでる側も自分の身体感覚を見つめ直したくなる一冊。

『あしたのことば』森絵都

▶ 子どもの気持ちが“そのまま”描かれる——やさしくて強い、青春短編集

短編それぞれにイラストが添えられた、贈り物みたいな一冊。
子どもが主人公の物語が多く、感情の動きがまっすぐで読みやすいのに、ちゃんと心に残ります。
読書の時間が久しぶりの人にも、家族で回し読みしたい人にもおすすめ。

『彼女がそれも愛と呼ぶなら』一木けい

▶ “普通じゃない”家族の形から見えてくる——愛を選ぶことのリアル長編

主人公の少女は、母と、母の恋人3人が同居する家で暮らしている。
誰にも言いづらい家庭の形、恋愛の悩み、そして大人たちが抱える人生の選択。
「愛って何?」「正しさって誰が決めるの?」が、登場人物それぞれの立場から迫ってきて、気づけば一気読みしたくなる作品です。

変な本6選【雨穴さんパロディ】

変な本6選!😨 …?😨

世の中には、読み終えたあとに「…え、これ本だったよね?」と確認したくなる“変な本”が存在します。
そんな“説明しにくいけど確実に変”な6冊を持ち寄り!
注釈だらけで迷子になる小説、本文が存在しないミステリ、タイトルからして大喜利なビジネス書まで——変さのベクトルが違いすぎて、脳が追いつきません😨

『少年トレチア』津原泰水

▶ 団地に沈む都市伝説——断片が積み重なって“全貌がわからない恐怖”になる長編

ある団地で囁かれ始める、謎の少年「トレチア」の都市伝説。
さらに団地自体が沈んでいくような異様な現象や、海の気配、説明されない断片が次々に現れ、頭の中がじわじわ混線していきます。
すべてが“はっきりしない”からこそ怖い。幻想×ホラー×都市伝説が絡み合う、変で不穏な物語です。

『ルーマーズ 俗』堂場瞬一

▶ 本文ゼロで事件が進む——SNS・ニュース・掲示板だけで構成された“ネット時代の臨場感ミステリ”

女優が死亡、同じ部屋で俳優が意識不明——いわゆる心中事件の真相を追うミステリ……のはずが、ここで異変。
この作品、いわゆる本文が存在しません。
SNS投稿、ネットニュース、文字起こし、掲示板のログ——“ネット上の断片”だけで時間が進み、読者は情報の海で真相に迫ります。
「実際に起きた事件を追っている」ような感覚になる、形式そのものが変な一冊です。

『岩とからあげをまちがえる』大前粟生

▶ 岩を噛む女の子が、なぜか愛おしい——1話1ページ未満×100本の“変で可愛い”ショート集

岩とからあげを間違える。しかも“食べようとして”間違える。
そんなズレた出来事を起点に、チャーミングで不思議な物語が100本ぎゅっと詰まった短編集です。
テンポはポップなのに、読後に残るのは「この世界、ちょっと変で好き」という妙な中毒性。
変さが怖さじゃなく、可愛さに着地する変を浴びたい人に刺さります。

アツい夏にピッタリ!ホラー小説3選

👻あかりんのホラー3選👻

暑さで体力が削られる季節、欲しくなるのは“エアコンより効く”怖さ。
今回はあかりんが、サクッと読める短編ホラーから3作をセレクト!
「夢が感染する」「呪いの因果が重すぎる」「水まわりが怖くなる」――タイプの違う恐怖で、読むほど背中が冷えていきます…👻🎐

『ひとんち』より『夢の行き先』澤村伊智

▶ 眠りが逃げ場じゃなくなる——“悪夢がうつる”感染型ホラー短編

収録作「夢の行き先」は、小学5年生の男の子が“ナタを持った老婆”に追われる夢を繰り返し見るところから始まります。
3日連続で同じ悪夢→自分なりのお祓いで夢は止む……はずが、今度はクラスメイトが同じ夢を見始める
子どもの頃に感じた「寝るのが怖い」「暗い部屋で一人が怖い」あの感覚を、容赦なく呼び戻してくる一編です。

『私の頭が正常であったなら』より『子どもを沈める』山白朝子

▶ 友人たちが次々と“赤ん坊を殺す”——因果が刺さる、最恐の呪い譚

書き出しからいきなり、背筋を折りにくる。

私の高校時代のクラスメイトが赤ん坊を殺した。
すこしたってまた別の友人が赤ん坊を殺し、
さらにまた別の友人が自分の子を殺害した。

引用『私の頭が正常であったなら』山白朝子 / KADOKAWA


友人たちが次々と同じ悲劇を繰り返していく——。
“なぜ彼女たちだけが?”を追ううちに浮かび上がるのは、高校時代のある出来事と、遅効性のように効いてくる呪い。
読後は涼しいというより、静かに、重く、嫌な汗が残るホラーです。

『仄暗い水の底から』より『浮遊する水』鈴木光司

▶ 赤いバッグは、屋上の貯水タンクに——水音が“日常”を侵食する怪談

シングルマザーと娘が越してきたマンションは、子どもがほとんどいないはずの場所。
それなのに屋上の貯水タンク付近で、子ども用の赤いバッグが見つかる。
その日から、娘が誰もいない相手と話していたり、生活の中に“水”の気配が混ざり込んだり……。
読み終えたあと、シャワーや蛇口の音がちょっと怖くなる、ジャパニーズホラーの王道を味わえる一作です。

齋藤明里の名刺代わりの10冊【小説】

🍓あかりんの名刺がわりの小説10作品🍓

最近のトレンド「#名刺代わりの小説10選」を、ついにあかりんも実行!
“好きな本”の羅列じゃなくて、「なぜその10冊なのか」にエピソードが乗ると、人となりが一気に立ち上がります。

初読の衝撃、人生観を揺さぶられた一冊、読書の原点、そして“恋愛×地獄”の系譜——。
昔からの推しも、最近推しになった人も、この10冊で「あかりんの核」を受け取ってください✌️💓

『ハピネス』嶽本野ばら

▶ 余命1週間の恋が突きつける、“生”と“好き”の残酷な最終問題

余命わずかな少女と、彼女を愛する少年。シンプルな設定なのに、読後に残るのは「自分の人生、どう生きる?」という重い問い。
あかりんが高校生の頃に出会い、人生そのものを考えさせられた原点級の一冊。
最近の映画化まで含めて、思い出も現在進行形で更新され続ける“名刺の筆頭”です。

『透明な夜の香り』千早茜

▶ 香りが記憶をほどき、孤独を照らす——“静かな官能”の救済譚

あかりんが初めて読んだ千早茜作品で、のちに帯コメントも担当した、関わりの深い一冊。
匂い、手触り、空気の温度…言葉にしづらい感覚をすくい上げる筆致が、読者の心の奥をじわっと撫でます。
“最初の衝撃”は、いつだって強い。

『授乳』村田沙耶香

▶ その「普通」、ほんとに正しい?身体と社会がねじれる違和感文学

初めて読んだ村田沙耶香作品にして、あかりんの中で「純文学との出会い」に近い存在。
気持ち悪い、怖い、でも忘れられない——その“残り方”こそが村田作品の強さで、読書体験を一段変えてくる。
エンタメの快楽とは別ベクトルの衝撃が、名刺に刻まれています。

『遮光』中村文則

▶ 愛は光じゃなくて、影になる——“恋愛×地獄”を決定づけた一冊

一言で恋愛小説とは呼びたくない、重くて、執着があって、他者には測れない“思い”が渦を巻く。
あかりんがよく言う「愛×地獄」の感覚が、ここで輪郭を持って確立した——そんな立ち位置の作品。
軽くまとめることを許さない愛の形が、ここにあります。

『ハーモニー』伊藤計劃

▶ 完璧な優しさが息苦しい——ディストピアで“少女たち”が選ぶ生き方

ラインナップの中で異彩を放つ本格SF。けれど“少女”“孤独”“世界への違和感”という軸は、むしろあかりんのど真ん中。
理想的に管理された社会の中で、「命」や「自由」をどう扱うのかが突きつけられる。
憧れと恐怖が同居するディストピアが、読後に刺さり続けます。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』桜庭一樹

▶ かわいい顔して、救いがない——少女の“地獄”を真正面から描く衝撃作

表紙の可愛さに誘われて開いたら、待っているのはとてつもない救えなさ。
それでも少女は生きようとするし、世界は残酷なまま進む。
桜庭作品の“少女の描写”に惹かれるあかりんが、どうしても外せない一冊です。

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

▶ 誰にも届かない声を拾い上げる、“泣ける”を超えた共感小説

読むたび泣いてしまう——それは単に感動するからではなく、作中に「知っている感情」が多すぎるから。
孤独、傷、優しさ、救いの手の伸ばし方。
たくさんの人の心を動かした理由が、読むほどにわかってくる“感情の名刺”です。

『ある愛の寓話』村山由佳

▶ 人だけじゃない。物にも時間にも宿る——“愛の形”を増やす短編集

恋愛だけが愛じゃない。人間以外への愛、使い込んだ物への愛、心が移っていく過程そのものへの愛。
あかりんの「お人形好き」や、“物にも心が芽生える”感覚と直結するからこそ名刺入り。
読後、世界の見え方が少し変わるタイプの短編集です。

『流浪の月』凪良ゆう

▶ 正しさで裁けない関係を描く、“他者の言葉が届かない”物語

この2人の関係を、外野が簡単に断罪できるのか。
答えを急ぐ社会の中で、本人たちにしかわからない痛みや選択が描かれていく。
“恋愛×地獄”の要素も確かにありつつ、もっと根源的な「人と人の距離」の話として刺さる一冊です。

『夜の光』坂木司

▶ 夜だけ集まる天文部——“憧れの青春”が静かに光る、やさしい群像劇

坂木司との出会いはもっと早いけれど、この作品は高校生の頃の記憶と強く結びついた特別枠。
学校では群れないのに、夜に星を見るためだけに集まる仲間たち。
その距離感が心地よくて、何度読み返しても、少し憧れてしまう。
あかりんの“青春の理想形”がここにあります。

最近読んだ本を6冊紹介します【2024年8月】

最近読んだ本!!📕

最近読んだ本って、その人の“今”がいちばん出る。
“面白い”の形がバラバラだからこそ、自分の読みたいスイッチが見つかる回。気になる一冊から、ぜひ拾ってみてください。

『マリリン・トールド・ミー』山内マリコ

▶ コロナ禍の孤独に、マリリン・モンローから“夜の電話”がかかってくる物語

大学生活が始まったのに、友達もできず、お金もなく、世界から切り離されたような孤独——そんな主人公のもとに、ある夜電話がかかってくる。
名乗ったのは“マリリン”。ありえないはずの相手との会話をきっかけに、主人公はマリリン・モンローという存在を「セックスシンボル」ではなく別の視点で見つめ直していきます。
遠い時代のスターと、今を生きる“何者でもない”女の子。
会えないのに支え合う関係性が、読む側の心もそっとほどいてくれる一冊です。

つい持ち運んでしまいたくなる本を紹介します【6選】

移動時間って、読書好きにとっては最高の“隙間時間”。
でも「じっくり長編に浸る」より、「ぱっと開いて、気分よく閉じられる」本のほうが相性いい日もありますよね。

今回は、ふたりが“持ち運びたい本=運ん読”として選んだ6冊をご紹介。
あなたのバッグにも「今日の一冊」、忍ばせてみませんか?

『ラインマーカーズ ~The Best of Homura Hiroshi~』穂村弘

▶ 5分の待ち時間が、“言葉のきらめき”に変わるベスト歌集

友達待ちの5分、電車の乗り換えの10分——長編を開くほどじゃないけど、何か読みたい。
そんな時にちょうどいいのが歌集。パラっと開けば、1ページの中に小さな世界が立ち上がります。
しかも本作は穂村弘の“ベスト”セレクト。どこから読んでも当たりが来る安心感があり、持ち歩き本として最強。
「今、短く刺さる言葉が欲しい」日に、そっと効く一冊です。

『おやつが好き お土産つき』坂木司

▶ 読むだけで甘い香りが立つ…“食べたい”を連れて歩くおやつエッセイ

坂木司といえばスイーツが似合う作家。その坂木さんが綴るのは、実在おやつの魅力をぎゅっと詰めたエッセイ。
「今日はどこで甘いものにする?」と迷う街で、ガイドブックみたいに使えるのが強みです。
読んでいるだけで食べた気分になれるのに、ページを閉じた瞬間に「やっぱ行くか…」となる危険な一冊。
銀座やカフェ好きの“お供本”にぴったりです。

『光源氏ものがたり』田辺聖子

▶ はじめての源氏が“読める・わかる・続く”に変わる、やさしい入口

「源氏物語って難しそう…」と思っていた人ほど驚く、読みやすさ重視の語り口。
物語に入る前に時代背景や人物の説明があり、置いていかれにくい設計になっています。
電車の中で“さらっと古典”ができるのも、運ん読向き。
大河や古典ブームの波に乗って、今こそ始めたい一冊です。

2024年上半期ベスト3を発表します【ほんタメ文学賞】

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2022年7〜12月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

あかりん部門大賞🏆『わたしは孤独な星のように』池澤春菜

▶ “つながる”ことが救いにも呪いにもなる、関係性が刺さるSF短編集

声優としても活躍する池澤春菜の、小説家デビュー作にして本格SF短編集。
中でも、人と人のつながりを“ある仕組み”で強化できる世界の物語は、友情と恋愛の境界を静かに揺らします。
「わかり合える」が増えるほど、選択も痛みも増えていく——その残酷さが美しい。
SFが初めてでも読みやすく、心の奥をギュッと掴まれる一冊です。

『ここはすべての夜明けまえ』間宮改衣

▶ 独特な文章で迫る、“生きるとは何か”を問うSFの衝撃作

読み進めるほど、世界の常識が塗り替わっていくタイプのSF。
家族史を語るようでいて、実は人間の在り方そのものに踏み込んでいく重さがあります。
文章のクセ(=文体の強さ)が、そのまま作品の体温になるのが魅力。
“やさしいだけじゃないSF”で心を揺さぶられたい人に刺さる一冊です。

『⽣きる演技』町屋良平

▶ “生きる=演じる”のリアルを描く、現代の痛みと優しさが同居する青春小説

元・天才子役の青年と、空気が読めず炎上しがちな俳優——演じることに縛られた2人が出会い、関係が動き出します。
舞台や映像の世界の話でありながら、描かれるのは「社会で生きる私たち」そのもの。
求められるキャラ、期待される振る舞い、息をするようにしてしまう“演技”。
現代のしんどさを言語化してくれて、それでも前を向ける余韻が残る一冊です。

皆さんにもおすすめの10冊があります【2024年7月】

今回の「ほんタメ」は、あかりんが最近読んだ10冊を一気にご紹介📚💛
少女画のきらめき絵本から、シェイクスピア悲劇、短歌、新書、ミステリ、SF、そして公式アートブックまで——ジャンルの振れ幅がすごい。

舞台で忙しいはずなのに、なぜか“分厚め”が揃っているのも見どころ。
「今のあかりんが何にときめいて、何に熱中してるのか」が、本棚からそのまま伝わってきます。

気になる1冊があったら、まずはピンときたジャンルからつまみ読みしてみてください。
きっとあなたの読書欲も、もう一段ギアが上がります。

『リア王』ウィリアム・シェイクスピア

▶ 王の“軽率な決断”が引き金になる、家族と権力が崩れていく四大悲劇

老いた王リアが、3人の娘に領土を分け与えようとする——そこから悲劇が加速します。
“甘い言葉”を信じ、“正直さ”に激怒してしまう人間くささが、現代にも刺さるポイント。
戯曲なので会話中心でテンポよく進み、舞台の空気を本で追体験できるのも魅力です。
難しそうで敬遠していた人ほど、「意外と読める!」の再発見がある一冊。

『あとがきはまだ 俵万智選歌集』俵万智

▶ “サラダ記念日”だけじゃない、人生の濃淡が詰まったベスト短歌セレクション

俵万智のさまざまな年代の短歌を、編集者の視点でピックアップした“入口に最適”な選歌集。
軽やかな恋の歌から、育児や生活、ドロッとした感情まで、想像以上に振れ幅が広いのが面白い。
解説付きで読みやすく、「短歌ってどこから入ればいい?」の迷いをほどいてくれます。
タイトル通り、人生の“あとがき”をまだ書かない強さと余白が残る一冊です。

『家族解散まで千キロメートル』浅倉秋成

▶ 解散予定の家族が“盗まれたご神体”を返しに行く、ロードムービー型ミステリ

実家を取り壊し、家族も解散——のはずが、倉庫から見つかった謎の箱で状況が一変。
ニュースで報じられた“神社のご神体盗難”と一致し、「もしかして父が…?」疑惑が浮上します。
返却のために家族が一時的にチームになるのに、全員どこか信用できない不穏さが最高。
ドタバタの旅路の先で「あ、そういうこと…!」が待つ、騙される快感系の一冊です。

『ロリータ・ファッション』嶽本野ばら

▶ 本そのものが“装い”になる。ブランド論で学ぶ、美意識の教科書エッセイ

装丁からして可愛すぎる、眺めるだけでテンションが上がる“ファッションする本”。
内容は小説ではなく、国内外のブランドやコスメまで語り尽くすブランドエッセイ集です。
ロリータの文脈だけでなく、ハイブランドやデザイナーの思想にも触れられるので読み応え抜群。
「好き」を突き詰めた文章は、そのまま美学の言語化になっていて、おしゃれの解像度が上がる一冊。

『わたしは孤独な星のように』池澤春菜

▶ 脳に“菌類”を埋め込む世界で描く、つながりと痛みのSF短編集

声優・エッセイなど多彩に活躍する池澤春菜の、小説家デビュー作にして7編収録の短編集。
中でも「糸は赤い、糸は白い」は、菌類を脳に埋め込むことが常識になった世界で、少女たちの関係性が切なく光ります。
“通じ合える”ことが救いにも呪いにもなる——SFならではの設定が、感情の輪郭を鋭くします。
硬派すぎず読みやすい文体で、SF初心者にもすすめやすい一冊です。

『グリフィスの傷』千早茜

▶ 傷は消えないまま、人生に馴染んでいく——“傷跡”をめぐる静かな短編集

体の傷、心の傷、言葉にできない記憶のひび——さまざまな“傷”を中心に据えた短編集。
励ましで上書きするのではなく、傷が傷として残る現実を、そっと見つめ続ける視線が千早茜らしい。
主人公の名前が出てこないこともあり、読者が自分を重ねやすい仕掛けも効いています。
短めで読みやすく、それぞれの痛みに静かに寄り添う一冊です。

雨の日のおすすめ本6選

「雨を連想させる本をご紹介!」☔️📚

梅雨の湿気と気圧でコンディションが終わりがちな季節こそ、外に出られない言い訳を作って“雨読書”しよう回!
ついでに「雨の日に集中できる派」「気圧で眠い派」の生活トークもあって、梅雨に寄り添い度高めです🌧️

『それいぬ 正しい乙女になるために』嶽本野ばら

▶ 雨の日は“健全な乙女の不健全な暗日”──サボりすら肯定してくれる乙女エッセイ

短いエッセイがぎゅっと詰まった一冊で、あかりんの「雨本」第一想起。
中でも刺さるのが「雨の日の乙女の過ごし方」エッセイで、雨の日は無理せず休め、学校もサボれ、本を読め…という“乙女の哲学”が炸裂。
梅雨のだるさを「そういう日でいい」と言い切ってくれる、自己肯定感回復ブースターです。

『傘をもたない蟻たちは』より『イガヌの雨』加藤シゲアキ

▶ 空から降るのは水じゃない——“異物の雨”が日常をじわっと侵食する短編

あかりんチョイスは短編集の中の一編「イガヌの雨」。
謎の生き物が“雨のように”降り続け、しかも人々はそれを受け入れ、ついには…という展開で、気持ち悪さと好奇心が同時に膨らむ。
雨の日の閉塞感と相性抜群の、ディストピア寄り短編です。

『死神の精度』伊坂幸太郎

▶ 雨男の死神が出会うのは、人生の“最終判断”——しっとり沁みる連作短編集

主人公は死神・千葉。彼が人間界に来ると、なぜかいつも雨。
1週間その人のそばにいて「死が妥当かどうか」を見極める仕事の中で、さまざまな人生の断片が見えてくる。
雨の気配がずっと背景にあるから、窓の外が雨の日に読むと、作品の温度がそのまま部屋に染みてくる一冊です。

本をよく読む人が最近読んだ本について話します【2024年6月】

「最近読んだ本〜〜〜!!!」

6月!2024年もいよいよ後半戦スタート🔥
ジャンル縛りなしで、たくみ&あかりんが“ガチで最近読んだ”6冊を持ち寄り紹介!

『国歌を作った男』宮内悠介

▶ 1話数ページでも世界が反転。やさしく刺さる“短距離SF”短編集

SF短編が13編入りで、見開きで終わるような超短編もあり。
ディストピア一辺倒じゃなく、熱くなったり、切なくなったり、じんわり温まったりと振れ幅が大きいのが魅力。
「SFちょっと気になるけど重そう…」な人ほど、短編の入口としてハマりやすい一冊です。

『地雷グリコ』青崎有吾

▶ 子どもの遊びが、命削るレベルの頭脳戦に化ける——“ルール改造”バトル小説

文化祭の場所取りをめぐり、高校生たちがゲームで勝負する話から始まる学園頭脳バトル。
『グリコ』に“地雷”要素を足したり、じゃんけんに独自の手を追加したり、ルールがどんどん進化していく。
遊びのはずなのに、読む側の脳がフル回転。ロジック好き・頭脳戦好きに刺さる一冊です。

『二人キリ』村山由佳

▶ “好き”が壊れた先まで描き切る、実在事件モチーフの濃密ラブサスペンス

安倍定事件をモチーフに、事件の輪郭ではなく「そこに至る心の道筋」を追っていく作品。
周囲の証言や視点が積み重なるほど、単純な善悪では片づけられない“恋愛の地獄”が立ち上がってくる。
読後に残るのは、スッキリじゃなくて、理解してしまう怖さ。ずしんと来る一冊です。

いま注目の若手作家【3名】

「2020年以降デビュー!今後さらに楽しみな若手作家3名!!」✨

常に小説を読み、新人賞も欠かさずチェックしているあかりんが、
“これから追いかけたい!”と思った若手作家を3名ピックアップ!
「作品が好き」から一歩進んで、“作家買い”の入口
になる回です🌈

『ジャクソンひとり』『迷彩色の男』安堂ホセ

▶ 透明で綺麗な文章のまま、心の深部をえぐってくる“鋭い青春”文学

文芸賞受賞でデビューし、いきなり芥川賞候補にも入った注目株。
描かれるテーマはけっこうハードなのに、文章は驚くほどしなやかで美しい。
そのギャップが、読み手の感情にスッと入り込んでくる——「静かなのに刺さる」
「この作家、次も絶対追いかけたい」と思わせる、評価されるべくして評価された作品たち。

『みどりいせき』大田ステファニー歓人

▶ リズムで読ませる“いまの言葉”が炸裂——若さの危うさごと飲み込む青春小説

すばる文学賞受賞作。
話題になったのは作品だけじゃなく、受賞スピーチがSNSで拡散され“本人がバズった”という異例の流れも。
文章はラップのようなリズム感があり、若者の内側のざわつきが、そのまま言葉になって押し寄せます。
「これは今しか書けない」と思わせる、新しい読み味のデビュー作。

『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈

▶ まっすぐでブレない主人公が、世界を勝手に明るくする——“成瀬”という中毒

“成瀬”というキャラクターの強さで、読む人を一気にファンにしていく作品。
ズレてるのに誠実、突き抜けてるのに優しい。
「この子のこと、気づいたら大好きになってる」タイプの主人公が、物語をぐいぐい牽引します。
デビューから一気に大きく跳ねたのも納得の作品たち。

感情移入してしまう小説3選【本の世界に没入しよう】

「感想移入しすぎちゃう本【3選】〜〜〜!」

あかりん企画!
読んでいるうちに主人公のしんどさが“自分ごと”になって、気づけば心が持っていかれる——そんな 感情移入不可避の小説を3作まとめて紹介します。

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

▶ “声が届かない孤独”に寄り添う、再生と救済のヒューマンドラマ

家族に人生を搾取され、心をすり減らした女性・貴瑚(きなこ)が、東京から大分へ移住。
静かに暮らすつもりだった彼女は、虐待を受け“ムシ”と呼ばれている13歳の少年と出会い、彼を救おうとします。

タイトルの「52ヘルツのクジラ」は、他のクジラと周波数が違うため声が届かず、孤独だと言われる存在。
この物語では、その孤独が 「助けてと言えない苦しさ」 と重なって胸に刺さります。

虐待・DV・介護・ジェンダーなど、社会の痛みがいくつも描かれるのに、読み終わりにはちゃんと“生き直し”の光が残る。
何度読んでも泣ける、感情移入型の代表作です。

『本心』平野啓一郎

▶ “死を選べる社会”で問われる、母の本心と息子の孤独——近未来ヒューマンSF

舞台は近未来。健康でも自分の意思で死を選べる「自由死」が制度化された社会。
主人公は、母から「そろそろ死を選ぼうと思う」と告げられた矢先、事故で母を失ってしまいます。
——なぜ母は死を望んだのか。その“本心”を聞けないまま、息子は取り残される。

さらにこの世界では、亡くなった人をAIで再現し“会える”技術があり、主人公は母を再現して真実に迫ろうとします。
優しい筆致で淡々と描かれるからこそ、喪失と孤独がリアルに積み上がっていく一冊。

「ありえない未来」じゃなくて、「ちょっと先にありそうな未来」だから怖い。
読後、命・同意・愛情の輪郭がぐらつきます。

『ヘヴン』川上未映子

▶ 逃げ場のない“いじめ”の痛みを、静かな言葉でえぐる——天国を探す少年少女の物語

いじめを受ける少年の机に、ある日「私たちは仲間です」という手紙が入る。
差出人もわからないまま導かれた先で、同じ学校でいじめられている少女と出会い、二人は少しずつ言葉を交わしていきます。

本作が苦しいのは、いじめの残酷さだけでなく、加害側の理屈や空気も含めて描かれるところ。
「正しさ」が簡単に届かない小さな世界で、少年少女がどうやって心を守ろうとするのか——
読んでいる側も一緒に息が詰まり、同時に“誰かがいてくれる救い”にもすがりたくなる。

タイトルの「ヘヴン」が指すものは何なのか。
読み終わったあと、静かに深く残る一冊です。

読書が好きすぎる私が最近読んだ本【2024年5月】

最近読んだ本【2024年5月】!!

……なのに途中で箱が出てきて、体感ボリュームはほぼ19冊級📚📚📚
今月も最高にバグってます。

『草原のサーカス』彩瀬まる

▶ 間違えた人生の“その先”を描く、姉妹の再起と赦しの物語

製薬会社で働く姉と、人気アクセサリー作家の妹。
順風満帆に見えた二人の人生は、姉のデータ捏造事件、妹のハラスメント騒動で一気に崩れていきます。

「どうしてそんなことを?」と責め合いながらも、姉妹という切れない関係の中で、
それでも人生を立て直そうとする姿が、じわじわ胸に迫る一冊。
背表紙の言葉どおり、“「間違えた」後も人生は続く”——落ち込んでいるときほど刺さる、静かな勇気の小説です。

『夢分けの船』津原泰水

▶ 現代の青春を“明治の文体”で読む——時代がねじれる不思議な読書体験

映画音楽を学ぶため上京した青年が、引っ越した部屋で“幽霊の噂”に触れるところから始まる青春小説。
ただしこの作品、舞台は現代なのに、文章がまるで明治文学のような語り口。

スマホや現代の出来事が出てくるのに、読感は漱石っぽい。
そのギャップが、いつの間にか心地よくなってくる“読書の異世界”。
津原泰水作品らしい、静かな幻想と青春の熱が同居した一冊です。

『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』千早茜

▶ “知ってる童話”が、知らない温度で刺さってくる——美しくて怖い再解釈短編集

ヘンゼルとグレーテル、白雪姫、シンデレラ…
誰もが知る西洋童話をモチーフにしつつ、現代的な痛みや感情を流し込んだ7編の短編集。

千早茜さんらしい、きれいなのに背筋が冷える文章が最高。
童話の“明るさ”ではなく、その奥にある歪さや孤独に光を当てる作品で、
薄くて読みやすいのに、余韻はずっしり残ります。

『金星の蟲』酉島伝法

▶ 文字も世界も未知だらけ——“理解できないのに面白い”異形SF短編集

国内SFで高評価を獲得した、酉島伝法さんの短編集。
読者を突き放すほど異世界なのに、言葉の迫力と発想で読ませてくるのがすごい。

独自の造語、謎の漢字連打、挿絵の不気味さまで含めて「これが本という媒体の力…!」となるタイプ。
“わからない”を楽しめる人ほど刺さる、異形の一冊です。

『NO CALL NO LIFE』壁井ユカコ

▶ 留守電から始まる出会いが、青春をこじらせる——甘くて痛い“恋愛×地獄”小説

謎の留守電をきっかけに、女子高生の主人公が“危うい噂”のある少年と出会っていく。
周囲は止める、本人たちは惹かれる、でも現実は甘くない。

「絶対にうまくいかないのに読んでしまう」
そんな恋愛の地獄味を、ちゃんと切なく、ちゃんと青春として描いてくる作品です。
エモさで心が締め付けられる読後感。

『みどりいせき』大田ステファニー歓人

▶ 友情と退屈のすき間から、闇へズルズル——“今っぽい現実”をリズムで撃つデビュー作

不登校になりかけの高校生が、かつての後輩と再会し、
彼が関わる“怪しい闇バイト”の気配に引き寄せられていく物語。

この作品の特徴は、内容だけじゃなく文章のリズム感。
言葉が転がり、感情がそのまま流れ込む文体で、
若者の“流され方”のリアルが、妙に生々しく迫ってきます。

『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』宮澤伊織

▶ 登録者1000人を目指す配信が、気づけば宇宙と物理を飲み干していた——理系歓喜の配信SF

社会人の主人公・さくらが、同居するマッドサイエンティストと始めた弱小配信チャンネル。
第1回の企画が、【宇宙飲んでみた】

文章は“配信の文字起こし”形式で進み、コメントのノリも含めてテンポ抜群。
ふざけているのに、急に物理の話がガチになって「どこまで本当?」と脳がバグる。
SF×YouTubeの掛け算が気持ちよく決まった、クセになる一冊です。

ストレスがぶっとぶ小説3選!

「ストレスぶっ飛び小説3選~~~!!!」

仕事・人間関係・やること山積み…。
現実がしんどいときほど読みたくなるのは、“理屈抜きに気分を連れ出してくれる物語”

今回あかりんが選んだのは、読み終わる頃には
「まあ、いっか!」って思えてくる爽快感&疾走感の3冊。

『ペーパー・リリイ』佐原ひかり

▶ “騙された側”と“育てられた側”が手を組む、痛快すぎる逃亡ロードノベル

17歳の少女・杏は、親代わりの“叔父”に育てられてきた。
ただしその叔父——結婚詐欺師

ある日、叔父に騙された女性・キヨエが家に現れ、状況は一変。
杏は迷いなく言う。「だったら、叔父の金を持って二人で逃げません?」
そこから始まるのは「出会い」を重ね、現実からぐいぐい離れていく逃亡の旅

読んでいて気持ちいいのは、暗さよりもスピード。
そしてラストには、思わず「やられた!」と声が出るような不思議な爽快感が待っています。
ストレスが“現実”なら、これは“脱出”の物語。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』波木銅

▶ 女子高生×屋上×禁断栽培——ブレーキ壊れた青春の“爆走”が最高にスカッとする

うまくいかない日々、うまくいかない家族、うまくいかない自分。
そんな鬱屈を抱えた女子高生たちが、あるきっかけで“ヤバい種”を手に入れ、
学校の屋上で栽培を始めてしまう

最初は軽いノリの「これ、いけんじゃね?」が、
気づけば手順も流通もどんどん“本気”になっていくスリル。
悪いことだと分かってるのに、読者の気分だけはなぜか上がる——
この背徳の爽快感が、ストレスを吹き飛ばします。

終盤はまさにタイトル通りの“オール・グリーンズ”。
アクセル踏みっぱなしのまま、気持ちごと爆発させてくれる一冊です。

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎

▶ 犯罪なのに爽やか!? “陽気さ”でピンチをねじ伏せる、会話と逆転のクライムエンタメ

嘘を見抜ける男、正確すぎる体内時計の女、スリの達人、演説の名人。
妙に優秀な4人組が、チームワーク抜群で銀行強盗をこなしていたある日、
奪ったはずの大金を、別の強奪犯に横取りされる。

「取り返すしかない。」
正義でも悪でもなく、どこまでも軽やかに突き進むのがこの作品の魅力。
深刻な状況なのに、会話が小気味いい。テンポが良い。
そして最後には、伊坂作品らしい気持ちいい“ひっくり返し”も。

疲れているときほど刺さるのは、彼らの“陽気さ”。
ピンチでも笑える物語は、だいたい最強です。

後味が悪すぎる小説3選【読むときはご注意を】

「後味が悪すぎる小説【3選】」😱😱😱

読後にスッキリどころか、じわ〜っと嫌な感情が残る……でもそれがクセになる。
“後味が悪い=最高”派に向けた、イヤミス寄りの3冊を紹介します😵‍💫

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』湊かなえ

▶ “毒”は母か、娘か──視点が変わるたび真実がズレていく、痛すぎる家族ミステリ

短編集の中でも核となるのが「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」。
主人公は女優の弓香。故郷での同窓会に誘われるものの、帰れば“会いたくない母”がいる。
学生時代から母にコントロールされ続け、頭痛と痛み止めが手放せないほど追い詰められてきた彼女のもとに、さらに「毒親」をテーマにした番組出演の依頼が届きます。

ここで引っかかるのがタイトル。毒なのは母のはず…なのになぜ「ポイズンドーター」?
読み進めると、次作「ホーリーマザー」で別視点が差し込まれ、弓香の語っていた“母の姿”が少しずつ揺らいでいく。
誰が正しいのか、何が真実なのか、簡単に割り切れないまま、嫌〜な余韻だけが残る一冊です。

『暗黒女子』秋吉理香子

▶ お嬢様学園の“闇鍋”で暴かれる、告発だらけの黒すぎる真相

舞台は、お嬢様しかいない名門女子校。
学長の娘で、文学サークルのカリスマ的存在だった少女が転落死し、手にはなぜかスズランの花。自殺なのか、事件なのか――。

サークル恒例行事は、部屋を真っ暗にして行う「闇鍋会」。
そこでメンバーたちは、”死”をテーマに小説を書いて持ち寄り、順番に朗読していきます。
ところが朗読される“物語”の中で、「彼女を殺したのはこの子だ」という告発が次々に飛び出し、疑いが連鎖。
上品なサロンの空気の裏で、妬み・嫉妬・秘密が剥がれていく感じがとにかく後味最悪(=最高)。
最後に待つ「暗黒」の意味を、ぜひ見届けてください。

『みんな邪魔』真梨幸子

▶ 全員イヤすぎて目が離せない──“邪魔”だらけの地獄人間関係ミステリ

文庫版のタイトルは『みんな邪魔』。ハードカバー版では別タイトルで刊行されており、表紙の雰囲気もガラッと変わる作品。
物語の中心にあるのは、ある昭和の少女漫画を愛するファンクラブ。その上位メンバー「青い六人会」のお茶会は、フリフリの装いと優雅な呼び名で固められた“夢のサロン”…のはずが、そこで殺人が起こります。

さらに、事件は一つで終わらない。
ギスギスした嫉妬やマウント、掲示板での悪口、見栄と執着が絡み合い、読んでいる側の気分もじわじわ削られていく。
登場人物が全員しんどいのに、なぜか読めてしまう――真梨幸子の“嫌さ”の真骨頂で、あかりんいわく「これが一番イヤだった」一冊です。

最近読んだ本は私生活があらわれる【2024年4月】

「最近読んだ本【6選】!!」

今月も大人気企画「最近読んだ本」からスタート!
“直近の私生活が浮き彫りになる”と言われがちなこのコーナーで、たくみさんはポケカ沼&研究者エッセイへ、あかりんは美文ミステリと創作論へ…と、今回も読書の振れ幅が大きめの6冊がそろいました。

『漣の王国』岩下悠子

▶ 文章が美しすぎる…“王”を中心に絡み合う、連作ミステリの静かな衝撃

水泳の才能とカリスマ性で人を惹きつける少年・綾部蓮。
彼をめぐる周囲の視点で物語が連なり、事件や失踪が少しずつ積み重なっていく連作形式のミステリです。
冒頭で提示される大きな謎へ、細かな謎が合流していく構成が王道で気持ちいい。
そして何より、言葉の選び方と文章の美しさが衝撃として刺さる一冊です。

『無敵の犬の夜』小泉綾子

▶ 田舎の閉塞と怒りが爆発する、“突っ走る少年”の痛いほど切実な青春文学

北九州の片田舎。事故で指を失った中学生の少年は学校から距離を置き、不良グループの中で居場所を探していく。
憧れた先輩との出会いが、やがて無謀な行動へと彼を駆り立て──。
世界の狭さ、見栄、苛立ち、焦り…全部が泥くさくて、読んでいて心配になるのに目が離せない。
共感というより「やめときな…!」と母性が発動するタイプの、刺さる純文学です。

ある理由で教えたくない本がいくつかあります

「本当は教えたくない本【6選】」〜〜〜!!!

「広めたくない」理由はそれぞれ。
好きすぎて独り占めしたい/刺さり方が歪みすぎて心配されそう/恥ずかしい思い出が直結してる/実用書なのにバレたくない——
図らずも2人の素顔がにじみ出た、ちょっと照れくさいラインナップです。

「ロリヰタ。」嶽本野ばら

肯定できない人がいると分かってるから、独り占めしたい“愛の物語”

高校時代に出会って、ずっと大切。
でも、この本に描かれる「愛の形」は、受け入れられない人もいる。
賛否が割れると分かってるからこそ、
「分かってくれる人にだけ届けばいい」気持ちが強くなる。
野ばら作品の“刺さる美学”を、静かに抱えていたくなる一冊。

『あなたのための短歌集』木下龍也

「あなたのため」が、ある瞬間ほんとに“自分のため”になる短歌

依頼を受けて「その人のためだけの短歌」を書く——
その特別な短歌たちをまとめた一冊。
読んでいると、ふいに「これ、自分のことじゃん…」が現れる。
さらに“あかり”をテーマにした短歌まで出てきて、
もう勝手に「私のための本」認定。
誰かに教えたら薄まってしまいそうで、
そっと持っておきたくなる“個人的”短歌集

青い本を6冊紹介します【色別本紹介】

青い本を計6冊ご紹介🤗!!

前回の「黄色い本」に続いて、今回は“青い本”を6冊紹介!
帯を外して“真の青”を確認したり、表紙の青が物語とリンクしていたり…
だんだん企画が
勝負っぽくなってきたのも見どころです🧊🐳🌊

『さようならアルルカン/白い少女たち』

森の気配をまとった、いくつもの青が重なる表紙が印象的。
“少女小説の入口”になった一冊として語られ、青の静けさが作品の空気を先に運んでくる。
淡い光や影のニュアンスまで含めて「青」で引き込む初期作品集。

『幽玄F』佐藤究

本屋で見つけた瞬間に「真っ青」で目を奪われる、単色の強さが際立つ一冊。
しかもカバーを外すと中は“真っ赤”というギャップがあり、表紙の色自体が作品を表している
読後に「この青じゃなきゃダメだった」と腑に落ちる、意味のあるカラー設計が魅力。

『カルプス・アルピス』嶽本野ばら

“これ以上青い本ある?”という圧の強い青
タイトル以外の情報を極力そぎ落とし、青を邪魔しない潔さがすごい。
画家とのコラボで挿絵も青が効いており、ビジュアルで刺す一冊

黄色い本を6冊紹介します【色別本紹介】

「黄色い本紹介【6選】〜〜〜!!!」🟡🍌🧀🍋

“概念じゃなくて物理的に黄色い本”をルールに、たくみさん&あかりんがお互いの持ち込み本を初見で見せ合う企画。
「黄色だね〜!」だけで動画が成立するのか…?と思いきや
想像以上に盛り上がる回になりました。

『しつこく わるい食べもの』千早茜

食べものをめぐるエッセイで、タイトル通り「わるい」と分かっているのに惹かれる味や習慣の話が刺さります。
中身は甘いだけじゃなく、背徳感や執着の匂いがして、読後にじわっと残る。

『くもをさがす』西加奈子

レモンイエローのまぶしさが強烈で、黄色の中でも“明るい黄色”代表。
ここでの「くも」は虫ではなく、“病”を指す言葉として語られ、体の中の不穏を探るようなニュアンスが込められています。
鮮やかな表紙とテーマの重さのギャップが、逆に強い印象を残す一冊です。

『パパイヤ・ママイヤ』乗代雄介

今回いちばんのマッキー黄色=満点黄色
表も裏も、とにかく黄色が強く、企画を聞いた瞬間に思い浮かぶレベル。
「パパイヤ」「ママイヤ」というあだ名の女の子たちを軸にした物語で、色のポップさに反して、関係性の温度や距離感がじわじわ効いてくるのが魅力。
本棚にあるだけで元気が出そうなのに、読後はちゃんと余韻が残ります。

2024年もたくさん読んでます【2024年3月】

「あかりんの最近読んだ本10冊〜〜!!」

平安〜江戸の“過去”をのぞきつつ、ディストピアや月面都市まで“未来”にも飛ぶ、ジャンル大横断回!
勉強になるのにちゃんと面白い、読書熱が上がる10冊が揃いました🔥

『解答者は走ってください』佐佐木陸

▶ クイズ小説だと思ったら、現実が“多世界”に裂けるマルチバース文学だった

「部屋を出たことがない」主人公が、PCに届いた“自分の過去”を読むところから世界が歪み出す。
クイズの熱量もありつつ、物語の視点や距離が急に読者側へ迫ってくるメタ感がクセになる。
夢と現実、過去と現在が入り乱れる、読書ならではの体験型小説です。

『ここはすべての夜明けまえ』間宮改衣

▶ 人間をやめたい少女が記す、近未来の“切なさ”が刺さるSF

身体をロボット化できる時代、主人公は“人間であること”に強い嫌悪を抱いています。
家族の喪失と変化を、メモのような文体で淡々と綴るほど、逆に感情が刺さってくる。
読後は「幸せって何? 人間らしさって何?」が静かに残る近未来SFです。

『エロチック街道』筒井康隆

▶ 江戸末期×漂流×ジャズ!?奇想が現実を踊らせる短編集

タイトルから想像する以上に、アイデアの飛距離で読ませる筒井康隆の短編集。
収録「ジャズ大名」は、漂流してきた黒人たちの“音”が江戸の価値観を揺らす快作。
シュールさとエンタメが同居していて、短編でも満足感が強い一冊です。

『さやかに星はきらめき』村山早紀

▶ 月面都市のクリスマス、優しさが連鎖する連作短編SF

地球を離れた未来、月面都市で人間と犬人・猫人などの動物から進化した生命が共に暮らす世界が舞台。
編集者キャサリンが“クリスマスの物語”を集める形で、複数の短編が連なっていきます。
不思議であたたかく、読み終えると心に小さな灯りが残る作品集です。

『おわりのそこみえ』図野象

▶ 借金・依存・喪失…落ちていくのに、なぜか目が離せない“冷えた加速”の物語

買い物依存と借金を抱えた美帆の日常が、じわじわ崩れていく。
“やばい”と分かっているのに止まれない選択の連続が、リアルで痛いほど刺さります。
絶望を煽るより、乾いた筆致で転落の速度を描くからこそラストが強烈。

『なれのはて』加藤シゲアキ

▶ “一枚の絵”から始まる、芸術×血脈×謎の重厚ミステリ

署名はあるのに作者不明の絵——その正体を追ううちに、ある一族の過去が浮かび上がる。
芸術への執着、隠したい歴史、調査のスリルが絡み合い、ミステリとしても読み応え十分。
分厚いのにテンポよく読めて、読後にタイトルがじわっと効いてくる作品です。

『モモ100%』日比野コレコ

▶ 言葉が跳ねる、恋と衝動が暴走する“トップスピード”小説

19歳のモモが、恋愛と衝動に振り回されながら突っ走る、危うくてポップな疾走感。
引用や言い回しが独特で、読みながら脳が揺さぶられるタイプの文体が魅力です。
最初は掴みにくくても、リズムに乗ると一気に持っていかれる、ラストまで強い1冊。

怖いとは違うゾワゾワする本【3選】

「ゾワゾワしよう!! 鳥肌本3選」🌬

「怖い=ホラー」だけじゃない。
読んでいる最中より、読み終わってからじわじわ来る
そんな“鳥肌”が立ってしまう本を、あかりんが3冊セレクトします…😨

『残穢』小野不由美

“感染する恐怖”で、読み終わってからが本番のホラー

主人公はホラー小説家。「家で変なことが起きる」という手紙をきっかけに、
あるマンション周辺で起きる不可解な現象を追っていく――。

派手な驚かしではなく、生活の隙間に入り込むような恐怖が積み重なり、
最後には「これ、知ってしまった自分も…?」という感覚に変わっていく。
“家に置いておきたくない”と言われるのも納得の、じっとり系鳥肌ホラーです。

『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』川本直

存在しないはずの作家が、実在したとしか思えない“作り込み”が怖い

1948年当時のアメリカでタブーだったテーマを描き、スキャンダラスに注目された作家
ジュリアン・バトラー――その生涯を、パートナー視点で語る一冊。

読んでいると「この人、本当にいたんだ」と思ってしまうほどリアルなのに、
“参考文献”まで含めた異常な作り込み
「ここまでやるのか…」という、恐怖に近い敬意で鳥肌が立つ一冊。

『鳥肌が』穂村弘

日常の“考えたら終わる”瞬間を42編集めた、ゾワゾワ系エッセイ

ホラーじゃないのに怖い。
穂村弘が、日常に潜む「ふと想像すると背筋が冷える」瞬間を、
42編のエッセイで切り取った“鳥肌コレクション”。

「自分が突然おかしくなって場を壊すかもしれない」という“フラグ”の恐怖など、
ライトな文体なのにゾッとする、いちばん鳥肌がたつかもしれない一冊。

プレゼントしたい本6選

プレゼントしたい本【6選】!!

1月13日生まれのあかりん、2月26日生まれのたくみさん。
誕生日の“ちょうど真ん中”あたり=真ん中バースデーを口実に、
今回は「お互いにプレゼントしたい本」を3冊ずつ持ち寄って紹介します📚✨

※実際に渡すわけではなく、「気になったら自分で買ってね!」スタイルです!

『肉小説集』坂木司

「美味しそう」から入って、後味が“脂”みたいに残る短編集

ロースカツ、角煮、生ハム…など、豚肉メニューがテーマの短編集
食べ物の本=ほっこり、と思いきや、坂木司はそれだけじゃない。
ふとしたところでゾワッとしたり、じわじわ胃にくるようなブラックさも混ざる。
「爽やかなプレゼントより、たくみさんには“うっ…”が似合う」
そんな信頼(?)で選んだ、読後にちょっとクセになる一冊

ほんタメMCが最近読んだ本を紹介します【2024年2月】

「最近読んだ本【6選】〜〜〜!!!」

謎解きで“強くなりたい”たくみさんの修行本から、
読後に心がざわつく海外サスペンス、
さらに文学・怪奇・現代アートまで――
今月もジャンルの振れ幅えぐめな6冊が揃いました。

『列』中村文則

終わりの見えない“列”に並ぶだけなのに、人生が全部映る文学

ある日気づくと、主人公は理由もわからず列に並んでいる。
先頭も最後尾も見えない。外れるのが怖い。
少しのズレ、少しの焦り、少しの怒りが、人間関係の地獄を生む。
「これ、社会そのものじゃない?」と思わせる圧のある寓話で、
読後に誰かの感想を聞きたくなる一冊です。

『禍』小田雅久仁

“体”がテーマの怪奇短編集——怖いより、じわじわ気持ち悪い

人間のパーツ、異物感、禁忌——身体まわりの違和感を軸にした怪奇小説集。
中でも印象的なのが、本のページを破って“食べる”女と出会う「食書」。
一枚食べたら引き返せない…という不穏さが、読んでいる側までざわつかせる。
夜に読むと、夢に侵食されるタイプの一冊です。

読書がはかどる!お風呂で読みたい本6選

「お風呂で読みたい本【6選】」🛁📙📘

短編・区切り読み・リラックス重視。
“湯船×読書”だからこそハマる本、ぜひ試してみてください🤗

『私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー』

人生の節目に宿る“一日”を描いた短編アンソロジー

結婚式、葬儀、成人式――誰かの「特別な日」に立ち会う物語たち。
1編ごとに余韻があり、お風呂で一日の終わりを振り返る時間にぴったり。
短編だから、感情が重くなりすぎないのも嬉しい。

『きれいな言葉より素直な叫び』新井見枝香

身体と人生をまっすぐ見つめる、強度の高いエッセイ

書店員からストリッパーへ――著者自身の経験を通して語られる、身体と自己。
裸になる空間=お風呂で読むことで、自分の身体への意識が変わる。
静かだけど深く刺さる一冊。

「ほんタメ文学賞2023年下半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2023年7〜12月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『最愛の』上田岳弘

呪いか祝福か──「最愛」が、あなたの価値観を壊してくる

恋愛小説の形を借りて、「最愛は他者か、それとも自分か」という問いを突きつける。
愛の輪郭が揺らぎ続ける、超越的な読後感が残る一冊。

あかりん部門大賞🏆 『煩悩』山下紘加

“友情”の皮をかぶった、いちばん厄介な感情の物語

女同士の関係性のねじれ、言葉にできない泥がリアルに刺さる。
1行目から心を掴まれ、じわじわ乱されていく苦い中毒性。

『幽玄F』佐藤究

爽やかなのに狂おしい──“空”に取り憑かれた男の執念譚

空への憧れに飲み込まれていく男の姿が、静かに熱を帯びて迫ってくる。
文章の推進力が凄く、厚みがあっても一気読みさせられる一冊。

カッコよすぎる「◯し屋」紹介します【3選】

「カッコいい◯し屋が出てくる小説3選〜〜!!!」

今回は伏せ字まみれの3選….🌫
ダークな、クールな、ハードボイルドな、
それぞれの美学を持った◯し屋たち….😱
あかりんのルーツ(?)も覗けるかも…?!

『1Q84』村上春樹

“美しい所作”で世界の歪みを正す。昼はインストラクター、夜は仕事人。二重生活が痺れる殺し屋小説。

青豆と天吾、離れ離れになった2人が互いを追い求める壮大な物語。
その一方で青豆は、高級スポーツクラブのインストラクターとして生きながら、
ある信念のもと「女性を傷つける男」に裁きを下す“仕事”を遂行していく。
静かで無駄のない手口、感情に飲まれない冷静さ、そして揺るがない美学がとにかくクール。
恋と世界の異変が絡み合う中で、彼女の“仕事人としての顔”が強烈に残る一冊です。

『グラスホッパー』伊坂幸太郎

“自分の手を汚さずに終わらせる”冷酷さ。個性派殺し屋だらけの、裏稼業エンタメミステリ。

妻を奪われた男・鈴木が復讐を誓い、裏社会に足を踏み入れるところから始まる物語。
登場する殺し屋たちがとにかく濃く、なかでも「鯨」は“自殺専門”という異色すぎる存在。
対面した相手を追い込むように、言葉と空気で“その気”にさせていくやり口が恐ろしくも魅力的。
視点が次々に切り替わり、点と点が繋がっていく伊坂節の疾走感も抜群。
クールでダークで、でも面白さが勝つ…クセになる一冊です。

成田良悟作品『バッカーノ!The Rolling Bootlegs』他

中二心を直撃する“悪役の華”。各作品の殺し屋×殺人鬼がつながる世界観

殺し屋・殺人鬼…危険人物がわんさか出てくるのが成田作品の魅力。
残忍さすら「キャラの美学」として立ち上がってくる濃度で、異名がつくほどの残忍さに魅力を感じてしまう…。
テンポが速く、会話もキレキレで、とにかくページが止まらない。
推しの殺し屋を見つけて沼るのが正解です😂

文体が独特すぎる本3選

「これはクセになる!!文体が特徴的な小説【3選】〜!」📚✨

物語や展開だけじゃなく、“文体そのものの面白さ”に注目した回。
オリジナル方言みたいな言葉づかい、2人称の視点、息継ぎさせない長文——
読んでいるだけで「脳の読み方」が変わる、クセ強めの3冊が揃いました🤗

『かか』宇佐見りん

▶ ここは家族のはずなのに、言葉が通じない。 “オリジナル方言”で包む、母と娘の距離の物語

関西弁っぽいのにどこにも属さない“作中だけの方言”が、冒頭から独特のリズムを作る。
その言葉づかいが、母という近しい他者を「分かりそうで分からない」存在にしていく。
内容以上に“音”で感情が伝わってくる、文体体験型の一冊。
小説=硬い文章のイメージをいい意味で壊してくれる。

『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』大前粟生

▶ “あなた”は誰で、“誰が見ている”? 2人称で迫る、距離と怖さがクセになる物語

収録作『窓子』は「あなたは〜した」で進む2人称小説で、読み始めは正体不明の違和感が強い。
でも途中で「この文体じゃないと成立しない理由」が腑に落ち、ゾワッと面白さが反転する。
語り手と“あなた”の距離感が、そのまま物語の緊張感になる。
文体ギミック好きに刺さる、忘れられない読書体験。

『イキルキス』舞城王太郎

▶ 1文が長すぎて息ができない。 家族崩壊を加速させる短編集

口語調で情報が怒涛に押し寄せ、読んでいるというより“語りを浴びてる”感覚になる。
事故をきっかけに父が英雄視され、家族が崩れていく物語を、スピードと熱量で走り切る。
普通なら削る情報も長文のまま詰め込み、世界の厚みと圧を作っているのが舞城節。
そして最後の一文が刺さる——読後に余韻が残る一冊。

最近読んだ本を10冊紹介します【2024年1月】

新年1発目のほんタメは、冬休みに読みたい“おすすめ10冊”をどどんと紹介!📚✨

パステルカラーみたいに可愛い表紙が並ぶ一方で、テーマは「生と死」「最愛」「肉体」「表現」「癒し」まで幅広め。
ライトに読める絵本から、胃にくる小説、心がほどける優しい物語まで——今の気分に刺さる1冊がきっと見つかる回でした。

『最愛の』上田岳弘

▶ 「最愛の——」の続きに、あなたは誰の名前を書く?愛の正体を問う超越的恋愛小説

合理的に生きる久藤は、学生時代に手紙を交わした女性だけを忘れられずにいる。
あるきっかけから文章を書くことになり、彼は“最愛の”という言葉から物語を綴り始める。
最愛とは誰なのか。人は本当に他者を愛せるのか。
それとも最も愛しているのは自分自身なのか。
恋愛小説でありながら、哲学的でドライな語り口が貫かれ、
読み進めるほどに「愛」という概念が解体されていく感覚がある。
分厚さに怯まず手に取ってほしい、思考ごと持っていかれる一冊。

『ピュア』小野美由紀

▶ 愛したいのに、食べてしまう。感情が倫理を壊す、ディストピアSF短編集

女性が圧倒的に強く進化し、男性が“捕食対象”になった未来。
子どもを産むためには男性を食べなければならない世界で、
それでも誰かを「好きになってしまう」女性たちの葛藤が描かれる。
設定は極端だが、描かれているのは
欲望・嫌悪・罪悪感・愛情といった極めて現代的な感情。
グロテスクな描写も多いが、その分感情のリアリティが鋭く刺さる。
読む人によって、まったく違う「自分事」が浮かび上がる一冊。

『肉を脱ぐ』李琴峰

▶ 名前も身体も奪われる恐怖。創作と肉体をめぐる、現代型アイデンティティ小説

売れない新人作家の主人公は、自分と同じ名前の人気VTuberの存在を知る。
やがてそのVTuberは圧倒的な支持を集め、“自分”を飲み込んでいく。
作家としての自分、女性としての自分、肉体への嫌悪。
それらが絡み合い、主人公の感情は次第に歪み、暴走していく。
SNS時代の“存在を奪われる恐怖”を真正面から描いた一冊。

『本の背骨が最後に残る』斜線堂有紀

▶ 正しい物語だけが生き残る世界。美と残酷が共存する短編集

ある国では、人が「本」として物語を語って生きている。
同じ物語を持つ者が現れたとき、
人々はどちらが“正しい物語”かを決め、敗者は焼かれる。
物語への愛、創作への執着、美しいものを求める欲望が、
どこまでも残酷な形で描かれていく。
グロテスクなのに目が離せず、
読み終えたあと「自分は何を美しいと思っているのか」を考えさせられる一冊。

『恋できみが死なない理由』最果タヒ

▶ 詩人の言葉で読む日常。世界の見え方が少し変わるエッセイ集

コロナ禍のこと、服を買った日のこと、
ふとした違和感や感情を、詩人ならではの言葉で綴ったエッセイ集。
難解ではないのに、文章のリズムや比喩が独特で、
読んでいるうちに思考の速度がゆっくりになる。
考えすぎて疲れたときに、
「言葉ってこんなに自由でいいんだ」と思わせてくれる一冊。

『星を編む』凪良ゆう

▶ 『汝、星のごとく』の“その先”を描く、優しくて残酷な続編短編集

前作で印象的だった人物たちの過去や未来を描いた三編を収録。
特に、物語の中で多くを語られなかった教師・北原先生の過去は、
読者の想像を大きく揺さぶる。
人は他人をどれほど勝手に理解したつもりでいるのか。
ラベルを貼って安心してしまう自分自身に、静かに突きつけてくる一冊。
恋愛小説であり、仕事小説であり、人間小説でもある。

『コンビニエンス・ラブ』吉川トリコ

▶ 推される側の恋は、こんなにも不自由。恋愛×消費を描く中編小説

ダンスグループのメンバーとして活動する青年が、
コンビニ店員の女性に惹かれていく物語。
ファンに“推される側”の視点で描かれる恋愛は、
甘さよりも息苦しさが際立つ。
短く読みやすい一方で、
ラストに向けて価値観が反転する仕掛けが秀逸。
恋愛小説が苦手な人にもおすすめできる一冊。

『人間やめたマヌルさんが、あなたの人生占います 適当ですがあしからず』音はつき

▶ 人生に疲れたら、マヌルネコに相談しよう。優しさ全振りの癒し連作

人間をやめた元人間・マヌルさんが営む喫茶店。
そこを訪れるのは、仕事や人間関係に疲れた人たち。
マヌルさんの言葉は決して厳しくなく、
「まあ、そういう日もあるよね」と肩の力を抜いてくれる。
占いというより、心の休憩所のような一冊。
読後、世界が少しだけ優しく見える。

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あかりん紹介 2023年:132作品

ぜんよみ
ぜんよみ

2023年にあかりんが動画で紹介した作品は143作品
重複している👇10作品は1作品としてカウント。

何度も紹介しているのはあかりんの思い入れの強さもあるのかも?!

  • ある愛の寓話
  • きみを嫌いな奴はクズだよ
  • あわのまにまに
  • 改良
  • なめらかな世界と、その敵
  • 銀河の片隅で科学夜話
  • 玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ
  • 夜明け前のセレスティーノ
  • 和菓子のアン
  • 書楼弔堂 破曉

この人、またメチャクチャ読んでます!【2023年1月】

「最近読んだ15冊〜〜〜〜!!」🎉🎉

たくみさんが“気になったものから選ぶ”方式で進行しつつ、
短編集・SF・ミステリ・エッセイ・文芸誌・純文学・ほっこり小説までジャンルレスに大行進!

文芸賞贈呈式に参加した裏話や、作家さんとの交流エピソードも飛び出す、
新年にふさわしい“てんこ盛り回”です🗻

『Ultimate Edition』阿部和重

▶ 10年ぶりの短編集。“阿部和重らしさ”を濃縮した待望の一冊

「あかりんの大好きな作家」阿部和重が、ここ10年ほどの短編を“ギュッ”とまとめた短編集。
中でも印象的に語られたのが、人生がうまくいかず怒りを募らせた男が、ハロウィンの夜にテロを起こそうとする話。
“あり得てしまいそうな怖さ”と、主人公のヤバさが阿部作品の醍醐味。入門としても「ファン歓喜」としても強い一冊。

『Ank:a mirroring ape』佐藤究

▶ 2026年の京都で“謎の大暴動”。原因は一匹のチンパンジー!?

いきなり街で人々が殺し合い始める――しかも理由が分からない。
政府も警察も原因に辿り着けない中、鍵を握るのは“チンパンジー”だと判明し、霊長類研究者が真相へ迫っていく。
科学的な切り口とエンタメ性の両立がえぐい。厚みにビビって積読しても、読み始めたら一瞬…という熱量で紹介。※ややグロ注意。

『すみれ屋敷の罪人』降田天

▶ “証言”だけで真相に近づく。美しい屋敷に隠された切ない真実

舞台は、すみれの花に囲まれた名家「紫峰家(しほうけ)」の屋敷。
没落し、誰もいなくなった屋敷から白骨死体が発見される——「この死体は誰?」から始まるミステリ。
物語は屋敷で働いていた人々の“証言”で進行し、語り口の違い・食い違いの中に伏線が潜む。
読者も一緒に“言葉”から真相を掘り当てていく、仕掛けの気持ちよさが光る作品。

『おやつが好き お土産つき』坂木司

▶ 読めば“お菓子を買いに行きたくなる”おやつエッセイ

坂木司が「好きなおやつ」を1本ずつ語る、平和と食欲のエッセイ集。
元は銀座で配布されていたフリーペーパー掲載の文章もあり、紹介されるお菓子が“現実に買いに行ける”のが楽しい。
読後は「次に銀座行ったらこれを買う」リストが出来上がるやつ。

『ビューティフルからビューティフルへ』日比野コレコ

▶ “パンチラインの連打”みたいな文体。青春の虚しさまで撃ち抜く新人作

2003年生まれの新しい言葉の感覚が炸裂。韻や言葉遊び、引用・オマージュまで織り込む文体が特徴で、読んでいてリズムがある。
高校生たちの語り口で進む“楽しさだけじゃない”感情が刺さり、軽やかなのに痛い。
「文章ぜんぶパンチライン」的な面白さを推していたのが印象的。

『ジャクソンひとり』安堂ホセ

▶ ブラックミックス×ゲイ。流出動画の謎から始まる“見えない世界”の物語

主人公は日本で生きるブラックミックスでゲイの男性。ある動画が出回り「それ、君じゃない?」と言われたことから物語が動き出す。
“分かったつもり”や“同一視”が持つ暴力性、当事者のフラストレーションが読みやすい文体で描かれ、視界が広がる一冊。
ミステリ的な導入と、社会の肌感覚が同居しているのが魅力。

『選んだ孤独はよい孤独』山内マリコ

▶ “男らしさ”に馴染めない男性たちの孤独へ、優しく寄り添う短編集

シスターフッド的作品のイメージが強い山内マリコが、今回は“男性側の生きづらさ”へフォーカス。
学生ノリから抜けられないまま大人になった男、仕事できる風を出してるのに実は…など、刺さる人には刺さるリアルが並ぶ。
女性の生きづらさが語られる今だからこそ、同時に見えてくる“男性のしんどさ”を丁寧にすくい取る一冊。

『ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー』著:石川宗生 著:小川一水 著:斜線堂有紀 著:伴名練 著:宮内悠介

▶ “もし歴史が違ったら?”の一点突破が、短編で殴ってくるアンソロジー

改変歴史SFの短編集。中でも印象的に語られたのは、
「和歌は“英訳して詠まなければならない”世界」——という設定。
和歌を詠む才能はあるのに英訳できない主人公の葛藤から、切ない物語が立ち上がる。
短編なのに要素が詰め込まれて、満足感がすごい作品。

『しろがねの葉』千早茜

▶ 石見銀山の“シルバーラッシュ”。暗闇で銀を探す少女の運命

千早茜が初の時代小説に挑戦。舞台は戦国末期、石見銀山。
暗闇でも目が利く少女が、天才山師に拾われ、男たちの世界で“銀を掘る”側として生きていく。
女性として生きること、働くこと、力の差と意志——千早作品らしい“女性の輪郭”が時代の渋さと噛み合って胸に残る。

『阪急電車』有川浩

▶ 片道15分のローカル線で起きる“小さな奇跡”。人に優しくなれる連作短編

電車内での出会いは数分〜十数分。でも、それが誰かの人生を少しだけ変えるかもしれない。
そんな“日常の奇跡”が詰まった連作短編で、読み終えるとローカル線に乗りたくなる。
受験生や努力してる人の描写もあり、ふと背筋が伸びる一冊。

『騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編』村上春樹

▶ “村上春樹、初体験”。想像よりずっと現代的で、緻密で、リアルだった

あかりん、ここに来て初めて村上春樹へ。
主人公は肖像画家。妻に別れを告げられ、小田原にある家へ移り住む。そこで“ある絵”と出会い、不思議な出来事が起き始める。
ファンタジー一辺倒だと思っていたら、感情や生活の描写が驚くほどリアル。
細やかな時間の描写と、孤独を抱えつつ人と出会い希望へ向かう感触が、「ハマる人が多い理由」として腑に落ちた…という締めでした。

あなたの周りも謎だらけ?【日常の謎ミステリ3選】

「日常の謎ミステリ【3選】〜〜!!!」🍵🔍

今回のほんタメは、あかりんが選ぶ日常の謎ミステリ3冊
殺人や館モノみたいな“事件ドーン”ではなく、
日常生活で起きる「ちょっと不思議」を、一般の人たちが解き明かしていくジャンルです

人の言動・違和感・小さなズレから、じわっと真相に近づくのが醍醐味。
今回は、和菓子×職場/古書×本の謎/商店街×少年名探偵と、味の違う3冊が並びました。

『和菓子のアン』坂木司

▶ 和菓子が“謎解きの鍵”になる、デパ地下ほっこりミステリ

主人公は、進路に迷う女の子・梅本杏子(通称あんちゃん)。
ふと見つけたデパ地下の和菓子屋で働き始め、
そこで出会うお客さんたちの妙な言動ちょっと不思議な注文の理由を、
洞察力が鋭い店長&和菓子職人と一緒に紐解いていきます。

面白いのは、謎がしっかり和菓子に絡んでいること。
由来や季節、歴史的背景まで自然に入ってきて、読んでいるうちに
「和菓子って奥深い…」となる反面、めちゃくちゃお腹がすくのも罠。

「うまく半殺しになってるといいな」って言い残してお菓子を買っていくおじさんなど、
日常の中に混ざる“変な客”の味付けも最高で、クスッと笑えて温かい一冊です。

『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』 三上延

▶ “本の知識”で謎がほどける、静かな古書ミステリ

舞台は北鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」。
語り手の男性主人公は、ある過去が原因で活字恐怖症になり、長い文章が読めない体質。
そんな彼が、亡き祖母の蔵書から見つかった“サイン入り本”をきっかけに、
店主・栞子さんと出会います。

栞子さんはとにかく本が好きで、知識がすさまじい。
「これは偽物ですね」と見抜いた“違和感”から、
本にまつわる背景や人間関係の秘密を解き明かしていくのが第1巻の魅力です。

登場するのは、実在の本・作家・作品ばかり。
読んでいると自然に「その本、読んでみたい…」が増えていく、
本好きのための日常の謎。派手さはないのに、空気が心地よい作品です。

『少年名探偵 虹北恭助の冒険』はやみねかおる

▶ 商店街で起こる“妙な謎”を、学校に行かない天才少年が解く

日常の謎ジャンルとの出会いとして語られたのがこの一冊。
名探偵・虹北恭助は、小学5年生なのに学校には通わず、
祖父の古書店の店番をしている少年。洞察力が鋭すぎて、
人と関わるだけで相手のことが分かってしまう——そんな“天才”です。

舞台は虹北商店街。
「なぜかカラフルな足跡が現れる」「駄菓子屋に入荷してないはずのお菓子が増える」など、
事件というより“違和感”が積み重なっていき、気づけば読者も推理したくなる。

子ども向けのワクワク感がありつつ、ちゃんと日常の謎として気持ちよく回収されるので、
「殺人ミステリは重いけど、推理の楽しさは味わいたい」人にもぴったりです。

「ほんタメ文学賞2022年下半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2022年7〜12月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『音楽が鳴りやんだら』高橋弘希

音楽に出会ってしまった男の人生を、美しい文章で描く“バンド小説”

音楽との出会いからバンドマンとしての一生までを、リアルに、そして詩的に描いた一冊。
冒頭の文章から“文章の強さ”で殴られるタイプで、読み応えも抜群。
「音楽が人生を変える」だけじゃなく、音楽に人生を削られていく感覚まで描かれるのが刺さる作品。

あかりん部門 大賞🏆『カラスは言った』渡辺優

カラスが突然しゃべり出す!? そこから始まる“現代の生き方”を問う旅物語

ある日、窓の外に現れたカラスが「横山さん、第一森林線が突破されました。至急連絡をください。」と告げる。
…いや、そもそも主人公は横山さんじゃない。
この強烈な導入から始まり、カラスと主人公の旅が進む中で、
“情報過多の現代で、何に怒り、何に距離を取るべきか”というテーマが浮かび上がってくる。
キャッチーなのに、読後は不思議とスッキリする一冊。

『掌に眠る舞台』小川洋子

劇場という“異界”を、小川洋子の静かな幻想で描く舞台短編集

『博士の愛した数式』の小川洋子が、舞台・演劇・劇場をテーマに描いた短編集。
劇場が持つ“特別さ”や“異様さ”が、リアルと不思議の境界で丁寧に表現されていて、
舞台に関わる人はもちろん、演劇に馴染みのない人にも刺さる作品。
「人は日常でも何かを演じている」という視点が効いていて、読後にじんわり残る。
そして何より、表紙が美しくて飾りたくなる…!

【全6作品】本を超えた何か(!)も紹介します【2023年2月】

『最近読んだ本ジャンルレス!6冊〜〜!』

恒例企画「最近読んだ本」!
“ジャンルレス”の名の通り、短歌・読書術・短編集・ミステリ・伝え方本・謎解きキットまで飛び出す自由回。

『ラインマーカーズ The Best of Homura Hiroshi』穂村弘

ラインを引きたくなる名歌だけを集めた、“刺さる短歌”ベスト盤。

穂村弘の短歌集から「ここベスト!」を選び抜いたセレクション。
1ページに数首ずつの構成で、さらっと読めるのに、立ち止まって意味を考えるほど余韻が深い。
あかりんは文芸賞の場で穂村さん本人と話したことをきっかけに「今こそ読まねば」と手に取り、
“自分の中にすんなり入ってくる歌が多い”と大ヒット。短歌沼の入口にぴったりな1冊。

『これはちゃうか』加納愛子

斜めから世界を見るのに、妙に切ない。“笑いと違和感”の短編集。

たくみさんも大好きな加納愛子の短編集(全6編)。
アパートの友人関係の話や「イトコ」という存在について考える人の話など、日常の“説明しづらい感情”を拾い上げ、
面白おかしく描きつつ、どこか胸に残る切なさもある。
テレビで見せる独特の視点が、そのまま物語の手触りになっていて、
「この文体で長編も読んでみたい」と思わせる一冊。

あらすじを聞くだけでワクワクしちゃいます【短編SF3選】

「忘れられない短編SF小説【3選】〜〜!」

あかりんプレゼンツ「忘れられない短編SF」特集!
“SFって難しそう…”というイメージを軽く飛び越える、設定の面白さ×人間ドラマが刺さる3作が登場。
SFの魅力は「世界のルールを1つ変えるだけで、現実がこんなに揺らぐ」こと。今回はまさにその醍醐味回です。

『象られた力』飛浩隆

▶ 音楽が“記憶”と“事件”を呼び起こす。SF×ミステリ×サスペンスの高密度短編。

紹介したのは、飛浩隆の短編集から短編「デュオ」。
主人公はピアノ調律師。あるピアニストの演奏音源を聴いた瞬間、人生の記憶が一気に蘇るほどの衝撃を受けます。

ところが実際に会いに行くと、そのピアニストは——
上半身が2人、下半身が1つにつながった双子。右手担当・左手担当で“1曲”を弾き、異様な音楽を生み出していた。

さらに物語はここから急転。
彼らには“もう一つの人格”が潜んでいる気配があり、周囲で人が死んでいく…。
「音楽を小説でどう表現するの?」という驚きと、SF的設定の異様さ、ミステリの謎が短編の中に全部詰め込まれた、まさに“なんだこれ”な一作です。

『日本SFの臨界点 中井紀夫─山の上の交響楽』著:中井紀夫、編:伴名練

▶ 演奏に“数千〜1万年”かかる交響曲。その200年目の現場は、なぜこんなに人間くさいのか。

“とんでもない設定”なのに読後に残るのは、宇宙よりも壮大なロマン…ではなく、現場のバタバタ感と人間味

山の上の演奏施設で、何千年(下手すると1万年)かかる交響曲が演奏され続けている世界。
物語の時点で演奏は200年目。さらに3ヶ月後には、関係者800人が一斉に演奏に参加する大イベントが控えていて、事務局の男性が奔走します。

指揮者が「屋根、開いたら面白くない?」と言い出したり、
最高齢のトライアングル担当が「まだ出番ないですね…」と言ったり
壮大なSFながら“中間管理職の奔走”みたいな面白さもあるクセになる一本。

そして今回盛り上がったのが、現実にも“超長時間演奏される曲”が存在するという話。
SFのはずが、意外と私たちの世界と地続きかもしれない——そんな発見までくれる短編です。

『なめらかな世界と、その敵』伴名練

▶ 新幹線が“2,600万分の1秒”で動き出した。時間が遅すぎて、誰も助けられない世界。

3作目は伴名練「ひかりより速く、ゆるやかに」。
修学旅行に行けなかった主人公。ところが旅行に行った友達が、帰ってこれなくなる。
原因は衝撃的で——友達が乗る新幹線が突然、“2,600万分の1秒”という超スローな速度で進み始めたのです。

外から見ると、乗客はスマホを触る姿勢のまま“止まっている”ように見える。
壊そうにも何もできない。助けられない。
家族は新幹線のそばに仮設住宅を建て、超ゆっくり進む列車に寄り添って暮らすようになる…。

「面白い設定」なのに、読んでいくほど胸が締めつけられるのがこの短編のすごさ。
さらにあかりんは、これが中井紀夫の作品にある“似た系譜”へのオマージュだと気づき、
SFにはアイデアが連鎖していく“系譜”があるんだ、と読みの楽しみが一段増したと語ります。

徹夜で読みたい小説3選【閲覧注意!?】

「徹夜で読みたい!長編小説3選〜〜!」📚📚

「読み出したら止まらない」——それが長編で起きたら、もう終わり。
400ページ超えの重量級なのに、気づけば朝になってしまう“徹夜確定小説”を3冊紹介!
重厚なのに読みやすく、物語の熱量で引っ張っていくタイプばかりなので、読み始めるタイミングだけは要注意です😂

『熱源』川越宗一

歴史のうねりの中で、“人が人として生きる”熱を描く直木賞受賞作

舞台は19世紀後半のサハリン。アイヌの少年ヤヨマネクフは北海道へ強制移住させられ、
一方、ある罪を背負った男ピウスツキは流刑地サハリンへ——。
別々の人生が少しずつ交差しながら、国と国、民族と民族がぶつかる時代に「生きる」とは何かを突きつけてくる。

重くて分厚いのに、文章の推進力がすさまじく、
読み進めるほどに当時の息遣いが立ち上がってくるタイプ。
“昔の話”なのに、今の世界にも刺さる濃厚な一冊です。

『逃亡者』中村文則

「一週間後、君が生きている確率は4%だ」——不穏すぎる宣告から始まる、500ページの追走劇

第二次世界大戦で兵士たちを熱狂させた、一本のトランペット
それを持つ男が、ある日“謎の男”に追われる。しかも言われるのは、
「一週間後、君が生きている確率は4%だ」という、恐怖の宣告。

逃げる/追うのエンターテイメント性が強いのに、途中で
キリシタン迫害、フェイクニュース、戦争…など、一本で長編が書けそうな主題が次々差し込まれ、
それがなぜか最後に“繋がっていく”。
謎が謎を呼ぶ構造で、「ここで止めたら負け」になりがちな徹夜本です。

『じんかん』今村翔吾

“悪人”と呼ばれた男の一生が、青春と成り上がりの熱で一気に読ませる戦国長編

戦国の梟雄として知られる松永久秀
主君殺し、将軍暗殺、大仏殿焼き討ち…と、悪名ばかりが先行する人物の、若き日から最期までを描く大河小説。

ただの悪役伝ではなく、
貧しい出自からのし上がり、仲間と駆け上がり、なぜ“悪”と呼ばれる場所へ行き着いたのか——
その道筋が、スピード感と物語性で一気に読ませてくる。
時代小説が初めてでも、「こんなに読みやすいの?」となりやすい入口にも◎。

10代で読むべき小説3選【齋藤明里選書】

「10代で読むべき小説【3選】〜〜!!!」🏫🍃

“やさしいあかりんお姉さん”回!👩‍🏫💓
子どもと大人の間で揺れる10代にこそ刺さる、
「今読んでもいい」「大人になって読み返しても効く」小説を3冊紹介します。

友達・恋・家族・居場所——
言葉にできないモヤモヤを「それでいいんだよ」と受け止めてくれる本ばかり。
10代はもちろん、20代・30代で読んでも“感じ方が変わる”のも魅力です。

『4TEEN』石田衣良

月島の街で走り出す、14歳4人組の“等身大の青春”

舞台は下町・月島。仲良しの男子4人組が、
学校の人間関係、初めての恋、家の事情…そんな“今だけの悩み”にぶつかりながら成長していく物語。

作品が書かれた時代が違っても、教室でのモヤモヤや友達への引っかかりは変わらない。
「親だって昔は同じことで悩んでたんだ」と思える、世代を超えて効く青春小説です。
読むと、ただ自転車で街を走るだけの時間が宝物に見えてきます。

『荒野』桜庭一樹

“恋愛以前小説”ドキドキと、成長の痛みを抱えたまま走る物語

中学に上がったばかりの少女・荒野。入学初日、電車で困った彼女を助けたのは、
クールで頭が良くて、近寄りがたい存在になる少年・神無月悠也だった——。

これは恋愛小説というより、恋愛に至る手前の揺れを描いた物語。
心が追いつかないまま大人になっていく体、焦り、戸惑い、ちょっとした喜び。
10代の節目で読むと刺さり、大人になって読むと、
「大人も完璧じゃない」が救いとして見えてくる。繰り返し味わえる一冊です。

『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生

やさしさゆえに生きづらい人へ。“傷つけたくない”が居場所になる物語

大学の“ぬいぐるみサークル”を舞台に、
恋愛ノリや「男らしさ/女らしさ」の空気が苦手な主人公・七森くんが、
人と関わりたいのに怖くなる気持ちと向き合っていく。

「自分は加害者じゃないのに、同じ括りにされる不安」
「正しくありたいほど、言葉が出なくなる怖さ」
——そんな繊細な心の動きを、否定せずに抱きしめるように描く作品です。

10代の、友達や恋人やクラスの距離感に悩む時期に読むと、
“悩んでること自体は恥じゃない”とそっと背中を押してくれます。

日常を読書に支配された人の最近読んだ本【12冊】【2023年3月】

『最近読んだ12冊〜〜〜!!』🎉

大人気企画「最近読んだ本」ですが、今回はまさかの12冊・30分越えフルコース
恋愛と地獄、純文学、文芸誌、エッセイ、グラフィックノベルまで——
ジャンルが暴れ散らかしてて、でもそのぶん「次に何読もう」が絶対見つかる回です📚🌈

『君の地球が平らになりますように』斜線堂有紀

“好き”が、最悪の方向に優しく寄り添ってしまう恋愛地獄

大学時代に憧れていた“みんなに愛される男の子”。数年後の同窓会で彼の名前が消えている——理由を辿ると、彼は陰謀論に飲まれ、科学的に正しいとされていないことを信じる人になっていた。
それでも主人公は「あなたを理解したい」と近づいてしまう。
愛が救いになるとは限らない、むしろ地獄を育てることもある…タイトルの美しさがそのまま毒になる一冊。

『1Q84』村上春樹

SF×サスペンス×ラブストーリー、全部盛りなのに読める“異世界の引力”

暗殺を請け負う女・青豆と、数学教師で物書きの男・天吾。
ふたりはそれぞれの出来事をきっかけに、1984年と似ているのに“どこかがおかしい世界=1Q84”へ迷い込む。
小学校時代の淡い接点が、長い時間を経て物語の芯になっていくのがたまらない。
「分厚い=重い」じゃなく、分厚いのにページが勝手に減るタイプのエンタメ。

『レプリカだって、恋をする。』著者 : 榛名丼、イラスト : raemz

身代わりの“私”が恋をした——胸キュンの顔で刺してくる切なさ

16歳の少女には、学校に行きたくない日などに呼び出せる「レプリカ」がいる。
記憶は共有できる。でも、レプリカが得た“日々の温度”は、いつも本体に届くとは限らない。
そんな中で、レプリカがクラスメイトに恋をしてしまう。
甘酸っぱさの皮をかぶって、存在の残酷さがじわっと来る青春SFラブ。

『詩歌探偵フラヌール』高原英理

街を歩き、言葉を拾い、詩の“謎”を嗅ぎ分ける探偵ごっこ

探偵と言っても事件解決ではなく、詩や言葉を手がかりに世界を読み解く“散歩”の本。
寺山修司や最果タヒなど実在の詩が参照され、
メリとジュンの会話が、読者を文芸の浮遊感へ連れていく。
山も谷もないのに、ずっと気持ちいい——chill outな空気を感じる知的体験

『こりずに わるい食べもの』千早茜

“当たり前”って誰の当たり前?食を通して世界のズレが見えるエッセイ

千早茜さんの「わるい食べもの」シリーズ。今回は“東京に引っ越してきた衝撃”も効いてる。
中でも刺さるのが「めんつゆはデニム」。
「デニムに合いますよ」って言われてもデニム持ってない人がいるように、
“万能めんつゆ”の常識も人によって違う。
食の話なのに、多様性の話になっていくのがうまい。

『流卵』吉村萬壱

“ヘンタイ”と呼ばれた少年が、性と世界の輪郭を手探りする生々しさ

中学生の少年が性に目覚め、友人関係やオカルト的なものに絡まりながら、
自分という存在を探していく。
時代の空気(男らしさ/女らしさの圧)も濃い。
きれいに整えるんじゃなく、生々しさで殴ってくる成長譚

『悪と無垢』一木けい

悪意がなくても人は人を壊す——“歌うように嘘をつく”女の恐怖

連作短編。テーマは“嘘”。
本人に悪気がないのに、積み重なった嘘に周囲が巻き込まれ、生活が崩れていく。
読んでる間ずっと嫌な気持ちになるのに、ページをめくってしまう。
嫌さが快感になるタイプの地獄を浴びたい人へ。

『アクティング・クラス』著 : ニック・ドルナソ、訳 : 藤井光

表情が動かないのに怖い。役と現実が溶けていく“無機質ホラー”

海外の“グラフィックノベル”という形式(漫画に近いが文化が違う)。
人生がうまくいかない人々が、コミュニケーション改善のため演技教室に通い始める。
即興劇を重ねるうちに、役と現実の境界が溶けていき、最後にとんでもない冷えが来る。
読後、笑えないのに忘れられないタイプの一冊。

タイトルが良すぎる小説6選

『好きなタイトル6選〜〜〜!第2弾っ!!』🎉🎉🎉

本の中身を語る前に、まず“タイトル”で心を掴まれる——。
今回はそんな 「気になる!手に取る!読みたくなる!」 インパクト系タイトルを、あかりん&たくみさんが6冊ずつ持ち寄り!

「紹介というより、ただただ“このタイトルいいよね”を共有する回」なのに、想像だけで読みたくなるのがタイトルの魔力。
刺さったら、ぜひそのまま本棚へ直行です🔥

『きみを嫌いな奴はクズだよ』木下龍也

共感が早すぎる、直球すぎる“救い”のタイトル歌集

SNSでタイトルだけ流れてきても、思わず「それな!」と頷いてしまう破壊力。
短歌の世界に馴染みがなくても、言葉のプロが放つ短い強打で一気に引き込まれる入口になる一冊。
“内容説明じゃないのに刺さる”タイトルの代表格。

『アヒル命名会議』イ・ラン:著、斎藤真理子:訳

かわいさ100点、読後の思考は深め。ギャップで勝つ短編集

神様がいろんな生き物に名前をつける会議。
「アヒルをアヒルと名付ける会議…?」という時点で、もう楽しい。
なのに中身は、名前をつける=世界を区別していくことの不思議と怖さまで触れてくる。
ポップな顔して、じわっと刺してくるタイトルが最高。

『きみがいた世界は完璧でした、が』渡辺優

“が”で終わるタイトルはずるい。余白が読者を連れていく
「完璧でした、が」
完璧だったのに何が起きた? きみが消えた? 世界が壊れた?——
想像が止まらないタイプのタイトルで、表紙込みで吸引力が強すぎる一冊。

【LIVE】㊗️ほんタメ2周年記念

ほんタメ2周年記念ライブの中で行われた、「視聴者おすすめ本紹介コーナー」
Twitterで募集した投稿から、ハードカバーさんの“推し本”を2人がピックアップして紹介しました。

「自分じゃ本屋で止まらなかったかもしれない本」と出会えるのが、こういう企画の最高なところ!

『書楼弔堂 破曉 』京極夏彦

“人生に必要な一冊”を探す人が集う、〈本の墓場〉の連作短編ミステリ

舞台は「弔堂(とむらいどう)」という不思議な古書店。
本を求めて迷い込んだ客に対し、店主が「あなたが本当に必要としている一冊」を差し出す——
そんな形で進む、連作短編スタイルの物語です。

あかりんが刺さったのは、紹介文にあった
「人が生涯に必要とする本はただ一冊」
という言葉。
たくさん本を読むほど、最高の一冊は更新され続けるのに、それでも“たった一冊”と言い切る意味が気になって手に取ったそう。

京極作品=硬派で難解そう…という先入観があっても、これは
依頼人が来る→謎や悩みが提示される→本によって導かれる
という王道の気持ちよさがあり、意外とスルスル読めるタイプ。
“本好きのための物語”として、読み終わったあと自分の「大切な一冊」を考えたくなる一冊です。

本好きが「15分で5冊を好きに選んでください」と言われたらどうなる?

『書店で好きな本買ってみた〜〜〜』✨📚

今回は、閉店を控えた八重洲ブックセンター本店を舞台にした特別回。
制限時間15分の中で、たくみ&あかりんが“直感と焦り”だけを頼りに本を選ぶ企画です。

棚の配置が変わり、なくなってしまったコーナーに寂しさを覚えつつも、
「今ここで出会った本」を信じて手に取ったラインナップは、
小説・エッセイ・科学・歌集まで幅広い内容に。

書店という場所で偶然出会う一冊の尊さを、改めて感じさせてくれる回となりました。

『シンジケート』穂村弘

▶ 透明カバーが象徴する、言葉の鋭さ

歌人・穂村弘のデビュー歌集。
新装版ならではの装丁も美しく、
短い言葉で感情を切り取る凄みを存分に味わえる一冊。

『ある愛の寓話』村山由佳

▶ 人だけじゃない、“愛する”ということ

捨てられた猫、恋人の犬、ぬいぐるみ…。
言葉を持たない存在との関係を通して描かれる愛の形。
優しさと切なさが静かに沁みる物語

『TRY48』中森明夫

▶ もし寺山修司が生きていたら?

“寺山修司が85歳でアイドルをプロデュースする”というIF設定。
昭和カルチャーと現代が交錯する、
現実と虚構の境目が曖昧になる異色作

『銀河の片隅で科学夜話』全卓樹

▶ 科学が、物語になる瞬間

身近なテーマを入り口に、
物理学の世界をやさしく語るエッセイ。
理系が苦手でも“面白い”が先に立つ科学本

『田辺聖子のエッセイ 女のイイ顔』田辺聖子

▶ 時代を超えて残る“女性の本質”

日常や人生を軽やかに切り取る名エッセイ。
書かれている時代は違っても、
今読んでもハッとさせられる言葉が詰まった一冊

『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』千早茜

▶ 読み逃していたことを後悔する一冊

グリム童話や白雪姫などをモチーフにした短編集。
美しく、残酷で、現代的。
“童話”というジャンルを裏側から覗く感覚が味わえます。

【全6作品】読書好きの終着点が見えてしまいました【2023年4月】

「最近読んだ本!ジャンルレ〜〜ス!!」✨🌈

恒例の人気企画「最近読んだ本」回!
たくみ&あかりんがそれぞれ3冊ずつ、ジャンルバラバラの“読んでよかった本”を持ち寄って紹介します。
「今、どんなことに興味が向いているのか」がそのまま読書に出ていて、2人の近況が本棚で見える回でした。

『何食わぬきみたちへ』新胡桃

“線引き”の残酷さに気づかされる、痛くてまっすぐな小説

物語は2つの視点で進行。
ひとりは、母校を訪れた大学生。過去の「特別支援学級でのいじめ」を思い出すが、彼はどこか傍観者だった。
もうひとりは、知的障害のある兄を持つ高校生の少女。
当事者/傍観者という線は、どこで引かれ、誰が引くのか。
読者の記憶まで呼び起こしてくるような、“自分は本当に傍観者だった?”と問い返してくる作品です。

『数学の女王』伏尾美紀

博士号×警察官。研究室の闇と事件が交差する警察小説

江戸川乱歩賞受賞作『北緯43度のコールドケース』シリーズの2作目。
主人公は博士号を持つ女性警察官・沢村。大学で起きた爆発事件の捜査を追う中で、
研究者の生き方、アカハラ、男女格差など、“大学という閉じた世界”の歪みが浮かび上がってくる。
理系ミステリというより、社会の構造と感情が絡む重厚な警察小説で、2作目からでも読めるのも嬉しいポイント。

営業終了間際の本屋を歩く【八重洲ブックセンター本店】

「八重洲ブックセンター本店の歩き方〜〜!」👣🎉

2023年3月、44年の歴史に一旦幕を下ろした八重洲ブックセンター本店での最後のロケ企画🥲✨

たくみ&あかりんが仲良く一緒に書店を巡りながら
各フロアの変化や思い出のスポットを辿りつつ、最後の1冊を選びます。

棚の配置が変わっていたり、なくなってしまったコーナーがあったり。
“閉店間際の大型書店”という、なかなか見られない景色の中で、
本屋で本と出会う体験そのものの尊さがじんわり残る回でした。

『夜明け前のセレスティーノ』

読書好きがざわつく復刊作品
本好きの人が支持する人が多いアレナスの復刊本。
よくわからない呪文のような言葉があらすじにあるだけ。
あかりんも気になって手に取ったとのこと。

最近読んだ10冊の本について語ります【2023年5月】

「最近読んだ本!10冊〜〜〜!!!」📚📚📚📘

積ん読も気になる本も、ゆっくり読める連休にぴったりなラインナップで、
エンタメ・ミステリ・純文学・エッセイ・雑誌まで、ジャンルが気持ちよく散らばる回でした。

さらに、直木賞受賞式での裏話や、以前タメトークで触れた“あのヒーロー”の話まで飛び出して、
10冊+トーク密度もぎっしり。MC2人の掛け合いもキレキレで、最後まで満腹です🥰

『星くずの殺人』桃野雑派

無重力の宇宙ホテルで“首吊り死体”──どうやって?誰が?

民間宇宙旅行が実現し、モニターツアーで訪れた宇宙ホテルで事件発生。限られた人数、外部からの出入りもほぼない環境で起きる“ありえない死”。宇宙×密室×本格謎解きの掛け算が気持ちよく、設定だけでワクワクが止まらないミステリ。

『ラーメンカレー』滝口悠生

▶ タイトルに惑わされるな、これは“時間と友人と夫婦”の静かなロードムービー

ラーメンでもカレーでもない…と思いきや、読み進めるほどにじわじわ効いてくる構成が魅力。夫婦が久々に会う友人への思い、完璧じゃない人たちの不器用さが、いつの間にか自分の過去に接続してくる。読後に“昔の誰か”を思い出すタイプの一冊。

『スイミングスクール』高橋弘希

家族という近さが生む、説明できない感情のうねり

短編2作で“家族”を描く、濃度の高い純文学。母と娘、そして母自身の記憶が重なり、読者の深いところを静かに揺らす。共感ではなく、なぜか自分のことみたいに沁みる不思議な読書体験が待っている作品。

『黒猫を飼い始めた』編:講談社

▶ 「黒猫を飼い始めた」その一文から、作家たちが短編勝負!

豪華執筆陣が同じお題からそれぞれの“色”で物語を展開。ページ数は短いのに、ジャンルの幅がとにかく広い。サクサク読めて、刺さる作品が必ず見つかるタイプ。お題系短編アンソロの強さが詰まった一冊。

『きみは赤ちゃん』川上未映子

出産エッセイなのに、“他者を愛する”ことの核心に触れてくる

35歳で出産した時期を綴ったエッセイ。子育ての出来事を超えて、命のかけがえのなさや他者という存在の重みがぎゅっと詰まっていて、普通に文学として面白い。夫を“阿部ちゃん”と呼ぶ距離感も含め、作家夫婦ファンにはたまらない読みどころも。

『からだの美』小川洋子

“体のパーツ”から世界を見直す、静かなフェティッシュと詩情

野球選手のイチロー選手の肩、棋士の羽生さんの手、ゴリラの背中…
人や動物の“部分”に焦点を当てた随筆集。見慣れたものが、小川洋子の文章を通ると急に美しく見える。身体へのまなざしがやさしく鋭く、「見る」という行為そのものが変わる一冊。

『きれいな言葉より素直な叫び』新井見枝香

書店員→エッセイスト→踊り子へ。知らない世界を“体温”で語るエッセイ

ストリップと出会い、踊り子として舞台に立つまでの記録。気分が上がってる時も落ちてる時も、飾らず書いてくれるからこそ刺さる。舞台に立つ人ならではの視点も多く、演劇をやる人にも刺さるはず。人間のむきだしの良さが詰まっています。

『ある愛の寓話』村山由佳

人だけじゃない、“何か”との間にも愛は生まれる短編集

捨てられた猫や恋人が飼っていた犬、カエルのぬいぐるみ、そして“籠”の視点で描かれる物語まで。恋愛や友情とは別の形で、確かに存在する愛を丁寧に描く。大事にしているものに“宿る”感覚を信じたくなる、静かであたたかい短編集。読後は、身の回りのものが少しだけ愛おしくなります。

【小説紹介】つい止めたくなってしまう恋愛ってあるよね

「これぞ究極の愛!! 恋愛×地獄【小説3選】〜〜〜!!!」💞🔪

“地獄”といっても、ただ不幸で苦しい恋の話ではなく、
外野が「やめとけ」と言っても、本人たちが「これが幸せ」と突き進む
その“納得”まで含めた地獄。

恋愛の平均値なんて関係ない。
本人たちだけの温度で走り抜ける「究極の愛」を、あかりんが最大熱量でプレゼンする回でした。

『ミシン』嶽本野ばら

“憧れ”が恋になり、恋が信仰に変わる——盲目的な愛の短編

流行にも疎く、どこか浮いた感覚で生きる少女が、偶然テレビで見たパンクバンドのボーカル「ミシン」に心を奪われる。
彼女が求めるのは、かつて少女小説にあった“エス”(プラトニックな女性同士の関係性)。
しかし想いは加速し、生活の中心はミシン一色へ。
そしてラスト、「望まれたら否定しない」という究極の肯定が待っている——
美しくて、危うくて、忘れられない“愛の極北”です。

『流浪の月』凪良ゆう

恋愛の形を超えた先にある、“ふたりだけの真実”

10歳の少女・更紗が、居場所のない日々の中で出会う「公園にいる大学生」。
優しさに救われ、ふたりで暮らし始めるが——世間はすぐに“事件”として断罪し、関係は引き裂かれてしまう。
この作品が突きつけるのは、
本人たちにしか分からない事実があるのに、周囲が勝手に物語を作っていく残酷さ
「正しさ」や「常識」が人を救うとは限らない。
読後、胸の奥が静かに崩れるタイプの“恋愛×地獄”です。

『痴人の愛』谷崎潤一郎

理想の“育成”が、完璧な“支配”にひっくり返る——耽美な共依存地獄

真面目で堅実な28歳の男が、カフェで働く15歳の少女・ナオミに一目惚れし、
「理想の妻に育てる」という名目で生活を共にする。
だが“教育する側”だったはずの男は、気づけば逆に手のひらで転がされ、
離れようとしても戻ってしまうほど深く絡め取られていく。
人生がぐちゃぐちゃになっても、本人は「運命」だと納得してしまう——
振り回されることすら愛になってしまう近代文学の名作です。

タイトル買いして良かった本6選【ジャンルレス】

「タイトル買いして実際に読んだらめちゃくちゃ面白かった作品6選〜〜!」

本を選ぶとき、まず刺さるのは“タイトル”。
でも今回の6冊は、タイトルの勢いだけじゃなく中身もガチだった…!という回です。
それぞれの“タイトルに釣られた理由”も含めて紹介してくれました🍫👸

『わたしを空腹にしないほうがいい』くどうれいん

空腹という“人間の弱さ”が、最高に愛おしくなる食エッセイ

タイトルの時点で共感を取りにくるのに、読んだらもっと刺さる。
短い食エッセイがたっぷりで、
「空腹になると機嫌が悪くなる」みたいな小さな真実が、文章の力でやたら面白い。
食べ物の話をしながら、人間の生活そのものを肯定してくれる一冊です。

『kaze no tanbun 移動図書館の子供たち』

小説でも詩でもない、“短文”がぎゅっと詰まった不思議な読書体験

16名の書き手による“短文”の集積で、
物語でもエッセイでもないのに、ふっと心に残る言葉が次々現れます。
ページをめくるたびに別ジャンルの棚へ移動するような、まさに“読書の移動図書館”。

【全6冊】本好きってどんな本読んでるの?【2023年6月】

『最近読んだ本!ジャンルレス〜〜〜!!』📚

暑い日が増えてきた今月も、あかりん&たくみさんが直近で読んだ本をそれぞれ3冊ずつ紹介。
恋も、ミステリも、読書熱も、そして“生きづらさ”まで——。
ジャンルレスで紹介されています。

『花に埋もれる』彩瀬まる

官能は“描写”ではなく“文章の温度”で立ち上がる、ベスト盤短編集

彩瀬まる作品の魅力がぎゅっと詰まった短編集。
あかりんが特に推したのは冒頭収録の「なめらかなくぼみ」。
家具屋で出会った“椅子”に心を奪われ、生活の中心がその椅子になっていく——
お気に入りの物への執着が、恋に近い熱を帯びていく描写がとにかく鮮烈。
触れる、抱かれるみたいな感覚が文章から伝わってきて、読んでいる側までドキドキする一冊です。

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

眩しすぎる真面目さが、日常を“青春の神話”に変える連作短編集

成瀬あかりという女の子が、とにかくまっすぐで規格外。
「西武大津店が閉店するなら毎日通う」「200歳まで生きたい」みたいな、普通なら言えない目標を、照れずに実行する強さがある。
胸キュンやドラマに頼らないのに、周囲の人の視点から成瀬の存在が浮かび上がり、
大人が読むほど「学生時代ってこんなに眩しかったっけ…」と刺さってくる。
読み終える頃には、成瀬のことが好きになってる

『想いが幕を下ろすまで胡桃沢狐珀の浄演』 松澤くれは

“幽霊と即興劇”で想いを浄化する、劇場怪異×泣けるエンタメホラー

駆け出し女優の碧唯が、代役で入った小劇場で次々起こる不可解な事故。
そこで現れるのが、黒い燕尾服の謎の演出家・胡桃沢狐珀。
彼が行う“浄演”は、なんと幽霊と一緒に即興劇をして、想いを浄化するというもの。
ホラーが苦手でも読める範囲に収まりつつ、謎解きと感情の回収があるのが嬉しい一冊です。

疲れているときにこそ読んでほしい小説【3選】

『⾟い時に読んでほしい本【3選】〜〜!』

「元気がなくて、本すら読めない…」
そんな時でもページが開けるような、分量少なめ&心に寄り添う3冊をあかりんがセレクト。

現実逃避に振り切るのではなく、
“自分を責めがちな気持ち”をそっとほどいてくれるラインナップでした。

『それいぬ 正しい乙女になるために』嶽本野ばら

▶ しんどい日に効く、“自分を甘やかす許可”をくれるエッセイ

「物語を読む元気がない時は、エッセイがちょうどいい」
その言葉どおり、1〜2ページほどの短いエッセイがたっぷり詰まった一冊。

本書が優しいのは、
“乙女”を見た目や属性で縛らないところ。
男でも女でも、孤独でも、周りと違ってもいい。
自分を大切にして生きることこそが“正しい乙女”だと背中を押してくれます。

特に印象的なのが、
「雨の日はサボっちゃおうぜ」みたいな“全肯定”のスタンス。
しんどい時って、愚痴も吐けずにどんどん孤独になりがちだけど、
野ばらちゃんが許してくれるから、自分に優しくできる——
そんな“セルフケアの相棒”としておすすめの一冊です。

『きみを嫌いな奴はクズだよ』 木下龍也

▶ 物語ゼロでも刺さる。しんどい日にちょうどいい“短歌の処方箋”

こちらは短歌だけが並ぶ歌集。
ストーリーも解説もなく、1ページにひとつの言葉が置かれていきます。

あかりんが「しんどい時に短歌がちょうどいい」と言う理由が明快で、

  • 文字数が少ないから負担が少ない
  • “読み方の正解”がなく、想像するだけで気持ちが落ち着く
  • どこから読んでもいい(最初から読む必要がない)

さらに面白いのが、占いみたいに読むという提案。
ぱっと開いたページの短歌が、なぜか今の自分に刺さることがある。
「本好きなのに本が読めない」あのストレスを、
やさしく受け止めてくれる一冊です。

『殺人出産』より『余命』 村田沙耶香

▶ “常識が裏返る世界”が、なぜか心を軽くする短編小説

タイトルは強烈だけど、実は短く読める短編
そしてあかりんが語るのは、意外にも“癒し”の効能でした。

この作品が描くのは、
私たちの常識とはまったく違う仕組みの社会。
その世界のなかで登場人物たちは悩み、迷い、選択していく。

そこで浮かび上がるのは、
常識が変わっても、人が抱える苦しさは別の形で生まれるという事実。
でも同時に、
「今の“当たり前”も、いつか当たり前じゃなくなるかもしれない」
そう思えることで、
生きづらさが少しだけ“固定じゃないもの”に変わっていく。

しんどい時ほど、命とか未来とかを考えすぎて苦しくなる。
そんなときに、村田沙耶香の“別世界”を覗くと、
不思議と視界が開ける——“お守り”みたいな一冊です。

読書好きが何度も読み返した本3選

『あかりんが何回も読み返した本【3選】〜〜!』🎉🎉

「お気に入りの本は年に1回は読み返す!」というあかりんが、
“思わず”じゃなく、好きで何度も手に取ってしまう本を3冊セレクト。

再読の理由もバラバラで、

  • 自分の感情を見つめ直すため
  • 恋愛観の“原点”に戻るため
  • 好きすぎて生活の中に組み込まれているため

あかりんらしい読書の付き合い方がよく伝わる回でした

『授乳』村田沙耶香

▶ “純文学って面白い。”を初めて教えてくれた、原点の短編

あかりんが高校生の頃に出会い、村田沙耶香作品で一番読み返しているという一冊。
短編だからこそ手に取りやすく、1時間かからず読める“再読向き”なのもポイント。

物語は、中学生の少女と、家にやってくる家庭教師の男性のあいだで交わされる“ゲーム”を軸に進みます。
少女は母や父への反発、言葉にできない苛立ちを抱えていて、
そのモヤモヤを、抵抗しない家庭教師へぶつけていく——。

読み終えたときにスッキリ解決するタイプではなく、
感情のざらつきや不快さがずっと残る
でもその“怖さ”が、「これも小説なんだ」「純文学ってこういう面白さがあるんだ」と気づかせてくれた。

気分が荒れている時や、人への苛立ちが出た時に読み返すと、
作中の感情とリンクして自分を落ち着かせる“鏡”みたいな一冊になるそうです。

『ロリヰタ。』嶽本野ばら

▶ “恋愛×地獄”の原点。許されないと分かっていても、心が戻ってしまう純愛

理由はうまく説明できないのに、なぜか何度も読み返してしまう——

主人公は、ロリータ服を愛する“乙女のカリスマ”と呼ばれる男性作家。
撮影現場で、ロリータ服の着せ方がうまくいかず揉めている場面に遭遇し、
「着方が違う。僕が直すよ」と手を貸したことをきっかけに、
モデルとの交流が始まっていきます。

ただ、この物語は“純愛”でありながら、
読む人によっては「受け入れられない」と感じる愛の形も描かれる作品。j

あかりんがよく言う「恋愛×地獄」系の感情の根っこに、
この作品が“スタート地点”としてあるかもしれない、という話も印象的。
切なさをもう一度味わいたい時、原点に戻りたくなった時に手が伸びる一冊です。

『都会のトム&ソーヤ』はやみねかおる:著、にしけいこ:イラスト

▶ 子どもの冒険心がそのまま残る!大人でもワクワクが蘇る“最強シリーズ”

3冊目は、あかりんがいちばん最近読み返した作品。
きっかけはなんと、シリーズ20周年イベントのクイズ大会!
上位者には「作中に登場できる」特典もあり、気合いの再読へ。

物語の主人公は、普通の中学生・内人くん。
ある夜、完璧すぎる同級生・創也くんが
ビルの隙間に消えるのを目撃し、謎を追ううちに“砦”の存在に辿り着きます。

そこから2人はバディとなり、
「めちゃくちゃ面白いゲームを作る」という創也の夢に巻き込まれながら、
廃デパートや地下空間など、都市の裏側を舞台にした冒険活劇が加速。

懐かしさだけじゃなく、今読んでもちゃんと面白い。
大人でも“冒険してる気分”になれるシリーズです。

齋藤明里が最近読んで面白かった本を紹介します【2023年7月】

「最近読んだ10冊〜〜〜!!!」🎉🎉🎉

月初恒例の大人気企画、あかりんの最近読んだ本10冊をどどんと紹介回!

闘病エッセイから、美麗装丁の短編、恋愛×地獄、酒×文学、文芸誌、衝撃デビュー作、芸能界の残光、SF短編集、香りの連作、そして“検索禁止”の大作。
感情の振れ幅がカラフルすぎる10冊です。

『くもをさがす』西加奈子

▶ 闘病記なのに、あたたかくて、笑えて、ちゃんと前を向けるエッセイ

カナダ在住中に乳がんを経験した西加奈子さんが、治療の日々を綴った一冊。
“闘病ものはしんどそう…”と思いきや、西さんらしい明るさと軽やかさで、重くなりすぎず読めるのが魅力。

特に印象的なのが、病院や友人たちとの会話が関西弁で描かれるところ。
言葉の温度がそのまま伝わってきて、痛みの中にも「人に支えられるあたたかさ」が残ります。
「自分の体のことは、自分で決めていい」——そんなメッセージも静かに刺さる一冊。

『五色の舟』津原泰水:作  宇野亞喜良:絵  Toshiya Kamei:英訳

▶ 眺めるだけで満足してしまう、美しすぎる“物語の宝箱”

もともと名作短編として知られる『五色の舟』を、宇野亞喜良さんの絵とともに“ビジュアル版”として再構築。
さらに英訳併載で、右ページが日本語/左ページが英語という作りも特別感たっぷり。

物語は、見世物小屋のような場所で“見せられる側”にいた人々の影が漂い、
短いのに、重い空気と余韻が残る。
美しさと不穏さ、ホラー/SFの香りもあり、さらっと読めるのに心がざわつく一冊です。

『不能共』草森ゆき

▶ 最悪の出会い、修羅場、なのに…ハッピーエンド!? “男たちの愛と地獄”

“不能”の意味が違う2人の男が出会う物語。
彼女を目の前で亡くした男と、亡くなった女性の夫(不倫されていた側)が、
ひとりの女を介してぶつかり合いながら、憎悪と必要が絡み合っていく…。

「お前のこと大嫌いだ」と言い続けるのに、なぜか離れられない。
あかりんの大好物、恋愛×地獄の匂いが濃厚で、
帯の「最悪の出会いそして修羅場、のち、ハッピーエンド」が気になりすぎる一冊。

『BOOKSのんべえ お酒で味わう日本文学32選』木村衣有子

▶ 読むだけで、今夜飲みに行きたくなる。お酒×文学の“最高のつまみ本”

お酒が登場する小説・随筆を32本紹介しながら、
カクテルや銘酒、飲み方の背景まで含めて味わわせてくれる“文学ガイド”。

一人飲みをあまりしないあかりんでも、
「これ読んだら、一人でふらっと飲みに行きたくなる」と言うほど。
飲酒だけじゃなく、禁酒の話も取り上げていて、
お酒との距離感そのものを考えたくなる面白さがあります。

『赤泥棒』献鹿狸太朗

▶ 不快さギリギリを突く“人間の汚さ”が、読後に刺さる衝撃デビュー作

強烈すぎる表紙にふさわしい、短編集。
表題作は、女装して女子トイレに侵入し、使用済みナプキンを盗む高校生——という攻めた導入。
しかも本人は「悪いことじゃない」と開き直っている。

そこへ「女の子になりたいんでしょ?」という“勘違い”が重なり、
性の悩みを持つ同級生に誤解され、嘘を積み上げていく…。
さらに収録作「奇食のダボハゼ」では、
“自分はセンスがある”と信じて批評だけしている少年が、本物の天才に出会ってしまう地獄が描かれる。
痛い、苦い、でもリアル。読者の心をえぐるタイプの一冊です。

『アイリス』雛倉さりえ

▶ 一度浴びた“光”は、人生を救うのか、壊すのか。脚光の後の物語

大ヒット映画『アイリス』に出演し“天才子役”と呼ばれた少年。
しかしその後は伸び悩み、俳優を辞めた——。
一方、共演した妹役の少女は、いまや大人気女優。

この作品は、少年の視点と、映画を撮った監督の視点で、
「傑作を作ってしまった者/浴びてしまった光」のその後を描いていきます。
薄暗く、官能的で、静かに息苦しい。
それでも文章の美しさが、読後に妙な余韻を残す作品です。

『回樹』斜線堂有紀

▶ “愛の証明”ができる世界は、優しいのか残酷なのか。刺さるSF短編集

短編集の表題作「回樹」は、
日本に突然現れた“人型の何か”が、死体を取り込み、
取り込まれた人への愛情を“移してしまう”という異様な設定。

つまり、取り込まれて“愛してしまう”なら、
自分がその人を愛していた証明になる——。
SFでありながら、テーマはど真ん中に“愛”がある。
斜線堂作品らしさが詰まった一冊として紹介されていました。

『赤い月の香り』千早茜

▶ 香りは、人の秘密を暴く。加害性と関係性をえぐる“調香師シリーズ”続編

『透明な夜の香り』の続編。
天才調香師・朔が、依頼者の求める“香り”を作り出す洋館に、
今回は怒りっぽい男性が導かれ、働くことになる——という導入。

作中で描かれるのは「加害性」
自分では愛のつもりでも、相手にとっては害だったかもしれない。
人間関係の奥にある気づけない棘を、香りの世界で静かに炙り出す作品です。
前作未読でも読めるけれど、読んでいると前作の人物が顔を出す嬉しさも。

『異常【アノマリー】』エルヴェ ル・テリエ:著  加藤かおり:訳

▶ あらすじ検索禁止。読み終えるまで“正体”を知らないでほしい大作

赤い表紙、豪華コメント、そして帯の「あらすじ検索禁止」。
あかりんも本当に調べずに読んだそうで、語れるのは最小限。

登場人物は多く、職業も幅広い(殺し屋、小説家、子ども、女優、弁護士…)。
SFとして高評価で、ミステリとしても読まれている作品。
序盤は掴みきれなくても、一部の終盤から一気に読めるタイプで、
「奇想天外なのに深い人生の描き方」——帯の言葉が作品を表している。

好きなタイトルデザイン【フォント好き集まれ】

今回のほんタメは、これまでの「好きな装丁」「好きなタイトル」企画の流れをさらに深掘り!
注目したのは──表紙の“タイトル文字(ロゴ)”そのもの

フォント、配置、余白、読みづらさの演出、作品内容とリンクする仕掛け……
「タイトルデザインだけで、ここまで語れるの!?」という回でした。

『ミーツ・ザ・ワールド』金原ひとみ

▶ 手書きの“シャッ”とした一筆が、作品の温度を連れてくる

最近トレンド感のある“手書き風タイトル”がど真ん中に刺さった一冊。
縦に整ったデザインの中へ、斜めに入る文字の勢いが気持ちいい。
「読めるけど、少し読みづらい」絶妙さが、おしゃれと作品性を両立させています。

『わたしの結び目』真下みこと

▶ 文字が“リボン”みたいにくるくる。タイトルだけで物語の核に触れる

タイトルの言葉全体が、リボンのようにカーブして見える独自フォントが可愛すぎる!
作品のキーポイントである“セーラー服のリボンの結び方”と、
「結び目」というタイトルの意味がデザインに落とし込まれていて、
“この本のために作られた文字”感が最高の一冊です。

『改良』遠野遥

▶ 読めるのに読めない。モザイクが呼ぶ違和感

「改良」という言葉がモザイクで覆われる表紙。
真っ白な空間の中で、その違和感だけが強烈に残ります。
内容を知らなくても「なんで?」と想像が膨らむ、デザイン買いしたくなる一冊

「ほんタメ文学賞2023年上半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2023年1〜6月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『ある愛の寓話』村山由佳

“この愛の形こそ尊い”愛の短編集

恋愛小説の名手・村山由佳さんが描くのは、人と人だけに限らない“愛”。
人形や大切にしているものなど、私たちが日々注いでいる感情を「それも愛だ」と肯定してくれるような一冊です。読み終えると、身の回りの“愛しているもの”を改めて抱きしめたくなります。

あかりん部門 大賞🏆『あわのまにまに』吉川トリコ

10年刻みでさかのぼるほど、家族の“語られない真実”が浮かぶ

ある家族の物語を、2029年から10年刻みで過去へ遡っていく構成。
家族を描きながらも、読むほどに謎がほどけていく“ミステリ的快感”があり、同時に「家族って、語られていないことだらけだよね…」という余韻も残します。自分の家族の記憶まで勝手に動き出す作品。

『ガーンズバック変換』陸秋槎:著、阿井幸作・稲村文吾・大久保洋子:訳

近未来の“やりすぎルール”が、現実の延長として怖いドSF短編集

「ドSF!」と唸る短編集。
表題作は、極端な規制によって“スマホが見られない眼鏡を強制される”ような世界が舞台で、あり得ないのに、あり得そうというリアリティが刺さります。これを読むと、他のSFも掘りたくなる──“SFの入口を増やしてくれる”一冊です。

最近読んだ本を6冊紹介!【2023年8月】

「本にまつわる本」多めでお届けする“知的好奇心くすぐり回”。

小説はもちろん、読むことで“言葉の武器”が増える実用書も揃っていて、エンタメと学びが同居した回になっています。

『あわのまにまに』吉川トリコ

2029年から10年刻みで遡る、“家族の謎”がほどけていく物語

2029年→2019年→2009年…と、時代を逆走しながら家族の姿を追う構成がとにかく新鮮。
はじまりは「祖母の遺品整理」というリアルな導入なのに、読んでいくほど「この家族、思ってた形と違う…?」と違和感が増していきます。
ミステリ的な“謎解き”もあるけれど、それ以上に家族・親子・兄弟の関係が、言葉にならない部分まで刺してくる一冊。
読み終えたあと、自分の家族の“語られなかった過去”まで想像してしまう作品です。

『彼女が言わなかったすべてのこと』桜庭一樹

会えるはずの人に会えない──そこから始まる“静かな並行世界”小説

主人公が再会した旧友と、連絡は取れるのに待ち合わせでは会えない。
そのズレの正体は、少しずつ見えてくる“世界の違い”。
片方の世界では感染症が広がり社会が揺れているのに、もう片方ではそれが起きていない。
「当事者」と「当事者ではない人」の距離感、出来事の受け止め方が、パラレルワールドという形で浮かび上がります。
派手に煽らず、淡々と静かに描くからこそ、じわっと効く一冊です。

『女が死ぬ』松田青子

数ページで刺してくる、“女性像”への痛快なアンチテーゼ短編集

なんと53編入りの超ショート集。テンポは軽いのに、言ってることは鋭い。
「こうあるべき」と求められる女性像や、“少年”という記号的存在に対して、ユーモアと違和感で切り返してくる作品が並びます。
批判で殴るのではなく、コミカルにひっくり返して気づきを残すのが松田青子さんの真骨頂。
スキマ時間で読めるのに、読後は思考が止まらない…そんな一冊です。

近代文学のおすすめ3選【青空文庫】

「青空文庫を読んでみよう!」

いつもの“新刊多め回”とは打って変わって、近代文学の名作を3冊紹介する回。

青空文庫とは、著作権の保護期間が満了した作品などを、誰でもネット上で読めるようにした無料の電子図書館。
短編〜長編まで幅広く揃っていて、日本文学だけでなく、翻訳作品や戯曲、意外なテキストまで載っているのが面白いところです。

「いきなり紙で買うのはハードル高い…」という人も、まず青空文庫で試し読み → ハマったら文庫で買うができるのが最高。
今回はその入口にぴったりな、読みやすくて刺さる3作が登場します🍋🍊

『檸檬』梶井基次郎

モヤモヤした心に、レモン1個で“破壊衝動の自由”が灯る短編

体調も気分も晴れず、生活もままならない主人公。
それでも、ふと果物屋で買ったレモンの冷たさが、胸の奥を少しだけ鎮めてくれる。
そのまま足が向かったのは、本屋の美術書コーナー。
そこで主人公がやる“ある行動”と、その後に浮かぶ妄想が――。

誰にも言わないだけで、多くの人が一度は抱く「全部ぶち壊したらどうなるんだろう」という思い。
それを文学にしてしまった、小さな爆発みたいな一作です。

『蜜柑』芥川龍之介

“先入観”が一瞬でひっくり返る、まぶしい短編

列車に乗る主人公の前に現れる、どこか野暮ったい身なりの少女。
しかもトンネルに入る直前、煤が入るのも構わず窓を開けようとして――
主人公は苛立ち、決めつけ、見下ろすような目で彼女を見てしまう。

でも、トンネルを抜けた瞬間、目に飛び込んでくる光景がすべてを変える。
「人をこうだと決めつける怖さ」と「背景を知ったときの認識の反転」を、驚くほど短く描き切った名作です。
文章も比較的読みやすく、近代文学の入口にぴったり。

『春琴抄』/ 谷崎潤一郎

恋愛×地獄。美と支配と献身が煮詰まった“耽美”の極北

美しく、芸に秀でた女性・春琴。
彼女に仕える丁稚・佐助は、厳しい言いつけにも従い、献身的に尽くしていく。
これは恋なのか、主従なのか、執着なのか――外側からは判別できない関係が、じわじわと濃くなっていきます。

そして物語が進むほど「その献身、そこまで行くの…?」という地点へ。
“愛”の形が常識から逸脱していくのに、なぜか美しく見えてしまう。
谷崎らしい耽美と狂気が、静かに煮詰まっていく中編です。

『文藝賞』とは何かを解説します!【推し文学賞】

「あかりんの推し文学賞、文藝賞を知ろう〜〜!!」🎉🎉

あかりんが長年“推し続けている”新人文学賞——
「文藝賞」をホワイトボードで解説する授業回!

「文学賞って気になるけど、どこから入ればいいの?」
そんな人に向けて、文藝賞の魅力と、実際の受賞作を例にしながら“入口”を案内してくれます📚✨

🏆文藝賞ってどんな賞?

  • 河出書房新社が主催
  • 文芸誌『文藝』で発表される文学賞
  • 新人賞(デビューの登竜門)として知られる
  • 応募作は「未発表作品」が基本で、受賞作が作家人生のスタートになることも多い

そして何より特徴的なのが、募集要項にもある
「既成の枠にとらわれない衝撃的な作品を待ってます」というスタンス。

“純文学=難しい”のイメージよりも、
若い才能・新しい感覚に出会える賞として、あかりんの信頼が厚いのも納得です。

『インストール』綿矢りさ

“退屈な日常”を軽やかにハックする、10代の加速感文学

デビュー作らしい瑞々しさと、世界との距離感の鋭さが魅力。
「若さ」の衝動が、そのまま文章のスピードになっている一冊。

『黒冷水』羽田圭介

乾いたリアルとユーモアで刺してくる、“今っぽい”感情の温度

クールなのに妙に生々しい、読後にじわっと残る感覚が特徴。
“新人の一撃”としての説得力が強い作品。

『青が破れる』町屋良平

青春の“壊れ方”まで描く、言葉の熱量がすごい物語

関係性の揺れ、心の摩擦、割れそうな感情を文章で押し切る強さ。
読んでいる側も巻き込まれるような密度があります。

『かか』宇佐見りん

家族の愛が、息苦しさにもなる——“近すぎる関係”のリアル

家族だからこそ断ち切れない距離感と、心のざわつきを描く。
デビュー作で一気に注目され、のちの飛躍にもつながった一冊。

『改良』遠野遥

価値観の“アップデート”が暴走する、攻めた現代文学

普通に生きているつもりなのに、どこか歪んでいく感覚。
“既成の枠にとらわれない”を体現するような衝撃が魅力です。

読書家の最近読んだ10冊【2023年9月】

「あかりんの最近読んだ10冊〜〜〜〜!!」

あかりんの「最近読んだ本10冊(+おまけ)」回!
文芸誌で“今の文学”を拾い、文章術で“書く力”を整え、
最後は小説でしっかり殴られる——そんな贅沢なラインナップでした。

「文芸誌って難しそう…」と思っている人にも、
“興味あるところだけ読めばいい”という付き合い方が紹介されていて、
入り口としてもかなり親切な回です📚✨

『明日も一日きみを見てる』角田光代

猫がいるだけで、生活の感情が全部増える

角田さんと猫のトトちゃん、そして周囲の猫たちとの日々を綴った猫エッセイ。
写真も多く、可愛さと同時に“嫉妬”“距離感”“家族っぽさ”まで描かれていて、
「猫って人間と同じくらい感情がある」…と思わされる一冊です。

『ハンチバック』市川沙央

“当たり前”を揺さぶってくる、薄くて重い衝撃作

身体的制約のある主人公が、ネット上では“健常者としての嘘”をまとえる——
その視点から語られる世界が、読む側の無意識の傲慢さを一気に暴いてくる。
重いテーマを重い文体で押しつけるのではなく、スッと読ませてズシンと残すタイプの一冊として紹介されていました。

『腹を空かせた勇者ども』金原ひとみ

“陽キャ主人公”がまぶしい、中学生青春小説

小説の主人公は陰キャが多い——その定番をひっくり返す、
“教室の中心にいるタイプ”の女子が主人公。
母との関係や、友達・恋愛・日常の全力疾走が描かれ、
陽キャに苦手意識がある人にも背中を押してくれる作品です。

『ロジカ・ドラマチカ』古野まほろ

言葉ひとつから、論理で世界を組み立てる“会話ミステリ”

駅で耳にした不思議なフレーズをきっかけに、
言葉を分解し、論理で推論し、意味を立ち上げていく。

今掛け直そうか 届けようか
でも残りは 小銭だけだから、
もう郵便局に駆け込むしかないのか

引用 『ロジカ・ドラマチカ』古野まほろ / 光文社


『九マイルは遠すぎる』のような論理的快感があり、
“言葉の差異が好きな読書家”ほどハマる一冊として推されていました。

『九マイルは遠すぎる』ハリイ・ケメルマン:著、永井淳・深町眞理子:訳

“論理だけで殴る”名作短編ミステリ

会話と推論だけで真相へ迫る、論理の気持ちよさが極まった古典。
『ロジカ・ドラマチカ』の連想元としても登場し、「やっぱり原点も読んでおくと楽しい」。

『叩く』高橋弘希

救われないのに美しい、“不穏な人生”短編集

闇バイトの話など、どうしようもない地点まで行ってしまった人間たちが描かれる短編集。
文章が美しいからこそ、ままならなさがより刺さる——
そしてラスト付近の作品『海がふくれて』では、海の描写が綺麗なほど不穏さが増していく感覚も。
キラキラしているだけじゃない、作者が描く人間の描写に強く惹かれる作品です。

ハヤカワ文庫のおすすめ本を語る回

㊗️【ほんタメ】×【ハヤカワ文庫の100冊フェア2023】㊗️ ハヤカワ文庫の100冊フェアに、ほんタメが参加しました🥳

秋の書店名物「ハヤカワ文庫の100冊フェア」に、なんと【ほんタメ】が参加!
全国の書店に置かれる小冊子のインタビューで、たくみ&あかりんがおすすめ文庫を5冊ずつ紹介しています。

今回の動画は、その中から選りすぐりの3冊ずつ=計6冊をピックアップした特別回。
さらに一部作品には、たくみ&あかりんの“特別帯”まで付くという、まさに全国進出回でした!

『なめらかな世界と、その敵』伴名 練

SF苦手をほどく“最高の入り口”。短編で世界がひらく

あかりんが「SFって面白いんだ」と感じたきっかけの作品。
短編集なので入りやすく、しかもSF好きにはオマージュの楽しみもある。
“SF=宇宙で難しい”じゃなくて、世界の見方がズレる面白さを体験できる一冊として、初心者にも強くおすすめされていました。

『人間たちの話』柞刈湯葉

宇宙×身近さの融合で「SFってこういうことか!」となる短編集

「宇宙人にラーメンを作る話」など、設定はSFなのに入口は妙に生活感がある。
でもその“身近さ”があるからこそ、読んでいくほど視野が広がっていく。
“壮大じゃないのに、言ってることは壮大”というSFの快感を味わえる、入門にもぴったりな一冊です。

『ハーモニー』伊藤計劃

“理想の健康社会”が、理想ではなくなる瞬間を描くディストピア

大災禍(ザ・メイルストロム)という大混乱の後の世界で、
「健康であること」が善とされる社会。
一見すると理想のようで、実は身体も生も“管理される”息苦しさが潜む——。
その社会に違和感を覚える少女たちの物語で、残酷なのに美しい。
あかりんが「ディストピア好きかも」と自覚した原点の一冊として語られていました。

夜に眠れないあなたへおすすめの本6選

「枕元に置きたい本【6選】〜〜〜!!!」🛌 😴

メロウなテンションで始まる癒し回。
テーマは「枕元に置きたい本」——寝る前に読むのにちょうどよくて、気持ちよく一日を終えられる6冊を、ジャンル問わず紹介します。

「続きが気になって眠れない本」ではなく、
1話完結・短編・エッセイ・童話・クイズなど、
“区切りよく読めて、そのまま眠れる”本が勢ぞろい。

一日の終わりに、あなたの枕元にも一冊どうぞ🛌💤

『銀河の片隅で科学夜話』全卓樹

夜に読むのが正解。宇宙と日常の“ロマン”で眠る科学小話

短い科学の話がいくつも入った、まさに“夜話”な一冊。
宇宙を考えると途方もなくてちょっと憂鬱…になりがちな夜も、
この本はやさしい語り口で、ロマンチックに知的好奇心を満たしてくれる
「今日はこのトピックだけ読んで寝よう」ができる、枕元向きの科学本です。

『雪の練習生』多和田葉子

北極熊が“私”になる。夢みたいに静かな、ファンタジック小説

寝る前に読みたいのは、少しだけファンタジックなもの——というあかりんの選書。
主人公はなんと北極熊。サーカスの花形から事務員になり、自伝を書き始めるところから物語が動きます。
突拍子もないのに妙にリアルで、夢の中みたいに読めるのが魅力。
“続きが気になって眠れない”タイプではなく、静かに気持ちを沈めてくれる物語です。

『小川未明童話集』小川未明

大人こそ読みたい、“優しさと意地悪さ”が混ざる夜の童話

「ベッドで読む本といえば童話でしょ」という原点回帰の一冊。
短い物語がたくさん入っていて、1話読んだらそのまま寝られる。
人魚、ふしぎな訪問者、少し不思議で少し切ない話など、
優しさだけで終わらない“人間らしさ”がにじむ童話が揃っています。
子どもの頃の読み聞かせの記憶ごと、穏やかな気持ちで眠りたい人に。

お酒が飲みたくなる本3選

「お酒が飲みたくなる本【3選】〜〜〜〜!!!」🍺🍶💓

「読んだら思わずお酒が飲みたくなる小説」3選!🍸
登場人物たちはみんなお酒好きで、飲むシーンの描写がとにかくうまい
居酒屋の空気、瓶ビールの楽しさ、強い酒の“香りの立ち上がり”まで、ページから立ちのぼってくるような作品ばかりです。

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

飲んでも飲んでも酔わない“黒髪の乙女”と、夜の街へ—読後、浅草に行きたくなる青春譚

主人公は、酒豪で自由奔放な「黒髪の乙女」と、彼女に恋する大学生の“先輩”。
とにかく乙女の飲みっぷりが痛快で、読んでいるだけでテンションが上がる一冊です。

作中で象徴的に登場するのが、香り高いお酒「電気ブラン」。
(小説内の“偽電気ブラン”は架空ですが、現実には浅草の老舗で味わえることで有名。)
「強い酒=きつい」ではなく、“お腹の中に花が咲く”みたいな幸福感が描かれていて、
“おいしいお酒ってこういうことだよね”が体感できる作品です。

『センセイの鞄』川上弘美

瓶ビール、冷奴、湯豆腐、日本酒—静かな居酒屋時間が恋しくなる、大人の恋愛小説

30代後半の女性・月子が、ふらりと入った居酒屋で再会したのは、
高校時代の恩師である先生。

そこから始まるのは、派手ではないけれど心地いい、「飲み仲間」から育つ関係
瓶ビールを注ぎ合う距離感、季節で変わるつまみ(冷奴→冬は湯豆腐)、
“同じ店で、同じように飲む”というルーティンが、じわじわ効いてきます。

読後はきっと、
昔ながらの居酒屋で、シンプルな肴と日本酒が欲しくなるはず。

『今夜、すべてのバーで』中島 らも

「全ての酒飲みに捧げるアル中小説」—怖いのに、なぜか飲みたくなるリアリティ

紹介文から強烈な一撃。
“お酒が飲みたくなる本”なのに、主人公は重度のアルコール依存で、入院から物語が始まります。

それでも、病院へ行く前に立ち寄る居酒屋、カップ酒を求める切実さ、
そして「治った気がして」うっかり頼んでしまうビール——
この一連がリアルすぎて、飲酒のうまさと危うさが同時に迫ってくる

「程よく楽しむのがいちばん」だと分かっていても、
読んでいると不思議と“ビール”が頭に浮かぶ。
お酒の“甘さ”だけじゃなく、人の弱さや切なさまで含めて描いた、大人向けの一冊です。

読書好きが最近読んだ本【2023年10月】

小説の“不穏さ”でゾクッとしたかと思えば、恋愛小説で社会問題に向き合い、さらに肉ガイドで食欲を爆発させ、最後は数学者の黒板に憧れを語り出す——。
振れ幅がすごいのに、なぜか全部「わかる!」でつながっていく回でした。

『ブラックバースデイ』麻加朋

▶ 祝えない誕生日が始まる、“イヤミス寄り”の濃厚ミステリ

鎌倉の民宿でひっそり暮らす、かつて“特殊な大家族”として世間に知られた一家。
子どもの取り違いという過去を抱えた彼らの周囲で、悲しい出来事が連鎖していく…。
将棋や図面の謎解き要素まで絡み、ミステリ好きにも情報量たっぷり。なのに文章は読みやすいのが魅力。
「しんどい、でも面白い」ガッツリ系の一冊です。

『イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる』コリーン・フーヴァー

▶ “恋愛小説”の顔で殴ってくる、DVの連鎖を断ち切る物語

全米で爆発的ヒットを記録した話題作。主人公リリーは理想の恋と結婚を手に入れた…はずだったのに、相手の“暴力”が顔を出し始める。
幼少期に見た家庭内DVの記憶と向き合いながら、「自分の人生を守る」選択が突きつけられていく展開は重いけれど、そのぶん考えるきっかけになる作品。
読みやすさとテーマの強さが両立した一冊です(続編が気になる終わり方もポイント)。

『暗転するから煌めいて 胡桃沢狐珀の浄演』松澤くれは

▶ 劇場の“怪異”を即興劇で祓う!?エンタメ×成長のシリーズ作

駆け出し女優の碧唯(あおい)が、謎の演出家・胡桃沢狐珀と出会い、
“浄演師(劇場の幽霊を即興劇で除霊する仕事)”という異色の世界へ。
今回は舞台を飛び出し、映画の撮影所が舞台になるのも見どころ。
文庫で読みやすく、怪異×お仕事×青春成長がサクサク進むシリーズです。

齋藤明里のタメになる本3選【大人になったあなたへ】

「あかりんのためになった本【3選】〜〜〜!!」📖👓

今回は“恋愛×地獄小説”……ではなく!
あかりんが人生の見え方が変わった「ためになる本」を3冊紹介する回。
年齢を重ねる心身の変化、現代アートの“見方”、そして“食べる・欲する・生きる”の根っこまで。
小説以外だからこそ刺さる、視点が増える3冊でした。

『きれいなシワの作り方 〜淑女の思春期病』村田沙耶香

▶ “大人になったら楽になる”と思ってたのに…30代のリアルが効くエッセイ

村田沙耶香さんが雑誌連載で綴った、年齢とともに変わっていく身体・意識・周囲の目の話。
「春は終わったはずなのに、また別の“思春期”が来る」——そんな感覚が、村田さん視点で細かく言語化されていきます。
初めてのシワ、結婚願望の芽生え、価値観のズレや恥じらいの変化など、
“先に経験した人の言葉”として読めるのが最大の魅力。
漠然とした不安を、“準備できる知恵”に変えてくれる一冊です。

映える本の写真を撮った方が勝ち

「【第1回】ほんタメ写真コンテスト~~~!!!!!!」📸 🏆 🎉

今回はMC2人が外に出て、“本が映える1枚”を撮影!
1人3冊ずつ持ち寄り、写真の
コンセプト
も込みでプレゼン。
スタッフ審査で勝敗を決めるガチ企画でした🚩

『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』木下龍也

▶ 光とことばが交差する、掛け合い短歌の“きらめき写真”

人気歌人2人が短歌を投げ合いながら編んだ、掛け合い形式の歌集。
タイトルの通り“光”のイメージが強く、木漏れ日や陰影が似合う一冊。
挟み込みで舞城王太郎の小説も入っていて、短歌だけで終わらない。
写真コンテストでは、タイトルの世界観に寄せた木漏れ日ショットで先制攻撃!

『不道徳教育講座』三島由紀夫

▶ “道徳”をひっくり返して、人生の矛盾を笑いながら突く毒エッセイ

三島由紀夫が“不道徳”をテーマに語る、鋭くて皮肉でやたら面白いエッセイ集。
常識や善悪を一度疑ってみる視点があり、読むほど頭が柔らかくなる。
写真では夜のフラッシュ×花×水滴で、「夜に香る不道徳」という雰囲気勝負を仕掛けたのも印象的。

『風配図 WIND ROSE』皆川博子

▶ 抑圧の“止まれ”を越えていく、少女の逃走と生の物語

社会や環境から押しつけられる“こう生きろ”という圧力。
それを受けながらも、少女が自分の足で進もうとする——
そんなテーマを写真に落とし込み、道路標識「止まれ」を前景にしたメッセージ性の強い1枚で勝負。
個人的に一番好きな写真でした📷

タイトルがヤバい本6選

「ヤバいタイトル【6選】〜〜〜!!!」🌫🌫

オープニングからテンション高めでお届けする今回は、
2人が「タイトルだけで引っかかる」「文字面が怖い」「発想が変」など、
各々の“やばい”基準で選んだヤバいタイトル本6冊をご紹介!

「内容までちゃんと読んだ上での“やばい”」だから、説得力も抜群。

『もう死んでいる十二人の女たちと』パク・ソルメ:著、斎藤真理子:訳

▶ タイトルだけで背筋が冷える、社会派ホラー風味の短編集

「もう死んでいる…」——情報量が多いのに、怖い。
ホラーっぽいぞわっとした読後感がありつつ、芯には社会的メッセージが強めに通る作品。
“死んだら終わり”のはずなのに、ここから何が起きるのか…想像が止まらないタイトルが秀逸です。

『居心地の悪い部屋』岸本佐知子:編訳

▶ ジャンル不明の気持ち悪さが集合

海外短編を岸本佐知子さんが編訳した一冊。
怖い、というより読んでいるとじわじわ歪むような話ばかりが集まり、
それらをひっくるめた結果が「居心地の悪い部屋」なのが完璧。
表紙も真っ黒系で、外側からして不穏。タイトルも中身も、静かにヤバい一冊です。

『鴎外パイセン非リア文豪記』松澤くれは

▶ 文字面の圧が強すぎる!“文豪×非リア”で転がす痛快コメディ

タイトルだけで「文豪っぽい誰かが、非リアをこじらせて何かやるんだな」が伝わるのがすごい。
実際、SNSで有名な“大鴎外パイセン”が非リアをネタに文豪ムーブをかます内容で、
“日本タイトルだけ大賞”にノミネートされるのも納得の破壊力です。

ついにここまできた!最近読んだ本【2023年11月】

「【紹介】最近読んだ10冊【2023年9月】」📚📚📚📖

今月も相変わらず、あかりんの“バグり企画”が大炸裂💣🔥
アート・短歌・作家ガイド・幻想小説・特撮・メタフィクション・英国幽霊城・恋愛小説まで、ジャンルの振れ幅がえげつない10冊を一気に紹介します。

『恋人不死身説』谷川電話

▶ 恋の最中も、失恋のあとも刺さる。脳に直撃する“恋愛短歌”

表紙イラストに惹かれて手に取った短歌集。
福岡にある書肆侃侃房が運営する書店「本のあるところ ajiro」で買った思い出込みの一冊で、購入体験ごと記憶に残る本とのこと。
甘さだけじゃなく、ちょっと生々しいリアルさもあって、恋愛してる人にも、終わった人にも効く短歌が詰まっています。

『猫の木のある庭』大濱普美子

▶ 不思議が“説明されないまま”美しい。夢の中みたいな幻想短編集

泉鏡花文学賞作家の短編集で、あかりんが「幻想小説ってこういうことか」と腑に落ちた一冊。
鈴の音だけが聞こえる家、履くと自分が変わってしまう靴など、出来事は奇妙なのに、怖さよりも“ゆらぎ”が残る。
読み終わるとスッキリではなく、「夢から覚めたみたいにふわふわする」読後感。冬にぴったり。

『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』著:木下龍也 岡野大嗣

▶ 男子高校生の7日間を“短歌”で追う、物語みたいな青春歌集

2人の歌人が掛け合いで紡ぐ、ストーリー性のある短歌集。
眩しさ、胸のきゅっとする感じ、青春への憧れが詰まっていて、読んでいるだけで“あの頃”に引き戻される。
さらに挟み込み付録として、舞城王太郎のスピンオフ小説まで付く豪華仕様。紙で買う価値がある一冊です。

『鈍色幻視行』恩田陸

▶ “呪われた小説”に魅入られた人々が集う、クルーズ船メタ・ミステリ

15年連載を一冊にまとめた大ボリューム作。
映像化が何度も頓挫し、そのたび不穏な出来事が…という「呪われた小説」を巡って、映画監督・女優・作家らがクルーズ船で語り合う。
謎解きというより、「物語に呑まれていく体験」が濃い。フィクションの魔力に取り憑かれた人たちの熱が面白い。

『夜果つるところ』恩田陸

▶ “呪われた本”!?メタフィクションの仕掛けが気持ちいい

館「墜月荘」と、主人公、そして“三人の母”をめぐる断片的な記憶の物語。幻想的でロマンチック。
…と思いきや、ここで衝撃の繋がりが発覚。
なんと『鈍色幻視行』の中で語られていた“呪われた小説”が、この『夜果つるところ』だったという仕掛け!
2冊セットで読むと解像度が跳ね上がる、“読書体験そのものがギミック”な一組です。

『マリエ』千早茜

▶ 離婚は終わりじゃない。40手前から始まる“大人の自由”恋愛小説

夫から「ちょっと恋愛したい」と言われ離婚したマリエが、身軽さと自由を手にし、新しい恋と人生に踏み出していく物語。
離婚を“失敗”にせず、選択肢の一つとして描く視点が爽やかで、読後は「大人って素敵かも」と思える。
千早茜の美しい文章で描く、軽やかな再出発の恋愛小説です。

現実逃避したいときに読む本3選

「現実逃避したい時に読みたい本【3選】!!」✈️👜

今回はあかりんが、“現実からちょっと離れられる”読書体験をテーマに3冊をセレクト✨
旅に出た気分になれるもの、どこまでも逃避行できるもの、そして現実のルールを外した“夢みたいな短編集”まで。
本の中で一度深呼吸して、また日常に戻るためのラインナップです😌💭

『ホテルジューシー』坂木司

▶ 沖縄・那覇のゲストハウスで、心がほどける“日常の謎”

現実がしんどいときほど、「自分のいる場所から遠い物語」が効く——そんな発想で選ばれた1冊。
主人公は大家族の長女・ヒロちゃん。夏休みに、沖縄・那覇のゲストハウスで住み込みバイトを始めることに。
昼と夜で性格が変わる(!?)オーナー代理や、クセ強めのスタッフたち、ちょっと不思議な宿泊客…。
そこで起きる小さな違和感を解きほぐしていく、坂木司らしい“優しいミステリ=日常の謎”が魅力です。
旅気分で現実から離れつつ、読み終える頃には「私ももう少し頑張ろうかな」と思える、ちょうどいい逃避先。

『じごくゆきっ』桜庭一樹

▶ 「じごくゆきっ」制服のまま駆け落ち逃避行

タイトルの時点で強烈だけど、これが“現実逃避”に刺さるのが面白いところ。
高校1年生の少女が、副担任の由美子ちゃんセンセに誘われて、突然「じごくゆきっ」と言われて駆け落ちする物語。
逃げ切れないと分かっていても、逃げたくなる夜がある。
その“一瞬のきらめき”と切なさが、読む側の現実疲れもやわらげてくれる一冊です。

『燃えるスカートの少女』著:エイミー・ベンダー、:訳管啓次郎

▶ 何が起きても説明されない。だからこそ没入できる“不思議短編集”

最後はもっと遠くへ——現実のルールそのものを外した、夢みたいな短編集。
たとえば冒頭の「思い出す人」では、恋人がある朝突然お猿さんになり、さらにどんどん逆進化していく…という、意味不明なのに妙に切ない展開が描かれます。
表題作も、断片的な出来事が積み重なっていくような構成で、きれいに説明されない。
でも、だからこそ読者は「これは何の比喩?」「自分ならどう感じる?」と想像を始めて、気づけば現実を忘れている。
“わからない”ことが、そのまま逃避になる一冊です。

積読本を解消します

「積読を解消したいよ〜〜〜!【6選】」📚📚📚📚📚

本好きの“あるある悩み”——それが積読
買った瞬間は「いつか読む!」と思っていたのに、気づけば本棚の真ん中で“読んだ顔”をして鎮座している…!

今回は、あかりん&たくみがそれぞれ3冊ずつ積読本を選び、
①読む前の印象 → ②実際に読んだ感想までセットで紹介する「積読解消コーナー」✨

『夜明け前のセレスティーノ』

物語なのに詩みたい。夢の時間を漂う“読書体験”

少年セレスティーノが、木の幹に詩を刻む——その美しいイメージを軸に、場面がぷつぷつと飛び、時間が跳ね、死や再生さえ曖昧に進む不思議な物語。
読んでいるうちに「理解する」というより、夢の中に連れていかれる感覚になる一冊。
引用が突然挿入されたり、どこからが現実でどこからが幻想かわからなくなる構造も含めて、“言葉の迷宮”を楽しむタイプの文学です。

『お嬢さん』三島由紀夫

読みづらいという先入観を壊す、ポップで痛快な恋と結婚劇

長年積んでいたのに、読んでみたら驚くほど読みやすい!
良家の“お嬢さん”が、父が連れてきた縁談候補をきっかけに恋と結婚の渦へ…という、軽やかなテンポのエンタメ感。
スマホがないから実家に電話しないといけない焦りや、恋の駆け引きのリアルさが今読んでも効いていて、
「これ、現代小説みたい」と思うほどの読みやすさ。

『太陽諸島』多和田葉子

「終わるのが怖い」から積んでた最終巻。言語と旅が結ぶ、壮大な帰郷譚

『地球にちりばめられて』『星に仄めかられて』に続く3部作の最終巻。読み終える=物語が終わるのが寂しくて、つい先延ばしにしていた積読をついに解消。
留学中の主人公が、言葉と出会いを頼りに自国への帰還を目指す物語で、シリーズの中でも特に冒険味が強い。
作中には主人公が生み出した言語「パンスカ」も登場し、
“言語で結びついた仲間”という多和田作品の醍醐味が詰まっている作品。
終わりは寂しいけれど、読み切った達成感が大きい最終巻。

表紙がヤバい本を紹介します!【厳選6冊】

「やばい表紙【6選】〜〜!!!」

本の第一印象を決める“表紙”。
今回はMC2人が「これはやばい!」と唸ったインパクト強すぎカバーを6冊紹介!

怖すぎる目線、開けたら終わり感、持ってるだけで視線が痛い表紙…。
「表紙ってこんなに攻めていいんだっけ?」という本が勢揃いです。

『るん(笑)』酉島伝法

タイトルも装丁も情報量過多。“意味がわからないのに目が離せない”ディストピア感

赤×青のドットがチカチカする、脳に直接くる表紙。
しかもカバーを外すと“急にかわいい花柄”が出てくるギャップ。
「やばい」の方向性が多層的で、怖い・派手・謎・かわいいが同居している装丁です。

『マシカクショートショート 開けてはいけない』黒史郎 染谷果子 波摘

“開けるな”と言われるほど開けたくなる。ホラーの正しい入口みたいな一冊

表紙は引き出しに伸びる手、裏表紙には「開けちゃった」後の気配…。
表と裏で物語が完成してるのがまずズルい!
中身も短いショートショートホラーで、ルビ付き=子どもでも読めるのに、ちゃんと怖い。
プレゼントにしたら恨まれそうな(褒めてる)装丁です。

最近読んだ本を3冊ずつ紹介します!【2023年12月】

「最近読んだ本ジャンルレス6選〜〜〜!!」

12月突入!ということで、あかりん&たくみの“最近読んだ本”をジャンル無視で6冊まとめて紹介。
SFで世界が終わったり、合法的に復讐したり、絶望の名言で沈んだり。
年末の駆け込み読書にぴったりな、“情緒の振れ幅えぐい”ラインナップです。

『ウは宇宙ヤバイのウ!』宮澤伊織

隕石で人類滅亡→タイムリープでやり直し!“SFネタの宝箱”ハイテンション青春宇宙劇

高校生・久遠空々梨が遭遇するのは、隕石直撃で“人類が一回終わる”世界。
目覚めたら衝突前に戻っていて、「宇宙諜報組織のエージェントとして隕石の直撃を止める」ように言われる破茶滅茶展開。
キャラ名もネタもクセが強いのに、ノリが良くて最後まで突っ走れる。
SF好きほどニヤつける小ネタも多く、初心者でも勢いで楽しめる一冊です。

『可哀想な蠅』武田綾乃

SNSの“正義”が人を追い詰める。見ないふりできない“嫌なリアル”が刺さる短編集

表紙の可愛さとタイトルのギャップがまず強烈。中身はしっかりブラック寄り。
表題作は、公園での虐待疑惑動画を投稿したことをきっかけに、
匿名アカウントの執拗な攻撃・詮索・炎上の渦へ飲み込まれていく物語。
「攻撃する側の“かわいそうさ”」を理解しようとする主人公の姿が、逆に怖い。
人間の嫌なところを直視したい時に効く短編集です。

旅行に行くときこれ読んで!【6選】

「旅行に持っていきたい本【6選】〜〜〜!!」

本好きの旅行には、本がいる。
移動時間、ホテルの夜、ひとり時間、そして“その土地で読むからこそ刺さる一冊”。

今回は、1人旅・聖地巡礼・友達旅まで全部カバーできる、
“旅の時間がもっと楽しくなる本”を6冊お届け!

『カフェー小品集』嶽本野ばら

物語の席に座って、同じ一杯を飲む聖地巡礼本

あかりんの旅は、本の中の場所へ行く旅
京都の実在カフェを舞台にした短い物語が並び、
そのカフェで読むと、旅が“現実+物語”の二重構造になる。

作中の席を狙ってオープン前から待機→同じ席で同じメニューまでやっているのが本気。
「旅先で読むと完成する本」として最高の一冊です。

『空想の海』深緑野分

11本の短編で“旅の景色”が11回変わる。移動・待ち時間・ひとり時間に効くジャンル横断短編集

旅行中って、読書時間が細切れになりがち。
だからこそ刺さるのが、短編集

SF、ミステリ、児童文学、幻想…と手触りが全部違うので、
一冊で“11冊分の旅”みたいな満足感がある。
ただし注意点もあって、
ホテルの夜に読むと怖いものがあるので、夜は避けるのが吉。

『ポケットに名言を』寺山修司

「言葉を友人に持ちたい」——ひとり旅の心に刺さる、持ち歩ける言葉の相棒

冒頭の一文が、旅に刺さりすぎる。

言葉を友人に持ちたいと思うことがある。
それは、旅路の途中でじぶんが
たった一人だと言うことに気がついたときにである。

引用 『ポケットに名言を』寺山修司 / KADOKAWA


これだけで、旅の空気が立ち上がる。

薄くて軽くて、ほんとにポケットに入るサイズ感。
昔の言葉も、今の自分にズバッと刺さる言葉もあって、
旅先で“自分のペース”を取り戻したい時に効く一冊です。

年末年始に一気読みしたい本【2024年もよろしくお願いします】

「年末年始に一気読みしたい本【6選】〜!」🎍🌅

今年も残りわずか!
まとまった休みが取れる年末年始は、小説も漫画も“どっぷり一気読み”する絶好のタイミング。
ほんタメらしさ全開のジャンルレス6冊です🔥

『和菓子のアン』坂木司

和菓子×日常の謎。お正月のお茶時間が100倍おいしくなる、ほっこりミステリ

百貨店の和菓子売り場でバイトを始めたアンちゃんが、
お客さんや店員たちの会話の中に潜む小さな違和感=日常の謎を解きほぐしていくシリーズ。
事件は穏やか、読後感はあたたか。
そして何より、読んでると和菓子が食べたくなる危険な一冊です…🍵🍡

『カブキブ!』榎田ユウリ

歌舞伎に人生かける高校生、爆誕。読むと“演目”まで観たくなる青春部活小説

歌舞伎を愛しすぎる高校生が「歌舞伎部を作る!」と突き進み、
最初は誰もついてこないのに、その真っすぐさに惹かれて仲間が集まっていく——
王道なのに胸が熱い、青春ど真ん中ストーリー
作中に演目や名セリフも登場して、
「歌舞伎」が一気に身近になります。年末年始の“めでたさ”とも相性◎。

『書楼弔堂 破曉』京極夏彦

“人生の一冊”を手渡す謎の古書店。読書好きの心を直撃する、濃密・本の物語

看板に「弔」とだけ書かれた不思議な古書店。
そこを訪れる人々に、店主が選ぶのは——その人の人生を変える一冊の本
“本との出会い”そのものがドラマになるシリーズ。
年末年始に腰を据えて読みたくなる、読書のご褒美枠です。

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あかりん紹介 2022年:122作品

ぜんよみ
ぜんよみ

2022年にあかりんが動画で紹介した作品は130作品
重複している👇8作品は1作品としてカウント。

何度も紹介しているのはあかりんの思い入れの強さもあるのかも?!

  1. 万事快調〈オール・グリーンズ〉
  2. 愛じゃないならこれは何
  3. アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険
  4. ババヤガの夜
  5. 1000の小説とバックベアード
  6. 好き好き大好き超愛してる。
  7. 音楽が鳴りやんだら
  8. レペゼン母

最近読んだ小説10選【2022年1月】

「あかりんの最近読んだ10冊」 をテーマに、あかりんが“本当にハードカバーのみんなに話したかった”作品をぎゅっと紹介した回です。

家族、依存、食、ミステリ、そして言葉そのものの手触りまで——

ジャンルもトーンもばらばらなのに、「心に残る」という一点でつながった10冊。

『燃える息』パリュスあや子

“依存”の先にある、痛みと救いを見つめる連作短編集

ある「なにか」に依存してしまった人たちを描く、6編からなる短編集。
ガソリンの匂い、特定の物、人、習慣…極端だけれどどこか身に覚えのある“依存”が、静かに浮かび上がります。
「ここまでじゃない」と距離を取りつつも、「この主人公、ちょっと自分に似ているかも」とゾッとする瞬間もある、人間の弱さと執着をえぐる一冊。

『あさひは失敗しない』真下みこと

“幸せ”なのに息苦しい、母娘関係のほころびを描く物語

大切に育てられてきたあさひちゃんと、誰が見ても「仲良し」とわかるお母さん。
一人の男性との出会いをきっかけに、ふたりの関係は少しずつずれ始めます。
「お互いを思っているからこそ、しんどい」——家族という近すぎる距離の中で生まれる息苦しさが、痛いほどリアルに伝わってくる作品です。

『かぞえきれない星の、その次の星』重松清

コロナ禍の“いま”を生きる子どもたちに寄りそう、優しい短編集

会えない父、マスク越しの友だち、大声で笑えない学校生活…。
コロナ禍という現実の中で、少し寂しさを抱えながらも、人を思いやる心を失わずにいる子どもたちと家族を描きます。
切なさと同時に、静かな希望が残る物語。小学校高学年から大人まで、家族で読める一冊です。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』桜庭 一樹

現実主義の少女と“人魚”を名乗る転校生が出会う、痛切な青春小説

自衛隊に入って働こうと決めている、超現実主義の中学生・なぎさ。
そこへ「自分は人魚だ」と語る、不思議な転校生の少女が現れます。
真逆のふたりの距離が少しずつ近づいていく一方で、やがて訪れる残酷な出来事。甘さと痛みが同居し、読後しばらく胸が締め付けられるような一冊です。

『花束は毒』織守きょうや

脅迫状から始まる、“予想のさらに先”を行く本格ミステリ

お世話になった家庭教師に届いた、不気味な脅迫状。
相談を受けた青年は、学校時代の先輩が営む探偵事務所の扉を叩きます。
「脅迫状の犯人探し」だと思いきや、物語は何度も読者の予想を裏切り、ラストでは思わず「そっち!?」と声が出てしまうほど。どんでん返し好きに強く刺さる一冊です。

『胃が合うふたり』千早茜、新井見枝香

“胃袋ソウルメイト”が綴る、食と友情と人生のダブルエッセイ

作家・千早茜さんと、名物書店員・新井見枝香さん。
ごはんが大好きな二人が、一緒に食べた食事をそれぞれの視点から綴ったエッセイ集です。
おいしい料理だけでなく、相手へのまなざしや人との距離感、「友達とも恋人とも違う関係性」が立ち上がってくる一冊。読むほどにお腹と心が一緒に満たされます。

『遠慮深いうたた寝』小川洋子

静かな時間と言葉の余韻を味わう、小川洋子のエッセイ集

約10年にわたって書きためられたエッセイを一冊に収録。
日々のささやかな出来事や、本にまつわるあれこれ、「好きなもの」へのまなざしが、柔らかな文体で語られます。
1篇が短く、どこから読んでもふっと心がゆるむ読書時間に。小川作品ファンはもちろん、初めての一冊としてもおすすめです。

『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』降田天

“近所のおまわりさん”が会話で追い詰める、新感覚ミステリ短編集

神倉駅前交番のおまわりさん・狩野雷太は、一見ただの気さくな警官。
しかし何気ない世間話のような会話の中で、相手の心のほころびに入り込み、やがて罪をあぶり出していきます。
犯人側の心理まで丁寧に描かれ、読者も思わず「自分まで自白しそう」と感じてしまう、新鮮なスタイルのミステリ短編集です。

『朝と夕の犯罪』降田 天

兄弟の狂言誘拐と、“会話の名手”刑事が交錯する緊迫の長編

長年別々の道を歩んできた兄弟・朝日と夕日。
ある目的のために、協力者も巻き込んで「狂言誘拐」を実行します。
成功したはずの計画から数年後、その秘密に狩野雷太が迫り始める——。
兄弟に肩入れしながらも、狩野の推理にハラハラさせられる、心理戦とどんでん返しが詰まったシリーズ長編です。

『ほんのこども』町屋良平

小説家と“モデルとなった同級生”が溶け合う、危ういメタフィクション

芥川賞を受賞した小説家である「ぼく」は、元同級生・あべくんから届いたメールをもとに、彼の人生を小説化しようとします。
物語が進むにつれ、作者とモデル、現実とフィクションの境界はどんどん曖昧に。
暴力的な一面をもつあべくんの存在が、読者の頭の中にまで染み出してくるような、不穏で中毒性の高い一冊です。

めちゃくちゃ短い!掌編小説6選

短編より更に短い“掌編小説”。
数分〜15分以内で読める手軽さと、
短さゆえの“キレ”や“余韻”が魅力のジャンルです!

忙しい時・移動中・スキマ時間に読むのに最適!

『短劇』坂木司

ミステリ作家・坂木司による掌編短編集
1話8ページ前後の超短い物語の中で、
日常の謎がするっと解けていく快感が味わえる。
“落ちのある掌編”が好きな人に刺さる作品多数!

『殺人出産』村田沙耶香

村田沙耶香の短編収録作
5ページほどの掌編「余命」では、
“死者が蘇る世界”で自ら余命を選ぶ女性を描いた印象的な設定。
たった数ページで倫理観を揺らしてくる村田沙耶香節が炸裂。

『不純文学』斜線堂有紀

1ページで完結する“先輩と私”の恋と不思議の掌編集
世界線ごとに2人の関係が変化し、
恋愛/パラレル/切なさが1ページに凝縮。
特に「それじゃあまた来世」は心に刺さる名掌編。

大好きな村田沙耶香作品を紹介します

『あかりん先生の「村田沙耶香」解説〜〜〜!』🎉

ホワイトボードを使った新企画!
あかりんが大好きな作家・村田沙耶香さんについて、
受賞歴や作風の特徴、そしてオススメ作品を解説✨

『授乳』

思春期のざらついた“性と違和感”を射抜く中編連作

村田文学の原点ともいえる初期作品集。
表題作「授乳」は、思春期の少女と家庭教師との奇妙な“ゲーム”を軸に、
性と違和感、社会から求められる像への嫌悪を繊細に描く中編。

<ここがポイント>
✔ 思春期のモヤモヤを“言葉”にしてくれる作品
✔ 性と大人の世界への戸惑いがリアルで痛い
✔ 村田沙耶香の「感情の解像度」の高さを体感できる

初期作品らしく“生の鋭さ”が光る一冊。

『コンビニ人間』

“普通”になれない人へ贈る、社会の歯車から見た生きづらさ

第155回芥川賞受賞作。
コンビニで働き続ける女性・恵子を主人公に、
“社会の歯車”として正しく振る舞うことの幸せ/窮屈さを描く物語。

<ここがポイント>
✔“普通になること”の圧力を静かに問い直す
✔ コンビニという場所を徹底して観察した凄み
✔ 可笑しいのに、どこか怖くて苦しい

村田作品を初めて読む人に最もおすすめの一冊!

『地球星人』

この世界を“人間工場”としか見られない少女の、極限の成長譚

子供時代から“この世界は人間工場”と思い込む少女・奈月の物語。
学校、家庭、結婚、出産…あらゆる“社会制度”を異物として描き、
読み手の常識を根底から揺さぶる衝撃作。

<ここがポイント>
✔「当たり前」の仕組みを異星人目線で解体
✔ 読後、世界が違う形に見える
✔ ラストは強烈で語りたくなる

精神的に刺さるので“準備して読みたい一冊”。

『生命式』

生と死と食が溶け合う、“常識”の外側を旅する短編集

短編集。表題作「生命式」では、葬式の代わりに“亡骸を食べる”
という世界の話を描く。
残された人々が故人を“食べて”命を繋ぐという儀式を通し、
生と死、食と交配の概念を奇妙な形で接続する。

<ここがポイント>
✔ 村田的テーマが凝縮した“短編の宝箱”
✔ 一話ごとに常識が揺れる
✔ 手軽に“村田ワールド”に入れる入口

短編集で読みたい人に最適!

『変半身(カワリミ)』

伝承×生贄×思春期、“祭り”が日常を呑み込む村落ホラー

古くから生贄の伝承が残る島を舞台に、中学生の少女たちが“祭り”と向き合う物語。
伝統祭で同級生が“生贄”となるのをきっかけに、
少女たちは島から脱出しようとする——という異様な設定。

<ここがポイント>
✔ 民俗・伝承モチーフで読み味が強烈
✔ “日本の古い層”への皮肉と視点が面白い
✔ 奇妙なのにどこか肯けてしまう危うさ

村田作品の“ヤバさ”を楽しみたい人に最もおすすめ!

『しろいろの街の、その骨の体温の』

真っ白な新興住宅地ににじむ、少女たちのスクールカーストと焦燥

急速に都市開発が進む“新しい町”を舞台に、
女子のスクールカーストや性、家族との軋轢を描く青春小説。

<ここがポイント>
✔ 学校社会の息苦しさがリアル
✔ 建物の“増殖する町”の描写が作品世界と呼応
✔ 村田作品では珍しい“青春の匂い”が強め

受賞も多く、評価の高い隠れ良作。

大の本好きが最近読んだ本6選【2022年2月】

大人気“最近読んだ本”企画!
たくみさん&あかりんのお二人が、それぞれ3冊ずつ最近読んだ本を紹介📚
ジャンルレスに幅広い6冊、要チェックです🔥

『世界の美しさを思い知れ』額賀澪

双子の死の理由を追い、世界を巡る旅小説
俳優として成功した双子の弟の突然の死。
残された兄は弟のスマホに残された「旅行の予定」に導かれて旅に出る。
礼文島→マルタ島→台湾→ロンドン→NY→南米…
“なぜ死んだのか”を追う旅は、次第に“生きる意味”へと変わっていく。
装丁からは想像できないほど繊細で深い一冊。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』波木銅

女子高生×園芸同好会×地元脱出計画!? ドライで洒落た青春小説
田舎に閉塞感を抱く女子高生3人が、地元から抜け出すために“ある植物”を育てて売り捌く計画を立てる…という破天荒な設定。
映画・音楽・カルチャーのエッセンスが詰まった文体は驚くほどセンス抜群。
松本清張賞受賞作にして大学在学中のデビュー。
ラストまでスタイリッシュでクセになる作品。

私のオススメする(?)トラウマ本3選

『こんなの忘れられない…トラウマ本3選!!』

あかりんプレゼンツ、衝撃度の高い“忘れられない本”を厳選紹介!
イヤミスともミステリーとも違う
「読み終わってからが本番」な打撃系ラインナップ…!

読む前に覚悟必須⚠️
最後に紹介される作品は特に危険…!

『神様は勝たせない』白河三兎

▶ “青春”の皮をかぶった、静かに心を折る現実小説

中学校サッカー部を舞台に、県大会へ挑む選手たちの視点で進む青春小説…と思いきや、物語中盤で突然突きつけられる“現実の痛み”に息を呑む一冊。
明るさと希望に包まれた描写から一転、読者の心ごと試される展開へ。
最後には光の残る結末だが、途中で味わう衝撃は忘れられない。

『神様ゲーム』麻耶雄嵩

▶ 子ども向けレーベルに潜む、“神様”の冷たさに震えるミステリ

転入生の鈴木くんは、自らを“神様”と名乗り、猫の殺害事件から殺人事件の真相さえ見通す。
子どもたちの少年探偵ごっこが、次第に“取り返しのつかない現実”と結びついていく物語。
最後の数ページで地面が抜けるような衝撃が走り、読後、しばらく思考が停止する。
“薄さ”と“読みやすさ”に油断してはいけない一冊。

『バビロン』野崎まど(全3巻)

▶ 善悪・倫理・社会を踏み抜く、“絶望の三部作”

東京地検特捜部の正崎善は、謎の美女・曲世愛の存在により、世界の底を覗かされていく。
悪の体現とも言える曲世愛の行動と思想は、極端で、冷酷で、美しく、そして圧倒的に恐ろしい。
1巻ごとに絶望が蓄積し、3巻のラストでは言語化不能の読後感が残る。
“物語の終わり方”とは何かを問う、危険なシリーズ。

恋愛小説3選【閲覧注意】

『胸キュンなんて生ぬるい!!命懸け恋愛小説3選〜〜!』❤️‍🔥❤️‍🔥

「恋愛」×「執着」×「命懸け」 の濃度MAXな恋愛小説をご紹介!

甘いだけの胸キュンでは終わらない、
“美しさ”と“危うさ”が同居する3作品です——。

『遮光』中村文則

喪失と狂気の果てに揺らぐ、歪んだ純愛

恋人を事故で失った青年。
彼はその死を受け入れられず、日常の中で“彼女が生きている”ように振る舞い続ける。
だがその執着は、ある異常な行動へと突き進んでいく…。

亡き恋人への愛と未練の強度が生む狂気。
「ここまで人を想えるのか…?」という痛みと美しさが同居した一冊。

『私の男』桜庭一樹

禁忌の関係に溺れていく、どうしようもない愛

第138回直木賞受賞作。映画化もされた話題作。
物語は主人公・花が結婚前夜に婚約者と父(義父)の3人で食事する場面から始まる。
章を追うごとに時間は遡り、二人の関係の始まりが描かれていく。

描かれるのは“社会的には絶対に許されない関係”。
それでも互いを求め、逃れられない二人の姿は
読む者に強烈な不快感と同時に不可解な美しさも残す。

“誰も幸せにならないと分かっているのに溺れていく愛”。
まさに「命懸け恋愛」の代表格。

『純潔』嶽本野ばら

思想に殉じる少女と、彼女に恋した青年の至高の純化

京都から上京した青年は、大学で“第四世界民主連合”のビラを配る一人の女性と出会う。
彼女は恋愛も友情も遠い場所に置き、ただ自らの思想に純粋に生きている存在。

やがて彼は彼女に惹かれ、近づき、手伝い…
そして二人はある事件へと踏み出してしまう。

愛されたいでも独占したいでもなく、
“彼女のために命を捧げたい”という極致の愛。
文学としての純度が高く、クライマックスは圧倒的。

「ほんタメ文学賞2021年下半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2021年7〜12月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『愛じゃないならこれは何』斜線堂有紀

祝福されない恋ばかりを集めた、“恋愛地獄”へ落ちていく感情の短編集
“この恋は、きっと地獄に続いている”という衝撃的な帯文通り、
しんどさと執着と激情が渦巻く恋愛短編集。
好きだからこそ止まれない/救われない感情が
胸をざらりと削っていく痛切な作品。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』波木銅

ままならない日々を抱えた少女たちが、“万事快調”を目指してもがく青春小説
女子高生たちが“学校の屋上で大麻を育てる”という破天荒な設定。
違和感や痛みを抱えながらも進んでいく“生”のきらめきが印象的な一冊。

『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』宮田珠己

嘘から始まる世界旅行、文句を言いながらも胸が躍る大人の冒険譚
旅をしたことがない父親が出版した偽りの“旅行記”から、物語が始まる。
息子アーサーは、ある日教皇から呼び出され、亡き父の書に記されたプレスター・ジョンの王国を探すよう命じられる。

旅先で出会うのは奇妙でファンタジックな生き物たち…。
ガリバー旅行記的なワクワクと皮肉を兼ね備えた“大人の冒険譚”。

シスターフッドがテーマの小説3選

『まずはこれを読んで!シスターフッド3選〜!!!』👭🏻👭🏻

「シスターフッド」とは
女性同士が連帯し、支え合い、ときに社会と戦う関係性のこと。

今回の3冊を読めば、その空気と熱量が自然と理解できるはず!
男女問わずおすすめです✨

『覚醒するシスターフッド 』 サラ・カリー 他

“今の社会にある、女性の連帯”を多面的に描いたアンソロジー

2020年の文芸誌「文藝」秋季号の特集が大反響を呼び、単行本化された一冊。
多彩な作家による小説・エッセイ・批評が収録されており、
「シスターフッドとは?」が自然に見えてくる構成が魅力。

特におすすめは
柚木麻子「パティオ8」
 集合住宅で子どもの声を注意された母親たちが、
 知恵と連帯で状況を乗り越える物語。
 息苦しい“今”を生きる人なら誰でも刺さる一本。

藤野可織「先輩狩り」
 近未来+女子高生+感染症という設定で、
 “共に戦う少女たち”を描いた異色作。

ジャンルも視点もバラバラだからこそ
シスターフッドの輪郭が立ち上がる一冊。

『あのこは貴族』山内マリコ

“階級 × 女性 × 自由”が重なる、現代女性の解放小説

東京の上流階級で育った箱入り娘・華子。
地方から努力で上京した・美紀。
身分も価値観も違う二人が、同じ男性をきっかけに出会う物語。

三角関係に発展する…と思いきや、そうはならず、
二人は互いの生き方に“憧れ”を抱き、自分を見つめ直し始める。

✔女性が「こう生きるべき」に縛られる苦しさ
✔階級・教育・結婚・キャリアの不均等
✔そしてそこから抜け出す連帯

映画版も大好評で、
「女性同士の関係をここまで丁寧に描いた物語は珍しい」と絶賛多数。

『ババヤガの夜』王谷晶

“暴力×連帯”という意外な形で描く、痛烈なシスターフッド

自分には暴力しかないと思っている女性・新道依子が
護衛対象として出会う“箱入り娘”のお嬢様。
彼女たちの間に生まれるのは
「共に生き抜くための結束」

ストーリーはバイオレンスで進むのに、
読後に残るのは爽快感と確かな希望。

こうした関係が徐々に変化し、
“ラストシーンで涙腺に来る”…と評判の一作。

最近読んだ本10選【2022年3月】

『最近読んだ10冊〜〜〜!!!』🎉

あかりん恒例の“バグり企画”
恋愛地獄から空想旅行までジャンルの振れ幅がすごいラインナップです📚

『愛じゃないならこれは何』斜線堂有紀

▶ “恋のかたちをした地獄”を集めた純度100%の恋愛短編集

「この先はきっと地獄なんだろうな」と思いながらも、止められない恋ばかりを集めた恋愛短編集。
トップバッターは、地下アイドルとして埋もれがちな女の子が、自分の“裏アカ”のファンに恋をしてしまう物語。
ファンが推しを好きになるのではなく、「推す側のアイドル」がファンを好きになってしまったら…?
幸福とは言い難い恋のかたちが、じわじわと胸を締め付ける一冊です。

『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険 』宮田珠己

▶ インドア男子が“父のホラ話”を証明させられる珍妙トラベル小説

家で苔を愛でていたいインドア男子・アーサーが主人公。
“世界を旅した”と豪語する大嘘つきの父が書いた冒険記を読んだ王様に、「じゃあ息子が本のとおり旅してきて」と無茶ぶりされ、しぶしぶ旅に出ることに。
本当にあるのかも分からない土地や、ヘンテコな生き物たちとの出会い。
「家に帰りたがっている旅人」が世界を回る、不条理でユーモラスな冒険譚です。

『博物館の少女 怪異研究事始め』富安陽子

▶ 博物館で起こる明治レトロ怪奇譚

舞台は明治時代。
考古の道具屋の娘だったイカルは、両親を亡くし、上京した先で「博物館」という新しい場所と出会います。
まだ誰もよく知らない博物館で起きた“ある事件”をきっかけに、彼女は館の人々とともに真相を追うことに…。
怪異の香りと、明治の空気、そして博物館という空間のワクワクが詰まった、成長×ミステリの物語。博物館好きにはたまらない一冊です。

『ばにらさま』山本文緒

▶ 日常の“裏側”が静かに反転する、二度読み必至の連作短編集

6つの短編からなる連作集。表題作「ばにらさま」では、うだつの上がらない男性と、真っ白な肌に白いワンピースを纏う“少し謎めいた彼女”の恋が描かれます。
物語の途中に、誰のものか分からない日記が少しずつ挟み込まれていき、その意味が最後に一気に反転。
「人をどう見ていたのか」「何を信じていたのか」が変わる、思わず二度読みしたくなる仕掛けの効いた短編集です。

『透明人間は204号室の夢を見る 』奥田亜希子

▶ 書けなくなった作家と“204号室”が紡ぐ、ささやかで切ないストーカー小説

高校生で新人賞デビューしたものの、その後新作を書けなくなってしまった女性作家。
ある日、本屋で自分のデビュー作を手に取った男性を見かけ、思わず彼の後をつけてしまいます。
その日から不思議とまた小説が書けるようになり、書き上げた原稿を、彼の住む204号室のポストにこっそり投函してしまい…。
創作のしんどさ、他人への執着、そして“見えない誰か”に向けて書くという行為の危うさが、リアルに刺さる物語です。

『改良』遠野遥

▶ “美しくなりたいだけ”の青年が辿る、冷ややかで痛烈な成長小説

芥川賞作家・遠野遥のデビュー作。
主人公は、「もっと美しくなりたい」という理由だけで女性の格好を始める男子大学生。
心は女性というわけでもなく、恋愛対象が男性なわけでもない。ただ自分の“美”のために女性になろうとする彼の、ままならない日常と、思わぬ事故に巻き込まれていく過程が描かれます。
感情を煽らない、どこか一歩引いたドライな文体だからこそ、主人公のしんどさがじわじわ効いてくる一冊です。

『微笑む人 』貫井徳郎

▶ 「本が増えたから」という動機が、善悪の感覚を狂わせる司法ミステリ

エリート銀行員が、妻と娘を殺した容疑で逮捕される。
その動機は「本が増えすぎて家が手狭になったから」。
そんな馬鹿な、と誰もが思いながらも、“そうなってしまう人もいるのかもしれない”という不気味さが物語全体に漂います。
人を殺す理由を「理解したくない自分」と、「理解できてしまうかもしれない自分」のあいだで揺さぶられる、“すっきりしない”ことが快感になるイヤミスです。

『少女を埋める 』桜庭一樹

▶ 自分の“原点”を掘り返し、埋め直す、自伝的フィクション

少し縦長の判型が印象的な、自伝的要素を含んだ一冊。
体調を崩した父のもとへ久しぶりに地元へ戻ることになった娘が、母との距離感や、故郷に対する複雑な感情と向き合っていきます。
著者自身の出来事に、一つフィクションの種を植え付けたような構成で、「古いとされる価値観」や「男性と女性の優位性」についての思考がぎゅっと詰まった作品。
タイトル「少女を埋める」の意味も含めて、読み終えてからじっくり考えたくなる一冊です。

『夢的の人々 』もちぎ

▶ “もう終わりだ”と思った4人に与えられた、何度でもやり直せる1週間

“無敵”ではなく“夢的”。タイトルどおり、どこか夢のように壊れかけた人たちの物語。
売れない女優志望の風俗嬢、恋愛経験ゼロの大学生、子どもができず離婚した女性、妻子あるゲイの男性──人生がうまくいかず、「もう終わりだ」と思っている4人は、同じアパートで暮らしています。
全員が同時に自殺を決意した瞬間、なぜか“1週間前”にタイムスリップし、そこから何度も人生をやり直すことに。
ダメなところも含めて、どうにか前へ進もうともがく姿に、読者も「自分の人生をもう一度やり直してみるか」と背中を押される、分厚いのに一気読み必至の一冊です。

『旅書簡集 ゆきあってしあさって 』 高山 羽根子 他

▶ 実在しない国を“本気で旅する”、三人称の空想旅行書簡

高山羽根子さん・酉島伝法さん・倉田タカシさん、3人の作家による“空想旅行”の往復書簡集。
実在する国ではなく、三人それぞれが頭の中で作り上げた不思議な国を旅し、その土地での出来事を手紙として送り合います。
「こんな国、絶対イヤだ」と思いながらも、どこか行ってみたくなる、作家ごとの世界観にどっぷり浸れる一冊です。

心に響いた小説の一文6選

『小説のお気に入りの一文6選〜!!!』📘

今回はほんタメMC・あかりん&たくみさんの
「小説のお気に入りの一文6選」を紹介しています

心を揺さぶる一文目白押し✨

『夜の光』坂木司

▶ 天文部を舞台にした静かな青春小説

私をジョーと呼ぶ人間が、この世に三人だけいる。
それだけで、私は戦えるのだ。

引用 『夜の光 』坂木司 / 新潮社

天文部の仲間だけが知っている“本当の自分”。
ジョーと呼ばれる主人公は、世間に負けない小さな戦いを抱えながら、
天文部の仲間に支えられて日々を生きる。

人付き合い、理不尽さ、自意識——
そのすべてを優しく抱きしめる一冊

青春の孤独と友情の尊さに、じんわり心が温かくなる作品です。

『じごくゆきっ』桜庭一樹

▶ 無邪気さと“地獄”のコントラストが刺さる短編

クラリとして、かなしくなって、
わたしはたちまち、落ちた。

引用 『じごくゆきっ』桜庭一樹 / 集英社

桜庭一樹らしい毒と可愛さの混ざった作品群。
女子高生と女教師の駆け落ちを描く危うい物語で、
“恋”と“破滅”が隣り合わせの魅力を放つ。

ひらがな表記のニュアンスや感情の起伏が綺麗で、
一文の破壊力が異常に強い作品です

『1000の小説とバックベアード』佐藤友哉

▶ 本と小説家への愛に満ちた“文学逃亡劇”

紀伊國屋書店一階は・・・・・・
半壊した。

引用 『1000の小説とバックベアード』佐藤友哉 / 新潮社

「小説家」と、ある1人のためにお話を書く「片説家」の存在を軸にしたメタフィクション。

小説への愛、読書の快楽、書店の匂いが詰まった作品で、
本好きなら刺さるポイントしかない一冊。

好きなエッセイ本6選

『好きな作家さんのエッセイ6選〜!!!』🖋🌈

MC二人の“作家愛”が爆発した神回!
小説とはまた違う、作家の体温や偏愛がじんわり染みるエッセイたちをご紹介します。

『わるい食べもの』千早茜

“悪い”ものほど美味しくて愛しい、食の偏愛エッセイ

朝起きて一番に「今日何を食べよう」と考えるほど食に貪欲な千早茜さん。
幼少期の食の記憶、夜中に無性に欲しくなるこってり味、他人の“飲んだ後に食べたいもの”の違いなど…
食欲と欲望の関係を、少しビターに、それでいて愛おしく描いた一冊。
小説とはまた違う“人間・千早茜”が垣間見えて、さらに好きになるエッセイです。

『私が食べた本』村田沙耶香

読書家が綴る“本の味わい”エッセイ

読書家にして作家の村田沙耶香さんが、雑誌連載時に書いていた書評や読書体験を書籍化。
読んだ本への独特の視点が面白く、
「え、その本そんな読み方ある?」と新しい扉を開いてくれる一冊。
既に読んだ本は見方を深め、未読本は読みたい欲を刺激する…
本好きには絶対刺さる“読書エッセイ”の宝箱です。

『それいぬ 正しい乙女になるために』嶽本野ばら

野ばら流“乙女論”炸裂の伝説的デビューエッセイ

実は野ばらさんのデビュー作は小説ではなくエッセイ!
関西のフリーペーパー連載から人気に火がつき書籍化された一冊です。
制服の着こなし、雨の日の過ごし方まで――
乙女が“乙女であるため”の哲学がユーモラスかつ毒を含んで綴られます。
90年代のカルチャーの匂いと野ばら節が炸裂する、今なお愛される名エッセイ。

読書好きが最近読んだ本【2022年4月】

『最近読んだ本6選〜〜〜〜〜!』📚📚

大人気恒例企画!
ジャンルも年齢層もバラッバラな「最近読んだ本」を6冊ご紹介!

『残月記』小田雅久仁

▶ “月の災厄”が照らし出す、人間の裏側と欲望の物語

第22回本屋大賞ノミネート作。〈短編2本+中編1本〉で構成された異色作で、SF / 恋愛 / ディストピア / バトルetc…多彩なジャンルが高速で混ざり合う一冊。
月の満ち欠けと人間の身体がリンクする感染症を軸に、人の“裏側”と“生の感情”を描き出す。
「ジャンルに属さないのに面白い」が最大の魅力。読後は確実に月を見上げたくなる作品。

『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール

▶ 甘くて毒舌、ブラックユーモアたっぷりの“お菓子ファンタジー”

映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作児童文学。
貧しい少年チャーリーが偶然手にした“当たり券”から、奇妙で毒気のあるチョコレート工場見学が始まる——。
ダールらしい皮肉や言葉遊びが随所に散りばめられ、子どもも大人も楽しめる名作。
軽く読めるのに、しっかり「人間」を描いてくる奥行きが魅力。

『楽園ジューシー』坂木司

▶ 沖縄の光と影が、ひとりの青年の「ルーツ」を優しく照らし直す青春小説

「残念なハーフ」と呼ばれてきた大学生が、沖縄でのリゾートバイトをきっかけに、自分のルーツ・他者との距離・社会の多面性を知っていく。
坂木司らしい“優しいリアル”が光る作品で、読後は爽やかな風が吹く一冊。
モヤつきやギザつきを抱えた若者に刺さる、静かな成長物語。

思わず読みたくなるタイトル6選

『好きなタイトル6選〜〜〜!』✏️💭

漢字、カタカナ、単語、文章…
本のタイトルは作家のセンスが凝縮された“入り口”。
今回は、たくみ&あかりんがビビッときた タイトルの良さだけで選んだ6作品 をご紹介!

タイトル買い派の人はきっと共感できるはず…!

『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生

▶ 声にならない心を“聞いてくれる存在”がいる、やさしい小さな青春小説

気持ちの出口を見つけられない人たちが、ぬいぐるみに言葉を投げかける物語。
“聞いてもらえる”ことがどれだけ救いになるかが、静かに伝わってくる。
読後にほんの少し呼吸がしやすくなる、やわらかな作品。

『本にだって雄と雌があります』小田雅久仁

▶ 本棚に息づく“本の生態系”を覗く、奇想×ユーモア×文学の異色作

本棚の中に“雄”と“雌”が存在し、本が本を産むという設定で展開する物語。
装丁や所有者の“癖”すらドラマになる、本好きにはたまらない視点が満載。
読み終える頃には、自分の本棚を見る目が変わる。

『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎

▶ “好き”という衝動をそのまま言葉にした、ピュア・ラブストーリー

直球すぎるタイトルの通り、感情を一切フィルターにかけず突き抜けた恋愛小説。
タイトルの勢いに内容が負けない、唯一無二の熱量。

思わず涙が出る本を紹介します

『涙腺崩壊本3選〜〜〜!!!』😢

以前チャレンジした “たくみを泣かせる企画”を経て、
あかりんが選ぶ“泣ける本3冊”をご紹介!

作品ジャンルはバラバラ。
でも、それぞれ“涙ポイント”がきっちり存在します。

読後は心がじんわり温かくなるラインナップです🥲

『少年と犬』馳星周

▶ “言葉を持たない優しさ”が人生を変えていく、静かな連作ストーリー

震災後の仙台から始まる1匹の犬の旅路を軸に、人々との出会いと別れを描く連作短編集。
犬に出会った人々は、失いかけていたものを取り戻したり、救われたり、気づかされたりする。
“守り神”のような存在として描かれる犬の視点はなく、だからこそ読者が行間を補いながら泣いてしまう一冊。
動物を飼った経験がある人ほど、心にズシンと響く物語。

『魔女たちは眠りを守る』村山早紀

▶ 長命の魔女が見つめる“人の短い人生”に、そっと涙が落ちるファンタジー

古い港町にひっそり住む魔女たちと“魔女に会いたい”と願う人々の出会いを描く連作短編集。
魔女は人間より長く生きる存在ゆえ、人の人生は短く儚く、それでも愛おしい。
悲しみではなく“温かい涙”が流れるタイプで、人生の大切なものを静かに思い出させてくれる物語。
読後は日常が少し優しく見える一冊。

『かがみの孤城』辻村深月

▶ “居場所”をめぐる1年間の冒険が、読者の心を確実に撃ち抜く青春ミステリー

学校に行けなくなった中学生たちが、鏡を抜けた先の城で出会い、過ごす1年を描く物語。
“願いを叶える鍵探し”というファンタジー要素の裏側には、孤立、いじめ、家庭の問題など現実的な痛みが潜んでいる。
彼らの間に生まれる信頼関係が読者の涙腺を破壊し、後半で明かされる真相と繋がりがさらに追い打ちをかける。
本屋大賞受賞も納得の、“読むと人に勧めたくなる系”名作。

最近読んだ本5選【2022年5月】

『最近読んだ本5選〜〜〜!!』🎉🎉🎉

あかりんの大人気企画「最近読んだ本」
ジャンルも温度感もバラバラな5冊をご紹介!

小説・文芸誌・短歌・短編集まで、
“今のあかりん”が気になった本がぎゅっと詰まったラインナップです

『その午後、巨匠たちは、』藤原無雨

▶ 注釈が物語を侵食する——“読む迷宮”に迷い込む、映像化不可能小説

町に現れた“年を取らない女”と、
美術史に名を残す巨匠たちを祀る神社――
現実と幻想の境目が溶け合う、不思議な物語。

最大の特徴は、
注釈がそのまま物語になっていくという構造。
本文なのか注釈なのかわからないまま、
気づけば物語の深部へ連れていかれます。

映像化不可能。
「本でしか味わえない体験」が詰まった一冊。

『なんとなく、クリスタル』田中康夫

▶ 400超の注釈が時代を立ち上げる——80年代を“読む”のではなく“浴びる”青春小説

1980年代を生きる女子大生の日常を描いた作品。
物語そのもの以上に印象的なのが、
400以上ある注釈の存在。

音楽・ブランド・固有名詞への私的コメントが
びっしりと添えられ、
時代の空気と価値観が立体的に浮かび上がります。

「注釈で遊ぶ」という発想の先駆け的作品で、
今読んでも新鮮さが色褪せない名作。

『かなしき玩具譚』野口あや子

▶ たった31音で心がほどける——疲れた日に効く、“刺さる一首”の処方箋

日常の一瞬や感情を切り取る短歌集。
短い言葉の中に、
驚くほど鋭く、やさしい感情が詰め込まれています。

疲れているとき、
物語を追う気力がないときにも
ふっと心に入り込んでくる言葉たち。

「今の自分に刺さる一首」が
きっと見つかる一冊です。

『春のこわいもの』川上未映子

▶ 世界が揺らぐ直前、人は“自分の小さな痛み”から逃げられない——静かな絶望の短編集

感染症が広まり始めた頃の日本を背景にした短編集。
世界が不安定になる中で、
それでも人は自分自身の小さな感情に縛られて生きている。

大きな絶望ではないけれど、
どこか諦めに近い空気感が、
川上未映子さんならではの美しい文章で描かれます。

静かで、寂しくて、
それでも目を離せない余韻の残る一冊。

小説愛に溢れる小説3選

『小説愛3選〜〜!』🥰🥰🥰

小説が好きで、好きで、好きすぎる——
小説そのものを愛する人のための小説3選をご紹介✨

「小説を書くこと」「小説を読むこと」「小説に人生を揺さぶられること」。
それぞれ違う角度から“物語”の尊さを描いた作品たちです。

読めばきっと、
本がもっと好きになる。小説がもっと愛おしくなる。
そんな3冊をお届けします🥺💞

『青少年のための小説入門』久保寺健彦

▶ 小説が“人生をつなぐ場所”になる、青春×読書×創作小説

いじめられっ子の中学生・一真と、
文字を読むことが苦手なヤンキー青年・登(のぼる)。
立場も性格も違う二人が、「小説」を通して物語を作り始める青春小説

作中には夏目漱石『坊っちゃん』をはじめ、
実在する名作・作家が次々登場。
「ここが面白い」「この表現が好き」という読書の楽しさを、
登場人物と一緒に体験できる構成が魅力です。

小説を読むことも、語ることも、作ることも——
全部が尊いと教えてくれる一冊。

『小説の神様』相沢沙呼

▶ 書くことに傷ついた人へ贈る、痛くて優しい“創作の物語”

中学時代に新人賞デビューするも酷評を受け、
「小説が書けなくなった少年」が主人公。
高校生になった彼は、同級生の天才美少女作家と
“合作”という形で再び小説と向き合うことになります。

売れる小説とは?
書きたい小説とは?
評価と情熱の間で揺れる、作家の苦悩がリアルすぎるほどリアル

読者である私たちにも、
「この一冊の裏に、どれだけの想いがあるのか」を
強く意識させてくれる作品です。

『1000の小説とバックベアード 』佐藤友哉

▶ 小説は“書けなくても”、人生を変える——異色の小説賛歌

主人公は、ある理由から文字が書けなくなった元片説家(集団で特定の個人に物語を紡ぐ職業)
そんな彼のもとに舞い込む
「小説を書いてほしい」「失踪した妹を探してほしい」という謎の依頼。

エンタメ性の高い展開の中で描かれるのは、
「小説とは何か」「言葉はなぜ残るのか」という根源的な問い。

自分は小説家になれなくても、
物語は人生を支え、心を動かし、未来へ残っていく。
“小説を読む側”の視点から描かれる、小説愛の到達点とも言える一冊です。

読書好きの2人が色々なジャンルの本を紹介します!【2022年6月】

『最近読んだ本ジャンルレス【6選】〜〜!!!』

ミステリ・実用書・マンガ・海外小説・不思議文学まで、
ジャンルを越えて今まさに読んでほしい6冊をご紹介!

「次に何を読もう?」と迷っている方、
思いがけない一冊との出会いがあるかもしれません

『チェレンコフの眠り』一條次郎

アザラシが主人公の、不条理ディストピア童話

主人公は、人間ではなくアザラシ
マフィアのボスに飼われていた彼は、
飼い主の死をきっかけに荒廃した世界へ放り出される。

汚染された海、崩壊しかけた社会。
SFとも寓話とも言えない、不思議な読書体験。

物語を“理解する”というより、
読んでいるうちに何かを感じ取っていくタイプの作品
静かに、でも強烈に心に残ります。

『アーモンド』ソン・ウォンピョン、矢島暁子

感情がわからない少年が、世界と出会う物語

扁桃体が小さく、怒りや恐怖を感じにくい少年が主人公。
淡々とした一人称で語られる物語は、
読む側の感情を強く揺さぶります。

大切な家族を失っても動かない感情。
しかし、他者との出会いによって、
少しずつ彼の中に変化が芽生えていく。

翻訳小説ながら圧倒的に読みやすく、
静かに泣ける、成長と希望の物語です。

読書狂が最近読んだ本【2022年7月】

『最近読んだ10冊〜〜〜!!』🎉🎉

空港が舞台のやさしい短編集から、
“わかり合えなさ”を抱えた友情小説、
常識の外へ誘う不思議な物語、
がっつり読み応えのある文芸長編、
心とお腹が満たされるエッセイまで——。

ジャンルも空気感もバラバラなのに、
「今、読みたい」がぎゅっと詰まったラインナップになりました🥰

『風の港』村山早紀

▶ 空港の“ワクワク”と人の縁が詰まった、やさしい短編集

空港という特別な場所で生まれる、出会い・別れ・再会の気配。
飛行機に乗らなくても、旅の前みたいに心が浮き立つ感覚がページから立ち上がる。
あたたかい余韻で満たされたい人におすすめの一冊。

『ミーツ・ザ・ワールド』金原ひとみ

▶ “わかり合えない”の先で、それでも誰かを想う強さを描く物語

BL好きの女の子が、しんどさの底で出会ったキャバ嬢の女の子。
まったく違う世界に触れながら、自分の輪郭が少しずつ変わっていく。
他者は100%理解できなくても、思いやることはできる——関係性の美しさが刺さる作品。

『引力の欠落』上田岳弘

▶ 「ねえ、人間やめませんか」常識の外側へ引きずり込む、奇妙で刺激的な小説

人生が順調すぎる主人公が、謎の男に導かれ“はみ出した人たち”の世界へ。
怪しげな肩書き、逸脱者たちの集まり…なのに目が離せない。
読む人によって「ファンタジー」にも「現代の寓話」にも見える、感想が割れそうな一冊。

『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』川本直

▶ 架空の作家の人生を“資料の束”で追う、分厚いのに中毒性のある文芸巨編

アメリカ文学史の大作家ジュリアン・バトラー——しかし、その作品は誰が書いたのか?
インタビュー、作品内容、周辺証言など“断片”が積み上がり、真実が立ち上がってくる構成が圧巻。
「存在しない本を読みたくなる」読後の悔しさまで含めて面白い、休日にどっぷり浸かりたい作品。

『私と街たち(ほぼ自伝)』吉本ばなな

▶ “街の記憶”から人生がにじむ、読む散歩みたいなエッセイ

下北沢や目白など、著者にとって思い入れの深い街の話が連なる。
自分の知っている場所が出てくると、勝手に距離が縮まって嬉しくなるタイプの読書体験。
街と人の思い出を重ねながら、静かに整っていく一冊。

『わたしを空腹にしないほうがいい 』くどうれいん

▶ ごはんの話なのに、人生の手触りまで伝わる“食”エッセイ

「食べることが好き」な著者が綴る、日々のごはんと感情の記録。
料理や味の描写だけじゃなく、食へのまなざしそのものが心地いい。
ごはんエッセイ好きなら確実に刺さる、“空腹注意”の一冊。

『団地のふたり』藤野千夜

▶ 恋愛でも仕事でもない幸福を描く、幼なじみの“ほっこり”小説

50歳、独身、幼なじみ。肩の力が抜けた日常がじんわり続く。
阿佐ヶ谷姉妹みたいな空気感で、見ているだけで落ち着くタイプの物語。
「こういう暮らし、ありかも」と思わせてくれる、やさしい読後感。

『ないもの、あります』クラフト・エヴィング商會

▶ 日本語の“言い回し”を売ります——言葉遊びが極上におしゃれな一冊

「堪忍袋の緒」「舌鼓」など、慣用句や言葉を“商品”みたいに扱う発想が痛快。
意味だけじゃなく、言葉の面白さ・粋・想像力がくすぐられる。
ページを開くたびにクスッとできる、センスの塊みたいな本。

『少女禁区』伴名練:著、シライシユウコ:イラスト

▶ 美しくて怖い、“呪い”で結ばれる少女たちの耽美ホラー

「びっくり」よりも、じわじわ染みる不穏さと美しさが勝つタイプ。
呪いの力を持つ美少女に“おもちゃ”として扱われる15歳の「私」。
内容は語りづらいけど、刺さる人には確実に刺さる。ホラー好き・SF好きにもおすすめ。

『女生徒』太宰治:著、イラスト:今井キラ

▶ 太宰治を“いまの感性”で再読できる、乙女の本棚シリーズの名復刻

一人の少女の一日を、細部まで追いかけるだけなのに、心がざわつく。
家族、学校、成長、女の子としての居心地の悪さ——全部が生々しい。
挿絵たっぷりで読みやすく、古典がぐっと近くなる一冊。

今の我々を作った作品たちを紹介します

『小中高 favorite 本』🏫🎒

ほんタメMCのたくみとあかりんが、
小学校・中学校・高校時代に夢中で読んでいた「原点の一冊」を振り返ります。

「この本に出会ったから、今の自分がある」
そんな読書体験が詰まった、まさに神回🔥

子どもの頃に読んだ本は、
知らないうちに価値観や好みを形作っているもの。
2人のルーツを辿ることで、
“なぜ今そのジャンルが好きなのか”まで見えてきます。

『ひきこもり探偵シリーズ1 青空の卵』坂木司

“事件”よりも“心の動き”に惹かれた、原点のミステリ

語り部の青年と、天才的頭脳を持つ引きこもりの親友。
日常の中で起こる小さな謎を解きながら、
少しずつ人との距離や心の成長が描かれていきます。

「謎を解くこと」だけでなく、
登場人物の感情や関係性に心を動かされる
——あかりんの読書傾向を決定づけた一冊。

はやみねかおる先生が帯コメントを寄せている点も、
読書の縁を感じさせるポイントです。

『ハピネス』嶽本野ばら

“好き”と“死”が隣り合わせにある、極限の恋愛小説

主人公は高校生の少年。付き合い始めた彼女に急に
「あと1週間で死ぬ」と告げられてから1週間余りのお話し——。

甘さだけでは終わらない、
痛みと切実さに満ちたラブストーリーは、
多感な時期の読者に強烈な痕跡を残します。

この作品を通じて、
「恋愛と地獄は近ければ近いほどいい」
という価値観に触れたというあかりん。

のちの“命懸け恋愛小説好き”へと繋がる、大切な一冊です。

始まりよければ終わりまでよし!小説書き出し3選

『好きな小説の書き出し【6選】Part2〜!!』🎉

物語の“最初の一行”だけで、
読者を一瞬で引きずり込む――
そんな引き最強の書き出しを、
あかりん&たくみさんがそれぞれ3作ずつ紹介しています🔥

『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎

愛は祈りだ。

引用 『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎 / 講談社

愛の尊さが一行目から全力で叩きつけられる衝撃作。
タイトルのインパクトを裏切らない、
「一言で世界観を確定させる」書き出しは圧巻。

『自由なサメと人間たちの夢』より『ラスト・デイ』 渡辺優

さて、私は死にたい。本当に死にたい。
心の底から死にたい。

引用 『自由なサメと人間たちの夢』より『ラスト・デイ』 渡辺優 / 集英社

この違和感だらけの一文から始まる短編。
重いテーマを扱いながらも、
読後には不思議な希望が残る構成が印象的。
短編だからこそ光る、完成度の高い書き出しです。

『無情の世界』より『トライアングルズ』 阿部和重

今度ばかりはさすがにお終いまで読み通してほしいと強く願っています。
本当にもう、これが最後になるかもしれないので、
是非とも終わりまで読み通していただきたいのです!

引用 『無情の世界』より『トライアングルズ』 阿部和重 / 新潮社

「最後まで読んでほしい」と語りかけてくる異色の冒頭。
読者に“お願い”するような書き出しが、
物語の正体を最後まで引っ張ります。
読みづらさすら武器にする、実験的で刺激的な一編。

「ほんタメ文学賞2022年上半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2022年1〜6月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

『まっとうな人生』絲山秋子

“まっとうに生きる”とは何かを静かに問いかける物語。

過去に大きな挫折を抱えた女性が、日常を重ねながら人生を立て直していく姿を描く。
派手さはないけれど、自分の人生をそっと顧みたくなる一冊。

『パパイヤ・ママイヤ』乗代雄介

父親が嫌いな少女と、母親が嫌いな少女が出会う“ガール・ミーツ・ガール”小説。

眩しさと痛みが同居する青春の一瞬を、瑞々しい筆致で描く。
読後、世界が少し明るく見えるような感覚が残ります。

あかりん部門 大賞🏆『旅書簡集 ゆきあってしあさって 』 高山羽根子, 酉島伝法, 倉田タカシ

架空の旅を“手紙”で綴る、ジャンル横断型の一冊。

三者三様の文体と想像力が交差し、
「小説とは何か」「物語の形とは何か」を考えさせられる読書体験に。
ほんタメ文学賞らしい“自由さ”を象徴する作品。

読書オタクが最近読んだ本を紹介します【2022年8月】

『最近読んだ本【6選】〜〜!!!』

小説・漫画・雑誌・科学書まで、とにかくジャンルレス
「面白い」だけでなく、「なるほど…!」が止まらない。

創作欲を刺激する本から、価値観を揺さぶる一冊、
知っているだけで世界の見え方が変わる本まで──
今回もバラエティ豊かな6冊📖✨

『ヒカリ文集』松浦理英子

▶“優しさ”で人を縛る、女性版ファム・ファタール。

ファム・ファタール:どんな人も好きになってしまう”魅惑の女性”

学生演劇に関わった人々が、
一人の女性について語る“文集形式”の小説。

妖艶さではなく、徹底した寄り添いと優しさ
人を惹きつけてしまう存在が、
読むほどに不穏さを増していきます。

恋・記憶・依存が静かに絡み合う、後味の残る一冊。

この夏に読んでほしいホラー小説3選【ゾクゾクするやつ】

夏だ!暑いぞ!ホラー小説だ!!

今回は“はじめてでも読める”ホラー小説を3冊ご紹介👻

・じわじわ怖い
・不思議で切ない
・ガッツリ怖い
…など、種類はさまざま。

「ホラーはちょっと苦手かも…」という方にも、
味見感覚で楽しめるラインナップをセレクト🎁

『夜市』恒川光太郎

“願いは叶う。ただし、失う覚悟があるなら。”

人ならざるものが集う不思議な市〈夜市〉を舞台に描かれる、
後悔と贖罪の物語。

どんな願いも叶えられる代わりに、
取り返しのつかない“代償”が支払われる。
ホラーでありながら、幻想的でノスタルジックな読後感が残る一冊。
怖さがじわじわ染み込み、ラストは静かに胸を打つ。

『よもつひらさか』今邑彩

日常と冥界の境目で、静かに“それ”は起きている。

現実のすぐ隣にある異界を描いた、ゾッとする短編集。

何気ない会話、何気ない風景の中に潜む違和感が、
最後の一文で恐怖へと反転する。
派手な怪異ではなく、
「気づいた瞬間に背筋が冷える」タイプの知的ホラー。
ミステリ好きにも刺さる構成が魅力。

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智

幸せな日常は、“それ”が来る前触れだった。

新婚家庭を襲う正体不明の存在〈ぼぎわん〉。
原因不明の不幸と怪異が、少しずつ日常を侵食していく。

怪異の恐怖だけでなく、
人間関係や価値観の歪みまで暴き出す構成が圧巻。
ホラーの怖さと、人間の怖さが同時に襲ってくる、
ガチで震える一冊。

活字中毒が最近読んだ本10選【2022年9月】

『あかりんの最近読んだ10冊〜〜〜!!』🎉🎉 ヤッホーイ!!/

毎度おなじみの大好評企画!
今回のテーマは、ぶっ飛びぶっちぎりの読書量×最強あかりんセレクト
しかも全部単行本という気合いっぷり…!

そして今回は、いつもの「順番に紹介」ではなく、たくみさんが気になった本から選んで語っていく方式に。どの順番でも語れるあかりん、さすがです👏🔥
気になった1冊から、ぜひ手に取ってみてください!

『爆発物処理班の遭遇したスピン』佐藤究

▶ 爆弾処理×量子力学——理系ミステリが暴走する、知的スリル短編集

爆弾処理の緊迫感に、まさかの“量子力学”が絡む短編集。
小学校に仕掛けられた爆弾、続く第二の事件――その鍵となるのが「スピン」という概念。理系知識がなくても物語として引き込まれ、知っていたらさらに楽しいタイプの一冊。

『信仰』村田沙耶香

▶ 「それ、間違ってる」と言える自信はある?正義が反転する倫理ホラー

「なぁ、俺と、新しくカルト始めない?」――この一行から全部が始まる。
同級生に“カルト”へ誘われた女性が、どこかズレた正義と倫理の中へ踏み込んでいく短編(+エッセイ収録)。
読者の中の「正しい/間違ってる」が揺さぶられ、自分の倫理観まで試される村田沙耶香らしさ全開の作品。

『無垢なる花たちのためのユートピア』川野芽生

▶ 美しい楽園ほど、残酷だ——“知らなければ幸せだった”物語

“美しい少年たち”が、楽園(ユートピア)を目指して航海する世界。
清らかに暮らしていれば辿り着けると信じる彼らの船で、ある少年が海へ落ちる――事故か、それとも…?
美しさの裏に潜む残酷さがじわじわ迫り、知らなきゃよかったものを知ってしまうゾクッとする読後感がたまらない。

『さんず』降田天

▶ 「死を支援します」——その選択は、誰のためのものなのか

自殺を考える人の元に、いつのまにか現れる“カード”。
QRコードの先に繋がるのは、「あなたの自死をお支えします」とうたう会社――という、強烈な設定の連作短編。
生きづらさや社会の闇をえぐりつつ、“究極の選択”を突きつけてくる、重くて刺さる作品。

『予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる』黒木渚

▶ 好きな人に近づくため、人生ごと突っ込んだ——眩しすぎる青春小説

恋のために、嘘も努力も全部盛りで軽音部へ突撃!
片想いの男子に近づくため、未経験なのに「好きなジャンルはパンク」「好きなバンドはニルヴァーナとか」と語る主人公。
最初は“恋の作戦”だったのに、いつのまにか音楽そのものに飲み込まれていく青春がまぶしい…!

『あくてえ』山下紘加

▶ 悪態だらけの日常に、確かにある“家族の重さ”

“悪態(あくてえ)”をつきながら暮らす、3人家族の物語。
小説家志望の主人公、やさしい母、そして90歳の憎たらしい祖母。
介護・家族・生活の重さがじわじわのしかかり、ハートフルとは違うのに、どこかに確かに愛がある。ままならない日々のリアルが胸に残る一冊。

『スパイコードW』福田和代

▶ 情報こそが武器——リアル志向で描く本格スパイエンタメ

伝説のスパイチームが世界の平和を守る、騙し合い×情報戦スパイ小説!
派手すぎるファンタジーではなく、国家間の駆け引きや“情報の流し方”がリアルに描かれていて、読み味は骨太。でもちゃんとエンタメとして爽快。
「重すぎない、軽すぎない」絶妙バランスがクセになる。

『きみだからさびしい』大前粟生

▶ 「好き」の形が違っても、心は確かにここにある

主人公が恋をした相手は「ポリアモリー(複数恋愛)」だと言う。
その関係性の中でも「それでも好きだから、一緒にいたい」と願う優しさが、静かに胸を締めつける。
恋愛がよくわからない人にも刺さる、“恋愛感情ってなんだろう”をそっと考えさせる一冊。

『夜に星を放つ』窪美澄

▶ 出会いは奇跡、別れは必然——人生の一瞬をすくい取る短編集

第167回 直木賞受賞作。出会いと別れを描いた短編集。
人と人が出会うことの奇跡、その後に残るもの、人生の局面でのすれ違い――変わり続ける現実を丁寧にすくい取る文章が美しい。
静かなのに、確実に心の奥へ届くタイプの一冊。

『くるまの娘』宇佐見りん

▶ 家族という名の密室で、17歳はどう生きるか

17歳のかんこちゃんが、崩れかけた家庭の中で息をしていく物語。
情緒不安定でアルコールに溺れる母、モラハラ気味の父、家から離れてしまった兄弟――。
祖母の訃報をきっかけに、家族で“車中泊”をしながら実家へ向かう旅に出るが、そこで露わになるのは、家族という小さな共同体のしんどさ。
淡々とした筆致が逆に痛いほどリアルで、最後まで目が離せない。

読書家が選ぶ最新オススメ本6選【2022年10月】

『ジャンルレス!!最近読んだほ〜〜〜ん!』🎉🎉🎉

文芸誌・幻想文学・児童文学・エッセイ・科学・ミステリまで、
ジャンルを越えて“今、面白い本”をリアルタイムで紹介!

今回もMC2人の読書カラーがはっきり出た、
振り幅大きめのラインナップになっています。
気になった一冊、ぜひチェックしてみてください📖✨

『星兎』寮美千子

▶ 少年とうさぎが紡ぐ、静かで幻想的な物語

バイオリンをやめてしまった少年と、不思議なうさぎとの交流を描いた作品。
大きな事件が起こるわけではないのに、
ページをめくるたびに、あたたかさと切なさが静かに胸に広がっていきます。
児童文学出身の作者ならではの、
おとぎ話のような優しさと、詩的な文章の美しさが融合した一冊。
短く読みやすく、何度も読み返したくなる物語です。

『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』末原拓馬

▶ 大人にこそ刺さる、優しくて不思議な“やり直し”の物語

人生に疲れ切った老人の前に現れる、クラゲの少年。
そこから始まるのは、夢のようで少し残酷な裁判と、
「小学生の頃にやり残した宿題」をめぐる不思議な冒険。
子ども向けの装いながら、
過去に戻りたい気持ちや、やり直したかった記憶が強く響く内容。
寝る前に読みたくなる、静かな余韻を残す一冊です。

最高なコンビが出てくる小説6選

『最強コンビ6選〜〜〜!!』

読書系YouTuber界最強のバディ🔥
あかりん&たくみが、小説作品に登場する
“最強バディ(相棒)”6組を厳選してご紹介!

凸凹コンビ、女性バディ、天才同士、友情バディまで──
ジャンルも関係性もバラバラなのに、どれも“相棒力”が強すぎる…!
ハードカバーさんも、きっと推しバディが見つかるはず💐

『都会のトム&ソーヤ』はやみねかおる

平凡×天才、最強の“少年バディ”冒険譚

一見どこにでもいる中学生・内藤内人と、
頭脳明晰な御曹司・竜王創也。
正反対に見える二人が手を組み、街を舞台に知恵と行動力で困難を突破していく。
“自分は平凡”と思っている内人の隠れたサバイバル能力が光るのも最高。
初めての「相棒もの」に胸が躍った原体験として語られる名シリーズ。

『ババヤガの夜』王谷晶

ぶつかり合いから始まる、女性バディの逃亡劇

極道の家に生まれた“お嬢さん”と、
暴力だけを糧に生きてきた護衛・新道。
最悪の出会いから始まり、やがて二人は“共に逃げる”関係へ。
信頼が言葉ではなく行動で積み上がっていく過程が、
とにかく熱く、美しく、切実。
「バディものは、逃げてこそ」を体現した一作。

『キャプテンサンダーボルト』阿部和重・伊坂幸太郎

おじさん二人が、世界を救う!?友情×エンタメ小説

少年時代の野球部仲間が、大人になって再会。
金のために引き受けた仕事が、やがて“世界の危機”へと発展していく。
最大のポイントは、作者自身が“バディ”で書いたバディ小説という点。
軽快な会話とスケールの大きい展開で、
大人の友情バディのかっこよさを全力で描く。

大人気企画!最近読んだ本を80人の前で紹介してみた

「公開収録!最近読んだ本【ジャンルレス】!!!」🎉🎉🎉

舞台は公開収録!本好きが集まる会場で、あかりん&たくみさんが
“最近読んだ本”を持ち寄って紹介しました📚✨

しかも今回は、紹介された本を同じ日に買ってきた人に“ちょっとしたプレゼント”も…!
会場ならではの熱量と、読書トークのライブ感が楽しい回です。

『音楽が鳴りやんだら』高橋弘希

音楽に人生を変えられた男が、何を捨てて何を選ぶのか

音楽と出会い、バンドを組み、夢を追う。
その道が現実になればなるほど、選択は残酷になる──メジャーデビューの条件として“メンバーを変えろ”と言われた時、主人公は何を守るのか。
美しい文体と、才能に触れた人間の変化・葛藤が濃密で、読んでいて苦しいのに目が離せない作品です。

『ペーパー・リリイ』佐原ひかり

“騙した側”と“騙された側”が出会い、逃げて、近づいていく

17歳の少女と、結婚詐欺師に騙された女性。
最悪なはずの関係性が、旅の途中で少しずつ形を変えていくロードノベル。
年齢も立場も違う二人が、出会い直して、関係を作り直していく過程が丁寧で、読後は不思議な爽快感が残ります。
“女性同士の関係性”を、繊細さと明るさのバランスで描いた一冊。

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

読めば読むほど、世界の見え方が揺らぐ。語り直したくなるミステリ

あかりんが「ようやく腑に落ちた」と語るほど、“読後も考え続けてしまう”タイプの作品。
ラストは受け取り方によって意味が変わり、時間が経つほど「もしかして…」が増えていく。
定番として何度も名前が挙がるのも納得の、強烈な読書体験系ミステリです。

『レペゼン母』宇野碧

母と息子がラップバトル!?“あったかい”より“バイブス爆上げ”小説

「最近あったかい気持ちになれる小説ある?」という質問から飛び出したおすすめ。
お母さんが息子とラップバトルする、設定からして強いのに、読み終えると気持ちが前を向く。
しんどい現実をぶち抜く“言葉の力”があり、会場でも「今こそ読んでほしい」と推されていました。

閲覧注意本3選【奇書候補】

「閲覧注意本【3選】〜〜…!!!」😈😈😈

さあさあ、覚悟してご覧ください。
今回のテーマは、“内容がヤバい”だけじゃなく、ページを開いた瞬間から脳がバグるタイプの閲覧注意本。

あかりんワールド炸裂💥
「なんだこれ!?」が止まらない3冊を、危険度別(?)にご紹介です。
※読むなら自己責任で…!🙇‍♀️

『文字渦』円城塔

ルビが“話しかけてくる”。読書の常識が崩れる実験短編集

全12編入りの短編集。どれを選んでもだいたい「やばい」んですが、動画で紹介されているのが短編「誤字」。
なんと、漢字や文字たちが戦争をするという時点で情報量が多いのに、途中からさらに加速。

この作品の恐怖(?)は、ルビが本文と別人格みたいに喋り出して、読者に絡んでくるところ。
本文を追っているのに、横でルビがずっと騒いでくるので、ページが“うるさい”。
“文字を読む”というより、文字そのものに殴られる読書体験です。

『僕は美しいひとを食べた』チェンティグローリア公爵:著、大野露井:訳

美しい語り口で“倫理”を溶かす。愛と食の危険な独白

「僕は美しい女性を、愛しすぎて食べた」——
とんでもない告白を、食べられた女性の夫に向けて延々と語り続ける一人語りの物語。

ヤバいのは“行為”だけじゃなく、語りが妙に美しくて説得力があるところ。
さらに話は、カニバリズム(人を食べること)の歴史や宗教的背景へも広がり、
読んでいる側がいつの間にか「理解してしまいそう」になる瞬間がある。

グロテスクな描写もありつつ、読後に残るのは胸糞というより、
自分の中のスイッチが勝手に切り替わったような不穏さ
まさに“閲覧注意”の中でも、精神に効くタイプです。

『ゴーレム100』アルフレッド・ベスター:著、渡辺佐智江:訳

小説が突然“楽譜”になり、“絵本”になる。文字の暴走SF

舞台は22世紀の巨大都市。
ある出来事から“ゴーレム”のような危険な存在が呼び出され、被害が拡大。
あらすじだけ聞くと王道SFっぽいのに、この本の本質はそこじゃない。

最大の閲覧注意ポイントは、タイポグラフィ(文字表現)の暴走
縦書きの小説を読んでいたはずが、ページをめくると突然、横書きの“楽譜”が出てくる
さらに精神世界の描写に入ると、今度はイラスト+短い文で構成された“絵本パート”に突入。
読書というより、脳に直接データを流し込まれるような感覚になります。

「翻訳不可能」と言われたほど言葉遊びが強い作品を日本語で成立させている、という意味でも異常。
“文字を追う”のが好きな人ほど、試してほしい危険物です。

最近読んだ本の話をします!【10冊】【2022年11月】

「最近読んだ本10冊〜〜!!!」

今回もドドドンと10冊!
あかりんが最近読んだ本を、たくみさんが選び抜くスタイルで紹介していきます📚✨

1冊目からタイトルで心を鷲掴み、
ホラー・耽美・特殊設定ミステリ・近未来SF・優しさで浄化系・短歌入門・ラップバトル小説…と、ジャンルの振れ幅がすごい回です。

『まず牛を球とします。』柞刈湯葉

「牛を球体と仮定する」物理ネタが現実になる、近未来SF短編集

タイトルからして強すぎる一冊。
“牛肉を食べること”がナンセンス扱いになった未来で、食用の「球体の牛」を作る工場で働く男の話など、ちょい先の未来が妙にリアル
SF初心者でも入りやすい「生活の延長線」タイプで、読みながら発想にニヤッとさせられます。

『アナベル・リイ』小池真理子

“愛”が幽霊になる。静かにまとわりつく湿度系ホラー

舞台女優を夢見る少女・千佳代に異様に愛される主人公・悦子。
千佳代が若くして亡くなった後、悦子の周囲で不穏が始まる——。
化け物が出るタイプじゃなく、感情の執着がじわじわ現世を侵す怖さ
文章が美しいほど、ホラーの温度が下がって余計に怖い…そんな一冊です。

『長野まゆみの偏愛耽美作品集』長野まゆみ

“耽美の入口”がこの一冊に。偏愛で編まれた近代文学ガイド

長野まゆみが学生時代にハマった作品を集めた短編集的アンソロジー。
三島由紀夫や谷崎潤一郎など、普段なかなか踏み込みにくい近代文学が、コメント付きでスッと入ってくるのが魅力。
「ここから勉強していけそう」と思える、偏愛の入門書。

『此の世の果ての殺人』荒木あかね

地球滅亡カウントダウン中に死体発見。なのに“解決したい”特殊設定ミステリ

小惑星衝突で“世界が終わる”と確定した状況で、なぜ今さら殺人を?
教習所に通う主人公と、元刑事の教官がバディになって真相を追う展開が新鮮。
極限状況×日常(教習所)のミスマッチがクセになります。

『本心』平野啓一郎

VRで“亡き母”を再現したら、心の輪郭が揺らぎ始める近未来長編

2040年頃の近未来。亡くなった母を、SNSや記録からAIで再構築し“会える”世界。
母は本当に母なのか? 人格はどこにあるのか? そして母の“本心”とは?
AI、安楽死、社会制度まで、一冊にテーマが詰め込まれた濃厚作なのに、ガッと読めるタイプ。

『掬えば手には』瀬尾まいこ

心が読める青年が、読めない相手に出会ったとき—優しさでほどける物語

他人の心が“なんとなく”読めてしまう大学生・匠。
でもバイト先に来た彼女だけは、心が読めない。さらに“謎の声”まで聞こえ始める…。
人付き合いの不器用さを、瀬尾まいこの視線で柔らかく包む浄化系。

『レペゼン母』宇野碧

お母ちゃん、MCバトル参戦。息子とラップで殴り合い、でも愛が残る

ラップに興味ゼロだった母・明子が、息子の彼女の付き添いで現場へ→まさかの出場。
男社会のヒップホップ界隈で、女性が舐められる理不尽にブチ切れ、言葉で戦う。
“あったかい”よりバイブスぶち上げ系の熱さで、読後に元気が残ります。

『変愛小説集 日本作家編』岸本佐知子

恋愛至上主義に「それ本当?」を投げる、“変な愛”のアンソロジー

“愛しすぎて変になった人たち”が主役の短編がずらり。
変だけど、たしかにある。笑えるのに、ちょっと刺さる。
恋愛の型を外したところに、むしろ本音が見える一冊です。

『汝、星のごとく』凪良ゆう

“まとも”って誰が決める? 島で始まった二人の人生が、痛いほど現実に届く

瀬戸内の島から始まる、長い時間を描く物語。
恋愛だけで片づけられない、男女差、生き方、関係性の“外野の声”——
その全部を受けながら、それでも自分の道を選ぶ強さが胸に残ります。
あかりんが「何度でも読み返したい」と言うのも納得の大作。

読書で得られるキュンがあります

『さむくなってきたね!恋愛したくなる本3選〜!』💗💗

秋も終盤、空気がひんやりしてくると——
ふと「誰かと一緒にいたいな」って気持ちが芽を出す季節。

今回はあかりんプレゼンツで、ちゃんとキュンキュンできる恋愛小説を3冊セレクト!
“胸があったまる同居ラブ”から、“京都で暴走する片想い”、そして“14歳のまっすぐすぎる遠距離恋”まで。
読めばきっと、恋愛のスイッチが入ります💘

『植物図鑑』有川浩

拾ったのは、家事スキル満点の“いい男”でした。

疲れて帰宅した夜、ゴミ捨て場で行き倒れていた青年が一言。
「お嬢さん、僕を拾ってくれませんか。噛みません。しつけのできた良い子です」
——そんな反則級の出会いから始まる、突然の同居生活ラブストーリー

相手の青年・樹くんは料理も家事も完璧、しかも植物に詳しく、
道ばたの草花(つくし、たんぽぽ…)を摘んでは“おいしい暮らし”を教えてくれる。
恋が深まっていくのと一緒に、主人公の生活も心も整っていくのが気持ちいい一冊。

ときめきだけじゃなく、少しのほろ苦さもあるからこそ、何度でも読み返したくなる“恋愛の定番”です。

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

恋は追いかけたっていい。“偶然を装う”作戦が可愛すぎる!

舞台は京都。主人公の「先輩」は、後輩の“黒髪の乙女”に一目惚れ。
でも正面から誘えない。そこで繰り出すのが——

「ナカメ作戦(ナ=なるべく カ=彼女の メ=目に留まる)」
古本市など、乙女の行き先を読み切って待ち構え、
「いや、たまたま通りかかっただけだから…」を何度も繰り返す姿が、ギリギリで最高に愛おしい。

恋に必死な一人称の熱量がそのまま伝染して、
読み終わるころには「恋って、楽しい!」って気持ちにさせられる一冊です。

『十四歳の遠距離恋愛』嶽本野ばら

14歳の恋は、全部が本気。だから眩しくて泣ける。

主人公は、ロリータ服が大好きな14歳の女の子。
周りに茶化されても、自分の「好き」を曲げない彼女を守ってくれたのが、同級生の藤森くん。
ちょっと不器用で、めちゃくちゃバンカラ、でも真っ直ぐにかっこいい。

付き合い始めたふたりのデートは、豪華じゃない。
ソフトクリームを分け合うだけ、みたいな小さな時間が、
なぜこんなにキラキラして見えるんだろう——。

大人になると忘れがちな「好き」の初期衝動や、あの頃の本気の感情を、まるごと思い出させてくれる作品。
初心に帰りたい時、心を柔らかくしたい時に効きます。

書き出しの名文を紹介します【6選】

『決めろ!!スタートダッシュ!好きな書き出しpart3〜〜〜!』✒️🗒

大人気企画「好きな書き出し」第3弾!
“最初の1行”だけで心を持っていかれる本って、確かにある。

今回は、たくみ&あかりんが それぞれ3冊ずつ
「読んだ瞬間に勝ち確だった書き出し」を持ち寄ってプレゼン!

読書って、最初の一文で“運命”が決まることがあるんだな…と実感する回でした。

『音楽が鳴りやんだら』高橋弘希

窓から差す淡い陽光の中に、その玩具のピアノを見た記憶がある。
きっと昼下がりのことだったのだろう。

引用 『音楽が鳴りやんだら』高橋弘希 / 文藝春秋

淡い陽光、玩具のピアノ、昼下がり。
たった数行で、幼い頃の“音”と“記憶”が立ち上がる美しい書き出し。

「何があったのか」より先に、
“この文章をもっと浴びたい”と思わせるタイプで、読ませる力が強い。
静かな導入なのに、確実に心を掴む一冊です。

『道化むさぼる揚羽の夢の』金子薫

蛹の形の拘束具に閉じ込められ、天野正一は
夢を見るばかりと成り果てた。

引用 『道化むさぼる揚羽の夢の』金子薫 / 新潮社

“蛹の形の拘束具”という言葉の時点で、もうただ事じゃない。
閉じ込められ、夢を見るしかない人物から始まることで、
読者は瞬時に「なぜ?どうして?」の渦へ放り込まれる。

美しい語感と不穏さが同居した書き出しで、
作品全体の空気を一撃で伝えてくるのが強烈。

『ハーモニー』伊藤計劃

いまから語るのは、
<declaration:calulation>
<pls:敗残者の物語>
<pls:脱走者の物語>
<eql:つまりわたし>
</declaration>

引用 『ハーモニー』伊藤計劃 / 早川書房

最初の数行で、語り手の立ち位置がバシッと決まる。
さらにこの作品、ページの見た目(レイアウト)まで含めて“書き出し”が完成しているのが痺れるポイント。

ディストピアSFらしい冷たさと、
「私は何から脱走したのか?」という引きが同時に走り出す導入で、
スタートダッシュの破壊力はトップクラス。

【全6冊】本屋で何を買うか悩んでいるあなたへ【2022年12月】

「最近読んだ6冊!ジャンルレス!!」🎉🎉

恒例の人気企画「最近読んだ本」!
今回はあかりん3冊+たくみさん3冊で、文芸誌・ラノベ・ミステリ・ノンフィクションまで全部盛りの“ジャンルレス回”でした。

『あなたへの挑戦状』阿津川辰海、斜線堂有紀

「ネタバレ厳禁」に“挑戦状”まで付いてくる遊び心ミステリ

同世代の実力派2人が、“挑戦状”をテーマに競い合うように物語を収録した贅沢な1冊。
しかも挑戦状が袋とじで入っているという仕掛けつきで、読む前からテンションが上がる!
ミステリ好きの「参加したい欲」をくすぐる、イベント型の読書体験です。

小説から摂取できる笑いがあります

『思わず笑ってしまう本3選〜〜!!』😊😆😙

読んでいる最中に、つい口元がゆるむ。
そんな“笑いのツボが違う3冊”を、あかりんがセレクト!
「小説で笑わせるのって難しい」——その前提を軽々超える、“ほっこり系”から“妄想系”、そして“文章でボケ倒す”短編集まで揃った回でした。

『ネネコさんの動物写真館』角野栄子

▶ ペット写真館に集まる“変なお客さん”に、ふふっとなる短編集

『魔女の宅急便』シリーズで知られる、児童文学界のレジェンド・角野栄子さんが描く“大人向け”の一冊。
主人公は29歳のネネコさん。亡き母の写真館を継ぎ、「ペットの写真を撮る写真館」を営んでいます。

本作は、写真館にやってくる飼い主たちのエピソードが短編で連なる構成(14編収録)。
ただし来るのは、犬猫だけじゃない…!
「僕とキリンの写真撮って」と言う少年が現れたり、依頼主がどこかズレていたり。
その“ズレ”が不思議にあたたかくて、爆笑ではなく、ほっこり笑いがじわじわ来ます。

最近疲れて「笑ってないかも…」という人に、静かに効く一冊。

『妄想科学小説』赤瀬川原平

▶ “科学どこ行った?”が最高の褒め言葉。妄想が暴走する超短編の山

前衛芸術家として名高く、「超芸術トマソン」の名付け親としても知られる赤瀬川原平さん。
実は小説も書いていて、別名義でも活動し、芥川賞まで獲った…という異才っぷり。

本作は、35編ほどの超短編がぎゅっと詰まった短編集。
内容は、“妄想してたら面白いところへ行っちゃった”みたいな話が次々出てきます。

  • 蕎麦屋で永遠に迷う優柔不断な男(ほぼ悩んでるだけ)
  • 家(吉祥寺)と風呂(中野)が離れている男が「じゃあ廊下も借りたい」と不動産屋へ行く

理屈が通ってるようで通ってない世界観がクセになる!
1話が短いので、読書リハビリにもおすすめです。

『独創短編シリーズ 野﨑まど劇場』著者:野﨑まど、イラスト:森井しづき

▶ 小説で“フリップ芸”をやり切る。文字と図版でボケ倒す短編集

「小説で笑わせるのは難しい」論争に、あかりんが“圧勝の回答”として持ってきたのがこれ。
野﨑まどさんの、ふざけの限界値みたいな短編集です。

プロ棋士の対局に、なぜかハムスターが乱入。
活字の配置でガンマンの撃ち合いを表現する“タイプグラフィー的”な短編など、
文字そのものをギャグ装置にしてくるのが強烈。
「今なにが起きてるの!?」と思いながら笑ってしまう、“読書で新春みたいな気分になる”一冊です。

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あかりん紹介 2021年:79作品

ぜんよみ
ぜんよみ

2021年にあかりんが動画で紹介した作品は83作品
重複している👇4作品は1作品としてカウント。

何度も紹介しているのはあかりんの思い入れの強さもあるのかも?!

  1. オルタネート
  2. 52ヘルツのクジラたち
  3. テスカトリポカ
  4. シブヤで目覚めて

【2021年本屋大賞】ノミネート作品全て紹介します【10作品】

書店員が「いちばん売りたい本」を選ぶ本屋大賞。
今回は2021年の最終候補作品10冊を、実際に全部読んだあかりんが解説📖✨

「どれ読めばいいの?」と迷っている方にもピッタリな回です!

『犬がいた季節』伊吹有喜

▶青春と時代が交差する、胸がじんわり温かくなる群像劇

舞台はある高校。そこに現れた一匹の犬を軸に、複数の時代の高校生の青春を描いた連作作品。
時代が変わっても変わらない悩みや胸の高鳴りが詰まっていて、とても優しい読後感。

読後、カバーをめくるとまた泣ける…!

『お探し物は図書室まで』青山美智子

▶「本」が人生をそっと後押ししてくれる優しい一冊

町の小さな図書室が舞台。人生に迷う人たちが訪れ、司書さんが思いもよらない一冊を手渡すことでそれぞれ前に進んでいく物語。

🌟ポイント
✔ 本好きにはたまらない温度感
✔ “司書さん”のキャラが魅力的で会いたくなる
✔ 読み終わったら本屋へ走りたくなる一冊

『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)

▶“推し”に依存する少女の生きづらさと救済

“推し”を生きがいにする少女・あかりが主人公。
炎上で推しを失った時、彼女の世界はどう変わるのか。
「推すとは」「応援とは」を突き刺す作品。

🌟ポイント
✔ SNS時代の“推し文化”を鮮烈に描写
✔ 芥川賞受賞作としても話題
✔ 推しがいる人なら間違いなく刺さる

『オルタネート』(加藤シゲアキ)

▶令和の高校生を鮮やかに描く青春群像劇

高校生限定SNS「オルタネート」が普及した社会で、複数の高校生が交錯する群像劇。
みずみずしさとリアルな痛みが詰まった青春作品。

🌟ポイント
✔ SNS世代の繊細な孤独感
✔ “もし当時あったら…”と思わず考える
✔ ラストの余韻がすごい

『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎)

▶子ども視点で描かれる理不尽への“反撃”

“理不尽に抗う小学生”の視点が描かれる短編集。
「大人は勝手に決めつける」—そこへの小学生たちのロジカルな逆転が爽快。

🌟ポイント
✔ 子どもの視点がリアルで痛快
✔ 読後にニヤッとする面白さ
✔ 伊坂作品らしい軽妙さ

『この本を盗む者は』(深緑野分)

▶本の世界へ飛び込むビブリオ・ファンタジー

“本の街”と呼ばれる場所で起きた謎の盗難事件。
失われた本に触れると、本の世界に入り込んでしまう…というファンタジー寄りの物語。

🌟ポイント
✔ “本の中に入りたい”という夢を形にした世界観
✔ ミステリー×ファンタジーの絶妙なバランス
✔ 本好きには刺さりすぎる設定

『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ)

▶世界一孤独な“52ヘルツの声”をめぐる再生の物語

周囲とは違う周波数で鳴く“世界一孤独なクジラ”をモチーフに、孤独な女性と少年の再生を描く感動作。

🌟ポイント
✔ 切なくも希望のあるストーリー
✔ 「声はきっと誰かに届く」というメッセージ
✔ 涙腺崩壊系、読後に救われる

『自転しながら公転する』(山本文緒)

▶アラサーのリアルな人生を映す恋愛×介護×仕事小説

32歳女性がUターンしアパレル店で働きながら恋愛や家族、介護と向き合う日々を描くリアルなアラサー小説。

🌟ポイント
✔ アラサー女子に刺さる“生活のリアル”
✔ タイトルの意味が胸にくる
✔ 読後じんわり前向きになる

『八月の銀の雪』(伊与原新)

▶科学の“真実”が人の心をじんわり救う連作短編集

理学博士の作者による、科学の“真実”が人を救う連作短編集。
どの話も人間の人生に科学がそっと寄り添う温かさがある。

🌟ポイント
✔ 科学×人間ドラマの新鮮さ
✔ 博物館が舞台の話が特に印象的
✔ “地球で生きること”を見つめ直せる一冊

『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう)

▶滅亡1ヶ月前、人は何を大切にするのか

「1ヶ月後に隕石で地球滅亡」が確定した世界で、人々が何を選び、誰を守り、どう生きるかを描く連作短編集。

🌟ポイント
✔ 2020本屋大賞受賞作家の最新作
✔ 絶望の中でも光る“生の肯定”
✔ 人間の温度がリアルで苦しくて優しい

【全5冊】最近読んでいる本を紹介します【2021年6月】

ほんタメMC陣が「最近読んだ本」をご紹介!
本好きふたりは普段どんな本を読んでいるのか?
気になるラインナップはこちら📖✨

『テスカトリポカ』佐藤究

▶闇社会を駆け抜ける圧巻のクライムノベル

メキシコで麻薬売人として生きるバルミロと、
日本で人身売買の闇に巻き込まれていく少年・コシモ。
「臓器ビジネス」を軸に、国境と価値観が交錯する重厚な物語。
暴力・信仰・金が剥き出しの世界なのに、圧倒的な疾走感と文学性で読ませる一冊!

『しつこく わるい食べもの』千早茜

▶食欲と欲望をめぐる等身大エッセイ

作家・千早茜が綴る、食べることへの“愛と執着”。
パフェを食べるこだわり、炊飯器の大事さを問うエッセイなど…
日常の食にある密やかな幸福を、鋭さとユーモアで書き上げたエッセイ集。
コロナ禍の食の風景も描かれ、食と生活の距離が変わった今こそ沁みる一冊です。

『正欲』朝井リョウ

▶“正しさ”が揺らぐ、価値観の核心を突く問題作

性やアイデンティティを巡る複数視点の群像劇。
「自分にとっての正しさ」と「社会にとっての正しさ」が
噛み合わないことの痛みが、静かに突き刺さる。
内容はPOPから一切伝えられず、読者に委ねる潔さも印象的。
読後の会話が生まれるタイプの一冊です。

小説1000冊読んだ私が選ぶ「涙腺崩壊」ベスト3

MCあかりんがセレクトした
「涙腺崩壊ベスト3」がテーマ!
“眼球サハラ砂漠説”のたくみさんも思わず興味津々の、泣ける小説をご紹介します😭✨

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

▶“家族”の定義がやさしく塗り替えられる、血縁を超えた成長物語

血のつながらない親たちのもとを“リレー”されてきた少女・優子の17年を描く物語。
一見「かわいそう」に見える境遇が、じつは誰よりも愛され続けた時間だったことが少しずつ明らかになっていきます。
家族とは何か、親子とは何か――その答えが、温かい涙とともに胸に残る一冊です。

『ライオンのおやつ』小川糸

▶人生最後の「おやつ」が、記憶と優しさを呼び起こす瀬戸内ホスピス小説

余命宣告を受けた女性が、瀬戸内海のホスピス「ライオンの家」で過ごす“最後の時間”を描いた物語。
入居者が「人生最後に食べたいおやつ」を選び、その味からそれぞれの記憶や大切な人が立ち上がってきます。
死を見つめながらも、いまをどう生きたいかを静かに問いかけてくれる、やさしくて切ない物語です。

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

▶世界にひとりぼっちだと思っていた心が、誰かと響き合うまでの物語

孤独を選んで生きてきた女性と、虐待されてきた少年が出会い、少しずつ“生きていく力”を取り戻していく物語。
誰にも届かないと感じていた声が、ある日ふと誰かに届く――そんな一瞬を「魂の番(つがい)」という言葉で描き出します。
傷だらけでも、人は人に救われる。読み終わったあと、そっと誰かを思い出したくなる一冊です。

【全10冊】小説1000冊読んだ私が最近読んだ本【2021年6月】

あかりんが「最近読んだ本」10冊を一気にご紹介する回 📚✨

ミステリ・SF・韓国文学・チェコ文学・エッセイに建築本まで、
ジャンルもテーマもバラバラなのに、「人が生きる世界」をじっくり見つめる作品ばかり。
動画では、あかりんの体験や感情も交えながら、どっさり熱量たっぷりで語られています🔥

『東京ディストピア日記』桜庭一樹

コロナ禍の「日常が壊れていく瞬間」を、作家の目線で克明に記録した日記

2020年1月から2021年1月までの1年を綴った、桜庭一樹さんのリアルな日記。
新型コロナウイルスが日本に入ってきた頃の「不安」と、じわじわと日常が変質していく感覚、
やがて「マスク生活」が当たり前になっていくまでの流れが、細やかな筆致で描かれます。
歴史教科書には載らない、市井の人の体感としての“もう一つの歴史書”のような一冊です。

『蝉かえる』櫻田智也

昆虫好き青年が謎を解く、優しさとほろ苦さを兼ね備えた本格ミステリ連作

昆虫が大好きな青年・エリ沢泉が主人公の連作短篇ミステリ。
各話に登場する虫たちの生態が、事件の謎やトリックと巧みに結びついていきます。
「昆虫ミステリ」というとニッチに見えますが、人の心情や背景もしっかり描かれていて、
読み終わると胸がきゅっとなる物語が詰まった一冊です。

『イデアの影 -The shadow of Ideas』森博嗣

出会った男はなぜみんな死ぬのか? 美しい謎と哲学が同居する物語

美しい女性と出会った男たちが、次々と死んでいく──。
彼らは“呪われた”のか、それとも彼女が“狂っている”のか。
単なるミステリではなく、繊細な男性たちの内面や、
「生と死」「人と人の出会い」を哲学的なニュアンスで掘り下げていく一冊です。
じんわりと心に残る、不思議な読後感が味わえます。

『NOVA 2021年夏号』編:大森望

日本作家だけでここまで広がる! SFの“面白さ”を詰め込んだ短篇アンソロジー

SF作家たちの短篇を集めたアンソロジーシリーズ「NOVA」の1冊。
宇宙空間のコロニーで過ごす宇宙飛行士のクリスマスなど、
「これぞSF!」という設定ながら、どれも物語として読みやすく、
“SFはむずかしそう…”という人にも入り口としてぴったりです。
日本人作家のみのラインナップなので、空気感もどこか親しみやすい一冊。

『世界の果て、彼女』キム・ヨンス / クオン

小さな世界で揺れる心を描く、しっとり切ない韓国発・連作短篇集

家族から逃げたい、仕事がしんどい、恋愛に迷う…。
人と人との関わりに悩む人々を描いた、韓国文学の連作短篇集です。
タイトル作「世界の果て、彼女」では、ごく小さな世界で生きる恋人たちの物語が
静かで、でも胸に刺さる切なさとともに描かれます。
日本の小説とも通じるしっとりとした空気感で、韓国文学入門にもおすすめ。

『もう死んでいる十二人の女たちと』パク・ソルメ

理不尽さと暴力が漂う世界を、独特の文体で切り取る挑戦的な一冊

福島第一原発事故や女性殺人事件など、
現代社会の「痛み」や「理不尽さ」を背景に描く韓国の作家・パク・ソルメの短篇集。
冒頭の短篇では、カラオケ店で起きる理不尽すぎる暴力の場面が描かれ、
読む側の心もざらりと削られます。
主語と述語がずれたり、突然文が途切れたりする独特の文体を、
訳者が全力で再現しており、その“読み味”にいつの間にかハマってしまう作品です。

『シブヤで目覚めて』アンナ・ツィマ

プラハから見た“シブヤ”と日本文学。迷宮都市をめぐる冒険×ラブストーリー

チェコの人気作家アンナ・ツィマが、日本を舞台に描いた“ジャパネスク小説”。
日本文学を専攻するプラハの大学生としてのヤナと、かつて渋谷で迷子になった少女時代のヤナ──
二つの時間軸が交差しながら、渋谷という街の迷宮性と
日本文化への熱い愛情が描かれていきます。
日本人の目線とも、外国人の目線とも少し違う「異国から見たシブヤ」が新鮮で、
物語としても冒険・ロマンス・ミステリアスさが詰まった一冊です。

『空芯手帳』八木詠美

「妊娠している」と嘘をついた女性の、追い詰められた心を描く衝撃作

職場でふと「妊娠している」と口にしてしまった女性。
実際には妊娠していないのに、その“嘘”をきっかけに周囲の態度は変わり、
自分自身も嘘を積み重ねていくうちに、「本当」と「嘘」の境目が揺らいでいきます。
会社での立場や、女性であることへのプレッシャーなど、
読む人の性別や経験によって、受け取り方が大きく変わりそうな一冊。
「この主人公はただおかしい」と切り捨てられない、ギリギリのリアルがここにあります。

『この場所であなたの名前を呼んだ』加藤千恵

NICU(新生児集中治療室)を舞台に、命と向き合う人たちを描く連作短篇

新生児集中治療室(NICU)をテーマにした連作短篇集。
小さな体で懸命に生きようとする赤ちゃんと、その命を守ろうとする
医師・看護師・家族たちの姿が描かれます。
NICUというと「自分には遠い世界」と感じがちですが、
いつか誰にでも関わり得る場所でもあることを、
物語を通してそっと教えてくれるような一冊。
命と向き合う人たちのまなざしが胸に迫ります。

『お姫様と名建築』嶽本野ばら

世界のお姫様とお城をめぐる、“歴史と建築”の夢のような図鑑エッセイ

世界各地のお姫様と、彼女たちが暮らした城・宮殿・城塞都市を紹介する一冊。
マリー・アントワネットやエリザベートといった有名なお姫様はもちろん、
なんと物語は推古天皇と法隆寺からスタート!
歴史が苦手でも、お姫様のエピソードと建築の背景がセットで語られるので、
物語を追うようにスッと頭に入ってきます。
ロリータブランド「Emily Temple cute」のデザイナーでもあるayumiさんによる
描き下ろしイラストもたっぷりで、眺めているだけでも幸せになれる一冊です。

【第165回】芥川賞候補作を全て読んで紹介します【全5冊】

純文学ガチ勢・あかりんが“芥川賞”候補作の魅力をアツく解説!!

芥川賞は、日本の文壇で最も知られる文学賞の一つ。
「純文学」の中でも、短編を中心に文芸誌に掲載された作品が対象で、
今回で 第165回 を迎えます。

今回は候補作5作品をピックアップ📘
作品のテーマや読み心地をあかりん視点で解説します!

『貝に続く場所にて』石沢麻依

“震災の記憶”と“パンデミックの現在”をつなぐ、追憶と喪失の物語。

新型コロナによる分断と、東日本大震災で失われたものを重ねながら、
「残された人間の記憶」と「ものに宿る気配」を丁寧に描く作品。

距離・記憶・他者との隔たりという抽象テーマを、
文章の密度と構造で体感させるタイプの純文学で、
読後に“静かな余韻”が残る一冊。

『氷柱の声』くどうれいん

震災を巡る“語れなさと語らなさ”——生き延びた者の重さを描く。

東日本大震災を経た人々の視点を描くが、
“派手な悲劇の語り”ではなく、
「生き残ったこと」への罪悪感や、
距離がある者の戸惑いなど、リアルな温度差を扱うのが特徴。

「経験した/していない」の境界で揺れる感情に共感が走り、
静かで強い読後感を残す作品。

『水たまりで息をする』高瀬隼子

壊れていく“日常”を内面から描く、息苦しくも美しい心理小説。

夫が突然シャワーを浴びられなくなったことをきっかけに、
ほころび始める夫婦の日常。
事件の“解決”ではなく、
心の水位がじわじわ上がっていく様子を描くのが純文学的。

タイトル通り、読む側も息が浅くなるような体感があり、
夫への理解不能さと愛情の混ざり合う“内側”を追いかける作品。

『オーバーヒート』千葉雅也

SNS時代の自己像と世界への違和感を描く、現代的純文学。

大学教授でもある主人公の内面を通し、
SNSでの承認、日常のモヤ、外界への反応など、
“外的刺激に対する内面の熱量”が丁寧に描写される。

SNS・他者・自分という現代的テーマを扱いながら、
純文学らしい思想性も強い作品。

『彼岸花が咲く島』李琴峰

3つの言語が交錯する、“言語の純文学”。

「ニホン語」+「女語(じょご)」+「ひものとことば」が作中で混ざり、
物語を読み解くと同時に“言語そのもの”を楽しむ構造。

記憶喪失の少女を軸に、
言語学的な面白さと、小さな謎解き的な仕掛けがあり、
世界設定の綻びが後から繋がってくるタイプ。

“言葉の純文学”が好きな人は間違いなく響く一冊。

「ほんタメ文学賞2021年上半期」

ほんタメMC、たくみさんあかりんが、
2021年1〜6月に発売された新刊の中から独断で候補作を選出!

それぞれの部門ごとに候補3冊 → 大賞1冊を決定する特別企画が開催されました ✨

あかりん部門 大賞🏆『ひきなみ』千早茜

▶“女であること”を引き受ける、揺れる少女期の物語

家庭の事情で島へ移り住んだ少女を中心に、女性性・孤独・傷つきやすさを描く一冊。
“闘わなくていい”というメッセージが流れ、読者の心をそっとほどく。
千早茜らしい痛みと優しさが共存する良作。

『シブヤで目覚めて』アンナ・ツィマ

プラハから見た“シブヤ”と日本文学。迷宮都市をめぐる冒険×ラブストーリー

日本文化を愛する女子大生が、謎多き作家の行方を追う“冒険”と、
高校時代の渋谷での事件を同時進行で描くエンタメ小説。
ラブロマンス・冒険活劇が混ざり合う新鮮な読書体験が魅力。

『ブラザーズ・ブラジャー』佐原ひかり

▶多様性を描きながら“理解しなきゃ”を疑う青春小説

新しい家族となる“義理の弟”との関係を軸に、性・違和感・他者理解を描く作品。
繊細さとユーモアを持ちつつ、多様性を巡る社会の“押し付け感”にも切り込む。
読後は人を扱う距離感が変わる一冊。

【第165回】直木賞候補作を全て読んで紹介します【全5冊】

あかりんが直木賞候補作をすべて紹介してくれる回です。
今回紹介するのは第165回直木賞候補作に選出された5作品。それぞれ作風もテーマもまったく異なる力作揃いです。

『スモールワールズ』一穂ミチ

短編集で、様々な人物の内面や“隠している弱さ”が丁寧に描かれる作品。
一穂ミチさんといえば繊細な心理描写が強みで、本作でもその魅力が存分に発揮されています。
BLジャンルで活動していた著者が一般文芸へ踏み込んだことで話題に。
感情の機微や小さな痛みを言語化する力が素晴らしく、「人間の悪さ」や“心の裏側”を綺麗に描いた短編集です。

『おれたちの歌をうたえ』呉勝浩

“大河ミステリー”とも呼ばれる重厚な作品。
昭和→平成→令和の三つの時代をまたいで描かれる壮大な物語で、少年時代の事件に囚われながら生き続ける主人公の人生がテーマ。
「若い世代に語り継ぐ」という軸があり、世代間の継承や文学の存在意義までに踏み込んだ読み応えある一冊。
ボリュームは約600ページと分厚いですが、一度読み始めると引き込まれる重厚な作品です。

『テスカトリポカ』佐藤究

心臓密売を巡る“クライムサスペンス”。
悪い男たちが自分の信念のために悪を貫く姿がとにかく魅力的で、暴力や犯罪描写がありながらもどこか爽快感がある作品。
「表紙が怖い」「内容が難しそう」という人でも、一度読み始めれば物語の力に押されて読み進めてしまうはず。
悪に惹かれる瞬間がある、そんな作品。

『星落ちて、なお』澤田瞳子

幕末〜明治の絵師・河鍋暁斎の残された娘のとよ(暁翠)を描く一代記。
女性として生きるか、画家として生きるか──
時代の転換期で揺れる価値観の中を強く生きる姿が印象的。
歴史物ですが明治という比較的想像しやすい時代のため読みやすさもあり、女性史や美術に興味がある人にもおすすめです。
澤田さんは今回直木賞候補5回目という実力派。

『高瀬庄左衛門御留書』砂原浩太朗

一見渋くて遠ざけがちな時代小説。しかし中身は“静かな美しさ”に満ちています。
50手前の武士・高瀬庄左衛門の人生を淡々と描く作品で、大事件が起こるわけではなく、彼の静かな日常と人生の余白が丁寧に書かれます。
妻や息子を失い、残された家族と関係を続けながら淡々と生きる姿が胸を打ちます。
丁寧な筆致で、蕎麦や塩むすびなどの食描写も魅力。読むと蕎麦が食べたくなる。

珠川こおり先生と「共感ゲーム」してみた【檸檬先生】

小説『檸檬先生』紹介 & 著者インタビュー企画

書店でも大きな話題となっている小説 『檸檬先生』(著:珠川こおり) について、著者ご本人との“共感ゲーム”付きでお届けします!

『檸檬先生』珠川こおり

▶色づく世界と、うまく馴染めない心が出会う共感覚青春小説

小3の男の子と、中学生の女の子──
「共感覚」という特別な感性を持つ2人が出会い、
自分だけに見えてしまう“色”と、周りと噛み合わない“痛み”と向き合っていく物語。
爽やかな青春だけでなく、理解されない孤独や息苦しさまでまっすぐに描き出す。
世界の見え方も、人との距離感も、少しだけ違って見えてくる一冊です。

読書感想文にピッタリな本を6冊紹介します

夏休みといえば宿題…その中でも頭を悩ませるのが 「読書感想文」
「何を読めばいいかわからない!」「書きやすい本ってどれ?」という学生さんに向けて、
ほんタメMCのあかりん&たくみさんが おすすめ本を6冊ピックアップ

『オルタネート』加藤シゲアキ

青春דマッチングアプリ”×高校生 の群像劇。

高校生限定アプリ“オルタネート”を軸に3人の主人公の青春が交差。
登場人物の感情に共感しやすく、感想文が書きやすいのがポイント。
✏️ 青春の価値観、自分との比較、共感ポイントを広げやすい作品。

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

▶ 恋に落ちた“先輩”が黒髪の乙女を追いかけ京都の夜を駆け巡る物語。

人との“縁”が大きなテーマで、読後の世界観も独特。
✏️作品の面白さ+自分にとっての「縁」を絡めて書くと◎

『人間失格』太宰治

▶ 心を閉ざしながら生きる主人公“葉蔵”の半生を描いた名作。

難しい印象だが、自分の中の“仮面”や“生きづらさ”と重ねられる部分が多く、
読書感想文として書くと深みが出る一本。
✏️薄くて読みやすい文庫もあり、挑戦作品としても人気。

読書マニアが最近読んだ5冊【2021年9月】

『あかりんが最近読んだ本5冊』をご紹介 📚
文庫や単行本のみならず文芸誌まで…🔥たっぷり解説!

『エラー』山下紘加

大食いクイーンとして人気を集める女性の裏側を描いた作品。
努力・ストイックさ・身体性を、文学的なタッチで鋭く表現。
“食べることの快楽”とは遠く、追い込まれるような感覚が印象的。

キャッチーな題材×純文学としての深みが両立した一冊。

『Phantom』羽田圭介

仕事に不安を抱える女性が“株”にハマり、一方で恋人は“オンラインサロン”に傾倒。
現代的な価値観・お金・承認欲求・正しさが交錯する物語。

「何が正しいのか?」
「未来に必要なものは何なのか?」
と問いかけられる社会派エンタメ。

令和の空気を切り取ったリアルな一冊。

『武士とジェントルマン』榎田ユウリ

現代日本に“武士”と“ジェントルマン”が存在したら…?
という設定で描かれる異文化交流ロマンス。

価値観の違う二人が交流することで生まれる、
笑い・涙・気づきが詰まった物語。

文章が読みやすく、
「笑って泣けるエンタメ小説」としても優秀。

『あなたにオススメの』本谷有希子

短編2本を収録した一冊。
近未来SF的な視点から、“依存”や“違和感”を描く作品が多く、
日常に潜む不穏さがじわりと迫る内容。

特に1作目は
・身体にデバイスを埋め込み
・四六時中データを浴び続ける
という未来世界が舞台。

「ネット依存の末、世界はどうなるか?」
を考えさせられる良作。

本好きが最近読んだ本【2021年9月】

小説から人文書、図鑑系までジャンルレスに紹介しています。
視聴者推薦の声も多いこの企画、気になる一冊に出会えるかも…!

『感応グラン=ギニョル』空木春宵

大正〜昭和初期の浅草六区を舞台に、
“どこかが欠けた少女たち”が舞う退廃的グランギニョル劇団を描く中編集。

新人女優・美しいが心のない少女の登場を機に、劇団に奇妙な変化が…。
退廃ロマン好きには刺さる世界観。

見たくば、観ろ。
とくと観ろ。
ただし、傍観者でなどいさせはしない。
その身をもってとくと知れ。

わたし達を、憐れむな。

引用 『感応グラン=ギニョル』空木春宵 / 東京創元社

『天使と悪魔のシネマ』小野寺史宜著、カシワイイラスト

死を目前にした人間と“死神”の短い対話を描く短編集。

「最期の数分で人は何をするか?」という重いテーマなのに、
優しく寄り添う読後感が人気の秘密。
小野寺作品らしい、人の温度を感じる物語。

『岩とからあげをまちがえる』大前粟生

100本の超短編で紡がれる、不思議で優しい世界。
少女とケルベロスの物語、子どもの頃の感覚、
言葉の表面をなぞるようなポエティックさが魅力。
見返すだけで世界がちょっと楽しくなる“感性の本”。

絶対読みたくなるディストピア3選

「ディストピア」は“理想郷(ユートピア)”の対義語で、
現代社会の問題が極端に進んだことで、人間が不自由になった未来社会を描くジャンルです。

科学技術の発展、政治的支配、思想統制、健康管理など、
一見「良いこと」のようでいて、実は人を追い詰める社会が舞台になることが多く、
人間の価値観・倫理観・自由について考えさせられる作品が揃っています。

『殺人出産』村田沙耶香

舞台は「殺人出産制度」が合法化された日本。
10人の子どもを産むと、1人殺してよい権利を得られるという恐ろしく歪んだ制度が存在します。

  • 出産=称賛される行為
  • 殺人=一定条件下で正当化
  • 価値観・命の重さ・倫理観が揺さぶられる

主人公の育子は制度に疑問を抱えながら生きています。
「一生かけて殺す相手を選ぶ」かのように語られる世界観は必読。

命とは何か?殺人とは何か?
現代の価値観が激しく揺れ動く、強烈なディストピア小説です。

『ハーモニー』伊藤計劃

「大災禍(ザ・メイルストロム)」後、病気で人が死ななくなった世界
人々は「Watch Me」という健康・精神状態を常に監視される体内管理システムを装着します。

  • 病気=管理され即対処
  • 不健康=非合理
  • 逸脱=許されない
    つまり、完全な健康=美徳という思想で統制されています。

しかし少女たちは「自分の身体は自分のものか?」と疑問を抱き、
健康を監視する社会への抵抗へと向かっていきます。

科学と自由、そして“管理”の果てにある倫理
伊藤計劃ならではの哲学性が濃厚な名作です。

『るん(笑)』酉島伝法

科学より“スピリチュアル”が社会を支配してしまった近未来日本。

「病気」という言葉は“言霊が悪い”ため禁止され、
ネガティブな言葉は言い換えなければならないというルールが蔓延します。

  • 科学的根拠より精神論が優位
  • 言葉に行動を強制される社会
  • 自責と同調圧力のディストピア化

読み進めるほど
「価値観が反転した日本の怖さ」がじわじわ襲ってきます。

芸能人が書いた本を紹介します!

俳優・アイドル・お笑い芸人など、第一線で活躍する方たちが執筆した作品をピックアップ。
その完成度は“芸能人が書いた本”という枠を超え、純粋に文学作品として楽しめる名作揃い…!

『ピンクとグレー』加藤シゲアキ

NEWSのメンバーとして活動する加藤シゲアキさんによるデビュー作で、直木賞候補+本屋大賞ノミネート+吉川英治文学新人賞受賞。
幼なじみ2人の運命が芸能界に入って分かれていく様を、孤独や葛藤とともに描く圧巻の青春物語。

華やかな印象とは裏腹に、「芸能界に飲み込まれる」とはどういうことか…
その内側までえぐるように描かれており、読者に強い余韻を残す一冊。
文学作品としても高く評価され、作家・加藤シゲアキの地位を決定づけた代表作。

『累々』松井玲奈

元SKE48で小説家としても活躍する松井玲奈さんによる短編集。
一見アイドルのイメージとは異なる、
“じわりと心に刺さる人間の陰影”を描いた恋愛短編が並ぶ一冊。

パパ活・セフレ・不倫と思い作品をテーマにした作品もあり、
繊細で乾いた文体が印象的。
著者名よりも“作家の文体”が前に立つタイプ。
次作も楽しみになる実力と気配を感じさせる作品。

忘れられない書影10選

本好きなら誰もが経験ある “ジャケ買い” 。
買う予定じゃなかったのに手に取ってしまう魅惑の書影…。
今回の動画では、MC二人が インパクト強すぎる表紙デザイン を語り尽くします!

『生命式』村田沙耶香

《表紙ポイント》
キャンドル状の形状に髪がからむような独特のアート。
文化×死×身体性を思わせる強烈なイメージで“村田ワールド全開”。

『桜庭一樹短編集』桜庭一樹

《表紙ポイント》
現代美術家・会田誠のイラストを採用。
少女の可愛さと気味の悪さの共存が“桜庭一樹作品の世界感”とドンピシャ。

『Heaven』川上未映子 / Picador(英語版)

《表紙ポイント》
俳優を起用した写真表紙が映画のポスターのよう。
制服の2人が佇むワンショットで作品の痛みと距離感が可視化されている。

『落花生』嶽本野ばら

《表紙ポイント》
外観はシンプルながら、真紅で塗装された特殊仕様。
手触りや存在感が突出した、まさに“物体としての本”。

『イキルキス』舞城王太郎

《表紙ポイント》
表紙に穴が空いており、ハートが抜かれている特殊加工。
タイトルの文字の一部まで切り抜き加工されている凝り具合に脱帽。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』波木銅

《表紙ポイント》
緑の質感・色味が店頭で抜群に映えるビジュアル。
内容も園芸同好会で女子高生が大麻を栽培するという刺激的設定。

最近読んだ小説を一気に紹介します【2021年11月】

「あかりんの最近読んだ10冊」 を一気にご紹介する豪華フルコース企画!

ミステリからSF、純文学、児童書、絵本、雑誌まで幅広く、
あかりんが「これは語りたい!」と思った10冊をテンポよく紹介しています。

『ホワイトバグ 生存不能』安生正

“もし本当に起きたら?”と思わず震える、リアル系パニック小説。
世界のどこかで突如「猛吹雪」が訪れ、その土地にいた人々が、
体の一部がすっぱり失くなった状態で死体となって発見される不可解な事件が発生します。

なぜ「猛吹雪」が来ると人が死ぬのか?
その理由を、日本人男性が追っていくうちに明らかになる“あまりにもリアルな理由”。
読み終わったあと、タイトルの「ホワイトバグ」と雪山の装画の意味が一気につながる、
背筋が寒くなる一冊です。

『アルテミスの涙』下村敦史

妊娠するはずのない女性が妊娠していた——。
病院で起きたその“ありえない事件”の真相を追う、
医療ミステリ×命の物語。

主人公は、産婦人科医の女性。
彼女は「ロックドインシンドローム」で全身が動かせない患者と、
まばたきだけのコミュニケーションを積み重ねながら、
“彼女のお腹の子”の真実に迫っていきます。

あらすじだけ聞くとかなり重くて怖そうですが、
読み終わるころには「命の尊厳って何だろう」「正しさとは何か」を
静かに考えさせられる、深い読後感の作品です。

『日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽』中井紀夫

日本SF史の中でも重要作家・中井紀夫の短編を、
気鋭のSF作家・伴名練さんがセレクト&編纂した短編集。

タイトルにもなっている「山の上の交響楽」では、
山の上で“数千年〜一万年”かけて演奏される交響曲に人生を捧げる
オーケストラ団員たちの姿が描かれます。

現実にはありえないスケールなのに、
「それでも演奏したい」と願う人々の情熱が妙にリアルで、
SFの“ありえなさ”と“人間くささ”が絶妙に同居した一冊。
現代SF作品のオマージュ元になっている短編も多く、
「最近SFが気になっている」という方におすすめの入口本です。

『道化むさぼる揚羽の夢の』金子薫

分野横断の新人賞「野間文芸新人賞受賞」金子薫のディストピア小説。
タイトルのインパクトに惹かれて手に取ったというあかりんが、
「読んでいる間ずっと苦しくて、でも目が離せない」と語る一冊です。

物語は、男が“蛹(さなぎ)のようなカプセル”の中で目を覚ますところから始まります。
出ることもできず、どれくらいそこにいなければならないかもわからない。
やっと外に出られたと思ったら、今度は意味もわからないまま
“鉄製の蝶”を作り続けさせられる仕事に就かされ、
暴力的な上司に支配される日々が始まります。

「自由とは何か」「働くとは何か」「幸せとは何か」。
共感できる話ではないのに、主人公を通して自分の仕事や生き方を
つい見つめ直してしまう、苦さの残るディストピアです。

『ロイヤルシアターの幽霊たち』ジェラルディン・マコックラン著

寂れた海辺の町の劇場「ロイヤルシアター」を舞台にした児童文学。
かつて舞台に立っていた人々の幽霊たちが、
ひっそりと劇場に住み着いているところへ、
劇場をリニューアルしにやって来た一家と少女が現れます。

幽霊たちが見える少女と、劇場に棲む幽霊たち。
2つの世界が交差する中で、
“家族とは何か”“舞台とは何か”が少しずつ浮かび上がっていきます。

児童書でありながら、
ちょっとしたどんでん返しも用意されているのがポイント。
ピクサー作品のような、子どもも大人も楽しめるハートフルなゴーストストーリーです。

『死者にこそふさわしいその場所』吉村萬壱

一つの街に暮らす、どこか“歪んだ”人々を描いた連作短編集。
徘徊癖のある妻を介護する夫、
いつもアパートの前で寝転んでいる謎の男が気になってしかたない住人…など、
少しずつズレた日常が静かに積み重なっていきます。

独特なのは、その文体。
三人称でありながら、どこか“神様視点”のような、
読んだことのない感触の語りに、
読者はずっと「居心地の悪さ」と「奇妙な心地よさ」の間を行き来させられます。

「すっきりしたくない」「むしろモゾモゾしたい」
そんな気分のときにこそ読みたい、“不快さ”が快感に変わる一冊です。

『星に仄めかされて』多和田葉子

多和田葉子による“三部作”のうちの二作目にあたる作品。
主人公は、かつて祖国を失い、自ら「パンスカ」という言語を作り出した女性。

一作目でその女性と出会った言語学者の男性は、
二作目で、パンスカ語を話す別の人物を見つけます。
しかし、その人物は決してパンツカ語を話そうとしない。
なぜ話さないのか、その理由を探る旅と滞在の記録が、本書の中核となります。

言語の不思議さ、国という概念、
そして「自分の言葉で生きる」ということについて考えさせられる一冊です。

子供の頃に影響を受けた本

子供の頃から本好きだったMCの2人が、当時強く影響を受けた本をそれぞれ3冊ずつ紹介!
「これ読んでた!」「懐かしい!」となる作品も多く、大盛り上がりの回でした✨

読書体験が人格形成や趣味の方向性に繋がるのがよく分かります…!

『ミステリーの館」へ、ようこそ 名探偵夢水清志郎事件ノート』はやみねかおる

閉ざされた館、脅迫状、密室トリック…とミステリ要素満載の1冊。途中で袋とじを開いてヒントを読む“自力で解く楽しさ”があり、
少年少女に初めて「本格推理」を体験させてくれる名作です。

袋とじ形式で謎解きができる仕掛けも当時の読者を熱狂させました!

『ダレン・シャン』ダレン・シャン

大サーカス団との出会いをきっかけに、少年ダレンが吸血鬼の世界へと踏み込む壮大なダークファンタジー。
友情と犠牲の物語で、「物語がつらいほど好きになる」タイプのシリーズ。
小・中学生でハマった人続出の名作です。

『怪盗クイーンはサーカスがお好き』はやみねかおる

性別・国籍・年齢不詳の天才怪盗“クイーン”が世界を飛び回る痛快シリーズ。
軽快な会話劇とアクション性の高さで根強い人気を誇り、
2022年には劇場OVA化も果たしたロングセラー作品です!

主人公がヤバい小説6選

今回は「ほんタメ」が選ぶ、ヤバすぎる主人公が登場する小説を6作品ご紹介!

“ヤバい”と一言で言っても、方向性はいろいろ。
読めば必ず印象に残る主人公たち(?)が揃いました!

『回転草』大前粟生

主人公はなんと“人間ではなく草”。
アメリカ西部劇に登場する、風に転がるあの「回転草」が主人公の超短編です。

有名作品に出演した“人気回転草”として扱われ、サインや握手を求められるなど…
不条理でクールな語り口に笑ってしまいつつ、妙な余韻が残る一冊。
そもそも「草が主人公」という時点でヤバい。
短く読めるのでインパクト勝負の一冊です。

『アメリカの夜』阿部和重

主人公・中山忠夫は映画学校出身のフリーター。
「春分の日生まれの自分は闇属性だ」と信じ込み、
公園でハイスピードでブランコを漕ぐ・筋トレして自己対話などの奇行を繰り返します。

“他者とは違う特別な存在”になろうと拗らせていく彼はかなりヤバい存在。
文章の読みにくさすら作品性として成立しており、
読み終わったときにようやく「これはそういう小説だ」と理解できる構造が光ります。

『地球星人』村田沙耶香

主人公・奈月は自分を“魔法少女”だと信じている少女。
喋るぬいぐるみ・ボハピピンポボピア星人のピュートに導かれ、
自身の日常を「人間工場」と思い、生きづらさを抱えます。

“普通”に従う周囲の方が狂っているように見えてくる切実さがあり、
読者の価値観を揺さぶる村田沙耶香作品の真骨頂。

著者は作家仲間から“クレイジー沙耶香”と称されることもあり、
その独特の世界観と狂気の描写は唯一無二です。

読書オタクが選ぶ純文学入門3選

「純文学」という言葉は知っていても、いざ説明しようとすると難しいもの。
本好きの間ではよく聞くジャンルですが、ミステリやエンタメ小説に比べると少し敷居の高さを感じる方も多いのではないでしょうか。

動画内であかりんが丁寧に
「純文学とはなにか?」
「最初に読むならどれ?」
わかりやすく紹介してくれます

『銃』 中村文則

▶ “暴力”に魅了される人間の内面を描くデビュー作

第34回新潮新人賞でデビューした作者の代表作のひとつ。
大学生の主人公は、道端で偶然拾った“銃”の存在感と美しさに心を奪われ、日常が静かに侵食されていく。
「いつか自分はこれを撃つのではないか」という思考に囚われながら、心の変容を追う物語。

✔内面描写の濃密さ
✔硬質でリズムのある文体
✔“人は何に魅了されるのか?”というテーマ性

銃が象徴する“暴力・衝動・誘惑”が淡々とした熱量で描かれ、
「銃でなくても人は何かに囚われる」と読者に気づかせる一冊。
純文学らしい心理・思考の深部を体感できる作品。

『コンビニ人間』 村田沙耶香

▶ “普通”の正体を問い直す、現代的で読みやすい芥川賞作

第155回芥川賞受賞、世界累計100万部超え。
30代女性・古倉恵子にとって、コンビニは唯一“普通”でいられる場所。
しかしある男性との出会いにより、
「普通とは?」「社会とは?」「生きるとは?」という問いと向き合う。

✔社会に合わせるしんどさ
✔役割の中にある安心
✔共感より“発見”が起きる読書体験

純文学初心者にもおすすめの入り口作品。
“共感できないのにわかる瞬間がある”という感想が象徴的。

『乳と卵』 川上未映子

▶ 女性三世代の“身体”と“生き方”をめぐる濃密な芥川賞作

第138回芥川賞受賞作。
小説家志望の女性のもとへ、大阪から姉と娘が訪ねてくる。
姉は「豊胸手術を受けるため」と言い、娘は反抗期ゆえ“筆談”しかしない。
女性三世代が交差し、“女性であること”をめぐる繊細なテーマが描かれる。

✔軽やかでリズミカルな関西弁の文体
✔女性の身体・年齢・性への洞察
✔年代で感想が変わる奥行き

文体は“読む”より“聴く”感覚に近い心地よさ。
身体性・成長・言語といった現代的テーマを含む必読作品。

読書オタクが最近読んだ本6選【2021年12月】

MC二人が最近読んだ本を3冊ずつ紹介してくれました👏
話題作からユニークな読み物まで、ジャンルレスに盛り沢山!

『川のほとりで羽化するぼくら』彩瀬まる

現代の生きづらさに寄り添う短編集

女性視点だけでなく、男性の“生きづらさ”にも焦点を当てた作品集。
読んでいる自分の心をそっと肯定してくれるような物語が詰まっており、「しんどさ」に触れている人の背中を押す1冊。

『甘いお酒でうがい』川嶋佳子(シソンヌじろう)

“川嶋佳子の日記”から見えるリアルと愛おしさ

シソンヌじろうさんが長年演じてきた女性“川嶋佳子”として綴った517日分の日記。
普通の日常の中の揺れやユーモアが愛おしく、舞台を知る人も知らない人も楽しめる1冊。
入手困難になるほど人気で、映画化もされ話題に。

『愛の色いろ』奥田亜希子

〈複数愛〉をテーマにしたシェアハウス恋愛小説

条件は“ポリアモリスト(複数を誠実に愛する)」であること。
複数視点で描かれる恋愛と嫉妬、価値観、新しい愛の形。
「知識では知っていたけれど、感情としては知らなかった世界」を小説で追体験できる興味深い作品。

最高すぎる小説の書き出し6選

本を開いた瞬間に目に飛び込んでくる「書き出し」。
たった数行で読者を物語へ引き込む“魔法の数行”を、
個性豊かな6作品からご紹介!

『重力ピエロ』伊坂幸太郎

「春が二階から落ちてきた。」

『重力ピエロ』伊坂幸太郎 (新潮社)

 詩的な情緒をまといつつ、家族の物語へ滑らかに繋がっていく名書き出し。

読んだ瞬間に世界観へすっと入れる伊坂作品らしさ全開。

『ミシン』嶽本野ばら

「ねぇ、君。雪が降っていますよ。

世界の終わりから出発した僕たちは、

一体、何処に向かおうとしていたのでしょうね。」

『ミシン』より 「世界の終わりという名の雑貨店」嶽本野ばら (小学館)

 難しい漢字や独特の言い回しが連続する、唯一無二の文章世界。

耽美な空気に引き込まれる快感。
最後まで読んだら意味が分かってもう一度読み返したくなる。
嶽本作品の美意識が冒頭から爆発。

『私の消滅』中村文則

「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。」

『私の消滅』中村文則 (文藝春秋)

冒頭だけで背筋がゾワッとする危険な一文。

手記形式で進む心理ミステリで、深い闇と哲学が凝縮。

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